2004年9月市議会(第3回定例会)での一般質問


9月初めから、ほぼ一般質問の順番に沿って「武蔵野市の子ども施策を考える」シリーズを議員日記で続けてきました。先日議会事務局から議事録の速報版を提供していただきましたので、順序はあと先になりますが9月の私の一般質問の内容を掲載します。議員日記と共に目を通していただければ幸いです。(200410.26)

今回の一般質問の大きな項目は3つです。
1. 子育てと仕事の両立を支援するための施策について
2.「地域こども館」と「学童クラブ」の性格づけについて
3.学童クラブの現状について


○議 長(田中節男君)  次に、子育てと仕事の両立を支援するための施策等について、14番三宅英子君。

(14番 三宅英子君 登壇)(拍手)

○14番(三宅英子君)  それでは、子育てと仕事の両立を支援するための施策等について、大きな3項目に絞り込んで質問いたします。今回、このテーマで質問するに当たり、事前に市内・市外の子ども関連施設を大体20カ所程度、実際に見て回り、現場のスタッフの方々などからお話を伺いました。もちろん、一度見ただけでは何がわかるというものでもなく、また初対面の相手から本音が引き出せるはずはないということは十分承知していますが、私個人としては意外に多くの収穫があったと感じています。

 まず、質問の前に、学童クラブと地域子ども館、通称あそべえですけれども、それの違いなどを、私の頭の整理を含めて行いたいと思います。

 学童クラブとは、武蔵野市では主に親が働いている小学校1年生から3年生の子どもたちが、月曜日から金曜日の放課後から、通常は夕方6時ごろまで指導員のもとで過ごす場所です。市内には12カ所あり、入所している児童数は約600名、利用料は1人当たり月5,000円、別途で1,800円程度、おやつ代が徴収されます。ちなみに、国の管轄は厚生労働省で、本市では児童青少年課が担当しています。

 次に、地域子ども館、通称あそべえですけれども、放課後の全児童対策として平成14年から本市で始まった、小学校の空き教室などを利用した事業で、子どもたちは出入り自由に遊ぶことができ、館長さんとスタッフが中心になり、運営しています。開館時間は、月曜日から金曜日までが午後1時から5時まで、土曜日は朝9時から午後5時までとなっています。利用料は無料で、おやつは出ません。国の管轄は文部科学省、本市の担当は子ども家庭課です。

 このように、学童クラブと地域子ども館あそべえの国や市の管轄は別々です。また、学童クラブの指導員と地域子ども館の館長の待遇は、それぞれ非常勤職員となっています。

 では、質問に入ります。

 まず、大きな1番目は、子育てと仕事の両立を支援するための施策についてです。

 厚生労働省がまとめた最新の人口統計によると、武蔵野市の出生率は0.87で、昨年に続き、多摩地区でワースト1位でした。また、本市の統計によると、市の人口は10年前に比べて、全体では約2,200人ほど減っていますが、さらに詳細に見ると、ゼロ歳から14歳の年少人口は約3,200人の減少、65歳以上の人口は約6,000人の増加となっています。これらの統計データから、本市では少子・高齢化が一段と進んでいることが明らかです。

 平成13年3月の第1回本会議で、少子化問題についての一般質問がありました。市長はこのとき、質問した市議に向かって、日本の国の状態が安心して子どもを産み育てる環境にないと、こういう認識を示されたわけでございますが、私はそのようには考えておりませんとはっきりと答弁されていますが、その後の出生率の低下の深刻化や国などの対応を見ると、世の中の流れは、市長のこのときの答弁とは大きく違う方向に進んでいるように思います。つまり、平成13年7月には待機児童ゼロ作戦が閣議決定され、平成14年9月には厚生労働省では少子化対策プラス1の取りまとめなど、国も危機感を強め、少子化対策に力を入れるようになり、次々と具体的な手を打ち始めています。さらに、昨年7月には次世代育成支援対策推進法が成立し、本市でも市町村行動計画策定が求められています。

 そこで、具体的な質問です。

 1)この法律の成立で、平成16年中に市町村行動計画策定が求められていると聞きますが、これに関して、次の4つの質問をします。

 @この行動計画策定に当たって、1.現状分析、2.ニーズ調査、3.住民参加と情報公開、この3つの項目が手続として厚生労働省などから求められていますが、この3項目について、本市では現在どのように進めているのでしょうか、具体的な中身と進捗状況をお聞きします。

 A今、言いました@の3の住民参加と情報公開の項目ですが、住民の意見を反映させることが必要とされていますが、住民参加と計画策定過程での市民への情報の提供などについて、それぞれの具体的なやり方とスケジュールをお聞きします。

 B国の策定に関する基本的な視点7つのうちに、サービス利用者の視点とサービスの質の視点が含まれています。本市での学童クラブ、地域子ども館などの質を高めるために、サービス評価制度を取り入れたり、人材の資質の向上のための評価制度や研修の仕組みなどが必要だと考えますが、具体策をお聞きします。

 Cこの行動計画に盛り込むべき項目は6つあり、その5番目として、職業生活と家庭生活の両立の推進がありますが、本市としてはどのような中身を考えているのでしょうか、具体的な内容とプランをお尋ねします。

 2)国は、この市町村行動計画について、職業生活と家庭生活との両立の推進を柱の一つに据えるべきと、先ほども言いましたが、定めています。この趣旨からすると、学童クラブ事業は自治体として当然、力を入れなければならない事業になるはずです。しかし、本市では第三期長期計画以来、進行中の第四期基本構想・長期計画でも、学童クラブ事業は全児童対策と統合していくというような方向性しか示していません。その記述も極めて少なく、客観的に見ても力を入れている事業とは言いがたいと思います。

 また、武蔵野市では、現在実施している事務や事業の効率性や受益者負担などの角度から、それぞれの事業を庁内や他の自治体などとのコストを比較するために、平成15年からこのような個別事務評価試行結果表という本をまとめています。平成16年に出されたこの本の中に記載されている学童クラブの評価シートには、平成15年度の収支の分析に加え、備考欄には前回の結果表と同じく、学童クラブ児童の出席率の低下に努めますという一文が入っています。現に、学童クラブの児童の出席率の低下を目指しますと言っている自治体は、都内にはありませんので、これは本市の学童クラブに対する消極的な姿勢を象徴していると感じます。このように、本市の学童クラブ事業への取り組みは、先ほども述べた国の姿勢の変化、法整備の進展、既婚女性の就業率の増加など、世の中の流れに逆行していると考えます。今回、本市でも、政治的・社会的変化を受けとめて、現在策定中の第四期基本構想・長期計画で明確に修正すること。また、次年度から個別事務評価試行結果表の中の一文を削ることは当然であると考えますが、市長の見解を求めます。

 次に、大きな2番目、地域子ども館あそべえと学童クラブの性格づけについてお尋ねいたします。

 第三期長期計画以来、進行中の第四期基本構想・長期計画では、地域子ども館と学童クラブの性格が整理されておらず、ごちゃ混ぜにされ、双方の事業の違いがあいまいのままだと考えます。これまで市議会の一般質問でも、何人もの市議から2つの事業の違いについての質問が出ているのは御承知のとおりです。また、実際にお目にかかった地域子ども館の館長さんたちからも、市の担当部署からも具体的な運営の指示は余りなく、自分たちでその都度、試行錯誤し、工夫し、市側に示しながらやっているとの声も伺いました。また、実際に開館したのはいいけれども、地域の人々や子どもたちになかなかその性格を理解してもらえないということで、幾つもの地域子ども館で事業の中身をわかってもらうために、独自のリーフレットづくりなどをやっていました。地域子ども館あそべえと学童クラブの事業の違いなどをどのようにとらえていらっしゃるのでしょうか、市長の見解を求めます。

 次に、大きな3番目、学童クラブの現状についてです。次の9項目の質問をします。簡潔な答弁を求めます。

 1)市長は、現在、学童クラブに対する保護者のニーズは高まっていると考えていますか。

 2)本市には、学童クラブの保育の基本方針がないと聞いていますが、なぜ文章化したものをきちっとつくらないのでしょうか。基本方針がないと、各クラブの指導にばらつきが生まれるのではないでしょうか。

 3)平成10年度と平成15年度を比較すると、学童クラブ事業の市の負担割合は93%から66.1%と、大きく後退しています。なぜ年々予算を削減しているのでしょうか、具体的な理由を御説明ください。

 4)学童クラブ、地域子ども館あそべえなどの指導員、館長は非常勤職員なのに、0123のスタッフは正規職員待遇と聞いています。また、0123の施設と学童クラブや地域子ども館あそべえの施設を見ると、充実度ときれいさが全く違います。同じ子ども施設で、なぜこのように落差があるのでしょうか。スタッフの待遇や施設の充実度にこのようにギャップがある理由をお聞きします。

 5)市内で大規模マンション建設が続いています。来年度の学童クラブ入所希望者数は、何名ぐらいと予測しているのでしょうか。待機児が発生した場合の対応をどのように考えていますか、具体策をお尋ねいたします。

 6)過半数の学童クラブを見学し、児童の健全な育成にハード面で支障があると感じる施設が幾つかありました。担当部署は、現在の各学童クラブの施設・設備などの不十分な点をどのように把握しているのでしょうか、具体的な施設名で説明を求めます。また、本市独自の学童クラブの施設・設備の設置基準をつくるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 7)平成9年の第三期長期計画・第一次調整計画では、コミセン内の学童クラブの移転について記述されています。既に7年たっていますが、コミセンの中にある学童クラブの移転について、何か具体的なプランはあるのでしょうか。第三期長期計画の事業実施状況一覧表では、学校建てかえ等の時期に合わせて長期的に実施との記載がありますが、これでは全部移転するのに何十年かかるのかわかりません。現状では、屋外の遊び場が不十分な学童クラブについて、移転できるまでどう対応するつもりでしょうか、具体策をお聞きします。

 8)障害児の受け入れを始めていますが、障害児受け入れのための指導員に対する研修がないと聞きます。保育園では、巡回指導などを実施しているようですが、学童クラブではなぜやらないのでしょうか。子どもの障害の状況がそれぞれ違うという理由でやらないと聞いていますが、基本的な研修をやるのとやらないのでは、障害児への対応が随分違ってくるはずだと思いますし、コンサルテーションなどは、やろうと思えばすぐにできるはずです。市独自の研修などをやらない理由をお聞かせください。

 9)市長は、当然、学童クラブの実情をよく御存じのはずですが、施設の現状をどうお考えですか。改善すべき点はないのでしょうか。率直な御見解をお聞かせください。

 最後に、杉並区の学童クラブを見学した感想を簡単につけ加えたいと思います。杉並区の学童クラブには3つのタイプがあり、児童館の中に併設されているものが40カ所、小学校の空き教室を利用しているもの4カ所、単独の施設の2カ所の計46カ所となっています。武蔵野市が小学校3年生までなのに対して、小学校4年生までが対象で、障害児は6年生まで受け入れています。41カ所中40カ所の児童館には学童クラブが入っており、同時に児童館は地域子ども館あそべえのような機能をあわせ持っているほか、親と一緒の赤ちゃんから高校生までの個人利用、そういった方が利用できます。1館当たり1日平均90人ぐらいの利用者が訪れているそうです。児童館1館当たりの経費は、年間約3,700万円ということで、武蔵野市の子ども施設の0123の1館当たりの年間経費3,070万円と比較すると、幅広い住民が利用できる点を考えれば、効率がよいとの印象を受けます。一方、学童クラブの児童1人当たりの経費は、杉並区では年間約50万円で、高い高いと言われる本市の約39万円よりも手厚いものになっています。

 私は、何も杉並区の方が何でもよいと言うのではありません。しかし、比較することでいろいろ見えてくるものがあります。ゼロ歳児から3歳児が対象の施設である0123を一つ二つつくるだけでは、幅広い市民、特に働きながら子育てしている市民の切実なニーズにこたえることにはならないのではないかと思います。

 今回、リサーチするに当たり、本市の担当者から、学童クラブは視察用施設ではないと言われました。本市に視察用施設という言葉があるのを初めて聞きました。そう言われてみれば、昨年の新人議員研修の見学コースに入っていたのは0123はらっぱや千川小学校だけで、学童クラブはコースには入っていませんでした。こういった施設は、視察用施設なのでしょうか。暗に学童クラブはそうではないから、行ってほしくないと言いたいのだろうかと感じました。こういうよそ行きやきれいごとの行政では、市民の生活は本質の部分ではちっともよくならないのではないかと実感しました。

 では、以上で私の一般質問を終わります。市長の簡潔な御答弁をお願いいたします。

○市 長(土屋正忠君)  次世代育成法に関連して、具体的な御質問が何点かありました。ただ、私、率直に申し上げて、三宅議員よりも、市長として足かけ22年、そしてまた市会議員として8年、ずっと厚生労働省並びにその前身の厚生省とおつき合いをしていますけれども、厚生労働省の場合には、どこの省庁もそういう傾向にあるんですけれども、法律をつくったり、ガイドラインをつくったり、それでおしまいなんですね。だから、今、例えば児童福祉法の趣旨の中に、在宅の育児支援の中で広場事業などというのが今から数年前から補助対象事業になっておりますけれども、これなども武蔵野市の0123を真似て厚生省がつくったわけであります。しかも名前まで同じくして広場事業。少し特許料をもらった方がいいんじゃないかなんて私、いつも言っているんですけれども、つまり国のやることはある面では後追いですから。今、御質問のあった学童保育そのものだって、武蔵野市が昭和38年にやって、そしてつい10年ほど前に児童福祉法の改正になって、ようやっと学童保育が国の法律の中に入ったわけですから、これも武蔵野市の後追いであると、こういうことで、別に次世代育成法などという法律ができたって驚きはしないんで、ここで予定されているようなことはみんな武蔵野市が先行してやっていると、こういうことを申し上げておきたいと存じます。そういうことでございます。

 こういうことを前提にして、何点かお答え申し上げたいと存じますけれども、まず次世代育成法が予定しておりますような、いわゆる市町村の行動計画の策定等でございますけれども、既に武蔵野市は山本 泰先生にお願いして、十数年前から子ども問題を総合的にとらえて取り組んできたわけであります。それらの中で、最近では平成12年3月に武蔵野市地域児童育成基本計画、子育てプラン武蔵野を作成して、既にもう4年も前から、この次世代育成支援対策推進法の趣旨を生かしてきているわけであります。そしてまた、12月にはそれを具体化した実施政策を策定しておりますので、これらを御参照いただきたいと存じます。したがって、次世代育成支援対策推進法が予定しております市町村行動計画には、この実施計画を抱合するという形で行っていきたいと、このように考えているわけであります。もちろん、これらの上位の計画として、基本構想や長期計画があるわけでありますから、これらについては総合的な計画として9月以降、御検討いただきたいと、このように考えております。

 また、具体的には、子育て施策推進本部の幹事を中心として、関係部課で改定委員会を現在つくっております。なお、現状分析、ニーズ調査、住民参加、こさらについては、ここですべてやっておりますので、これに置きかえたいと思っております。

 また、サービス利用者の視点やサービスの質の視点ということでは、行動計画策定に当たっての基本的な視点とされるもので、具体的な各施策の策定において、そのような視点から計画をしてほしいとされているもので、今までもそういった角度でやってきております。

 また、地域子ども館においては、児童と大人の委員による子ども委員会などを設置いたしておりますし、また、各地域における地域子ども館では、学校、PTA、青少協などの委員がチェックしておりますので、こういったサービスの質は一定程度以上はやられていると、このように考えているところでございます。また、保育園等においては、御承知のとおり、外部評価制度を取り入れて進めているところでございます。学童クラブなどにおいても、場合によってはこういったことも取り組んでいきたいとは思っているところでございます。

 次に、職業生活と家庭生活との両立を図るということでございますが、これは保育サービス、放課後の全児童対策、ファミリーサポート・センターなどなどで既にこれらについては実施しているところであります。

 次に、具体的な学童クラブについて申し上げたいと存じますけれども、必要な児童を受け入れるための体制の量の充足と、学童クラブ運営上の民間施設、人材活用などの取り組みに触れているわけでございますけれども、武蔵野市は基本的にはこれらについて、既に実施済みでございます。

 それから、長期計画の中で、児童の出席率の低下に努めますと、こういう一文があることに対して、出席率の低下ということを目標に掲げるのはおかしいじゃないかと、こういう御質問かと思います。確かに、この一文だけとると、出席率を低下することを評価するようなことでは問題があると、このように一般的に考えられますが、これにはその前の文章も一緒につけていただかないと、とんだ誤解になるわけであります。その前の文章の個別事務事業評価結果表における児童の出席率の低下に努めますの一文は、その前段階で、親子のきずなを大切にするために、保護者が在宅で就労等のない日は、できる限り児童が保護者の監護の下で過ごせるよう適切な指導を行いという、こういう一文が入っているんです。だから、学童クラブは一部家庭機能を代替いたしますけれども、家庭そのものではないわけですから。保護者が家庭にいる場合には、なるたけ家庭でもって保護者と過ごしてくださいよ、こういうことの趣旨でやっているんですから、何ら矛盾するものではないわけであります。もし、このことが逆に問題だとすれば、三宅議員は、保護者がうちにいても学童クラブへ行けと言っているのか、そこはあえて私どもとしては意見を聞きたいところであります。また、なぜこの部分だけ抜き書きして御質問しているのか、よくわからないわけであります。

 次に、あそべえとの性格づけの違いということでございますけれども、これは性格づけの違いははっきりしているけれども、この問題はたびたび市議会でも申し上げておりますが、あそべえというのは各小学校単位で設置して、放課後の児童の自由来所型で、そこに一種の居場所をつくるという作業ですから、これはたびたび申し上げておりますが、学童クラブと重なる部分がございます。したがって、ある面ではあいまいになるのは当然であります。しかし、これはたびたび今までも議論されてきたことですが、学童クラブとの違いは、学童クラブの場合には監護に欠けているという要件があるわけですから、監護に欠けている、その人たちを監護するという要素が必ず残るわけです。だから、片方では、あそべえの場合には自由来所型ですから、お父さん、お母さんが家庭にいても、あるいはお父さん、お母さんが家庭にいなくても、そこには自由に来て、自由に楽しんで、自由に遊んで、そこで子ども社会の空間をつくってくれろと、こういうふうな趣旨であります。だから、共通部分もあれば、違う部分もある。そこのところをはっきりと分けて考えていけばいいわけであります。

 次に、学童クラブの現状についてでございますが、ニーズは高まっているのかという御質問については、安定していると。現在、学童保育に希望者は600人前後でありますから、そういう意味では安定していると。ずっとこの十数年来、600人前後ですから、安定していると、このように申し上げておきたいと存じます。

 次に、基本方針等についてでございますけれども、学童クラブについての基本方針は、もう既に確立いたしております。監護に欠ける子どもを監護するというのが基本方針であります。これは、全国に先駆けて武蔵野市の第五小学校地区の西久保2丁目14番地で、この学童保育事業が昭和38年に、当時の渡辺さんというPTAの会長と、そのほか数人の方々、イイダカオリさん、サカモトさんなどから始まった、そのときから、全国どこにもやっていない事業として武蔵野市がやったわけですから、これはむしろ、それ以来、もう40年間にわたってやっているんですから、確立するのしないのって、もう確立してこちこちになっちゃった、こういうことであります。なぜ確立していないと言うのか、よくわかりません。私どもは、極めてはっきりしている。全国に先駆けて学童クラブを設置してきたと、このように考えているわけでございます。

 次に、御質問があった、負担割合が下がっているけれども、負担割合が下がるのはおかしい、こういうことで、軽視してる、こんな短絡的な議論はないわけで、平成10年と比較しておりますけれども、平成10年は学童保育の育成料はただだったんです。だから、90何%、市費の持ち出しである、当たり前のことであります。ところが、平成11年度から学童保育が法制化されたのに伴って、育成料をいただくということで、一挙にいただくのは無理があるから、3カ年に分けて、だんだん上げてきたわけであります。その上げ方について申し上げますれば、平成11年度が月額3,000円、平成12年度が4,000円、平成13年度から5,000円というふうに上げてきたわけです。ですから、平成10年度は一銭も父母負担がなかったわけですから、これは市費の割合が90何%になるのは、こんなこと当たり前のことです。しかし、育成料をいただくことになったんだから、市費の負担が下がっている、こんなことは当たり前のことであります。だから、そういうことをきちっと質問しないと、何か市が手を抜いているかのごとき印象になりますから、そこはきちっとお調べの上、御質問のほどお願いいたしたいと存じます。

 次に、学童保育は非常勤だけれども、0123の職員は常勤だと、これは当たり前のことであります。0123の職員は、週5日で、朝から夜まであけております。そして、いわゆるフルタイムの職員として働いております。ところが、学童保育というのは、これは既に小学校の授業を受けている子どもが放課後対策として受けるわけですから、例えば給食のないときでも学童保育に来るのは12時過ぎであります。1年生など。ところが、給食がある子どもで小学校3年生ぐらいになると、3時ごろ来る子どももいるわけです。それで、クラブ活動などあったりすると、もっと遅くなったりする。だから、学童保育の職員は、現在11時半からの勤務になっております。したがって、実際に子どもたちがそろうのは2時とか3時ごろですから、4時間とか5時間とか働かない。これをフルタイムの職員にするなんて言ったらば、市民から怒られますよ。ちなみに申し上げますが、フルタイムの職員としているところはどこもありません。武蔵野市の職員の待遇が三多摩の中で一番いい、こういうことを申し上げておきたいと存じます。

 それから、来年度のニーズについては、現在のところ予測を立てておりませんけれども、ある程度関心を持っておりますが、なかなか難しいわけであります。

 ハード面について、劣っていると言いますけれども、具体的などこが問題があるのか御指摘いただかないと、抽象的なことでは答えられないわけであります。

 次に、14点目の設置基準等でございますけれども、三多摩各市、いろいろな基準でありますけれども、例えば児童1人当たりの面積等を見ますと、武蔵野市の場合には1人当たり2.42で、小金井市が2.62ですから、小金井市が1番で武蔵野市は2番目であります。2.42平米であります。例えば、少ないところでは、清瀬市の1.6とか八王子市の1.25とか府中市の1.5などなどもありますので、そういう意味では設置基準から言ったらば武蔵野市は三多摩のトップであると。また、公設公営という運営方法から言っても、また一小学校に一学童区をつくっていることなどなど考えると、三多摩でトップと、こういうことを申し上げておきたいと存じます。

 それから、コミセン内のものを学校内に移転することについては、これは大規模な改修等がないとなかなか難しいわけであります。コミュニティセンター内で非常にうまくやっているものもあるわけですから、これはこれで現状を見ながら、どういうふうにやるかということだと思っております。

 次に、クラブの中に軽度な障害者や中度程度まで入れておりますけれども、あくまでも学童クラブというのは障害者専用施設ではありませんから、したがって学童クラブの指導員に、例えば障害者の専門教育を受けさせるといったようなことは考えておりません。あくまでも障害者を学童クラブに入れる場合でも、集団活動ができるということを前提にしているわけですから、したがって特別な専門知識というよりも、一つの常識人としての一定の対応ができればいい。ただし、武蔵野市の福祉保健部の障害の担当とは、常時連絡をとっていると、このような状態であります。

 次に、最後の御質問かと存じますが、本市の学童クラブの状況は、全体として現状認識からしてどうかということですが、先ほど申しましたように、1人当たりの面積あるいは公設公営、こういったことも含めて、全体としてトップにあると、このように考えております。なお、先ほど、各市の中でも正職がないとお答えいたしましたが、一部、八王子などで、これは正職以外にも非常勤などもあったり、いろいろな形態があるんですけれども、それから、一部あるところもあるということを訂正させていただきます。

 それから、23区の話でございますけれども、23区の場合には児童館と併設ということを長い間かかって伝統的にやってまいりましたので、おのずと武蔵野市とはやり方が違うと、このように考えているところでございます。

 0123だけつくって、働く市民のためのことを考えていないと、こういう御質問がございましたが、念のため、何か0123を敵視しているようでございますので、申し上げておきたいと存じますが、働く人に対するサービスは、例えばゼロ歳だけとってみますと、15%から十七、八%が来ているんでけれども、残りの80数%に対しては全くサービスは行き届いておりません。例えば、保育園のサービスというのは、総額で二十数億円のお金をかけておりますが、0123にかかる金は1園5,000万円程度でございますから、1億円足らずでございます。二十数億円かける保育園、そして1億円かけて家庭保育を中心にしている人のサービス、こういったことを考えてみると、なぜそのような御指摘なのか。働く市民に対するサービスを充実しろという主張はわかるけれども、では、家庭保育をしている人のサービスもあわせて充実しなさいと、こういう主張ならわかりますよ。0123はよくて、働く人はサービスが悪い、こういうことには、到底、はい、そうですかと言うわけにはまいりませんん。学童クラブにしても、保育園にしても、従来は働く人に対する家庭に対するサービスが先行し、巨額な金を使ってきた。それに対して、そうじゃない人もいるんじゃないか。例えば、ゼロ歳一つとってみても、80数%は家庭保育の人じゃないか。こういう人たちに対するサービスが行き届いていないから、0123をつくったわけであります。

 視察用施設だからなどというのは、だれが言ったかわかりませんけれども、そういうことを公の場で言うこと自体が非常に見識を疑います。もし、そういうことを言ったなら、いつ、だれが、どこの職員が言ったのかということをきちっと言わなきゃだめです。視察用施設なんていうのは、私自身が初めて聞いた。

○14番(三宅英子君)  ありがとうございました。答弁漏れがあったと思いますので、まずそれの御指摘をさせていただきます。本市独自の学童クラブの施設・設備の設置基準をつくるべきだと私は問いかけしているんですが、市長のお答えは、三多摩で1人当たりの面積はトップだというようなことしかなかったので、私が伺ったのは、独自の設置基準をつくるべきだと考えるがどうかという質問ですので、これに対してのお答えがございませんでした。
 それから、もう1点ですが、現状では屋外の遊び場が不十分な学童クラブについて、移転できるまでどう対応するかということに対して、具体的な御回答がありませんでした。

 それから、最後に、市長は当然、学童クラブの実情をよく御存じなはずですが、施設の現状をどう考えるかという問いかけに対して、データから見ると、1人当たりの面積などが広いというお答えしかございませんでした。まず、実情をよく御存じなのかどうか、そこら辺についても御回答いただきたいと思います。

 以上3点、よろしくお願いいたします。

○市 長(土屋正忠君)  いずれも先ほどお答えしたとおりでございます。
 独自の基準は、先ほど申したように、特別つくることはないと思っておりますし、また屋外の遊び場もある程度適切にあると、このように考えております。実情もよく知らないはずがないじゃないですか、私が。

○14番(三宅英子君)  どうも御丁寧な御答弁ありがとうございました。

 次世代育成支援対策推進法の部分の御回答には、ちょっとびっくりいたしました。御答弁だと、平成12年3月に子育てプラン武蔵野の答申があり、12月に実施計画を作成したからというお話でしたが、その後、国や厚生労働省などの動きがかなり違っていますよね。それからは何をやっていらっしゃるんでしょうか。

 それから、もう1つ、どんどんやっていると自慢しても、ホームページなどでは全く何も公表していません。若干あったのが、公立保育園の改革計画の中で、次世代育成支援対策推進法の名前がちょこっと出ているだけです。ほかの自治体では、もっときちっと、去年7月にこういった法律ができて、今こういうことをやっているという形で、まずその流れを説明し、ニーズ調査とか、そういったことについて、こういう形で進めていくんだというのを多くの自治体で説明されています。当然のことだと思います。市長は、この次世代推進法については、余り乗り気じゃないような印象を受けますけれども、ホームページなどできちっと市民に公表することは、この法の趣旨に基づいて必要なことだと思いますので、今後どういうふうにやっていくつもりか。懇談会、委員会などを立ち上げるのか、それとも利用者のニーズ調査とか、そういったことに対しても具体的に御説明をお願いいたします。私、考えますと、このままだと、適当におざなりの計画が出されるんではないかなというのがちょっと目に見えていますので、本当に今後どういうふうにするのか、具体的な御説明をよろしくお願いいたします。

 それから、学童クラブの負担額が平成10年度に比べているから、当然低くなるというお話がありましたが、きのう武蔵野の福祉という新しい平成16年の資料を拝見しました。平成13年は73.8%の市の負担割合でしたが、今度出たのでは66.6%と、がた減りじゃないですか。これには一体どういうふうにお答えになるんですか、もう一度答弁をお願いいたします。

 それから、個別事務評価試行結果表についてですけれども、もっときちっと全文を書きなさいとおっしゃいましたけれども、時間の制限があるので、短く簡単に言いました。再質問で全文を申し上げようと考えておりました。私は、この個別事務評価試行結果表については、ことしに入ってから長期計画の基本構想について意見を述べる場がありましたので、そのときも指摘させていただきました。この本では、各事業のコスト比較が載っていますけれども、それぞれの事業のコストを比較する物差しが全く違っていることが問題だと、そのとき指摘させていただきました。具体的には、保育園、学童クラブ事業などのコストは、1人当たりの事業にかかる年間経費で示されているのに、私は別に0123を敵視はしていませんよ。0123事業などでは、総コストを延べ人数で割って、1回当たりの利用に対する経費が出されているわけです。このやり方で行くと、それぞれの事業の正確な比較なんてできるんですか。片方は年間経費で、もう片方は1回の経費なんですから、違う物差しで別々の事業のコストを比較することはできないと思います。

 私なりに、学童クラブ事業と0123事業を同じ物差しで計算してみました。まず、学童クラブの方を年間の延べ人数で割ると、1人当たり1日2,082円となり、0123の2,438円より少し安くなるわけですよ。次に、時間当たりを計算すると、学童クラブは1日平均4時間で試算しましたけれども、1時間当たりは521円、0123は伺ったところ、平均3時間ぐらいということでしたから、3時間で割ってみると813円となりました。やはりこういった形できちっと正確に比較しないと、それぞれの事業の比較、わからないと思います。(「違う」と呼ぶ者あり)違う事業を比較するのが、この事務評価表でしょう。鈴木議員、もう少しお勉強してください。

 それから、私は出席率、親子のきずなを大切にするために云々とありますね。ここの中には、母親は家にいて子育てするのが正しいという前提を感じるんですよ。そういうのがちょっと間違いではないかなというふうに感じます。学童クラブはなぜ必要かということは、そもそも先ほど市長もおっしゃったように、かぎっ子対策で始まったわけですよね。親がいない間、子どもだけで家に置いたりするのは心配だから、また問題も起こったら困るので始めたわけですよ。だから、働く親にとって、親のかわりに一人一人の子を毎日見守ってもらえる学童クラブの存在は、かけがえのないということでは、市長もそれについては先ほど御理解を示されました。

 2番目に、学童クラブの市内のニーズは横ばいみたいなふうにおっしゃっていましたけれども、本当にそうでしょか。私は、そうは思わないんです。例えば、平成8年には市内の小学校1年生から3年生の人数に対する学童クラブに通う生徒の割合は18%でしたが、それが平成15年になると、全体の子どもの数も減っていますけれども、学童クラブへ通う子どもの割合は24%と、もうここで6ポイントもふえているわけですよ。こういった現状について、もっとデータをしっかり分析して、今後の学童クラブに対するニーズは横ばいというような、そういった中身をもう少し整理して、きちっと検討していただきたいというふうに思っています。

 また、近隣では、杉並区や三鷹市でも学童クラブへ通う子どもは毎年ふえ続けています。お隣の三鷹市では、去年、新しく市長がかわり、清原市長は補正予算で学童クラブの増設というのをやられたということを職員の方からも伺い、私も見学に行きました。

 それから、学童クラブの親たちは、まず利用料を払っていますね。先ほど市長からもありましたが。それで、2人で働いている親御さんの場合、ほとんどの場合、別に地方税というのも納めているわけですよ。市町村がこういう方に具体的なサポートを行うというのは、当然ではないでしょうか。市長は、親が家にいて子どもを見る方が、私はそう思うんですけれども、いいと考えているかもしれませんけれども、現実には少数派というのがこの世の中の大きな流れだと思っています。お隣の杉並区とか三鷹市を見ると、本当にどんどんふえているという現状をぜひ御理解ください。

 それでは、市長の方の御答弁をお願いいたします。

○市 長(土屋正忠君)  次世代育成基本法、次世代育成支援対策推進法、これらについては、法の趣旨に従ってやりますけれども、私が言いたいのは、そういうことはもう既にやっているということを申し上げてきたわけであります。その例が学童クラブであって、何も法律のないときから武蔵野市がやったわけです。なお、次世代育成基本法というのは一種の理念法ですから、具体的にはどうするかというと、児童福祉法の中で具体的な事業として書き込まれるかどうかということなんです。児童福祉法の中には、いろいろなことが書き込まれておりますけれども、全部やっております。

 次に、学童クラブの費用の削減ということで、市の負担の比率の問題でございますけれども、これはさまざまな形で変わります。1つは、例えば指導員の給与の適正化を図ったりとか、あるいはある年次で学童保育の新しい施設をつくったり、あるいは設備投資をしたり。そうすると、入ってくる金はほとんど変わらないんですから、当然支出した金額が多くなれば割合が下がります。支出した金が少なくなれば割合は上がります。当たり前のことであります。

 それから、0123のいわゆる事務事業評価の算定方法が違うということですけれども、これは算定方法が違って当たり前でしょう。だって、保育園とか学童保育とかというのは、入園を認められた人が特定の人がサービスを受け続けるわけです。ところが、0123なんかの場合には、きょう来る人とあした来る人とあさって来る人と、同じ人が来るかもしれないし、違う人が来るかもしれない。しかも、定員というのを設けておりませんから、定員で割るわけにもいかないんだから、当然コスト計算するときにはそういうコスト計算にならざるを得ないんじゃないですか。そういうのをみそもくそも一緒というふうな話になるわけでございます。

 それから、出席率の低下を図るということは、別に母親は家にいなけりゃいけないなんていうことを、一つの価値観を押しつけようとは思いません。しかし、仮に母親が家にいたら、そのときは監護できる状態なんだから、それは子どもは家に帰って当たり前でしょう。それで母親とどこかに行きたいなら、0123に行けばいいんで。そもそも父母が日中いないということを前提に学童クラブが成り立っているんですから、家にいれば、それは家に帰ってもらって結構なんじゃないですか。だから、あなたの言っていることをもうちょっと普遍化すると、たとえ母親や父親が家にいたとしても、学童保育に預けろと、こういうふうな理屈になるんです。

 それから、ニーズは減っていないと言いますけれども、いわゆるパーセンテージはふえております。例えば、それは保育園でも言えることで、かつては1,300名ぐらいの子どもが生まれたときに、武蔵野市のゼロ歳児対策というのは100名弱でしたから、これは1,300分の100ですから、当然のことながら8%とか9%でした。ところが、今、生まれてくる人が1,000名弱になって、乳児枠、ゼロ歳児枠をふやしていますから、当然のことながらパーセンテージは、今、ゼロ歳のパーセンテージは十五、六%になっています。だから、パーセンテージはふえております。そんなこと当たり前のことであります。それは、学童保育だけじゃありません。ただ、大事なことは、行政上、学童保育のニーズをどうとらえるかというのは、総数でどのぐらいふえるのかふえないのかということをとらえて、減っているのか、これから上がるのか、あるいは横ばいなのか。だから、学童保育のニーズは600人程度で、10年間ぐらい常時安定していますから、中の構造が変わったとしても、大体ニーズとしては安定していると、こういうことでございます。

 三鷹市はどういう理由で増設したかわかりませんけれども、武蔵野市は既に一小学校一学童クラブというのは設置されているわけですから、三鷹市の増設したのがよくて、武蔵野市が増設しないのはけしからんみたいな、そういう文脈で語られると甚だ迷惑であります。

 それから、男女共働きの場合には、男女とも地方税を納めているはずだと。これまた非常に珍妙な話でありまして、地方税を納めているとか納めていないとかによって、サービスを受ける受けないの話ではありません。そんなことを言ったらば、武蔵野市内にもある大会社の社長なんかいますが、何千万円も税金払っている人がいますよ、プライバシーにかかわるから言いませんけれども。では、そういう人に対しては、学童がいるかどうかわかりませんけれども、そういうことはどうするんだと。大体、税金というのは、一定の所得や資産を持っていたり、消費したりする人から対価としてもらうんではなくて、国や地方公共団体を維持するための必要な社会的経費として徴収するわけですから、それとリンクして発想するなどは、まだ1期目でございますから、行財政についていろいろ御理解いただけないかもわかりません。どうぞよろしくお願いいたします。

○14番(三宅英子君)  それでは、何点かお伝えしたいと思います。

 まず、学童クラブに預けている親御さんたちは、休みのときも預けるのか。私は、預けていいと思っています。現実に杉並区はそうやっていますよ。それで、どういうやり方で決めたかというと、親御さんたちのニーズを聞き、検討委員会をつくって、きちっとその中で仕組みをつくった、そういうことが大事じゃないんですか。

 それから、三鷹市のことを市長、ほとんど御存じないようですけれども、学童クラブは全国的にも今、非常に増設が続いております。利用者もふえている、それは現実ですので、そういった世の中の流れを再度しっかり分析していただきたいと思います。

 それから、大会社の人のことを先ほど税金のことでおっしゃいましたが、では行政とは一体何のためにあるのかということです。地方自治法の第1条の2では、住民の福祉の増進を図るためにあるわけですよね。やはり行政は、まず苦しんでいる人とか切実に助けを求めている人、そういう人から手を差し伸べて、少し余裕のある人にはちょっと我慢してもらう、そういった配慮が必要だと思うんです。学童クラブにお子さんを預けている家庭には、中にはもちろん両親とも働いていて、リッチな生活をしている人もいるでしょうけれども、時間的にも経済的にもぎりぎりのところでやっている家庭も多いと聞きます。そういう市民がきちっとした対応を受けていないというのは、全く納得できません。

 ですから、私は市長に最後にお伝えしますけれども、やはり全体のバランスが必要と言っているんです。0123を敵視しているのではありません。0123のような施設もあってもいいけれども。

○市 長(土屋正忠君)  余り答えなくてもいいかなと思いますが、せっかくの御質問ですので申し上げておきたいと存じますが、母親、父親が家にいても預けた方がいいと思うというのは、それはあなたの考え方であります。また、武蔵野市の場合には、預けるなと言っているんではなくて、今、大事なことは、世の中で言われていることは、親子のきずなとか親子関係をどうするんだということが言われているじゃないですか。今回の一般質問だって、保護者がその子どもたちに対して、ちゃんと食育をしているかどうかということがいろいろ言われているじゃないですか。だから、武蔵野市は、やるべきことはやっても、なるたけ親子の接触時間とかきずなとかということを大切にするように努力しましょうという、そういうことをあわせて政策としてやっているわけですから、AかBかじゃないんです。家にいたら、必ず帰りなさいと追い出すわけじゃないんです。あなたの言っていることを聞いていると、武蔵野市が追い出すような。そうじゃなくて、家族のきずなもちゃんとやりましょうと。だから、学童クラブも、家庭にいらっしゃる場合にはなるたけ家庭に帰るようなやり方もやりましょうと、こういうことを言っているわけであります。

 そもそも、何回もあなたが引用している次世代育成推進法も、第3条において、次世代育成支援対策は、父母、その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本認識に立っていると書いてある。だから、私が言っていることは、全くこの法律の趣旨に従ったことを言っている。あなたの言っていることは、この法律の趣旨に従っていないこと。家に親がいても帰さない方がいいみたいなことは、この法律の第3条違反ですよ。だから、こんなことは当たり前のことなんであります。

 次に、切実な人に対するサービスをあたかもやっていないかのごとき御発言については、はい、そうですかと言うわけにはいかない。例えば、学童保育に来ている方については、一校一学童クラブを三多摩の中でも一番早い段階で達成し、今から十五、六年前に達成しましたから。その上で、公設公営方式でもってやっているわけですから、必要かつ十分なサービスをしているわけであります。したがって、切実な人にはきちっとサービスしていると。また、切実なという言い方も非常に情緒的な言い方ですけれども、切実な人というのはもっともっとたくさんありますよ。学童クラブなどは、まだ比較的安定している方で、例えば重度重複障害を持っているお子さんとか、あるいは寝たきりのお年寄りを抱えているところとか、切実な人はもっといっぱいいます。あなたこそバランスを欠いているんじゃないですか、そういうこと自体が。そういうことをバランスよく目配りしながらやるということが大事なんです。学童クラブの平均的な出席率というのは、70%程度であります。そういったこともかんがみて、きちっとそれはそれなりに学童クラブも大切にする。しかし、もっと切実に思っている人に対しては、もっとサービスする、これがバランスのとれた市政であると、このように申し上げておきたいと存じます。

○議 長(田中節男君)  暫時休憩します。

○午後 0時20分 休 憩