議員日記  2004年11月
日付順に掲載しています。下の日付で緑の部分をクリックしてお読み下さい。
 1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

   2004年11月1日(月)                                                                            
どうなる米大統領選?

   いよいよアメリカ大統領選挙が間近に迫ってきました。再びアメリカ人が世界に恥をさらすのか、かろうじて「世界の常識」に応えるだけの良識を示すのか、後者であることを祈るばかりですが、全く予断を許しません。思わしくない世論調査の結果も出ているようです。
   どちらが勝っても大して変わらないのでは、などと無関心な人たちも大勢いるようですが、現職ブッシュは唯我独尊、好き勝手をしてきたと思います。イラク戦争だけではなく、「銃規制の中止」「京都議定書からの離脱」「小型核兵器実験の容認」など、到底許すことのできない、日本にも世界にも悪影響を与える政策を沢山実行してきました。
   ワケ知り顔の評論家たちが「どちらが大統領になったほうが日本にとって有利か」などと言っていますが、今はそんな呑気なことを言っている時ではありません。

   昨日のテレビ「サンデー・プロジェクト」をご覧になった方も多いと思います。ブッシュの最大の支持層は非常に右寄りのキリスト教原理主義者と聞いていましたが、あの番組の「宗教ベルト」と呼ばれるアメリカ南部の実態レポートを見て空恐ろしくなりました。巨大な教会の牧師達も、そこに通ってくる信者も狂信的で、KKKとそう変わらない集団という印象を受けました。「正義の戦争では敵を全滅させてもよい、聖書にそう書いてある」「妊娠中絶は殺人行為である。中絶容認派は殺しても構わない」など身勝手な論理を振り回す人たちばかりです。彼等の考えはやはり狂信的なイスラム原理主義と対をなすものです。
   さらに恐ろしいのは、こうした連中が少数のカルト集団ではなく、アメリカでは主流の宗教になりつつあり、大統領もその上に乗っかっていることです。こんな連中に支持される大統領に、少なくとも4年間、我々の生活まで脅かされ続けるのは御免蒙りたいものです。


11月の議員日記TOPへ
                                             

   2004年11月5日(金)                                                                            
   アメリカ大統領選挙は残念な結果に終わりました。米国は世界の常識を全く受け付けない国になろうとしているようです。聖書の1字1句をそのまま疑わない、キリスト教原理主義者が多数を占める国と、コーランの教えをそのまま頑なに信じるイスラム原理主義者のグループの衝突は激しさを増すのでしょうか。これ以上戦争で人が死ぬのを見たくありませんが、今以上にひどくなる暗い予感がします。三流保安官を彷彿とさせるブッシュ大統領には、どうか地球を破滅させないでくれと言いたいところです。

武蔵野市第4期基本構想・長期計画案の審議が行われます。

 11月5日(金)・8日(月)・9日(火)の3日間、議案として出された第4期基本構想・長期計画案の審査が市議会で行われます(図では右上のところ)。

市・企画調整課作成の[ 武蔵野市第四期基本構想・長期計画 ]策定の流れ

   市長の意向を色濃く反映し、問題も多いと考える案ですが、与党はすんなりと承認する意向でしょうから、審査と言っても最終決定までのセレモニー的なものとも言えます。
   しかながら、将来にわたって影響を与えることも少なくない長計(=長期計画)です。私は傍聴のみですが、どんな人がどんな発言をするか、しっかり聞いておきたいと思います。日程と場所はこちらになっています。是非、大勢の市民の方に傍聴に来ていただきたいと思います。


11月の議員日記TOPへ
                                             

   2004年11月6日(土)                                                                            
速報!!(第四期)基本構想特別委員会(11/5)・・・「中学校給食」と「学童クラブ・地域子ども館統合問題」が焦点に!

  昨日から長期計画の第四期基本構想審査特別委員会が始まりました。以後8日(月)・9日(火)の3日間をかけて「審査」されます。基本構想の議案に対する陳情の陳述と質疑が午前中にあったため、沢山の傍聴者でロビーは一杯でした。9/24の締め切りまでに提出された陳情は10本で、下記の通りです(この他に締め切り後に2件の陳情が受理されています)。これらの陳述と審議で午前中が終了しました。市民に議案を発表したのが9/21で、陳情提出の締め切りまでたった3日間しかなかった問題についてはあとでまた触れます。

第四期基本構想・長期計画に関する陳情の内訳


1)中学校給食に関する陳情・・・5件(陳述があったのは3件) 
陳受16第22号「第四期基本構想での中学校給食給食に関する陳情」
陳受16第29号「中学校給食の実施を長期計画に盛り込むことに関する陳情」
陳受16第28号・30号・31号「弁当も選択できる中学校給食の実施を長期計画に盛り込むことに関する陳情」(3件が同じ件名)

 

 



2)子育て青少年分野についての陳情・・・3件(
陳述があったのは2件)

陳受16第23号「第四期基本構想・長期計画の『子ども施策のあり方』等の記述の見直しに関する陳情」
陳受16第25号「武蔵野市第四期長期計画(案)・青少年施策の充実に関する陳情」
陳受16第27号「武蔵野市第四期基本構想・長期計画の子育て分野に関する陳情」





3)環境分野に関する陳情・・・1件(陳述あり)
 陳受16第24号「武蔵野市第四期基本構想・長期計画 環境と共生する循環型のまちづくりに関する陳情」

 

4)図書館分野に関する陳情・・・1件(陳述あり)
  陳受16第24号「西部図書館存続に関する陳情」



午後からは総括質疑(基本構想の議案の骨子に対する質疑)が行われ、次の9人の委員の内委員長を除く8人の委員が質問に立ちました(敬称略)。

   自由民主クラブ:井口良美(委員長)・島崎義司・やすえ清治
 民主市民ネット:松本清治(副委員長)・川名ゆうじ
 市民クラブ:与座武
 公明党:田辺あき子
 共産党:本間まさよ
 市民の党:山本ひとみ

   各委員の持ち時間は各30分で、持ち時間が残っている委員で2順目の質問を行ったのは本間・山本・川名委員の3名で、19:30頃に終了しました。

   
1.疑問を感じたポイント
「第4期基本構想」が議案となり、大きな視点での質問が各委員から取り上げられましたが、私なりに疑問を感じたのは下記の項目です。

(1)武蔵野市の「策定委員会方式」の疑問

 
策定委員のメンバーは次の8名です。市の助役2名を除く6名は、市内在住の学者・弁護士・公認会計士などです(敬称略)。

氏 名 現 職 備考
東原 紘道 独立行政法人防災科学技術研究所 委員長
地震防災フロンティア研究センター センター長
小木 佳苗 弁護士 副委員長
鵜川 正樹 公認会計士(元武蔵野市の職員) 委 員(平成15年12月1日から)
廣瀬 久和 東京大学法学部・大学院法学政治学研究科教授 委 員
増山 幹高 成蹊大学法学部教授 委 員
村田 あが 跡見学園女子大学短期大学部家政科助教授 委 員
古田土 一雄 市助役 委 員
永並 譲 市助役 委 員
加藤 淳子 東京大学法学部・大学院法学政治学研究科教授 委 員(平成15年11月30日まで)

   
市長は今回の答弁でも相変わらず「武蔵野市の策定委員会方式は画期的、国の策定委員会などとは違い、委員自身が『文章を作成する』する」と自慢していました。しかし重要なのは、市長や行政の意向を上手くまとめて「作文」することではなく、いかに自分達なりの独自の見解を持っていて、行政と渡り合えるかだと思いますが、こういった市長好みのメンバーの方々にはそれは期待できません。一部の市民の間では「市民参加ではなく学者参加」とさえ言われています。メンバーにある程度の数の公募の市民を加えるなど、他の自治体の例を参考にもっと変えるべきです。市長自身も6名の策定委員でまとめるには範囲が広すぎて限界だ、と語っていました。次回(と言っても10年後ですが)がどういう方式になるのか、今のままでは期待できそうにありません。

(2)「市民参加」が形骸化している

 
市長は学者などの先生方を「市民」と位置づけていますが、あまりにも無理があります。また質疑の中で、ヒアリングの開催方法に問題があり、市民の意見の吸い上げが十分にできていないことが指摘されました。沢山発言したい市民がいるのに、委員長が今日はもう市民からの意見を吸い上げる時間がないと言って終了したこともしばしばあったようです。当初、市議会の場で策定委員長の東原氏は「武蔵野市の長期計画は本籍は市民参加」と語っていましたが、これは口先だけのサービスだったようです。   また市長は「市民の意見が少なくなっているのは、武蔵野市の施策が行き渡った証拠」と自慢していましたが、強引な解釈にあきれてしまいました。公開ヒアリングなどについては、手順を踏んで告知してきたとしても、熱心に市民に呼びかけてきたとは言えません。何よりも多くの市民は、意見を出しても市に吸収してもらえないと分かっているから出しても仕方がないと考えて、諦めているのではないでしょうか?

(3)策定委員が市長や行政側の意向に忠実すぎる

   武蔵野市の長期計画の立て方は、ボリュームがあるために通常の市長の諮問委員会と違うことがわかりました。策定委員会の「答申」を出すまでに、庁内推進委員会を立ち上げ、その部署と策定委員会がすり合わせをして、最終答申は双方の調整が終了したものが出されるとのことでした。しかし、このような進め方では(1)で指摘した策定委員会の独自性がほとんどなくなり(その方が楽なのかもしれませんが)、行政寄りのプランになるのは明白です。「市民参加」と言いながら、実は情報量もマンパワー的にも、策定委員を圧倒する行政側に主導権をがっちり握られている現状では、市民の要望が反映されるはずはありません。民主の委員によると、市民ヒアリングの席で策定委員長は「市民の皆さんの意見を聞く時間を減らし過ぎているのかな、と感じています」と率直な発言をしているとの指摘もありました。

2.具体的な問題点

(1)「新しい家族を育てよう」という曖昧な目標
  今回の基本構想の前文に、目標として 
     @都市の窓を開こう
     A新しい家族を育てよう  
     B持続可能な社会をつくろう

の3つが掲げられています。全部そうですが、特に@とAは何を言いたいのか、何をするのかが明確ではありません。この内のAについて何人かの委員から、具体的でない、わかりづらい、との意見が出ました。市として何をしようとするのかが、私も市長の答弁を聞けば聞くほどさっぱり意味がわかりませんでした。キーワードとなるべき「目標」の言葉がこのように多くの人が首を傾げる曖昧なものでは「目標」とする意味がありません。このような「目標」では、どのような施策を採用しても、それをこじつけることは可能です。ただ、今後誰が市長になっても「目標」に縛られることは少ないのかも知れません。

(2)策定委員から出された「答申」が「議案」になって変化した点は僅か1ページの「前文」が加わったこと」だけ
   次に議案が作成されるまでのスケジュールの問題です。

9/1に策定委員から市長に「答申」が提出され、それを市長等が検討し「議案」として原稿にし、9/21に印刷物として出されたと聞いていました。しかし、この日の質疑で、上記の1−(3)で述べたように、「答申」を作る過程で庁内推進本部と策定委員との間で既にすり合わせが行われていて、「答申」は市長等と調整済みの内容(市長とは1/15と5/12の2回、すり合わせが行われたそうです)で、新たに加えられたのは僅か1ページの「前文」だけだったことがはっきりしました。

   ところで次のような事実経過があります。8/27の議会運営委員会は長期計画の議案の提出時期についてかなりもめました。永並助役から「策定委員からの第四期基本構想の「答申」の提出が9/1 なので、議案の提出は9/21にして欲しい。「答申」から「議案」を作成するまでの期間は最低このくらいは必要だ。との説明があり、結局、この発言によって 市民への議案提供は9/21、 陳情の締め切りは9/24と非常に短い日程になりました。しかし、今回の質疑で議案で新たに加えられたのが前文の1ページのみだけだったことが判明しました。印刷された形で出された答申に前文1ページを加えるだけのことに、なぜ20日間も必要だったのか? 8/27の議運での永並助役の説明に大きな疑問と矛盾点が沸き上がりました。これで最も割を食ったのは、言うまでもなく、議案発表から締め切りまで、わずか3日間で陳情を出すように強いられた市民です。

[ 訂正 ]
上記(2)の本文中で、”永並助役から「策定委員からの第四期基本構想の「答申」の提出が9/1 なので、議案の提出は9/21にして欲しい。」旨の説明があった”と書きましたが、確認したところ実際に答申が出たのは9/13だったとことが分かりました。これなら印刷が出来上がって市民に提供できたのが9/21というのは妥当な日程だったと考えられますので、この点をお詫びして訂正します。但し本来は、陳情の締め切り日から逆算して答申の提出日を決め、市民が議案を閲覧し陳情を提出するのに十分な期間を確保すべきであったと明言できますから、9/21の議案提出日程に問題があったことには変わりありません。

(3)「地域子ども館と学童クラブのあり方」について

  計画案では「地域子ども館と学童クラブのあり方を検討する」となっていたものが、今回の議案では「地域子ども館と学童クラブとの統合や連携について研究する」となりました。陳情でも取り上げられ(陳受16第25号)、この経緯が不透明だったので、市民の党の委員が何回も質問しました。しかし、担当の企画政策室長は曖昧な答弁ばかりで、結局誰がどのように関わって「統合」という文言を入れたのか「藪の中」でした。市長とのすり合わせは上記(2)の通り1月と5月だけだったと答弁しています。民主の委員からは「7月の市民ヒアリングの席では廣瀬委員(子ども施策担当)から、『学童クラブと地域子ども館の統合の記述は時期尚早』との発言があった」との指摘がありました。誰の指示でなぜ、担当の策定委員の意向とは矛盾する形で、急遽文言が変わったのか、「地域子ども館」と「学童クラブ」の2つの事業の方向性を決定づける重要な記述だけに、これについては来週の委員会でも是非徹底的に議論して欲しいと思っています。

  スタート早々、長期計画の議案に至る経過が市民には非常にわかりづらいことがはっきりしました。市民からの意見は119件、ヒアリングの参加者は208名(前回12年前は職域団体の参加もあり492名)だったそうです。こういった意見の内、何がどのように議案に反映されているか、行政からすっきりした説明はありませんでした。都合の良いものだけつまみ食いしたということでしょうか。ある程度首長の意向が反映することは分かりますが、採用しなかった意見はなぜそうなったのか、理由を明かしてほしいものです。長期計画の策定経過の透明性は、市民への説明責任の点からも最も重要視しなければならない筈です。

   今日の市長の答弁は、事前の準備をしてきているようには殆ど感じませんでした。答弁は質問に対しての回答というより、これまでアチコチで言ってきたことの繰り返しばかりで鮮度がなく、全く精彩に欠けました。また、ちょっと批判されると大きな声で威圧するけれど、すぐにケロッとしてふざけたり、まるで仮面を次々に付け替える役者のように見えました。市民にとっては10年間の方向性が出る重要な場ですが、市長にとっては通過儀礼以上のものではなく、市民の立場が軽視されていると強く感じました。
                                             

11月の議員日記TOPへ
                                             

   2004年11月9日(火)                                                                            
速報第2弾!!(第四期)基本構想特別委員会(11月8日)・・・「中学校給食」は単なる「あっせん弁当」へ、「学童クラブ・地域子ども館統合問題」はウヤムヤのまま

   長期計画を審査する第四期基本構想審査特別委員会の2日目は、「基本構想」の1章(基本構想・長期計画の前提)・2章(まちづくりの目標と圏域ごとのまちづくり)についての質疑でした(9日は第3章の「施策の大綱」の質疑です)。「長計」についての陳情の陳述は初日だけだったので、傍聴は市議が10人〜12人前後(最後まで残った市議は5名くらい)でした。
   今回も委員長以外8人の委員が30分の持ち時間の中で質問しました。1回目で時間を使い切った委員もいたため、2順目の質問をしたのは山本委員(市民の党)・川名委員(民主)だけで、18:30頃終了しました。

1.2日目の審査で疑問を感じたポイント
(1)業者の「あっせん弁当」が長期計画に盛り込むべき事業と言えるのでしょうか?
 
昨年文教委員会に「中学校給食」の陳情と請願が出され、陳情は今年の6月に意見つき採択されたのにも拘わらず、長期計画に盛り込まれたのは「中学生の昼食に関しては、弁当のあっせん販売”制度化”の検討を始める」という1文だけ。結局中学校給食は「全部の中学校に業者に注文してお弁当を買えるようにすることを導入」で決着しました。弁当のあっせんなどワザワザ長期計画に盛り込まなくてもすぐにやれることで、大騒ぎするような事業ではありません。知らない人には大笑いされそうです(もちろん根本原因は、現代の常識を逸脱した市長の考え方と、仕方なくそれに従う市の幹部や教育委員会、長期計画策定委員、与党市議などの姿勢にあります)。昨日も中学校給食を選挙公約にしていた数人の委員から質問が出ましたが、与野党が適当なところで手を打った結果がこの「あっせん弁当」と言えそうです

(2)「地域子ども館と学童クラブの”統合”と連携」について行政側はなぜ事実経過を説明できないのでしょうか?

 
  1日目に続き、多くの委員から「統合」問題に質問が出されました。終了間際に山本委員(市民の党)からの質問で「8/10の(長計メンバー8人による)策定委員会で”計画案の修正案”が出されていた」との指摘があり、その修正案の内容の説明を求めました。以下が一連の事実経過です。

 地域子ども館と学童クラブの「統合」の記述の経緯
7月の市民ヒアリング 廣瀬委員より「地域子ども館と学童クラブ事業の統合は時期尚早、まだ考えていない。」
8/10の策定委員会の要録 計画案修正案について検討、「地域子ども館と学童クラブについては重なっている部分もあるので、整理、見直しをする必要がある。」
8/20の策定委員会要録 「地域子ども館と学童クラブ」について一言も書かれていない。
9/21の議案 「地域子ども館と学童クラブの”統合”や連携について研究する」との記述が入った。

   山本委員の質問に対し、行政側はどういう訳かはっきりとした説明をしません。市長を中心に、委員会に出ていた助役2人も企画政策室長・子ども家庭部長も「地域子ども館と学童クラブの統合や連携について研究する」だけで、「統合が決まった訳でない」などと全員言い逃れに終始していました。誰が決めたか分からないことが勝手に書き込まれ、それが正式な議案となったというわけです。このように市民に見えづらい”ブラックボックス化した委員会”の中で、今後の事業の方向性が勝手にドンドン決められていくこと自体大きな問題だと考えます。

     
   この「統合」問題について、私は安易に放課後のこども達を1ヶ所にまとめるというやり方(本音はコスト削減できるから?)には反対です。このことは10/12のところでも述べました。同じところで私の質問に対し、市長から両事業の性格の違いについて、それなりの答弁があったしたことも書きました。何度も引き合いに出して川崎市には恐縮ですが、複数の事故例のこともあります。

   結局、策定委員会は市民が傍聴することができず、行政側の担当者等と策定委員だけしか事実を知らないことが今回の問題を引き起こしたと言えます。正確な事実経過も説明されず、「策定委員会の本籍地は市民参加(6/11策定委員会での委員長の発言)」とは何だったんでしょうか・・・残念!!

2.あれやこれやわかったこと・・・多くの発言がありましたが重要なことを列挙します。

「実現性低い事業は議案には入れない」(檜山企画政策室長)・・・まるで自分に決定権があるかのような発言には驚かされました。
「吉祥寺グランドデザイン(吉祥寺再開発計画)は10億になるのか、100億になるのかやってみなければわからない」(市長)
「農水省跡地の新公共施設は中高校生の利用をにらんで検討していく」(檜山室長)
「農水省跡地の整備はH20年頃までに完成させる」(市長)
「弁当あっせんは学校、PTAと協議しながら進め、教育委員会は側面からサポートしている」(南條教育部長)と最初は言っていましたが、公明の委員から「PTAに業者を探させていて、PTAからは反発があると聞いている。市はどのようなサポートをしているのか?」との意見が出たら、部長は「給食課が(PTAと?)水面下で相談しながらやっている」と修正しました。本当でしょうか?
「次世代推進育成行動計画は基本構想が出来たら公表する」(小森子ども家庭部長)そうですが、本当はもっと早く市民に公表して意見を収集(パブリックコメント)することが国から求められています。他の自治体では既にHPなどで公表し、意見収集した結果も公表しています( 9/5     9/7    9/12 参照)。
「市の公共施設のランニングコストは毎年20億円掛かっている」(藤井財務部長)(※メルマガ「激辛通信」第5号で、主な公共施設の管理運営費年間38億円という私が調べた結果を発表しました。データの範囲、分類方法にもよりますが、もっと多いのではないでしょうか。)
「学校図書室には昨年パソコンが入り、補助員が入った。徐々にネットワークを組みたい」(南條部長)
吉祥寺の商店街支援策とは→「ウェルカムキャンペーン、新・元気を出せ商店街などのキャンペーンが主なもの」(会田環境生活部長)------どちらも東京都の補助金でやっていることで市独自の支援策ではありません。
「市の公共施設は全部で138棟、大体22年位経っている。現在、公共施設の整備計画を立てているが33億円くらい掛かる」(藤井部長)
「中学校の部活動が活性化しない理由は教師の異動が部活動ではなく、教科の視点で行われるため、先生の異動で廃部になることが多い。」(山上教育長・・・※11月に新教育長になったばかり)
































 
   新しい教育長の山上氏は声が大きく歯切れが良いのはわかりやすくて大変結構ですが、今後どういう仕事をされるのか、その中身を注目して行きたいと思います。
   多くの部長・課長の答弁を聞きましたが、あまりピンとくる内容はなく、特に策定委員会の審議経過については、事前に書いたメモを読んでいる人がいたのにはちょっとびっくりしました(それほど神経質になっていたのでしょうか)。突っ込まれて最初の答弁を修正した部長もいました。
   助役2名も発言の機会がありましたが、古田土助役は市長に遠慮しているのか、あまりしゃべりませんし、永並助役はお決まりの類型化した発言だけでした。二人とも策定委員会に入って「基本構想」議案を作ったのですから、その意図やテーマについて、もっと説得力のある説明がなぜできないのでしょうか?  如何にもお役人的な逃げ口上が多く、率直さが感じられるしゃべりは皆無なのでがっかりしました。
   女性の委員(野党側のY委員・H委員)の質問の方が本音で切り込み、しぶとく食い下がるので、度胸が据わっていると感じました。質問されてもいないのに、いつもと同じ話題が長々と繰り返される市長の話は早送り出来たらいいのにと思いました。

11月の議員日記TOPへ
                                             

   2004年11月11日(木)                                                                            
速報第3弾!!(第四期)基本構想特別委員会(11月9日)・・・採決前の長い休憩時間に何が行われていたのか? 結局、議案の中身は変わらないまま採択。

   第四期基本構想審査特別委員会3日目の9日は、夕方6時前に審査は終了し、その後議案に対して「賛成討論」「反対討論」が行われるという段階になって、議長は「暫時休憩」としました。再開時刻は「それぞれの委員が賛成討論・反対討論の文章を書くので、何時になるかわからない。」とのことでした。
    結局、休憩中に民主が「基本構想」議案に賛成し、「付帯決議」を出すということで決着がついたようで、紆余曲折があり、委員会が終了したのは夜10:30頃だったということです(私はずっと傍聴してきましたが、あきらめて7:30頃に帰りました)。

●決まったこと
1.第四期)基本構想議案に対しては、賛成4(自民・民主・市民クラブ・公明)、反対2(共産・市民の党)で採択されました。・・・3日間かけて審査されましたが、市長から出された「議案」がそのままが採択されたわけです。

そして下記のような
「付帯決議」が出され、こちらは全会一致で採択されました。
     
             
ーー議案第44号武蔵野市第四期基本構想についてに関する付帯決議ーー
「第四期長期計画策定に当たっては、策定委員会を中心にこれにかかわる各種各層の議論の積み上げがあったことを踏まえ、同時に武蔵野市第四期基本構想審査特別委員会でさらに提起され議論された多様な意見を十分勘案の上進められたい。」


わざわざ付帯決議とする意味があるのか、首を傾げるような中身であり、釈然としない気持です。

2.陳情については採択されたのが2件
@  陳受16第22号「第四期基本構想での中学校給食給食に関する陳情」・・・賛成多数(民主・公明・共産・市民の党が賛成)
A  陳受16第24号「武蔵野市第四期基本構想・長期計画 環境と共生する循環型のまちづくりに関する陳情」(付帯意見付き)・・・全会一致で採択


   3日間掛けた審議の意味が市民にはわかりづらいものになりました。少なくとも、採択した陳情の趣旨をきちんと言葉で盛り込むなど、わかりやすい形で議案に反映させるべきではなかったでしょうか?  今回の曖昧な決着(妥協?)で、市議会の存在感がますます失われた気がします。

11月の議員日記TOPへ
                                             

   2004年11月14日(日)                                                                            
武蔵野市の子ども施策を考える(特別編2)・・市長の言う「アッタリマエ」を検証する その1

  土屋武蔵野市長の口癖に「当たり前」というのがあります。特に野党議員の癇にさわる質問などに対し、「そんなことも知らないのか」と言わんばかりに、相手を罵倒するように力を込めて「こんなことはアッタリマエのことであります」などという使い方をします。

   ちなみに市議会の会議録を検索すると、今年1月〜8月までの本会議や委員会の内、17の会議で54回使っているのがわかりました(随分ヒマなことをと思われるかも知れませんが、検索システムはよく出来ているので、調べるのに15分もかかりませんでした)。

   9月の私の一般質問では何と9回も使われました。必ずしも全部が「アッタリマエ」的な使い方ではありませんが、市長の言う「当たり前」が本当に当たり前なのか、以下答弁の順に沿って検証してみたいと思います。ちょっと長くなるので前・後半に分けました。

(質問者)は三宅、(答弁者)は土屋市長です。
   ※  私の一般質問と市長の答弁の全容はこちらです。

その1)
Q)平成10年度と平成15年度を比較すると、学童クラブ事業の市の負担割合は93%から66.1%と、大きく後退しています。なぜ年々予算を削減しているのでしょうか、具体的な理由を御説明ください。
A ) 平成10年は学童保育の育成料はただだったんです。だから、90何%、市費の持ち出しである、当たり前のことであります。ところが、平成11年度から学童保育が法制化されたのに伴って、育成料をいただくということで、一挙にいただくのは無理があるから、3カ年に分けて、だんだん上げてきたわけであります。その上げ方について申し上げますれば、平成11年度が月額3,000円、平成12年度が4,000円、平成13年度から5,000円というふうに上げてきたわけです。ですから、平成10年度は一銭も父母負担がなかったわけですから、これは市費の割合が90何%になるのは、こんなこと当たり前のことです。しかし、育成料をいただくことになったんだから、市費の負担が下がっている、こんなことは当たり前のことであります。だから、そういうことをきちっと質問しないと、何か市が手を抜いているかのごとき印象になりますから、そこはきちっとお調べの上、御質問のほどお願いいたしたいと存じます。
コメント)「受益者負担を高めてその分だけ市の負担が減ったもので、負担割合が減るのは理の当然、学童クラブの事業費そのものは減らしていないのだから文句ないだろう」ということでしょうが、H15年度の市の負担割合は下記のように減少しています(「武蔵野の福祉 H15」より)。市長の説明通りなら、H13年度の水準で推移しているはずですが、それ以降もドンドン減少していて、きちっと調べてみると、全く”当たり前”ではありませんでした。
H10 H11 H12 H13 H14 H15
市負担額(単位:百万円) 234,228 210,166 212,740 157,028 151,167 117,517
市負担割合 93% 82.7% 81.5% 73.8% 72.2% 66.6%

   学童クラブには古い施設が多く大した補修もされていません。この他、遠足は市内4カ所の指定された入場無料の公園のみ(遠足とは言えない)、手作りおやつは禁止など年々クラブの活動の中身は管理強化されてきたというのが実情です。このことはレポートもしてきました(9/13  10/10)。「事業費は減らしていない、横這いだ」と言っても、このような実態であり、冷遇されていることはハキッリしています。毎月の利用料は5,000円で、杉並区(月3,000円)などに比べると安くはありません。「市の負担は減って当たり前だ」と威張るようなことではないと思います(受益者負担の問題はこちらでも論じました)。

その2)
Q)学童クラブ、地域子ども館あそべえなどの指導員、館長は非常勤職員なのに、「0123」のスタッフは正規職員待遇と聞いています。また、「0123」の施設と学童クラブや地域子ども館あそべえの施設を見ると、充実度ときれいさが全く違います。同じ子ども施設で、なぜこのように落差があるのでしょうか。スタッフの待遇や施設の充実度にこのようにギャップがある理由をお聞きします。
A)学童保育は非常勤だけれども、「0123」の職員は常勤だと、これは当たり前のことであります。「0123」の職員は、週5日で、朝から夜まであけております。そして、いわゆるフルタイムの職員として働いております。ところが、学童保育というのは、これは既に小学校の授業を受けている子どもが放課後対策として受けるわけですから、例えば給食のないときでも学童保育に来るのは12時過ぎであります。1年生など。ところが、給食がある子どもで小学校3年生ぐらいになると、3時ごろ来る子どももいるわけです。それで、クラブ活動などあったりすると、もっと遅くなったりする。だから、学童保育の職員は、現在11時半からの勤務になっております。したがって、実際に子どもたちがそろうのは2時とか3時ごろですから、4時間とか5時間とか働かない。これをフルタイムの職員にするなんて言ったらば、市民から怒られますよ。ちなみに申し上げますが、フルタイムの職員としているところはどこもありません。武蔵野市の職員の待遇が三多摩の中で一番いい、こういうことを申し上げておきたいと存じます。
コメント)武蔵野市の学童クラブスタッフの勤務時間は11:30〜18:00ですが、子どもの来ている間は非常に忙しくて面倒見るので手一杯、遊具や教材作り、事務的作業、掃除片付けなどを時間内にやるのは大変で、時間的余裕がないようです。指導員の方にヒヤリングしている間も、子ども一人ひとりに注意したり指示を与えたりと、手の休まる余裕がないようでした。
   一方「0123」の開館日・開館時間は下記の通りで、市長の弁のように夜間まであけている訳ではありません。また、幼児は保護者(殆ど母親)が傍に付いているため、スタッフはゆったりとした感じで仕事ができるようでした。 私は、このHP上で「0123」については図書館なみの開館時間にして、働く親達にもサービスを受けられるようにしてはどうかという提案をしました(10/26)。そこまで考えて本当に「夜まであける」ということにしてもらえるのであれば結構なことですが、実際は4:00pmで終了しています。
開館日 開館時間
「0123吉祥寺」 火〜土曜日 午前9:00〜午後4:00
「0123はらっぱ」 日〜木曜日 午前9:00〜午後4:00

   杉並区の学童クラブの勤務時間は10:00〜18:00で、フルタイムの正規職員もいます。三鷹市の場合(運営は社会福祉協議会)も正規職員待遇の方と非常勤職員の混在です。

  私はすべてをフルタイムにと主張している訳ではありません。「勤務時間が短いから非常勤で当たり前」で片付けるのではなく、まず、それぞれのこども施設でのスタッフの待遇を同次元で公平に検討するべきです。その上で勤務時間の見直しも含め、勤務内容とそれに見合った給与体系はどうあるべきか、根本的に再検討する必要があるのではないでしょうか。やる気のあるスタッフを育成するためにもそうすべきだと感じます。市の組合も非常勤職員の待遇などにもっと力を入れ、具体的な改善案を打ち出す時期ではないでしょうか。

その3)
Q)学童クラブの負担額が平成10年度に比べているから、当然低くなるというお話がありましたが、きのう武蔵野の福祉という新しい平成16年の資料を拝見しました。平成13年は73.8%の市の負担割合でしたが、今度出たのでは66.6%と、がた減りじゃないですか。これには一体どういうふうにお答えになるんですか、もう一度答弁をお願いいたします。
A)学童クラブの費用の削減ということで、市の負担の比率の問題でございますけれども、これはさまざまな形で変わります。1つは、例えば指導員の給与の適正化を図ったりとか、あるいはある年次で学童保育の新しい施設をつくったり、あるいは設備投資をしたり。そうすると、入ってくる金はほとんど変わらないんですから、当然支出した金額が多くなれば割合が下がります。支出した金が少なくなれば割合は上がります。当たり前のことであります。
コメント)これはその1)に関連して再度質問した部分です。少し丁寧に答弁してくれましたが、市の負担割合が73.8%から66.6%に下がったことについて、一般論でかわしている感じです。その1)でコメントした通り、「新しい施設をつくったり、あるいは設備投資をしたり」というのは、第1小学校の学童クラブの改築くらいでその他の要素は具体的には思い当たりません。「指導員の給与の適正化」というもの本当のところ「給与削減」というのが実態です。

その4)   
Q)保育園、学童クラブ事業などのコストは、1人当たりの事業にかかる年間経費で示されているのに「0123」事業などでは、総コストを延べ人数で割って、1回当たりの利用に対する経費が出されているわけです。このやり方で行くと、それぞれの事業の正確な比較なんてできるんですか。片方は年間経費で、もう片方は1回の経費なんですから、違う物差しで別々の事業のコストを比較することはできないと思います。
A)「0123」のいわゆる事務事業評価の算定方法が違うということですけれども、これは算定方法が違って当たり前でしょう。だって、保育園とか学童保育とかというのは、入園を認められた人が特定の人がサービスを受け続けるわけです。ところが、「0123」なんかの場合には、きょう来る人とあした来る人とあさって来る人と、同じ人が来るかもしれないし、違う人が来るかもしれない。しかも、定員というのを設けておりませんから、定員で割るわけにもいかないんだから、当然コスト計算するときにはそういうコスト計算にならざるを得ないんじゃないですか。そういうのをみそもくそも一緒というふうな話になるわけでございます。
コメント)これは10/28のところで詳しく述べました。中身をよく吟味しないで比較すれば、非常に誤解されやすい形で、「1人当たりにかかるコスト」として試算結果が提示されていることを問題にしているわけですが、質問の焦点をほとんど理解してもらえなかったようです。
   
  以下、後半に続きます。

11月の議員日記TOPへ
                                             

   2004年11月15日(月)                                                                            
武蔵野市の子ども施策を考える(特別編2)・・市長の言う「アッタリマエ」を検証する その2

市長の言う「当たり前」の検証の続きです。

Q(質問者)は三宅、A(答弁者)は土屋市長です。
※ 私の一般質問と市長の答弁の全容はこちらです。

その5)
   
Q)出席率、親子のきずなを大切にするために云々(注---「事業評価試行結果集」には保護者が在宅する場合、できる限り児童を自宅で過ごさせるよう適切な指導を行い、結果として児童の出席率の低下に努めるとしている)とありますね。ここの中には、母親は家にいて子育てするのが正しいという前提を感じるんですよ。そういうのがちょっと間違いではないかなというふうに感じます。学童クラブはなぜ必要かということは、そもそも先ほど市長もおっしゃったように、かぎっ子対策で始まったわけですよね。親がいない間、子どもだけで家に置いたりするのは心配だから、また問題も起こったら困るので始めたわけですよ。だから、働く親にとって、親のかわりに一人一人の子を毎日見守ってもらえる学童クラブの存在は、かけがえのないということでは、市長もそれについては先ほど御理解を示されました。
A)出席率の低下を図るということは、別に母親は家にいなけりゃいけないなんていうことを、一つの価値観を押しつけようとは思いません。しかし、仮に母親が家にいたら、そのときは監護できる状態なんだから、それは子どもは家に帰って当たり前でしょう。それで母親とどこかに行きたいなら、「0123」に行けばいいんで。そもそも父母が日中いないということを前提に学童クラブが成り立っているんですから、家にいれば、それは家に帰ってもらって結構なんじゃないですか。だから、あなたの言っていることをもうちょっと普遍化すると、たとえ母親や父親が家にいたとしても、学童保育に預けろと、こういうふうな理屈になるんです。
コメント)もちろん通常保護者が家にいない子を預かるのが学童クラブですが、たまたま親が在宅の場合どうするかは親子で相談するなりして決めればよいことではないでしょうか。家に一緒にいたい場合もあれば、学童で友達と遊びたい場合もある、親の方だって集中して何かやりたい場合もあったりするでしょう。こんなとこにまで行政が出てきて「家に帰すよう努める」ことではないと思います(10/10の杉並区との比較もご参照下さい)。また「0123」は名前の通り、4才児以上は対象外の筈で、市長の言うように「0123に行けばいい」というのは不可能なことではないでしょうか。もう少し正確な答弁をして頂きたいと感じます。

その6)
Q)学童クラブの市内のニーズは横ばいみたいなふうにおっしゃっていましたけれども、本当にそうでしょか。私は、そうは思わないんです。例えば、平成8年には市内の小学校1年生から3年生の人数に対する学童クラブに通う生徒の割合は18%でしたが、それが平成15年になると、全体の子どもの数も減っていますけれども、学童クラブへ通う子どもの割合は24%と、もうここで6ポイントもふえているわけですよ。こういった現状について、もっとデータをしっかり分析して、今後の学童クラブに対するニーズは横ばいというような、そういった中身をもう少し整理して、きちっと検討していただきたいというふうに思っています。
A)それから、ニーズは減っていないと言いますけれども、いわゆるパーセンテージはふえております。例えば、それは保育園でも言えることで、かつては1,300名ぐらいの子どもが生まれたときに、武蔵野市のゼロ歳児対策というのは100名弱でしたから、これは1,300分の100ですから、当然のことながら8%とか9%でした。ところが、今、生まれてくる人が1,000名弱になって、乳児枠、ゼロ歳児枠をふやしていますから、当然のことながらパーセンテージは、今、ゼロ歳のパーセンテージは十五、六%になっています。だから、パーセンテージはふえております。そんなこと当たり前のことであります。それは、学童保育だけじゃありません。ただ、大事なことは、行政上、学童保育のニーズをどうとらえるかというのは、総数でどのぐらいふえるのかふえないのかということをとらえて、減っているのか、これから上がるのか、あるいは横ばいなのか。だから、学童保育のニーズは600人程度で、10年間ぐらい常時安定していますから、中の構造が変わったとしても、大体ニーズとしては安定していると、こういうことでございます。
コメント)9/910/10のところで書いた通り、児童数減少にもかかわらず学童保育のニーズは増えていて、「学童保育のニーズは600人程度で、10年間ぐらい常時安定しています」という市長の答弁は正確ではありません。しかもマンションの増加でこの先急激に増える可能性もあります。利用(希望)者数=総数 x(ニーズのパーセンテージ)ですから、このことを指して当たり前というのであればそれはその通りでが、掛け算の結果が横這いではなく、徐々に増えていると申し上げています。
 
その7)
Q)学童クラブに預けている親御さんたちは、休みのときも預けるのか。私は、預けていいと思っています。現実に杉並区はそうやっていますよ。それで、どういうやり方で決めたかというと、親御さんたちのニーズを聞き、検討委員会をつくって、きちっとその中で仕組みをつくった、そういうことが大事じゃないんですか。
A)何回もあなたが引用している次世代育成推進法も、第3条において、次世代育成支援対策は、父母、その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本認識に立っていると書いてある。だから、私が言っていることは、全くこの法律の趣旨に従ったことを言っている。あなたの言っていることは、この法律の趣旨に従っていないこと。家に親がいても帰さない方がいいみたいなことは、この法律の第3条違反ですよ。だから、こんなことは当たり前のことなんであります。
コメント)その5)の続きです。市長は反対意見を述べる場合など、行政の歴史や手続きの問題、法律の条文などのうんちくをとうとうと語って、相手を煙に巻こうとすることがよくあります。これもその例です。こんなことに法律を持ち出して「違反である」というのは、如何にもお役人的、権力的な印象を持ちました。国や法律のことを言う前に、まず、子どもや親の立場に立って想像力を巡らせてもらいたいと思います。その上で行政は何をすべきか、具体的に議論すべきだと考えます。

   以上、市長の言う「当たり前」又は「アッタリマエ」を検証しました。多くは当たり前ではないことが分かりました(少なくとも私はそう思います)。
   

11月の議員日記TOPへ
                                             

   2004年11月18日(木)                                                                            
11/15(月)総務委員会、16(火)文教委員会、17(水)厚生委員会が開催されました。

   
文教委員会では「公立保育園改革」関連の質疑がありました。「市民からの出された意見(39件)は、改革計画にどのように取り入れられた(反映された)のか」との質問に対して、市長の「取り入れられるものは取り入れるし、取り入れないものは取り入れない」という、小泉首相の「自衛隊が派遣されている所が非戦闘地域だ」という発言にも似た、乱暴で中身のない答弁にはがっかりしました。
   質疑のダイジェストは近いうちにレポートします。


文教委員会視察報告 (その1) ・・・堺市役所「中学校運動部活動支援事業について」


   もたもたしている内にひと月以上経ってしまいましたが、10月に実施した文教委員会の視察の簡単なレポートをしたいと思います。今年の文教委員会の視察は下記4カ所へ行き、参加者は文教委員7名と議会事務局の職員1名の計8名でした。
堺市役所庁舎

視察先
10/13(水)大阪府堺市役所
10/14(木)大阪市立中央図書館
                       大阪府立 中ノ島図書館
10/15(金)郡上八幡八幡自然園
   






1.堺市役所「中学校運動部活動振興事業   堺ドリームクラブ」・・「ドリームクラブ事業」とは?
  堺市では中学校の生徒数の減少、顧問教員の減少や高齢化などで多くの部活動が廃止になり、これを改善するためにH11年度から下記の4つを柱とした「ドリームクラブ事業」を行っています。簡単に説明すると、”拠点校に「部活」を作り他の学校の生徒も参加できるようにした”事業がメインで、この他に、指導者派遣や審判員派遣などの仕組みもあります。


1)運動部活動振興推進事業
   種目は9種目: 陸上競技(2校)・バスケットボール(1校)・ハンドボール(2校)・ソフトボール(1校)・バドミントン(1校)・水泳競技(1校)・剣道(1校)・柔道(1校)・相撲(1校) などを10の拠点校で開設し、108名の生徒が学校間連携で参加しているとのことでした(H16年度) 。 
   中学校の部員不足、顧問不足に悩む部活動を近隣の学校で連携し、存続させて活性化することを目的にとして 、学校間で相談して、2〜3校での合同練習を行ったり、部員が少なく試合に参加できない場合など合同チ ームを編成したりしているようです。



   




2) 部活動技術指導者派遣事業・・・ 専門的な技能を持った指導者を必要とする学校に対して、指導者を派遣する事業
 H16.6/1にスタートさせ、来年の3月までに
            ・・・運動部40校に228名の技術指導者を13,445回派遣
                     文化部27校に51名の技術指導者を1,255回派遣する予定
   
とのことでした。





3) (堺市中学校運動部活動大会)審判員派遣事業・・・ 堺市の部活動の大会運営を支援するため、大会審判員を派遣
 陸上・バスケットボール・野球・ソフトボール・剣道・柔道・ハンドボールの7種目、30の大会に延べ450名の審判を派遣しています(H16年実績)。



4)堺市運動部活動活性化推進事業
  堺市の運動部の活性化のために「堺ブレイザーズ(新日鐵堺の元選手がコーチ)」 の高度な技術や知識を活用して、市民への講演会の開催や講師派遣・研修会など協力してもらっている。


       ※注: 2)と3)の指導者・審判員へはそれぞれ1回の派遣に対し3,000円の報酬を支払っているそうです。

2.堺市の運動部活動の実態・・・少なくなる部員数と指導者の減少・高齢化


H5 H10 H16
堺市中学生徒数 29,158 23,568 19,629
男子運動部数 307 268 247
女子運動部数 269 231 222
男子部員数 10,585 8,347 6,956
女子部員数 7,446 5,721 5,139
部員数合計 18,031 14,068 12,095
入部率 62% 60% 61%
教員数 1,436 1,254 1,102

   上記の表はH5年からの堺市の中学校の運動部などのデータです。H1年の4万人をピークにして中学生徒数は減少の一途で、H5年に比べるとH16年では67%となっています。H11年から始めた「堺ドリームクラブ」事業でも総部員数はH5年に比較すると67%で、なかなか厳しい状況です。

3.問題点・・・「学校の枠」と「公式試合」の問題
今回、説明していただいた市の担当者と先生はこの事業を進めるための危機感を持っていました。練習の様子や生徒へのインタビューなどが入ったビデオも見せて頂いて、先生方の熱意で支えられていることも伝わってきました。しかし、こういった熱意もいくつかの壁に阻まれているようです。

1)学校の枠をはずす困難さ
   生徒が自分の通っている学校以外の「拠点校」の部活に参加するためには文書での手続きなどが必要だそうです。拠点校の仕組みを作ってもこういった煩雑な手続きが要るとなると参加者は二の足を踏む気がしました。また、説明を聞く中でも感じたのは、学校間の枠を取り外す取り組みには実際的に様々な壁があるようで、相当の気苦労があるようでした。教育委員会を中心にもっと柔軟な対応で、生徒が自由に参加できるような仕組みはできないものなのか、考えさせられました。






2)公式試合には認められない拠点校参加生徒
  別の学校から拠点校の部活に参加している生徒は、公式試合には拠点校の選手として出ることはできないそうです。高校野球では地元以外の選手が移り住んで、地元選手代表として出ているのに、こういった場合には認められないというのは、どうも杓子定規で納得できません。

   日本のプロ野球でも旧態依然の体質や水面下でのルール違反がバレてしまい、早急な改革を必要としています。中学生レベルのアマチュアスポーツでも、もっと制度や仕組みを柔軟に見直すことが求められていると感じました。



 


   


11月の議員日記TOPへ
                                             

   2004年11月19日(金)                                                                            
文教委員会視察報告(その2)大阪市立中央図書館と府立中ノ島図書館・・・近代的な図書館とレトロな図書館の対比

   10月の文教委員会の視察の続きです。当初の予定では10月14日は市立中央図書館の視察だけでしたが、委員会で相談してもう1カ所の見学を組み込んでもらいました。

1.「大阪市立中央図書館」完成まで3年、建設費用225億円!!
  朝9:20頃に到着したところ、入り口に大勢の利用者が列を作って開館を待っているのに遭遇し、まずこの行列にビックリしました。

専門の司書の方がリードする・・

   案内して下さったのはこの道25年の中央図書館の利用サービス担当課長の方で、司書の資格を持ち、ずっとこの図書館で働いているとのことでした。当然のことかも知れませんが、新しい図書館建設の経緯や事業の中身、今後の問題点までトータルにきめ細かく把握していらっしゃいました。    
   図書館の機能として「本の貸し出し」だけでなく、「リファレンス(検索)」「アドバイス」などのソフト面の強化が今後さらに必要になると思われます。武蔵野市でも図書館職員の専門性を高めるための方策が必要だと感じました。武蔵野市の場合、図書館長は一般公募で選ばれるようになりましたが、図書館の職員は一般の事務職なので、他の部署への異動もあると聞いています。都市整備部や施設課などの技術職は固定化されているのにならい、図書館などの場合も専門性を認めて、異動を一定の範囲(3つの図書館や文教関係など)で行うなど、人材の育成ややる気を促すためにも、柔軟性が必要ではないかと感じます。

改築された図書館概要・・・地上5階(一部6階)、地下6階の大規模な建物
@完成までに約7年間
                  H1(1989)図書館計画基本構想委員会答申
                  H3(1991)基本設計・実施設計(設計:石本建築事務所)
                  H4(1992)工事着工
                  H8(1996)1月建物本体完成、7月新館開館
A敷地面積約1,902坪(6,278u) 、地上5階一部6階、地下6階(地下3階から地下6階が書庫になっていて、約300万冊が収容可能だそうです。)
B所蔵書籍
成人用 1,240,250冊 外国図書  約17,000冊
児童用 175,596冊 ビデオソフト 12,773
雑誌 3,467冊 CD 21,916
新聞 186 カセットテープ 2,627
C閲覧席 約1,150席(読書席150席・談話室50席)
D開館時間  ◎月〜木 午前9:15〜午後8:30    ◎ 土・日など  午前9:15〜午後5:00

特徴・・・AVの機器の充実と「情報コンセント」パソコン持ち込みも貸出もできる仕組み
◎「情報コンセント」と命名された一角ではパソコンを設置して使用できるようになっていました(インターネット利用可能かは不明)。図書館でパソコンを借りることも、自分で持ち込むこともできるのでなかなか便利だと感じました。武蔵野市の場合はノート型パソコンの持ち込みもできないので、今後はインターネット予約はもちろんのこと、図書館でのパソコン利用も進めるようにすることが課題ではないでしょうか。
◎ビデオ・CDなどAVのソフトの充実と視聴コーナーが使いやすくなっています。多くの利用者を集めるためには、オーディオ・ビジュアル面を充実することが重要かもしれません。しかし、こういった方向性が、今後の公共図書館のあるべき姿であると言い切れるものでもありません。難しい問題です。
  
情報コンセント AV視聴コーナー

2.レトロな図書館・・・100周年の大阪府立中之島図書館  

 大阪市役所に隣接した中之島図書館はとても古い建物の図書館でした。入り口で2〜3人の職員から鍵を渡され、荷物をロッカーにしまってから中に入る仕組みで都立中央図書館と同じでした。入るのにちょっと敷居が高い感じがしました。
特徴・・・「ビジネス支援」に特化したサービスの提供

◎武蔵野市の図書館では平日の日中は熟年の方や子育て中の親子、学生などが中心ですが、ここでは利用者は圧倒的にビジネスマンが多く、びっくりしました。立地を生かして「ビジネス支援」や「インターネット・データベース」の利用に絞っていました。来館者も大体が具体的な目的があって来ているようで、一人で来て集中的に調べて帰る方が多い印象を受けました。様々なチラシも集約して置いているので、ここに来れば情報収集に便利なのでしょう。アチコチに係員がいるので、気軽に問い合わせができる雰囲気ですが、コピー代(白黒)が1枚20円〜30円というのは今時ちょっと高いと感じました。建物がとても古くて良い感じなので、丸の内のステーションホテルのカフェのように、どこかでゆっくりお茶を飲めるスペースでもあれば良いのに、と感じました(図書館を出ると近くにレトロなカフェやレストランはありますが・・・)

子ども用トイレ
   今回見た図書館の規模をそのまま武蔵野市の図書館に当てはめることはできませんが、違う自治体の図書館を見ることはとても参考になります。若い人の利用を掘り起こすために、マンガ(コミック)やAVなどに力を入れている図書館はよくありますが、今回の市立中央図書館の子ども連れの方々のためのスペースを設置しているのは良いアイディアだと思いました(武蔵野市の図書館にも同じようなスペースがあります)。

   中之島図書館では特化したサービスを行っていて、今後の図書館の方向性を示唆していると感じました。「こども図書館」「雑誌図書館」「環境図書館」「食の図書館」など、もしこういった独特の切り口の図書館作りが地域にもっと広がれば楽しいと思います。以前、銀座の歌舞伎座の裏にあるマガジンハウスでは世界中の雑誌のコーナーを作っていて、随分多くの人たちに利用されていました。武蔵野市にも小粒でユニークな図書館を作ってはどうでしょうか?


□△○□△○□△○□△○□△○□△○□△○□△○□△○□△○□△○□△○

お詫びと訂正
   
11/6の議員日記に、確認したところ実際とは食い違う記述がありました。お詫びして訂正します。詳しくは同日分をご覧下さい。

11月の議員日記TOPへ

   2004年11月22日(月)                                                                            
文教委員会視察報告(その3) 郡上八幡自然園・・・ NPO法人「メタセコイヤの森の仲間たち」の活動

岐阜県郡上市・・・水とみどりが印象的な暮らし

   10/14は新岐阜のホテルに宿泊し、翌朝バスを乗り継いで「郡上八幡自然園」に到着しました。道中やバスの待合所では、主に地元の利用客の方々(年輩の人が多い)と一緒で、のんびりした地元の雰囲気感じました。バスを待っている間に「八幡営業所」のバス停を歩いていたら、半分に切ったドラム缶にメダカを飼っているのを見つけました。その水がとても澄んでいてきれいでした。水の豊かな郡上八幡ならではの光景でしょうか。
   



1)親子3代で築いた活動の場
   郡上八幡自然園は有限会社が所有し、運営はNPO法人「メタセコイヤの森の仲間たち」に委託されています。自然園の現在の園長三浦太門さんのお父さんで、村長などを歴任した三浦信定さんが、この場所に私財を投じ教育キャンプ場を整備して開設したのがはじまりだそうです。三浦太門さんも元町議で、志を継承して子ども達の体験活動の場として特化させ、ボランティアグループとも連携して活動を拡げているとのことでした。2000年にはNPO法人の認証を受け、こちらは太門さんの息子さんが中心になって活動しているとのことでした。
 
   感心したのは、金儲けではなく社会に貢献するために、私財を投じて親子3代に亘って努力している人々が実際にいるということと、その目指すテーマが非常にシンプルでわかりやすいということです。三浦太門さんのお話はきれいごとではなく、コスト面の苦労や実際の体験談を交えながらゆったりとしてわかりやすい内容で、説得力がありました。また、ご自分達の目指すテーマについて愚痴がまったくなく、今後の方向性について前向きな戦略があることに感心しました。息子さんはNPO法人の活動について分かりやすく説明してくれました。今後は若い世代なりの新しい時代感覚で情報を発信し、さらにこの活動を充実させていくのではないかと感じました。

2)着眼点がユニーク・・・学校の体験活動の支援に特化
   武蔵野市を含め、現在多くの学校で野外体験活動が盛んです。しかし、実際に先生方だけで体験活動を指導していくのは困難で、ほとんどの学校で体験活動の支援の潜在的なニーズがあるそうです。これは視察初日の「部活」の問題と共通していました。先生方の高齢化・社会全体の少子化も深く関係があると思います。
  当初はキャンプ場としてスタートしましたが施設(ロッジやプール・食堂・体験施設など)を充実させたことで、バラエティある支援メニューを揃えることができるようになったそうです。それぞれの施設の作りはとてもシンプルですが、敷地が広いため全体がバランスよくみどりの中に配置されていてとても居心地が良いと感じました。こういった施設では、ハコモノのデザインなどに凝るよりも、周りの自然を生かしてあまり余計な手を加えない方が良いということもよくわかりました。 

3)全国から集まるスタッフ・ボランティアの人たち
    注目したのは若いスタッフのことです。お話によると全国から多くの若者がこの場所で仕事をしたいと応募してくるとのことです。給料はそれ程高給ではないとのこと(月収18万〜20万程度、公務員の給与の1/2〜1/3くらいとの話)でした。若者達に、自然の中や環境に役立つことで仕事をしたいという、潜在的なニーズがあるように感じます。スタッフ専用の住宅がすぐ近くにあるので、この土地の中で暮らしているようです。ボランティアは地域の方々はもちろん、遠くからも駆けつけてくれるとのことで、多くの人たちに支持されている様子です(ボランティアスタッフ・・・・1日5,000円支給)。

   昨年視察で訪れた「チルドレンズミュージアム(丹波篠山、昨年の視察レポートはこちら )」のことを思い出しました。「チルドレンズミュージアム」でも多くの若者が応募してくるとのことでしたので、今回と同様の若い人たちに共通する指向性を感じました。

4)長く働くことができる条件整備が必要・・・まとめ
   園長の三浦さんのお話で「施設に行政の補助金をもらうと建設費などがかえってかさみ、シンプルな作りにできないので自己資金で作った方が安上がりになる」と補助金をもらった後の矛盾点についての指摘がありました。さらに、現場で運営に携わる息子さんからは、折角やる気で全国から集まった若者達が給料が安いために将来に亘って働き続けることができないと「人材育成」についてのNPOの悩みが率直に語られました。この夏武蔵野市の「地域子ども館(あそべえ)」や世田谷区の「新BOP」などの子ども施設を訪ねたときに感じたのと同じような問題点です(9/16、  10/12 参照)。こういった場所で若い人達のキャリアが蓄積されれば、新たな職域の開拓にもつながります。施設の建設費の補助金という形ではなく、もっと別な形で公的な支援ができないものかと感じます。

   こちらのスケジュールの都合で短い時間しかお話を伺えませんでしたが、これまでにするには多くのご苦労があり、特に「人材の育成」や「スタッフの将来」については強い危機感があるようでした。実際の運営はやはり簡単ではないのだろうと実感しました。もう少しゆっくり意見交換する時間があればと思いました。
                       

11月の議員日記TOPへ
                                             

   2004年11月26日(金)                                                                            
委員会視察旅行・・・ウラ話と問題点

   議員の視察旅行というと、しばしば新聞やテレビで事件として取り上げられます。海外まで行ったものの、観光コースをまわっただけの単なる慰安旅行だったのではないかとか、費用が異常に掛かっているとか、さらにもっとひどいケースの視察もありました。(実例1    

   武蔵野市の場合も毎年ではないにしろ、時々議員が外国に行くことがあります。勿論全員が行くわけではなく、会派ごとに割り当てがあります。今年は協定を結んでいる韓国の忠州(チュンジュ)市などを10人の市議(別に職員数名が同行)が訪問しました。自治体議員同士の交流はいいことですが、税金を使っての訪問旅行で、どの程度成果を挙げているのかよく分かりません。ただ今のところスキャンダラスな話題を提供したことはないようです。

   毎年10月には各常任委員会単位で、それぞれの所管に沿ったテーマの国内の視察旅行(正式には行政視察というそうです)に行くことになっています。不思議なことに5つの常任委員会の内、北海道に行くグループ、九州に行くグループが、それぞれ毎年必ず1つ以上あります。北海道や九州は視察すべきスポットが特に多いのかどうか知りませんが、とにかく人気のようです。私の所属する文教委員会は野党議員が多いことと関係があるのかどうか不明ですが、去年も今年も割にタイトな日程で近畿・中部地方を見て回りました。
   また、視察旅行について「議員同士の親睦を図る」ことを特に強調する先輩議員もおられます。たしかに議員同士、立場は違ってもお互い敬意を払い、協力すべき時は会派に関係なく協力することは当然ですが、一方市議会は仲良しクラブではありません。親睦だけを目的にするなら、希望者を募って私費の旅行でも企画されればよいのではないでしょうか。
 

   たまたま文教委員会では、視察旅行から帰ってHPなどでしっかりレポートをされている議員の方が私以外に複数いますが、こういうのはむしろ例外的で、公式な記録としては毎年1回議会事務局が作る「議会要覧」に一覧表として載るだけのようです(H14年の例)。議員には報告義務もありません。国内・国外を問わず、議員の視察旅行については、いつどこに行ったか、費用はいくらかかったか、そして短くてもいいから参加した各議員の感想文や写真などを添えてまとめた報告書を作ることや、できた報告書を情報公開コーナーなどに置いて、開示請求などしなくてもいつでも市民が目にすることが出来るような仕組みを整えることは、税金を使って視察する以上当然です。それを毎年継続すると資料的価値も高まると思うのですが、現在そうはなっていません。

   視察の日程は、議会事務局の各委員会担当で同行する職員がそれぞれ1人で調整して作るそうです。特に、今回のように過去の視察例が少ない場合は、結構手間がかかるようです(インターネットを使うことで大分やりやすくはなりました)。最も大変なのは、食事の時間をスケジュールのどこに入れてどこで何を食べるか、ということらしいです。男性議員にはグルメの人が多く、いろいろ注文があるようです。彼等の旅行中の食べる量の多さと速さにはビックリしました。同行する職員の人は、行程中も添乗員のようにいろいろ気配りが必要で、気疲れする仕事だと感じました。


11月の議員日記TOPへ