Back || Next →
Sect.16 赤い瞳 蒼い星

冒頭、いきなりブルーの「モノローグ」に激萌え♪

「美しい少女がいた――」

実験室らしいガラスの水槽が並ぶ先をいくと、ひとつの水槽に浮かぶ長い金髪の少女。
フィシスの少女時代ということが人目でわかる。
そのフィシスをガラス越しに見つめるブルー。
めちゃくちゃかっこいい。それにきれいだ。ブルーって登場するたびいちいち綺麗だっっっ。
彼の登場するすべてのシーンがほしくなる。
瞳の優しさがたまらない。まさしく「慈しみ」の瞳。

そして、天蓋の付いたベッドの中でタロットカードをめくるフィシス。
そのカードの絵は13番目の「死神」。
それはフィシスの「処分」の決まった日だった。自身の「死」を予告してるのか。
驚くフィシスに優しい手が差し伸べられる。
まるで王子様のようなブルー。

・・・・ちょっと考えるとまだ年端もいかない少女のベッドに上がりこむ危険なお兄さん、に
なりかねませんぜ、青爺さん(爆)この時間帯は一応小学生も視聴するんですが。

ブルーは幼いフィシスの手をとり、実験棟らしきところから連れ出そうとする。
必死に駆けるフィシス。
だが追いつけない。ブルーもあせる。
そのむこうに・・・・・・

あの「テラ」の男、キース。鋭い瞳。冷たい瞳。
いつも「きれい」に表現されるブルーに対してキースはいつも「冷たい」「怖い」印象がある。
キースがフィシスをさらっていく。
遠ざかる映像。


次にブルーの美しい横顔!!(もうしびれまくり!)
ヒロインより美しいってどうよ、コレ。
それにこぼれるまた宝石のような涙のしずく・・・・・・・・ああ、もう、なんて乙女ちっくな映像処理なんだ。

Tears of Blue

なんて名前の真珠やダイヤがあれば全財産つぎ込んででも買っちまうぞ!!!!
そんだけ貴重なブルーの涙。
全編中ここだけかな????あれ?(好きな割には記憶力が・・・しっかりしろよ)

コレはブルーの見た夢
遠い日の夢。悲しく切ない夢。
ああ、少女漫画だなあ。戦略とわかっていてもまいっちゃうよ。

階段に力なくうずくまっているブルー。
そこにフィシスが訪れる。
その深紅の瞳の顔(かんばせ)を優しくつつむフィシスの手。
あのときの少女は美しい女性と成長し、ブルーを慈しむ方になっている。
つつまれるブルーの顔がとても幼く頼りなく見えたのは私だけ?

ここまでの一連のシーンで、ブルーとフィシスの関係、そして現在に至るまでの信頼関係が
色濃く描かれていてとても大好きなところです。

この二人・・・よく言われることだけど、自分は肉体関係はないと思う。
そういう下世話な関係でなく、もっと強い精神的な絆だと思う。
「僕の女神」という対象の人を抱けるか?男性諸君。
このアニメテラはキャラ同士が抱きしめあうシーンがけっこうある。
変な意味じゃなく「HUG」なんだ。感情を鎮めるため、慈しむためにHUGする。
とても美しく、切ない「HUG」。お互いのぬくもりを感じあい存在を確かめるようにHUG。
アニメキャラだが実在感が強いのはそのせいか。こういうところは大好きだ。

ブルーは耳が聞こえない※
フィシスは目が開かない。
お互いにないものを補いつつ、心の目で見つめあい、心の声で呼び合って、
一幅の絵となるような美しい関係。お互いを支えあうようにフィシスを抱きしめるブルー。

(※原作では生まれつきの難聴、あるいは加齢による難聴と解釈できる設定。
でもTVではその辺あいまいできちんと表現されていないから本当は健常なのかも??)

銀髪の青年は金の髪の少女の中の蒼い蒼い地球(テラ)を欲する。
もう自分の目では見ることのできない故郷の星を心の目で見るその切ない欲求。
この切なさが原作「地球へ…」の要でもある。

「赤い瞳」とはブルーの瞳のこと?
「蒼い星」とはテラのこと?
もしかしたら、テラの画像を抱くフィシスのこと?

二つ並べて、ということは・・・
ブルーとフィシス、ということなのかな。
この二人の出会いと別れを描いてるのかな。
だとしたら物悲しい・・・・。

「地球へ」は色々文句あるけど、出会いと別れをたくさん描いて、そのどれもが避けられなくて
物悲しくて胸きゅんで、だまされ・・・おおっと、切なくなるような気がします。


「すべてはたった一つの約束のために」

キャッチコピーには「地球をひと目見たいというブルーの願いを受け継ぐ」という意味もあるのだと思う。
原作ビイキの自分がこの16話には点が甘いのはそのへんの「切なさ」が上手く盛り込まれてるからだと思う。



「ただいま、僕の女神」
ただいま、って・・・長い眠りからさめたということなのかな・・・・。
戻ってきた、この世に。
あのまま「あっちの世界」に行っちゃったかもしれない、そんな命の灯火の消えかけていたブルー。
そのきっかけがキースの到来だなんて、皮肉。
自分が助けたフィシスと同じ出自のキース。なんという皮肉。運命のめぐり合わせ。

あああ、僕の女神・・・・僕の女神・・・・

そんなセリフ言われてみたい・・・・・(笑)
ブルーってもう犯罪的に色男。もうフィシスがうらやましい。
でもなぜか嫉妬にならない。不思議です。

フィシスが人質となり、さらわれたのは前回の話。でもジョミーが救って今ここに戻ってきた。
あろうことか、彼女はフィシスを助けようとしたブルーの攻撃からキースを無意識に守ってしまった。
逃れたキースのためにナスカには危機が訪れようとしている。
そのことを悔い、わびるフィシス。
ブルーの前で泣き崩れる。

そのフィシスを優しくささえ、決して非難しないブルー。
「泣かないで」という。
こんな優しいブルーはめったにない。というよりフィシスに対してはもうなんでもOKなような気がする。

未来を見る力を消してください、と懇願するフィシス。
フィシスには悲しいブルーの未来が見えているのか
愛するものを失う未来が見えているのか。

タロットカードはあのときのような「死神」のカードが出ている。
それを燃やすブルー!!オオイ!!!意味わかってんのか!!!!
運命に逆らう気なのか、運命など変えて見せるという気なのか。

占いに詳しい方に伺うと、タロットカードは非常に力の強いカードで
占いの途中でやめたり、カードの位置を故意に変えるのはあとで強い負荷が
その本人にかかってくるので決してやってはいけない行為なのだそうです。
その事をブルーは知っていたのでしょうか。
そしてその結果は・・・・・・

これはSFアニメではないような気がします。
ファンタジー、ですよね。

ブリッジではナスカで生まれた子どもの様子が変、と話をしている。
次々と昏睡に陥って、みな成長してる。
トオニィが呼びかけてるようだ、とドクター・ノルディの話。
トオニィは予知能力があるようだ、と原作では設定されていた。
ここでは表現はあいまいだが、何らかの危機を感じて自らを成長させようとしている
トオニィがいじらしい。

そんなブリッジにブルーが上昇してくる。
みんな息を呑んで見つめる。ハーレイやエラの瞳が物悲しい。
かつてはここに立って陣頭指揮をとっていたであろう、ブルー。

「ソルジャー・ブルー」と呼びかけられ、
「僕はただのブルーだよ」「ソルジャーは君だ。僕は君に従おう、ソルジャー・シン」なんていう。
悲しいな、なんとなく。
そしてナスカに残る者たちを説得できない自分に悔しがるジョミーに
「うつむくなジョミー」と声をかける。
「もっと強い瞳だったのに」とジョミーもブルーの穏やか過ぎる瞳に「悲しさ」を覚えてる。
切ないなーーーー。
もう、ブルーは死にますよ、といってるようなもんだ。
そしてこのときのブルーは何度も言うけど犯罪的に美しい。
カリスマ・スーパー・ビューティーのソルジャー・ブルー。
でもジョミーもよくみて。とっても切なく色っぽくなってるよ♪

不満もあるけど、この「ダブル・ソルジャー」が並んでブリッジに立ってるなんて見られるのは
この平成アニメテラならでは。お互いが引き立て合う美貌の青年同士で、
これはカップリングしたくなるのはめちゃくちゃわかるのであります。

一連のセリフはとってもうれしいものだけど、たった一箇所不満な点が。

ハーレイに触れて、ハーレイだけに思念を伝えるブルー。
ジョミーはまだ若い。力になってくれ、と願う。

当然至極もっともだけど、ちょっと過保護すぎやしないかね。
これが彼の「遺言」なのか。
もう最後、だから一言いっておく。
「ジョミーをよろしく頼む」

なんだかなーーーーー。

どうせなら
「ジョミーは立派になった。もうソルジャーとして充分な力がある。
迷ったときは後押ししてくれ」

といったほうがジョミーの立つ瀬がある。
なんだか危なっかしいから頼むよ、といったセリフのニュアンスにとっても疑問。
脚本家ちゃんとしてくれい。
言葉の扱いのぞんざいさにちょっち、怒り。

一方ナスカの上ではシャングリラに戻らず、ナスカにとどまりたいという世代が大勢いる。
ユウイとカリナも眠っている。離れられない。
「上のものたち」の意見は聞けない。
ブルーたち長老組と若い世代との亀裂。なんかつらいねえ。

その影で着実に地球防衛軍が最終兵器メギドを準備する。
「メギド」って・・・・不勉強だったのだが聖書からの引用で、古代の都市国家の名であり、その昔エジプトとユダヤの民が闘った場所だという。
なんとなく・・・ミュウが迫害されるユダヤ人に見える自分にはイミシンなネーミングだと思う。
黙示録に描かれる光と闇の戦い「ハルマゲドン」は本来は「メギドの丘」という意味だそうだ。
なんだかデザインだけでなく意味合いも重々しい。

禍々しいほどの質量と十字架に似せたデザインがかえって「悪魔」っぽい。
惑星破壊兵器とグレイブは言った。
かつては惑星開発に利用されていたが武器に転用したという。
こんな武器を作り出さねばいけないほど激しい戦いがかつてあったのか。

原作でナスカをぶっ壊したのは「コア振動ミサイル」という、システム。
このメギドも強い光と放射線のエネルギーで惑星の地殻変動を起こし、星の崩壊を招く武器のようだ。
でもねえ、すこし大仰すぎやしないかね。
これがアルタミラでも使用された、というのがミソなんだな。
300年も前の武器、そのまんま使用かよ、進歩ないな、なんて思ってしまった。
地球環境を守るのが目的じゃないのか、テラ政府。
そのためには惑星ひとつ壊したってよいのか。
いくらミュウを滅ぼすためとはいえ。ものすごい矛盾を感じる。

ナスカに降りるために連絡艇?だよねに乗り込むジョミーとブルー。
そこに追いかけてきたフィシス。

「行って(逝って)くるよ」
「いってらっしゃい」

ちょっと、なにそれ、なに、そのセリフ、
火打石をうちつけて、いってらっしゃいという火消し組の女将さんを思い出しちゃった。
素直に送り出していいのか!!!フィシス!!!!!
愛する男をそんなあっさりと「戦場」に送り出していいのか!
君、死にたもうことなかれ!じゃないのか!!!!!
「ああ、本当に行かれるのですか」「あなたと離れるのがつらい」ぐらい言わせろよ!!!
そうして、ブルーが「僕が行かなくては・・・」といって説得したらおもしろいんだろうに。
なんかちがうんじゃないか、という違和感が消えないうち、

これを、と補聴器をフィシスに渡すブルー

え、ジョミーは先に飛行機にのったよ!
なぜジョミーでなくフィシスなの!!!!?????
フィシスが受け取ってどうするの??
これってソルジャーになる人に渡すもんじゃないの!??
コレ補聴器じゃないの?
ブルー困らないの??

あれ、補聴器なくても普通に受け答えしてる。
あっれーーーー、ブルーって耳が悪いんじゃなかったの????
(今頃気づくアホたれ→4話の回想シーンでナースとフツーに受け答えしてるから正常と判断した人がいた)
(言われるまで気づかなかった大バカがここに一人。それだけ原作イメージのブルーが強いのか)

初期オープニングのベッドで寝てるブルーからジョミーへの補聴器受け渡しシーンはハッタリなのか。
ちぐはぐのある演出にどうしても違和感がぬぐえない。
ブルーとフィシスの美しい思い出に浸ってうっとりしていたのに、
この補聴器フィシス行き事件で、いっぺんに目が覚めてしまった。
なんか納得できない・・・・。

いや、それなりにフィシスに渡す意義があるんだろうけど。
一緒に飛行機に乗るジョミーでは万一のとき残せないと判断したのか。
フィシスにはもうコレを渡されるということは死出の旅に出るという意味がわかっているのか。
この平成アニメテラではこのブルーの補聴器は単なる補聴器でなく記憶装置のようなもんだそうだ。
だから、僕の思いを伝えてくれ、ということになるんだろうか。
遺言でも吹き込んでいるんだろうか。

フィシスを抱きしめるブルー。
「帰ったらまた君のテラを見せてくれ。」

帰る気なんかないのに・・・・・。
公式サイトの質問にこのシーンのことがあってスタッフは「優しいうそをついたのだ」とある。
ブルーはどこまでも優しい。その優しさが切なくなる。でも・・・・。

先ほどのシーンとのつながりがおかしくてせっかくの名シーンが台無し。
ブルーの伏せた睫毛、恐ろしく長くて美しい。マッチ棒何本も乗りそうだ。
起きてても寝ていても麗人は麗人。
こんな綺麗な作画を生かす演出をしてほしかった。

そして、ついに。
メギド点火、そして発射。
どうしてもイメージとして昔の「ヤマト」の波動砲を思い出してしまう・・・。
原子炉みたいなものだろうか。
ジルベスター8(エイト)を突き破ってジルベスター7(セブン)に向かってくる炎。
地獄の業火。

それをすばやくキャッチして、「そうはさせない!」とあっという間にテレポートするブルー。
どうした、めちゃくちゃ元気じゃないか!!!!!!
さっきまで弱弱しそうだったのに!トートツだよ!!!
メギドの炎を食い止めようとシールドを張るブルー。
青い光がブルーを包み、立ち向かうブルーのカットでENDING。

こ、こ、こんな生殺しな場面で一週間待てというのかああああああああ!!!!!!
なんてところで「引く」んだよ!
TVスタッフのいじわるぅううううう!ともだえてしまった。

本当に仕事が手に付かなくて困ったよ、まったく。

※その他雑談
そういえば地球防衛軍側もキャラクター登場オンパレードだったなあ。
一番ビックリしたのがセルジュ・スタージョン!えええええ!!???
セルジュいつの間に軍人になったの?ピアニストじゃなかったの???
といいたいぐらい「風と木の詩」のキャラのセルジュ登場。
セルジュがいるならジルベールもいるのでは、と探すとさすがにいませんでしたが、
(マツカがそれにあたるだろうか。二人のツーショットもあるし、共にキースに仕えるし)
パスカルが!ボナールが!!!あといっぱいでようわからんが多分おそらく竹宮さんの別作品のキャラがいっぱい。
いーんか。スターシステムなんか使って。
分裂しないだろうか。
他の漫画のキャラ使うのって気をつけないとキャラが暴走するよ。地球防衛軍分裂、だぞ。
キース、どうするよ;;;;

しかし、この平成アニメテラ、いったい対象年齢は何歳ぐらいなんだ!!!
「ガンダム」シリーズの放映が多かった時間帯らしいから、やっぱり中学生ぐらいなんだろうか。
いいのかな〜、「腐」の要素も多いんですけど・・・・・・。




Back || Next →