議員日記  2003.10.4〜10.28


10/28(火)
マンションの老朽化

   10/21に続いて住んでいるマンションの話題です。
今まで何度か修繕工事をしてきたので、それほど大きな問題は生じていませんが、やはり建物も住民も徐々に高齢化が進んでいるので、アチコチ手入れが必要になってきます。


1)ガス管取替工事

   築30年ともなると、ガス管の地中部分(道路下の本管から建物に入るまで)の鉄管の更新を考えなければなりません。地中のガス管の腐食による事故はたまに報道されています。特に阪神大震災では、管のジョイント部分が折れたり外れたりして爆発や火災が多発したと言われています。
   敷地内のガス管の工事については、東京ガスではなく、土地の所有者が費用を負担することになっています。大いに不満ですが、そういう決まりですからやむを得ません。うちのマンションの場合、経路が長いので約500万円掛かり、それを30数世帯で分担することになります。
   一番疑問を持ったことは、工事の見積りをするのも施工するのも東京ガス一社だけで、競争原理が全く働かないことです。かなり手広くやっていそうな他のガス工事業者にも問い合わせしてみましたが、答えは「見積もりしてもいいが、結果は東京ガスと同じ額になる」という訳のわからないものでした。地域独占をいいことに、今時こんな殿様商売が成り立っているのにはビックリしました。公正取引委員会にも問い合わせしましたが、なしの礫てです。
   とにかく九月の残暑が最もすごい時に、もの凄い騒音と振動で作業員もクタクタ、こちらもうんざりという中で、無事工事を終えました。

2)光ファイバー
   新築マンションでは装備されていて当たり前ですが、インターネットの普及に伴い、私の住むマンションでも、遅ればせながら光ファイバーを導入することが話題になりつつあります。ADSLなどと違い、線を通す配管のスペースの問題などで、プロバイダーを原則的に1社に絞ることが必要らしいです。
   インターネットをやっていない人の間でも、IP電話との関連や資産価値を高めるため、などの理由で思いの外関心が高いようです。




10/27(月)
埼玉の参議院補欠選挙

   昨日投開票され総選挙の前哨戦とも言われた、参議院埼玉補選は皆さんご承知のような結果になりました。私は民主党の候補に期待していましたので残念です。敗因は二つあると思います。

1)低投票率
ここまで(27.5%)投票率が下がると、無党派層の票の比重が下がると共に、投票率100%と言われる公明党支持者の票が効いてきます。自民党はまたも公明党に借りができました。

2)共産党の善戦
共産党は候補者が元職ということもあり、23万票も取りました。反自民の票が割れたということです。総選挙でも10ヶ所以上、共産党や社民党が、結果として自民を助けるというパラドックスが生まれることでしょう。もっとも共産、社民の支持者は「自民も民主も同じ」と信じて投票するのですから非難はできませんが、私は「とにかく一度変えてみよう」ということで、自分の票を死票にしない有権者が増えることを期待したいと思います。

   こんな低投票率では自民党候補はかなり差を付けて勝つのではないかと予想していたので、民主党はむしろ予想以上に善戦したという感じがします。今回の結果でもって総選挙はどちらが有利になったとは言えないのではないでしょうか。



10/22(水)
マニフェストと公約

   総選挙の本番が近付いてきました。
今度の選挙のネーミングがいろいろ言われていますが、結局「マニフェスト選挙」ということになるのでしょうか。
   ”マニフェスト=宣言”などというのが元々の意味のようですが、従来の言いっぱなしの「公約」と比べて、期限を区切り、手順と財源も明らかにして、政権を取ったときに実行することを約束するというのが大きな違いだ、などと解説されています。「政権公約」と置き換えないと誰にでも分からないという意見もあり、確かにその通りなのですが、最初から「政権公約」と言っていたのでは言葉にインパクトがなく、注目もされなかったという面もあると思います。

   ところで、今年4月の選挙公報をコピーして私の公約をアップしてみました。自治体選挙での先の述べた「マニフェスト」は、首長候補や政党が打ち出すべきもので、無所属(しかも野党)の議員には「政権公約」的なものはできません。ささやかなものですが、「自分の責任ですぐやれること」は勿論、「提案して実現させたいこと」についても、できるだけ頑張ってみるつもりです。

   都内のある区議会議員のHPに、その地区の区議全員の選挙公報の公約が掲載されています。ちょっとしたアイデアです。しかしこういう事は、本来、議会事務局が、各議員の紹介ページに添付すべきものではないかと思います。市民にとっては、自分が投票した議員が実際に公約をどんな風に守っているかを後からチェックするためにも、いい材料になりますので、是非実現させたいものです。もしかしたら、すでにどこかの自治体で実行しているかも知れません。


10/20(月)
狭い家での物とのつきあい方について

   狭いマンションに住んでいる身にとって、日々増え続ける市議会関係の資料はもちろん、生活用品・洋服などの物の管理は頭の痛い問題です。

   「捨てる技術」「超整理法」などの本が大ヒットし、続編、続々編がいまだに出版されている様子を見ると、多くの日本人に共通する困った問題なのでしょう。ウサギ小屋に暮らしている私達には、買物の仕方や物の管理方法に、余程の工夫やポリシーがないとやっていけません。

   しかし、現実の生活では物を買うこと(売り込むこと)に情報が偏っていて、その結果、必要でもない物をどっさり買い込み、多くの人が物の中に埋もれて暮らす生活を余儀なくさせられているようです。
   フリーマーケットを時々覗きますが、多くの若者があふれるほどの品を売っています。多分これらの不良在庫?を処分しなければ、家の中に新しい流行の商品を置くスペースが見つからないのでしょう。

   丸一日掛けて整理しても、狭い自宅の中にほんの猫の額ほどのスペースしかできません。片付けの途中で、処分しようか、誰かにあげようかなどと考え出したら一日でも終わりません。
   さらに、一人暮らしのお年寄りのマンションを訪れて、歩く隙間がないほど物がぎっしりで、これでは日々の生活自体が困難だと感じるケースもあり、こんな場合は、整理や処分が生きるために欠かせない切実な問題だと感じます。
   
   実際に、物を買うほうが、処分したり整理するよりずっと簡単です。同じ商品をダブって購入してしまった、などという笑えない話もよく聞きます。これも十分な収納スペースがないために、奥の方に無理矢理しまい込んで、そのまま忘れてしまうことから起こる悲劇(喜劇?)でしょうか。。

「スペース以上に物を持ちすぎている」このことを頭にしっかり入れた上で、どうしても必要な場合は
1)良い商品を買う。
2)買った物は徹底的に使いこなす。
3)いらなくなったら、誰かに使ってもらう。

というポリシーで、臨んでいますが、あまり成功していません。
4番目として「何かを買ったら、そのスペース分だけ何かを処分する」ということも検討しています。結局のところはこれは延々と続く生活の中での格闘技だな、と腹をくくっているところです。



10/15(水)
もっと「緊張感」を!!


   やや旧聞に属しますが、9月市議会で奇妙に感じた出来事ことをご紹介します。


   前にも書きましたが、平成14年度の武蔵野市の決算審議を9月18・19・22・24日と傍聴しました。357ページもの分厚い「決算書」の中身をたった4日間で質疑しようというのですから、委員となった議員も、担当職員の方々も、集中力がいる作業です。

   本会議の「一般質問」と違って、決算特別委員会では事前の質問の通告は必要ありません。ですから、行政側にとってはどんな質問が出るかちょっぴりヒヤヒヤするのでしょうが、すでに平成15年度分予算の消化が進行している9月のこの時期に平成14年度の決算の内容を審議するというのは、「もう終わったことだから」という意識も生じて、ちょっとピンと来ない一面もあります。



   ところで、9/24の夕方に決算特別委員会が終了し、過半数の賛成で決算が認められた後、助役等がこう言いました。「8階で一席設けています。会費制(一人1,000円)ですが傍聴の皆さん(傍聴している議員のこと)もいらして下さい。」

   委員達のほとんどは委員会終了後8階に向かい、その後会費制の二次会にも多くの委員が参加して、遅くまで市長等と街に出て飲んだり食べたりしたということです(私は用事もあって最初から欠席しました。共産党は二次会には出席していないということです。)。

   4日間の委員会を終え、お互いにご苦労様ということで一席設けるというのは理解できます。市役所の食堂で会費制でビールを飲むということに、異議を申し立てる気持はありません。
 
 しかし、その後市長側がアレンジした二次会にまで同行して、与野党共に市長等と一緒に、夜中まで飲みかわす、というのはどうなんでしょう?
   
   毎年の決算特別委員会がいくらセレモニー化しているとは言え、こんな風に行政側と議員が馴れ合っていては、緊張感のあるやり取りは期待できないのではないかと思いました。




10/12(日)
近頃、世間を騒がすものは・・・


   衆議院が解散となり、議員は一斉に地元へ舞い戻っているそうです。
東京第18選挙区は,今までの三鷹市が外れ新しく府中市が入って、武蔵野・小金井・府中という構成になりました。府中市の人口は全体の約48%で、大変比重が大きいそうです。

   昨日は夜8:00近くまで、自民党の宣伝カーが、何度も自宅マンションの前の五日市街道を通って行きました。今度巨漢のH山議員が自民党武蔵野支部長に就任したということを叫んでいました。H山氏はつい数年前までは民主党所属でしたが、顔も体も自民党を絵に描いたような方ですから、今の方が居心地もいいのでしょう。
   公示前にこんな風に選挙区を堂々と走り回って連呼しても、政党の宣伝=日常の政治活動ということで選挙違反ではないらしいのです。不思議ですね。

   この宣伝カーは「自然との共生がテーマ」などとも言っています。
   H山議員は文京区の有名な御殿の一角に自宅があり、放し飼いのニワトリの卵を食べていると、確か都知事選の時にインタビューで答えていたと記憶していますが、都心で地鶏と共生できるとは羨ましい限りです。しかし名門の遺産を引き継いだまでのことですから、とやかく言いません。問題はそういうエリートとして育った人が、市民の生活感覚をどこまで本当に共有できるか、ということだと思います。

   前回の都議選で、民主党の候補をさんざん「落下傘候補」と非難していた自民党の市議の方々は、文京区の人がここから出馬することについて、今回はどんな抗弁をされるのでしょうか?
おそらく、「国政選挙なんだから、日本に住んでいればどこから出てもいいんだ。」というようなことでしょう。それなら都議選は、「都内に住んでいればどこから出てもいいんだ。」ということになりませんか。「どこに住んでいるか・いたか」ということも含めて、有権者の判断に任せるべきではないでしょうか。

   H山氏の兄の民主党前党首は、前回の選挙でムネオ氏指揮のモーレツでえげつない選挙戦に防戦一方となり、自民党候補に僅かの差にまで詰め寄られました。今回もうかうかできないようです。
   11月9日にはH山兄弟の選挙はどんな結果になるでしょうか。注目したいと思います。



10/8(水)
視察で考えたこと ・・・スタッフの力の引き出し方について


   今回、初めての視察で、愛知県瀬戸市・豊田市、大阪市、兵庫県篠山市などいくつかの自治体の施設を廻りました。
   個人で行く旅行などと異なり、先方の自治体の職員や施設で働く方々と直に接して、生の意見を伺うことができる貴重な体験だと思います。

   今日はちょっと別の角度からのレポートします。
   既に日記で紹介しました「チルドレンズミュージアム」、それに大阪市の「いきいき放課後事業(子どもの家事業、学校の空き教室を利用した放課後の全児童対策)」を見学して、そこで子ども達をサポートしているスタッフの方々の、伸び伸びと活動している姿が印象に残りました。

1)大阪市の「いきいき放課後事業」堀川小学校・・・視察した日  10/2(木)

   ここでサポートする地域指導員は9名程、平均年齢は26.1才(現役の学生も加わっている)と大変若いのにはびっくりしました。
   子どもたちは、若いスタッフとは校庭や体育館でボール投げなどで遊び、部屋ではアート感覚の手作りの作品を指導員と一緒に楽しんでいました。

 「チルドレンズミュージアム」でも感じたことですが、子どもの施設では特に、「ソフト面」の充実が   ”鍵”だと感じました。ソフト面を支えるのはもちろん「スタッフ」の人的な部分です。事業展開の裏で、人の育成がどんな風に充実できるのかで事業の成否が問われると考えます。

   また、大阪市では「いきいき事業」でも、障害児の受け入れがごく当たり前のこととして説明されました。実際の運営では難しい問題も出てくるとは思いますが、そういったことを現場と市の両者が工夫しながら解決している姿勢を感じました。

武蔵野市では、未だに障害児の受け入れが消極的です。大阪市の柔軟性は見習って欲しいと思います。


2)「チルドレンズミュージアム」・・・視察した日   10/3(金)


   こちらの施設で働いているファシリテーター(スタッフ)は13人。全国から公募で集まった若者達で、私が話を聞いた方は山口県出身で、今は篠山市に暮らしているそうです。
競争率はかなり高く、こういった仕事に対する若い人のニーズを実感しました。

   さらに、館長の方(市の職員)がこの13人にのびのびと仕事を任せているのには感心させられました。
図書室の本を毎月入れ替えるのも、チラシやニュースの作成も、ワークショップのテーマ設定など、ミュージアム全体のコンセプトに沿ったイメージでやっています。もちろん、実際の作業ではスタッフ同士のミーティングなどを経て実施されていると思いますが、スタッフが生き生きと自由に動いている雰囲気は訪れた人達にビンビン伝わってきます。
   役所がやっている事業は堅苦しい、そんなイメージが見事に払拭され、示唆に富んだ見学でした。
武蔵野市では地元の若い人がどれくらい市の事業に関わっているのだろう、そんな疑問も頭をかすめました。

 「最近の若者はマニュアル通りに動く」よく聞く言葉です。本当にそうだろうか、というのが今回の視察を終えた感想です。
 「チルドレンズミュージアム」での若いスタッフや堀川小学校の地元の指導員の方々など、どの人も自由に自分たちのアイディアを具体化させている、と感じました。これに呼応して子ども達も遊びや作品作りに熱中していました。
   子ども達からこういった興味を引き出す工夫こそ、子ども施設に求められるものなんだ、と改めて実感しました。




10/7(火)
文教委員会の視察 その2 ・・・再び「チルドレンズミュージアム」について


   4日の日記で紹介した「チルドレンズミュージアム」について情報を寄せていただきました。
日本で「チルドレンズミュージアム」を提唱し、初めて実現させたのは目黒実さんという人で、今大変注目されている方だそうです。


   今日は「篠山チルドレンズミュージアム」の中の様子をお知らせしたいと思います。
ミュージアムというと、単に絵画などを陳列しているだけと勘違いしますが、ここのはそんな既成の概念を破るものです。いくつもある古い教室を利用して、子ども達に興味を持たせるように意外な工夫を散りばめています。

例えば
1)食わず嫌い神社・・・食堂の料理のサンプルのように、給食のサンプルがたくさん飾ってある。この中に神社があり、祈願できるような仕掛けになっている。

2)絵本の世界・・・5,000冊の絵本を毎月入れ替える。ただ並べるだけにせず、表紙を見せるよう(面出し)に工夫しているので、ギャラリーのようでもあるし、子どもも本を選びやすい。しかし、毎月の入れ替えは容易ではないと思います。

3)くるくるグラフィティ・・30種類のいろいろな物がカプセルに入って、回転寿司のようにくるくるまわり、子ども達が自分のテーマを見つけることができる。

4)世界の10才・・・世界中の民族衣装が揃っていて、すべて子ども達が実際に着ることができる。チロリアン衣装や面白いアニメの主人公まで、バラエティがあり、行ったときも沢山の子ども達が熱中していました。

5)サイエンスアート・・・科学の不思議を体験できるスペース

6)ひみつボックス・・・たくさんの秘密の箱があり、おじさんに言うと出してくれる。


食わず嫌い神社

絵本の世界

くるくるグラフィティ 1

くるくるグラフィティ 2

   これ以外にもまだまたあります。
スタンプラリーもあり、あちこちにユニークなマークのスタンプが配備されています。
私も押してきました。感心したのはニュースやスタンプ、展示物のキャラクターが統一性を持っていること。「ちるみゅー」ニュースは若いスタッフが作っているそうですが、とてもユニークで素敵でした。隅々まで配慮が行き届いていると感じました。

                             


10/4(土)
2泊3日の文教委員会の視察

   10/1〜3まで、名古屋から大阪、兵庫と主に学校施設の見学に行ってきました。最も興味深かったのが、兵庫県篠山(ささやま)市にある「チルドレンズミュージアム」でした。廃校となった中学校の校舎をリニューアルし、外観をそのまま利用して、子どものための遊ぶスペースになっています。
   各教室にはさまざまな嗜好が凝らされていて、ほとんどが手で触れて、体験できるスペースです。日本では他に見られない独創的な試みだと思いました。

庭から見た中心部の校舎とワークショップ棟(右) 渡り廊下
子どもたちが庭で遊び回るのを眺めながら、大人たちは右手にある安楽椅子でくつろぐことができます。 建物の外観は昔のままに、基礎や天井裏の梁を補強してあるとのことです。

ワークショップスペース シャボン玉の池
黄色いエプロンの方が”ファッシリテーター”。とても活気ある進行で、子ども達も乗っていました。 子ども達が上手に大きなシャボン玉を飛ばしていました。


   広いスペースでは「ワークショップ」が行われていました。若い”ファシリテーター”(先生とも違う、子ども達を導き、ワークショップをスムーズに進行させる役目の指導員)が2〜3人で子ども達を導き、がんもどき作りをやっていました。地場の大豆を使った豆腐から、参加者達が皆でがんもどきを手作りし、皆で味わっていました。

   庭もとても広々していて、関西方面から来た子ども達が大勢、芝生で遊んでいました。
子ども達がこんなに伸び伸びと遊んでいる姿を久しぶりに見た気がします。広い庭には小さな山があって、てっぺんから何人もの子ども達が転がってきました。石鹸水であふれた小さな池が数個あり、リングを石鹸水につけると大きなシャボン玉できて、風に乗って飛んでいきました。

   名誉館長は篠山町出身の河合隼雄さんが引き受けて下さったそうです。今回、私たちを案内して下さった館長の方も、こういった施設は「ソフト」が大事とおっしゃって、スタッフのことも含め、大切に育てているという印象を受けました。

   古い校舎をうまく生かした、こんなユニークな場所がもっと増えて欲しいと感じました。何しろ木造建築はホッとするものです。