議員日記  2004年3月
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   2004年3月2日(火)                                        
委員会報告の続報
  2/27の議員日記で2/24(火)までの市議会の委員会など様子をレポートしましたが、その後も先週には、
2/25(水)  議会運営委員会
2/26(木)全員協議会
2/27(金) 中近東文化センターの視察
があり、今週になって昨日3/1(月)には市長による予算編成方針の説明(施政方針演説)がありました。

   特に26日の全員協議会では、午前10時〜午後8時頃まで、市議全員と市長・助役(2人)、「第四期基本構想・長期計画」策定委員全員が出席して、策定委員会が作成した「討議要綱」をもとに、各市議との質疑応答がありました。今年9月には最終計画案が提出される「武蔵野市第四期基本構想・長期計画」策定に向けたスケジュールの一環です。

   「第四期長計」の中身にはいろいろと問題があり、会議の様子についてもレポートしたいことは沢山あるのですが、3/4の一般質問に向けて、現在原稿の手入れや下調べなどをしているため、詳しいことは後日改めて報告します。
   代表質問、一般質問のスケジュールについては2/25の日記にも書きましたが、市議会のこちらのページに詳しく載っています(代表質問一般質問)。平日の日中に行われる市議会ですが、なるべく大勢の方の傍聴を期待しています。また、インターネットでの中継もありますのでどうぞご覧下さい。


 
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   2004年3月6日(土)                                        
3月市議会で一般質問をしました。(1)
 
今週の市議会報告の続きですが、3/3(水)に各会派代表質問、3/4−5(木・金)に一般質問がありました。私は4日に前にお知らせした通り「防災センター建設と市の防災施策の方向性について」と題した一般質問をしました。

   約20億円を掛けて、市庁舎裏の西庁舎を増築して「防災センター」を建設する計画が、現在本決まりになろうとしています。既に都内の数多くの市・区に「防災センター」がありますが、庁舎の中に作るもの(複合型)ではなく、別の場所に独立して作るもの(単独型)としては、わかっている限りでは、武蔵野市は目黒区・北区・荒川区・西東京市に次いで5例目になります。

  「防災センター」には、災害から市民生活を守るための日常的な活動の中心になるとともに、災害発生時には、被害を最小限に食い止め、速やかな救援活動を行う拠点となるという役割が期待されていると思います。「最小のコストで最大の効果を発揮できるものを作ってくれ」と考えるのは当然です。

   ところで武蔵野市の「防災センター」事業の進め方、予定されている内容、市の防災計画(特に地震対策について)には、リサーチしたりした結果、私の目から見て多くの問題があると思われるので、それをストレートに質問でぶつけました。防災センター計画の問題点や、一般質問の詳しいやりとりについては、なるべく近い内にレポートしますが、今日は質問をした感想や議場の様子をザックリとお伝えします。



   質問の中で、この事業について「ビッグプロジェクト」と言ったところ、市長は「20億というのはそれほど大したことではない」と言い放ちました。本年度の予算全体で600億円、例えば過去の建設事業で総合体育館60億円、千川小学校47億、大野田小学校34億(進行中)などと比較しての本音かも知れませんが、もちろん全て税金を注ぎ込んで作られるものです。税金を使う側の発言としては軽すぎるような気がしました。

   一般質問はこれで4度目です。 市長の答弁のテクニック、一般質問のウラ側での議場の動きなどは昨年の9/4、9/6のところにも書きましたので繰り返しませんが、一般質問は、最初壇上で20分の質問時間というのはまだしも、そのあとの再質問の持ち時間はたったの10分間しかないという、圧倒的に不利なルールになっていて、市長らの答弁を聴きながら問題点を更に追求するというのは至難の業です。なかなか思うところを十分に問い質すことができません。一方、相手は時間無制限で、訊きもしないことを長々としゃべったりします。そして最後は必ず向こうが「あなたも、もっと勉強してから質問しなさい」などと言いたい放題を言って終わるという、変な仕組みになっています(勿論与党の質問の場合は、ごく稀な例外を除いてそんなことを言われることはありませんが)。国会の予算委員会のように、1問1答形式が望ましいと思います。
 
   途中、保守系や公明党の議員から一斉に野次を浴びる場面がありました。これについてはかなり長くなるので次回書きます。
 

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   2004年3月8日(月)                                        
3月市議会で一般質問をしました。(2)
  
3/6の続きです。20分間の冒頭の一般質問で、「防災センターが出来ると市民にとってどういうメリットがあるのか」と訊いたところ、市長の答えは「行政施設なので市民に直接のメリットはない」という単純なものでした。私は、「市としては、市民によく納得してもらえるよう、余程腰を据えて取り組まなければならない」という意味を込めて、概略次のように再質問の中で反論しました。

「今のままのやり方で防災センターが完成し、不幸にも災害が発生すれば、被災した市民は小中学校の体育館などにぎっしり押し込められ、最低水準の生活もままならない状況になるのに、市長以下市の職員は、頑丈で安全な建物を拠点にでき、自家発電の電気が使え、シャワーも完備、食料も水も備蓄があって困らないということで、市民との間にに大きな格差が生まれ、多くの市民からうらやまれたり、怨嗟の的となってもおかしくない。当然施設はスリムで実用本位でなければならないし、市民にとって役立つことがよく分かるような中身にしなければならないと考える」

 
 この発言中、与党側の議員が一斉に野次を浴びせてきました。 
   市長の答弁は「それはやっかみではないか。行政施設の意義を正しく理解せよ」というような内容だったと思います。
   行政の長の立場からの発言としては、攻撃的な口調や揚げ足取りの部分は別にして、言っている内容は普通のことかも知れません。 私の発言の中に、やっかみ、ひがみが全く含まれていないとも言えません。
   しかし「せっかく何十億も掛けて作るんだから、しっかり役に立つものにしてくれよ」と考えるのは市民として当然です。市長は市民に直接メリットのない行政施設の例として、警視庁の指令センターなどを例として挙げましたが、市民(都民)は指令センターに行くことはなくても、その必要性は十分に理解しています。
   防災センターについても、「公僕である市は、主人公である市民に対して、その意義や中身について十分に説明することは当然である」ということを言いたかったのですが、力不足もあり、再質問の10分という短い時間の中では言い尽くせませんでした。

 
 さらに不可解だったのは、市民に選挙で選ばれた筈の与党議員たちが、この時一斉に野次を浴びせてきたことです。この人たちは、本当は市民の代表ではなく、お役人の代弁者なのでしょうか。それに一人が始めると皆で同時に野次り始めるというのは、プロ野球の乱闘と同じで、全員参加しなければならないという不文律でもあるのでしょうか。

   今回の代表質問・一般質問を通じ、与野党、新人・ベテランに関係なく、なかなか中身のある質問もありましたが、中には「?」 というのもありました。自分の質問についての評価は全く分かりませんが、市長は今回の質問に対して、これまでの3回に比べて最も不機嫌だったような気がしました。今までの新人議員に対するお客さん扱いは終わり、本気モードになったのかも知れません。下っ端の市議ですが、これからも横綱に対してドンドンぶつかって行くつもりです。



今週も市議会の日程がギッシリ詰まっています。
今日8 日(月)は 総務委員会が午前10:00 〜14:30頃までありました。  
    9 日(火) 10:00 〜文教委員会 (私も委員です) 
   10 日(水) 10:00 〜厚生委員会 
   11 日(木) 10:00 〜建設委員会
   12 日(金) 10:00 〜外環道路特別委員会 13:00 〜鉄道対策・農水省跡地利用特別委員会
また10日(水)には10時から教育委員会定例会もあります。
さらに来週・再来週には6日間掛けて予算特別委員会で、H16年度予算の審議があります。

時間に余裕のある方は是非傍聴にいらして下さい。



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   2004年3月11日(木)                                        
今週の市議会報告−−− 総務委員会(3/8)の傍聴記
   連日委員会が開かれていて、レポートが遅れ気味ですが、何とか追いつきたいと思います。
   8 日(月)にあった総務委員会(委員の構成)では、多くの議案と陳情が審議されました。時間は10:00〜 14:30頃まで、市民の傍聴は数名、市議の傍聴は8名くらいだったと思います(途中で出入りがあるので正確には分かりません)。
   傍聴していて興味深いことが分かりました。最後の議題の「防災センター」の審議の中で、「西庁舎増築案」の建物構築図面(簡単なもの)が市から提出されたことです。3階から8階まで6階分を増築する中身をわかりやすく示したプランです。また、進行中の計画立案に、大手設計事務所が協力していることが委員等の質疑の中で明らかになりました。
   大きなプロジェクトを企画する場合、一般的に自治体にはノウハウもマンパワーも十分ではありませんから、外部の専門家や学者の先生や、いわゆる「業者」の知恵を借りることになります。入札以前に、業者に「借り」が出来ることにもなりかねませんが、現実には広く行われているようです。特に専門性の高い「コンピューターシステム」や「プラント」などの場合、完全におまかせ状態になると言われています。
   更に追加や増設・増築となると、当然の如く第1期分を請負った業者が関与してそのまま契約するというパターンがあるようです。勿論、これまでの経過をよく知った業者の方がスムーズにことが運ぶというもっともな理由はありますが、癒着と取られられないよう、公明正大にやってほしいものです。時たまコンピューターシステム導入などの入札で、1円で落札というような「事件」が報じられますが、それには、こういう先のことを見越した事情があるからと容易に想像されます。

   さて今回のプロジェクトでは、市庁舎を設計した大手のN設計に協力してもらっているようです。「防災センター」は既存の2階建庁舎の上に、免震構造として乗っかる構造としています。免震構造自体はかなり普及していて、相当数の設計事務所が手掛けている筈なので、どこでもよかったのでしょうが、25年も前にしろ、市庁舎本体を設計したところに協力を仰いだ方が便利ということで、そうなったと思われます。

  「防災センター」については、庁内検討委員会の委員の名簿が公開されていますが、外部の協力者のことは全く書かれていません。やましいことがないならそれもキチンと明記して、その人たちに日当や資料作成の実費も支払うべきだと思います。市議会の委員会でしつこく質問されてやっと答えるという現状はおかしいのではないでしょうか。
   今後「設計」は指名競争入札で行われると思いますが、落札結果はどうなるのか、設計の中身はどうか、さらに「工事」の入札についても、落札業者、金額など監視を続けて行きたいと思います。


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   2004年3月13日(土)                                        
市議会報告(3/8〜3/12)・・・ 文教委員会その1  武蔵野市立保育園改革計画

 私も委員である3/9(火曜日)の文教委員会の報告です。(委員の構成
 この日の内容は

1)午前10:00〜10:40頃まで ・・・ 教育費関連の補正予算の審議
2)10:40 〜午後4:45まで  ・・・・ 市立保育園改革関係(新たな5本の陳情の審議と採決。市側の改革計画の説明と質疑応答)
3)午後4:45〜5:40頃まで ・ ・・・ 大野田小改築計画の学童クラブの避難経路に関する陳情の審議
4)午後5:40〜6:00頃まで  ・・・・ 「中学校給食」の請願・陳情(継続案件)の審議


というもので、朝から市民と市議共に傍聴席は満杯でした。長い審議でしたので、何回かに分けてレポートします。

 武蔵野市では一昨年の9月から「公立保育園のあり方を考える委員会」が立ち上げられ、約1年間の検討の後、昨年8月に最終報告が出されました。この委員会設置の目的は政府の「三位一体改革」を受け、保育所負担金の削減が予想されるために、市としても保育運営費の見直しが必要、というものです。その後、上記最終報告を具体的に実現させるために、市の児童家庭部保育課が中心になって検討が進み、今年2月に「武蔵野市公立保育園改革計画」が提出されました。つまり、国の予算が減らされそうだから、保育に対する経費を削減していこう、という論法です。受け身で始まった武蔵野市の公立保育園改革計画ですが、着々と具体化に向けて進んでいると思われます。
 
 今回、この改革計画に対して、保護者の方々から5本の陳情が出されました。それぞれの内容は概ね予算削減による保育の質と安全を危惧するもので、子どもを預ける保護者の声としては当然の心配だと理解できます。残念ながら、自民(2名)公明(1名)・市民クラブ(1名)の委員等の反対から、5本の陳情の内、4本が不採択となりました。審議の中で不可解だったのは、今回初めて説明される市の「改革案」に対して、自民・公明の2人の委員が発言最初にまず「この改革計画には賛成である」という言葉がすんなりと出されたことです。市側の1回の説明だけで、すぐに委員として納得してしまう姿勢にはちょっと驚かされました。
   なぜなら、今回発表になった市の改革計画の中身というのは
 1.保育施策の現状と課題 
 2. 改革の目的と理念 
 3. 公立保育園経営改革
 4. 新規・拡充の事業
 5. 改革の目標 
 6. 改革の評価と情報公開
の6項目からなり、今まで公立保育園としては全く経験のない、かなり難度の高い課題がいくつも含まれた内容で、すんなり市の計画が実現するとは到底思えないからです。ちょうどこの日の朝日新聞にも保育園などの民営化の記事(切り抜き朝日のサイト)が載っていました。委員会では、こういった中身について、もっと実のある議論をしていく必要があると考えます。
 
 市の作成した「公立保育園のあり方を考える委員会 最終報告(H15年8月)」、「武蔵野市公立保育園改革計画(H16年2月)」の中身については、近い内に問題点を整理してご報告したいと思います。・・・レポートすることが溜まってきました。
 
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   2004年3月14日(日)                                        
市議会報告(3/8〜3/12)・・・ 厚生委員会(3/10)傍聴記  
 3/9の文教委員会の続きについては、少し確かめることがあるので後回しにして、他の委員会レポートを先にアップします。3/10の厚生委員会(委員の構成)では

1)民生費関係の補正予算の審議と採決
2)「障害者の自立支援に関する陳情」の審議
3)継続審議の陳情
4)行政報告・・・「戸別収集」及び「家庭ゴミの有料化」への取り組み及び経過報告

がありました(詳しい審議項目はこちら)。午前10:00〜12:00頃で終了し、傍聴者は市民・市議共に数名だったと思います。

 最近、共産党議員の方々の健闘が目立ちます。この日は私と同期で1年目のM委員が補正予算についてしぶとく食い下がりました。委員会では通常市側の担当者は、委員の質問に対して木で鼻をくくったような答弁が目立ち、聞いていてもほとんど理解不能な言葉ばかりが出てくることが多いのです。

   今回も最初はあまり期待できない雰囲気の中、部長等の大ざっぱな答弁から始まったのですが、M委員がしぶとく質問を続けている内に、担当課長らが登場し、徐々にですが割と丁寧にデータを元に説明するようになりました。質問する側の持っていき方によって、回答する側が部長クラスから業務内容の詳細を理解している担当課長にバトンタッチされる、という仕組み?に気がつきました。もちろん、今回は答弁する課長らが割合正直で仕事熱心だったせいかもしれませんが、こういった実のある議論は見ていても気持ちの良いものです。しかも、答弁の中から、介護サービスでは居宅サービスが当初見込みを下回り、施設サービスが伸びているという傾向について貴重な情報を得ることができ、傍聴している立場から見ていても大変印象に残りました。

 委員会・本会議での質問は、やってみると実に難しいと感じます。相手側がほんの一言(しかも早口)しか答弁しないことが多いのです。逆に市長はたっぷり答弁してくれますが、武蔵野市の自慢(「日本で初めて!」)や歴史やうんちくなど、聞いてもいないことを長々としゃべることが多いので、論旨がゴチャゴチャになります。こういったカオス状態の答弁の中から、ポイントを如何に押さえて、具体的な事柄を引っぱり出すかは、各委員の事前の作戦と精神力・集中力に掛かっています。これからも、こういった他の議員達のテクニックをもっと勉強したいと思います。

 今回行政報告をしたのはゴミ総合対策課の課長でした。いつも声が大きく、この課長のキャラクターが出ているせいか、聞いていても自然と頭に入ってきます。16日からは予算特別委員会が始まります。各部長のしゃべりを少し注目したいと思います。

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   2004年3月16日(火)                                        
市議会報告(3/8〜3/12)・・・ 建設委員会(3/11  委員の構成)傍聴記 (その1)漏水事故で損害賠償 1,850万円

   今週月曜日(3/15)には本会議があり、今日(3/16)からはH16年度の予算案審議も始まりましたが、まだ先週の委員会のレポートの続きです。

この日は
1)条例の一部を改正する条例
2)土木費関係の補正予算
3)下水道会計補正予算
4)桜堤団地の陳情
5)継続案件2件の陳情
6)行政報告・・・@都計審の開催 A吉祥寺通りのバスベイ設置 B大木・シンボリツリー2000計画   C水道部から漏水事後の概要について
などが審議・採決されました(詳しい審議項目はこちら)。

   ビックリしたのは最後に報告された「漏水事故」です。これは昨年の6月に、市の水道部の収納係担当者が、水道料金22,900円ほどを滞納したお宅(ビル)の水栓の停水操作を行った際、止水栓上部が外れて、胴の部分から水が噴出したという事故です。45分間の漏水後に止水したものの、ビル1階と地下1階の天井と床等に水が流れ込み、結局滞納者の店舗が水浸しとなり、示談金として、市が滞納者に約1,450万円の賠償金に加え、ビルの持ち主への賠償・弁護士費用として400万円の合計1,850万円ほど支払ったとの報告でした。つまり2万円余りの水道料金を払ってくれないので給水を停止しようとしたら、逆に1,850万円を市が支払う羽目になったということです。

    報告から推測すると、停水を実行しようとした職員(複数)には、基本的な給水の仕組みの理解が不足していたようです。この事故は昨年12月の示談成立後約3ヶ月もたって(事故からは9ヶ月もたって)3/11の建設委員会でやっと報告されました。なぜもっと早く報告できなかったのか納得できません。こんなに多額の賠償金になったことも不可解です。また市として水道の本管部分しか事故保険に入っておらず、分岐した枝管部分は補償されなかったということも明らかになりました(10万円程度の保険料を上積みすれば、水道管全体がカバーされるということで、これからはそうすると言っています)。

 滞納のための年間停水件数はH13年度1,093件、H14年度1,612件と1年間で約520件も増えています。
さらにH14年度について詳しいデータをみると、
調定件数 467,040件 調定金額 3,442,192,176円
収納件数 408,963件  (87.6%) 収納金額 3,149,788,286円   (91.5%)
滞納件数   58,077件  (12.4%) 滞納金額    292,403,890円   (  8.5%)
となっています。(調定件数・金額とは、徴収すべき件数・金額のこと)

   H14年度の停水件数の増加には不況の影響もあるでしょうが、滞納に対する対応が適切に行われていたのか疑問が残る報告でした。夜間訪問なども含めもっと具体的な滞納対策を抗じることが必要だと感じました。 

緊張感のない職場・規律のない行政
 事故に対する職員の措置は水道部長以下担当者まで5名に文書・口頭注意のみということで、処分と言えるほどものではありません。これでは市民に顔向け出来ません。今後の職員に対する緊張感を求める意味でももっと厳しい処置が必要ではないでしょうか。仕事に対するプロ意識の欠如を強く感じる事故です。


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   2004年3月18日(木)                                        
市議会報告(3/8〜3/12)・・・ 建設委員会(3/11  委員の構成)傍聴記 (その2

   3/11の建設委員会の傍聴記を続けます。
ムーバス事業についての質疑がありました。ちょっと興味深かったのでレポートします。

 2月25日の日記に少し書きましたが、前回2/23の建設委員会ではムーバスの新路線について質問がありました。今回はまた与党会派の別の委員から質問が出ました。興味を引いたのは、「H16年度にムーバスネットワークを拡充し完結させる」という市長の本会議での説明を引き合いに出し、「ありがとうございます。」と謝辞を述べたことです(本会議でもこの委員はお礼を言いました。)。たぶん、この委員が言いたかったことは、来年度にムーバス路線が増え(予測では境地区か中町地区)、ムーバスのネットワークを完成させるという市長の意向は、自分達の会派の主張(福祉施策の充実)に沿ったもので大変喜ばしい、ということだと思います。しかし与党会派とは言え、議員が市長に事業展開について何度も市議会の場でお礼を言うのには、どうも違和感があります。

 さらに「一部では(私の激辛通信のレポート内容のことか?)ムーバスは赤字であるとの意見もあるが、ムーバス事業の収支は運行収支のみで評価されるべきだと思う。これについての市長の見解を・・・」と露骨なヨイショ質問を続けました。この議員の主張は「このところ毎年ムーバスの運行収支は1千万円程度の黒字なのだから、それで十分ではないか。とやかくケチをつけるな」というものでしょう。
   しかし実際は「激辛通信」にも書いたように、交通整理員の人件費や駐車場の借り上げ料など関連経費が毎年3千万程度掛かっているので、バスを購入しなかった年でも単年度の収支は、少ない年でも2千万円程度の赤字です(最初からの累計では、約4億5千万円の赤字)。

    私は、収支は市の持ち出しであっても、市民に定着したムーバスを続けることに賛成です。ただ、一部分である運行収支だけを切り取って「黒字だ、黒字だ」と言い立てるのはおかしいと言いたいのです。運行収支以外の経費もキチンと計上しないと情報公開に値しません。また複数年度にわたって、この事業について投下した資金や収入など、正確に市民に公表するのは当然のことだと思います。一部の議員のように、市の説明や事業の自己評価を無批判に受け入れる姿勢には納得できません。
   行政側主導のデータは鵜呑みにするのではなく、先入観なしに客観的にみるべきです。疑問が浮かべば、自分の出来る範囲で調べてみることも必要です。事業の全体像をもっと正確に把握した上で、議会で客観的に討論すべきだと考えます。


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   2004年3月19日(金)                                        
市議会報告(3/8〜3/12)・・外環特別委員会 及び 鉄道農水特別委員会(3/12)傍聴記
  今週は3/15の本会議に続いて、3/16〜3/19の間、連日午前10時から午後7〜8時頃まで予算特別委員会が開かれました(3/22にも最終日の審議があります)。私は一人会派のため質問はできず傍聴するだけですが、それでも結構疲れます。市長以下職員のみなさん、市議の委員のみなさん、お疲れさまでした。
   予算審議の中身については、傍聴メモを元に来週以降追ってお伝えします。

   さて今日も先週の委員会の傍聴報告の続きです。

外環特別委員会(3/12午前  委員の構成)傍聴記
  前回の委員会の経緯については2/252/27の日記をお読み下さい。
 まず、担当課長から前回の委員会以降の状況変化と、東京都の「都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」に対する武蔵野市の回答についての説明がありました。各委員からの質問は前回の市長の「凍結解除」発言と、PI協議会について集中しました。
 まず、共産のK委員が東京都の上記方針の中で「外環道路をおおむね10年以内に整備する」とした経緯について質問しました。このような東京都の見解は、国と東京都、住民が話し合う場「PI協議会」を無視している趣旨の発言と質問が出ましたが、担当の部・課長からは建前的な回答しかありませんでした。
 4番目に立った民主・市民ネットのM委員が「一部の議員から”凍結が解除されたのかどうか”という議論がむし返された。一種の思考停止の原理論争です・・・・」という市長の最近のメルマガの文章を引き合いに出し、公的なメールマガジンでこのような個人的な見解を述べるのは問題であると指摘しました。これに対して、市長は「率直な感想を言っただけだ。」と赤い顔でむくれていました。M委員の指摘はしごくもっともなことです。この後、O委員からも市長の凍結解除発言に対する反論が続き、市長はむっとした表情で抗弁に終始していました。
 委員会が終了してから、昨年の11月からM委員が提案していた、地域住民との話し合いの場を作ることについて再度意見が出されました。
この日の市民の傍聴は約4名、市議の傍聴は約6名で、午前中で終了しました。

外環問題・・・ 現在市議会で問題になっていること

   委員会でのやりとりを読んでも、予備知識がないと何のことかよく分からないと思います。そこで私が理解している範囲で、外環道路問題のこれまでの概略を簡単に表してみます。

   ・外環道路(東京外郭環状道路)とは    PI協議会とは  ・・・ 概要はこれら国土交通省のペ         ージの説明が分かり易いのではないかと思います。

   ・昭和41年に関越道〜東名道部分の「東京外郭環状道路」都市計画決定都市計画決定された。   ・住民の反対運動により、昭和45年(1970年)建設大臣が事実上の凍結宣言をして約30         年間工事が中断。
   ・昨年になって国土交通省と東京都が関越道〜東名道部分の大深度地下案を発表。反対住民はP     I協議会(官製の協議会で住民代表も参加)の場でも何も知らされていないと強く反発し、現       在も協議が継続中。

   市長の主張からは、大深度方式でならOKだ、という本音がミエミエです。野党は地域住民の意志を尊重して反対の立場です。一方これまで建設反対の陳情に賛成してきた与党(保守系・公明)では、計画地域近くに住んでいる議員等もいるため、市長の意見には賛成だが表だっては動かないようにしている、というのが本音のところでしょうか。この日の審議でも、与党議員からの発言はほとんどありませんでした。
 
   大深度方式でも排気ガスは放出されるし、地下水脈が分断されることも心配されています。右肩上がりの経済は終焉し、少子化・高齢化などの影響もあって、将来の交通量は頭打ちが予測される状況の今、外環道路を造ることには大いに疑問があります。


鉄道農水特別委員会(3/12午後  委員の構成)傍聴記
    
 最初に武蔵境のJR西原踏切の行政報告があり、陳情2件についての審議が行われました。「武蔵境新公共施設設計プロポーザルコンペ」の公開選考結果について、委員長からの3/9付けの「総評」が各委員に送付されたとのことで、Y委員・K委員・S委員の3名から質疑があり、午後2時過ぎに終了しました。
 
   Y委員からは「@選考された設計者との協議状況 A庁内体制 Bプロポーザル選考の結果 C委員長からの総評送付」について質問が出され、市側からは「設計者とはまだ1度しか会っていないが協議は始めている、過去の審議や経過を大切にしながら進めていく」などの回答がありました

 K委員からは「@総評はこれとは別のものはないのか A応募者にも報告したのか B北側の公園との連携はどうなるのか」などの問い掛けがあり、これに対して市側からは「@これは委員会としての総評だ、AHPで報告(当初からの約束)B連携は考えていく」という答えがありました。

 S委員からは「@公開審査は白熱していた、若い設計者達の見学も多かった。総評だけでは書き切れていない、A図書館については検討が不足している B国分寺・小金井などはアニメの地域であり、農水跡地を若者文化の発信の場所にして欲しい」という意見が出されました。
 
 今回のプロポーザルで選ばれた設計者が、大方の予測を覆すものだったようで、あちこちでさざ波が起きているようです。設計者の「ビルディングではなく、プレースを」というシンプルな理念が、今後どのように形になって生かされていくのか、しっかり見守っていきたいと思います。
   午後の委員会は市民の傍聴は約4名、市議の傍聴は数名でした。


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   2004年3月21日(日)                                        
市議会報告(3/15〜3/19) 本会議定例会3/15・・・期末手当について

 
   この日は午前9:30〜議会運営委員会が開催され、その後10:00から定例会が開催されました。各委員会に付託された10件の議案と10件の陳情、新たな3件の議案についての質疑と討論、採決が行われました。新たな3件の議案(市議・市長等特別職・職員等の期末手当)については賛成多数(反対は共産3人、市民の党2人、三宅の6人)で採択され、他の議案・陳情は前の週に開催された委員会付託の採決と同じ結果で決着しました。お昼休憩をはさみ、終了時間は午後3:00過ぎだったと思います。

 新たに提案された議案は市議・市長等特別職・職員等の期末手当の支給についてでした。共産のH議員から「議員の職務加算(の支給)を見直すことを報酬審議会で検討すべきではないか」との意見が出されましたが、E助役から「報酬審議会は2年に一度開催されることになってはいるが、諮問するかどうかは行政側が決めるもので、この審議会が開催されること自体も決まっている訳ではない」などの説明がありました。この説明でいくと、報酬審議会の存在はどうやら形だけのもののようです。これでは議員や特別職の歳費のスリム化などは到底できない仕組みではないでしょうか。
   また、議会運営委員会では、事務方から「期末手当についての採決は支給日が3/17の為、即決でお願いします。」との提案がありました。即決するかどうかは議会で検討すべきことで、行政側からこのような「指示」が出されること自体筋違いです。

 私は12月の議員の期末手当には賛成しましたが、今回の支給(支給額は税込みで約16万)には反対しました。議員の期末手当は年2回の金額で充分です(12月は税込みで約130万)。3月に職員がもらうからと言って市議や特別職までもが横並びで期末手当が支給される仕組みには納得できません。与党系の議員は保育園改革などでは”行革、行革”と言っているのですが、こと期末手当については全く意見が出ず、すんなりと賛成するのは不可解です。6人の反対に対して「反対するならもらうな!」とのヤジが与党議員から発せられましたが、私としては「行革と叫ぶのなら、年度末の期末手当は廃止しろ!」と反論したいと思います。彼等多数派がその気になれば、「報酬審議会」ででもどこでも、議員の年度末手当などすぐにでもやめることが出来る筈です。

・・・注:文中の期末手当の金額は額面(税込み)です。会派(自民・共産・民主・社民など)によっては毎月所属政党などへの納入分を引かれるようなので、手取額はそれぞれ異なります。また、生活者ネット選出の議員は給料・期末手当の手取額は他の議員より大幅に少なくなっています。


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   2004年3月22日(月)                                        
3/16(火)予算特別委員会 1日目・・・ 人件費・総括、歳入 第1款 議会費 
 
   今日から数回にわたって、3/16〜3/22まで開かれた、平成16年度の予算を審議する「予算特別委員会」の傍聴記をレポートします。硬めの内容が続きますが、ご容赦下さい。

   勿論長時間に及ぶ予算審議の全てを報告することは不可能で、自分なりに印象に残ったこと、疑問を感じたことに焦点を当てた部分的なものになります。また、発言や数字には聞き間違いなど不正確な部分もあるかも知れません。間違いに気付き次第訂正します。正確な議事録は後日(2ヶ月くらい先)市議会のHPで公開されます。

   市の歳出は13の大項目に分かれていて、これを款(カン)と呼んでいます。普段聞き慣れない言葉ばかり出てきます。第1款は議会費で、以下総務費、民生費、衛生費、労働費、農業費、商工費、土木費、消防費、教育費、公債費、諸支出金、予備費と13の款からなっています。この日は人件費・総括、歳入と第1款の議会費の審議で、朝10:00から始まり、午後7:00前くらいに終了しました。質問しなかった委員は委員長・民主市民ネットのF委員の2名でした。



   各会派の出席委員数は所属人数によって算出されます。残念ながら私は一人会派のため、委員になれず、傍聴のみです。
委員の構成(敬称略)
   与党会派
      自由民主クラブ  ・・・・・・・井口良美(委員長)、島崎義司、きくち太郎、やすえ清治
      市議会公明党  ・・・・・・・・田辺あき子(副委員長)、小野正二
      市議会市民クラブ  ・・・・・・与座 武、土屋美恵子
   野党会派
      民主・市民ネット  ・・・・・・深沢達也、川名ゆうじ、砂川なおみ 
      日本共産党武蔵野市議団  ・・・本間まさよ、向谷千鳥
      市民の党  ・・・・・・・・・・山本ひとみ

各委員の持ち時間は?・・・ 
 各会派の出席委員数は所属人数によって算出されるため、人数が多い程優遇される仕組みです。各委員の質問の持ち時間は1人あたり20分で計算されます。自由民主クラブ80分(4人・・・内1名は委員長)、民主・市民ネット60分(3人)、市民クラブ40分(2人)、共産40分(2人)、公明党40分(2人・・・内1名は副委員長)、市民の党20分(1人) となっています。しかし、委員長・副委員長の質問は、通常長々とできないので、自民系は3人で80分枠(1人平均27分)を、公明は1人で40分枠を使えることになります。これら与党会派では質問枠を目一杯使わず、大体が時間を残して終了し、民主、共産、市民の党が1人当たりの持ち時間20分枠をぎりぎりまで使い切るのと対照的です。行政側に近い会派とそうでない会派の差がはっきり出ている気がします。現在の市長を応援する立場であるにせよ、遠慮せず時間も目一杯使って、予算に対して言うべき事は言い、指摘すべき事は指摘してほしいと思いました。

   予算特別委員会では質問の「事前通告」は必要ないので、行政側はどんな質問が出るか把握できません。この意味では本会議での一般質問などより面白い展開・アドリブが期待できます。上でも述べたように、私は予算特別委員ではないので、傍聴席から行政側と委員の皆さんの質疑をしっかり観察し、今後の糧にしたいと思っています。

まず、午前10:00〜E助役から各会派から出された資料請求についての回答があり、この後、予算書P.392の人件費についてT部長から説明がありました。この部長は割とカツ舌が良く、聞き易いしゃべりでした。

名誉昇級・超過勤務手当について・・・
 2人の委員の質問から武蔵野市でも名誉昇級が行われていることがわかりました。人事課長の説明によるとH15年実績では退職直前の昇級が行われていた人数は合計61名中53名ということで、金額は一人あたり30万円程度の上積みということです。東京都や他市では廃止されていることから、現在市でも組合と交渉中との話でした。質問したS委員の質疑から、名誉昇級の金額については、この委員と市側で事前に話が通じていたようで、金額も把握していたことがわかりました。
 
 午後からの市民クラブのY委員の質問から、市の超過勤務手当は平均で1時間当たり3,254円であることがはっきりしました。人事課長の説明によると1ヶ月40時間を超えた職員には書類の提出をさせているとのことでしたが、このようなやり方で超過勤務を減らし、仕事を効率化できるとは思えません。会議の見直しなどもっと具体的なテーマを設定して仕事の仕方の改善を進めるべきです。

市民参加のルール作りについて・・・
 民主・市民ネットのS委員から具体的な質問が出て、大変参考になりました。これまでのご自分の経験から例えば市の「子ども施策」の委員会で、市民参加で良いプランができたのにいざ実施される段階(実施計画まとめ)になってトーンダウンすることがしばしばあったという指摘です。行政評価を行う際に、市民側も参加できる仕組みがないと実施される施策の中身に市民の視点・意見が反映されない、という趣旨だったと思います。市長は今回の保育園改革の例を上げ、保育園に関係する全世帯に手紙を送付したと説明していましたが、かなりポイントがずれた中身で、市長のイメージする「市民参加」というのは、限定的、受け身的なことに、改めて驚かされました。

市の土地建物貸付収入について・・・
 財産収入について、市民の党のY委員から質問が出ました。これは事前の資料請求で出したものの、委員会の中で質問するようにとのことで、行政からの資料提出がなかったものです。市の所有する土地建物を貸している物件のリストは、一覧表を出せば済むことです。資料請求に応じられない理由がわかりません。
 土地については1. 東京都福祉授産場へ2,190万 2. JR連続立体事業へ2.040万 3. 武蔵野警察へ 957万 4. 西武鉄道連続立体事業へ540万 5. 大野田小改築建設事務所 200万 の5件を含む21件で、合計約7,200万円。
 建物については 1. 日赤感染症病棟 1,500万 2. 職員住宅 796万 3. FMむさしの  346万を含む7件で、総額約2,800万円とのことです。地代・家賃の根拠は固定資産評価額の2〜3倍ということでした。

 詳細の説明では、上記のように主なものは明らかにしましたが、なぜか全部ではありませんでした。この日初めの資料請求の説明の際、E助役は「この土地建物貸付収入の内訳は資料では出せないので、今日の質疑中にやってくれ」と言ったのですから、きちんと発表すべきではないでしょうか。与党系の委員には事前に名誉昇級の金額を伝え、野党系の委員からだと事前の資料請求はダメ、質疑でも完全なものは出さない、というのではまともな質疑とは言えません。

海外視察に300万円計上・・・
 夕方の共産党のM委員の質問で、議会費の中に韓国の忠州(ちゅんじゅ)市への、市議の視察旅費があることがわかりました。武蔵野市と忠州市は、H9年7月に「職員派遣研修に関する協定」を結んでいてそれなりの交流があるようですが、T議長の説明によると(傍聴席で説明した)、牛の口蹄病によりH13年の予定(この時の予算は500万円)が中止になり、来年度予算300万円を計上したそうで、行き先も確定している訳ではないということです。とにかく忠州市と約束をしているからということで、約束したらどこへでも行くのでしょうか? 具体的な目的がない表敬訪問なら見直すべきです。先日も自民党埼玉県議5人と無所属県議1人のあきれた東南アジア視察旅行が暴露されたばかりです。今回この視察旅費については、与党委員からの質問は全くありませんでしたが、行政改革の視点から彼らはどのように考えているのでしょうか?

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   2004年3月24日(水)                                        
3/17(水)予算特別委員会 2日目・・・第2款 総務費・・ズラッと職員50名?? 
    この日は13款(カン=大項目)の内で最もボリュームがある総務費です。市長・助役・収入役、企画政策室、総務部、財務部、交流事業課、児童青少年課、出納課など市の政策を主導する部署の人件費(職員164名分)を含む経費が盛り込まれた部門です。朝10:00から始まり、午後7:30くらいに終了しました。休憩はお昼に1時間と3:00、6:00頃に10分〜20分くらいありますが、午後一番と夕方以降の審議では眠そうな人や居眠りしている人も見受けます(でも疲れるので気持はわかります)。委員長以外は全員質問しました。


行政側の出席メンバーなどについて・・・

 委員会には答弁する側に沢山の職員が出席し、「款」が変わるたびに入れ替えが必要で部屋の外には次の職員が大勢待っています。さらに、委員会室だけでなく議会事務局の部屋にもスタッフがいて、委員会の質疑をスピーカーで聞いています。審議中に何か新たなデータが必要になれば、すぐに対応できるように待機しているようです。国会などで、大臣が答弁する裏で官僚が慌ただしく答弁の準備をしているのと同じ仕組みです。市長の答弁の前後にも時々秘書課長が耳打ち、メモ渡しなどにやって来ます。つまり、何人もの職員が急にアタフタと動き出したら、委員の質問が市側にとって予測外の内容で、事前の根回しがなかった証しと言うことでしょうか。こういった雰囲気は議事録だけでは絶対にわかりません。



青年の翼」に参加した高校生の感想文を読み上げるとは・・・
 H13年度に「青年の翼親善使節団派遣」(中国北京市に高校生20名を派遣し、ホームステイして、相互交流を深めるなどした事業)が実施されましたが、自由民主クラブのS委員は、その報告書に掲載された、参加した高校生の感想文を取り上げ、抜粋した文章を読み上げました。参加者が率直な気持を感想文に書き、それを報告書に盛り込むことは意味があることです。個人名や高校名は伏せたものの、予算特別委員会の場で、報告書の掲載ページまで明らかにし、参加者の作文を読み上げる神経には大変驚きました。ご自身の考え方からすると、この作文の内容は「偏向している」と言いたいようです。個人の作文と予算審議との間に一体どんな関係があるのでしょうか。議会で市民や学生の自由な意見表明を取り沙汰する姿勢の方こそ、議員としての見識が問われる問題だと感じました。市長はこの委員の意見に対しては、全面的には同調しかねるというような答弁でしたが、当然の対応です。この委員は今回の委員会期間中、機会ある毎に「日の丸・君が代」についてご自分の考えを吐露していましたが、どうやら予算特別委員会の場で、この事柄以上に優先して追及したいテーマはお持ちではないようです。



ケーブルテレビ番組制作費について・・・

 民主・市民ネットのK委員から「パークシティへの制作費1,700万円に対して、番組の質を向上させるために何をやっているか」という質問が出ました。広報課長からは「番組審議会」に委員(市の企画室長)を送り込んでいるとの説明があり、次に企画室長が立ち上がり説明しました。それによると、審議会は年に1回の開催だけで、昨年就任したばかりの室長はまだ一度も出席していないとのことです。企画室長の正直な説明で、広報課長の発言が形式的なものであることが明らかになりました。役所側が良く使う言葉「審議会、委員会でやってます!」を真に受けてはいけない、と言う典型的な一例でした。



吉祥寺シアターについて・・・

 同じくK委員から現在建設中の(仮称)吉祥寺シアター(H17年開館予定)の運営管理計画策定の委託料840万円について質問が出ました。
   市民活動センターの担当課長によると「市としては演劇について素人でノウハウがないので、プロの専門業者に管理運営計画をハード・ソフト両面で任せた」ということで、すでに1社に決定したと答弁しました。その会社というのは「(株)シアター・ワークショップ」で 、今後シアターの施設や工事監理(ハード面)と、具体的な運営方針や実施内容(ソフト面)についてこの会社に”お願いする”ということのようです。
   担当課長の話ではまた「(劇場やシアター建築に特化したコンサルタント会社は)日本では2〜3社しかない」そうで、シアター・ワークショップ社はそれなりの実績もあるようですが、委託先の決定は本来、選考基準を決め、プロセスも透明化して、誰にでも分かるようにすべきです。
   更に言えば、委託先の決め方については、どの部署にも共通する「やり方」や「手順」を作って進めてほしいものです。今回のようなケースだと、金額も殆ど相手の提示のまま随意契約で決まってしまうと思います。この予算枠840万円の決まり方も不透明です。



市長・市役所交際費について・・・

 市民の党のY委員から、市はキャップ制を敷き、経費削減をやっているのに、市長交際費は減っていない、市が土地を借りている相手先への中元・歳暮など疑問の使途が多いなど質問がありました。秘書課長から「内規では支出基準の金額も定めている。」との自信たっぷりな回答がありましたが、市で作成し、公開した支出基準には現在でも「金額」が入っていません。また、H12(2000)年10月に、市長交際費の使途の一部が違法であると、私が市長と秘書室長を裁判に訴えた直後から、市内店舗などに招かれた際に祝い金を払った相手先の名前が、市長交際費明細表からなくなりました(裁判に訴えられないように用心している?)。また、それまで開示していた「葬儀の花環」の相手先名も一覧表から全く消えました。情報公開度全国2位(?)と吹聴している割には公開度はこの程度で、しかもご自分の経費の枠については大甘な査定です(H16年度の市長・市役所交際費の予算は580万円で、事前に提示された他市との比較資料によると、多摩地区では相変わらずトップの予算です。2位三鷹市450万、3位府中市390万で、平均は219万円となっています)。



防災センター関連・・・

 西庁舎を増築する案で進行している防災センター計画についても何人かの委員から質問が出ました。3月末までに庁内委員会で最終的な報告書を提出するという話ですが、実際にはかなり急ピッチに計画は進んでいるようです。防災センターの計画は建物自体のハード面はもちろん、情報伝達の為のソフト面も含めて基本設計(基本・実施設計に予算計上1億3千万)に盛り込むということが、施設課長の答弁でわかりましたが、あまり突っ込んだ審議はありませんでした。

 民主・市民ネットのK委員からの「研修旅費約670万の具体的な内容について」の質問に対して、市側の説明によると、防災研修として昨年の管理職に続き、神戸市の「人と未来防災センター」に一般職員を派遣する内容であることがわかりました。職員の防災意識向上の為、このセンターで地震を立体映像で疑似体験をさせ、危機管理意識を植え付けるというものです。職員研修には防災関係以外にも合計3,500万円が計上されていますが、研修後の具体的な成果はどんな方法で検証しているのか、また実際にどんな成果が上がっているのか知りたいものです。


この他に下記のような質疑がありました。これ以外にもまだまだ沢山ありました。
・庁内の電子計算機の管理運営費として
       1)住民票・税金・国保などの市民情報提供用のパソコン費用・・・約3億円(委託料は約                 6千3百万、電算機借り上げ料は約2億2千万など)
       2)職員のメールやり取りやデータ作成、庁内LAN構築のため・・・約3億4,000万                 (委託料6,500万、電算機借り上げ料2億4千万など)
   という膨大な経費が計上されています。
・市役所の食堂は共済会の運営で、家賃は無料であること。
・電子入札・・・H17年4月から共同運営開始予定、その他「電子申請サービス(住民票・開示    請求など)」も検討中。
・吉祥寺美術館の修復費(1千万円)・・・緊急度が高い作品から修復している。また美術品購入       費(200万円)で、市内在住だった石版画家織田一磨氏の作品が市場に出たら購入したいと       狙ってい るのだそうです(現在7点保有)。( 武蔵野市所蔵作品 美術ギャラリー
・桜堤に昨年開館した松露庵(お茶室)の利用率は26%。
・公会堂の土地借り上げ料の内500万円は、H15年度予算ではうっかりして計上洩れ。
・「中央公園北ホール」の運営補助金(410万円)が高い理由・・富士重工との協定で、人件費   については武蔵野市が補助金を出している。
・「オストメイト・トイレ」(人工肛門などをつけている方のための対応)の設置について、本庁    舎に「誰でもトイレ」があるとの回答でしたが、これは「オストメイト・トイレ」としては使       えません。


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   2004年3月25日(木)                                        
3/18(木)予算特別委員会 3日目・・・ 第3款 民生費・第4款 衛生費
                    
 3款の民生費の説明が午後5:30まで、4款の民生費は夜8:00までと二つの款をダブルヘッダーで審議するというかなりきつい一日になりました。窓の外には桜の花もほころんでいるのが見えるのに、一日中市役所に閉じこもっての審議です。
(※「款」(カン)については3/22の説明をご覧下さい)

 いつものように部長の解説から始まり、各委員の質問に入ります。発言の順番は手を上げた委員を委員長が指名しますが、大体、与党〜野党と交替になっています。
 民生費は生活福祉課・高齢者福祉課・障害者福祉課の社会福祉費にかかる経費、衛生費は保険推進課・環境政策課の保健衛生費関連の経費などです。この日も委員長以外は全員が質問しました。

まず「予算書」が難題・・・
 
1つの部門の事業が複数の款にまたがることもあり、庁内の組織と「予算書」の区分とは必ずしも一致していません。ある事業を調べようと思っても、どこの款に載っているのかわからないこともしばしばですし、欄外の説明も全てが網羅されている訳ではありません。このため、予算特別委員会の冒頭では各部長からの欄外の説明が補足されます。部長からの説明は皆同じように聞こえますが、慣れてくると大分違うことがわかります。なるべく情報を知らせたくない、という潜在意識が働くためか「予算書」の文字をそのままピックアップするだけで、新たな情報を全く出さない人もいますし、限られた時間の中で、要領よく新たなデータを示す部長もいます。読む作業にかなりの労力が必要なのも事実ですが、「予算書」以上の情報がないなら、わざわざ貴重な時間を掛けて読み上げる必要はないので、この点はもっと抜本的な改善が必要だと思います。


学童クラブについて・・・
 
民主市民ネットのK委員が学童クラブの定員はどのように決まるのかと質問しました。今年度は武蔵野市では北町で2名、関前南で2名の待機児童が出たそうですが、もう少し柔軟性のある人数決めをしてはどうかという提案でした。担当課長からは、
 1)武蔵野市では学童クラブの1人当たりの最低面積をを2.0u
以上としている。
 2)他市では一人当 たりの最低面積・・・八王子市1.1u・府中市1.5u、調布市1.32u、町             田市1.65u、小平市1.08u (以上は聞き取った限りの数字です)。 
という面積を示しながら、武蔵野市は、過密な環境にならないよう配慮しているとの答弁がありました。
一人当たりの面積が広いのは良いことです。しかし、要件を満たした児童数名を待機児としないように、もう少し融通を利かせても良いのではないかと感じました。あまりに杓子定規のような担当課長答弁に、K委員もムッとしていました。
 
 
「あそべえ(地域子ども館)」ができて、学童クラブとの違いがわかりずらくなっています。「あそべえ」というネーミングの問題もあり、2つの役割について行政側から整理された説明がないのが気になります。例えば、「あそべえ」は全児童対策と謳っていますが、そうすると「学童クラブ」は一部の家庭だけの対策と割り切れる存在なのでしょうか。「学童クラブ」は働く親の代わりに子どもを見てくれる施設で、「あそべえ」とは役割や機能も全く違う独自の施設のはずです。
 どちらにしても、「あそべえ」はまだ始まったばかりの事業ですから、そのために「学童クラブ」が片隅に追いやられないようにバランスの取れた対応が必要だと思います。
 また、K委員からの指摘もありましたが、子ども施策における指導員の役割は重要です。総務費では職員へ3,500万円も掛けた研修をやっているのですから、この中の一部でもこういった指導者育成に予算を回し、もっと充実させて欲しいと感じます。


痴呆対策について・・・
 民主・市民ネットのS委員から「痴呆相談事業」とは具体的に何をやるのかとの質問が出ました。担当課長からは(財)ぼけ予防協会から月1回ほど在宅介護支援センターに来てもらい、市民の相談に乗ったり、電話相談も受けるとの説明がありました。また、痴呆予防推進事業とは痴呆についての調査研究事業で、医師や介護士らの専門委員によるチームが主体となって介護予防や痴呆発症、進行予防などを研究するとのことでした。
 S委員からは痴呆については介護する側がこの病気について正しく理解することが大事なので、家族への研修・サポートを具体的に行って欲しいとの意見が出されました。課長はH16年には70才以上の方1,000〜2,000人を対象に、調査研究を進めるとの説明しましたが、こういった調査研究が今後どんな施策に反映されるのか、聞いていても見当がつきませんでした。
   午後からの別の委員の質問で、市内には要介護者が4,216名いて、一定の介助が必要な介護度3以上の方は1,062名
(25%)とのデータもわかり、痴呆の老人が大勢いることがはっきりしました(人数などは聞き取った数字です。一部不正確かも知れません)。
 痴呆の問題は高齢者対策でも大きなテーマのはずです。現実に痴呆の方を抱えている家庭に、役所は具体的に何ができるか、もっと突っ込んで考えて欲しいと思います。
 

以上は「民生費」の審議についてですが、「衛生費」についてもたくさんの質問がありました・・

衛生費関連・・・
・自民民主クラブのY委員からゴミの戸別回収の集合住宅に対する対応について、問題点が指摘されました。
(※ゴミの戸別回収・・・このサービスを始めることで、今年秋からの実施を検討しているという、「ゴミ収集の有料化」をスムースに市民に受け入れてもらうという狙いがあるようです。殆どの市民は、ゴミ収集が近く有料化されることを知りません。分かり易い説明や告知を市民向けに早めにやって欲しいと思います)。

・民主・市民ネットのS委員の質問で、クリーンセンターのバグフィルター(年間366本)が産廃処理されていることがわかりました。(※バグフィルター ・・・ゴミ焼却時の排ガスに含まれるススやチリ、有害物質の除去のために必要な装置)

・共産のH委員から、「他の自治体の例を見ると、ゴミの有料化後一時的に量は減るが、リバウンドしている。有料化を周知させるためにも延期できないか」との提案がありましたが、市長は否定的な回答しかしませんでした。

・公明のT委員から、「ゴミの集団回収の補助金には問題があると聞いている、今後見直してはどうか」という意見が出されました。担当者からは「集団回収は市が直接回収するよりコストも安く高い回収率なので、今後も続けるつもり、補助金についての問題はチェックしていく」との回答がありました。

・市民の党のY委員が、一部事務組合である広域処分組合の議会で、情報公開条例の制定を協議していた際、土屋市長が制定に後ろ向きの答弁をしていたことを明らかにしました。
平成15年第2回東京都三多摩地域廃棄物広域処分組合議会定例会会議録

このほか・・・
・「ワークセンターけやき」に通っていた障害者と母親の自殺について、市民の党のY委員が市長の感想を求め、市長からは「大変痛ましいことだ」とのコメントがありました。

・職員の再就職先について同Y委員から質問が出て、市の関係団体(出資法人など)だけでなく民間組織(吉祥寺ロンロンや民間の福祉施設など)にも、市役所を定年退職した職員が再就職して役員や施設長などになっていることがはっきりしました(昨年9月の決算特別委員会で市から提出された資料に掲載)。市長によると「これは天下りではない」という見解だそうです。


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   2004年3月27日(土)                                        
3月26日(金) 市議会定例会(H16年第1回)の最終日

・・・ちょっと変だと思っていても日々やり過ごしていると、危機はある朝、ドアをノックする。                                               −−フランク・パブロフ「茶色の朝」より−−
                                                     


 「予算特別委員会」は計5日間開かれたので、あと2日分傍聴記が残っていますが、今日は昨日(3/26)の市議会定例会(H16年第1回)最終日の本会議の模様をお伝えします。

   毎回市議会の最終日には、委員会で審議された議案、陳情や、この日上程される議員提出の意見書・決議などについて、それぞれ質疑(自分の席で質問ができる)と討論(壇上で賛成・反対・保留の討論ができる)を行い、採決されます。今回は特別委員会での予算案審議開始前の3/15に、予算案以外の議案や陳情などは議決された(3/21のところで一部触れました)ので、主な議案は来年度の予算と損害賠償、議員提出議案の意見書4本でした。


市議会に充満する不寛容な空気
   議員提出の意見書には、各政党・会派の主義主張が反映されることが多く、鋭くぶつかってかなり荒れることもありまが、この日は最初の予算案の討論から騒然となりました。というのは予算案に対して奇妙な賛成討論が続いたからです。

   自民クラブのS議員と市民クラブのT議員・公明のT議員等は、 来年度予算に対する賛成討論の際、3人とも前日(3/25)に行われた市内小中学校の卒業式で、招待された市議が君が代斉唱の際に起立しなかったことを非難する言葉で締めくくりました。予算に全く関係ない卒業式での出来事を、与党側が一丸となってあげつらうこと自体、非常に不自然なものを感じました。
 さらに、自民クラブのS議員は同賛成討論の壇上で、先日新聞折り込みされたイラク戦争に対する意見チラシ(三鷹市と武蔵野市の教員の有志が名前を出して反対意見を表明した)について、「教育基本法に反する。市の教育委員会ではチラシで名前をチェックして対応をするように」と、声を荒げて強い口調で批判しました。まるで彼等教員有志は非国民であるという雰囲気でした。
 
 これに対して共産のH議員から動議が出され、S議員の発言に対して「事実と異なる、教育基本法には違反していない」と主張し、議長に対して議事録からの削除を要望しました。この後、市民の党のY議員からも動議が出されましたが、結局この件は議長預かりとなりました。さらにその後Y議員が、予算に対する反対討論の壇上でS議員の発言に対して反論したところ、議長の制止を無視して最後まで主張したということで、終了後この議員に対して警告が出されました。
   自分達の会派の議員には予算に関係のない主張をどんどんやらせ、同じ事を他の議員がやれば止めようとするのは議会運営の公平性にもとる姿勢で、全く納得がいきませんでした。

 卒業式で出席者がそれぞれの意思に応じた対応をすること、チラシで名前を明らかにして自分の意見を表明することは、憲法で保証されている言論の自由に照らして、許容されることだと思います。成人式で暴れるバカ者などとは全く違います。ご自分達の考えに則さない人間を差別し、糾弾するというやり方、他人に主張する権利を認めず、人々に反対意見に対して耳を傾けることさえも認めないという、偏狭で不寛容な考え方には、何かゾッとするものがあります。与党系の会派は、極端に右よりな一部の自民党市議に影響されて思考停止に陥っているようにも思われます。

   石原都知事は今年、全都立校の卒業式に職員を派遣して日の丸・君が代の実施状況をチェックさせたそうですが、来年には一人一人が君が代をチャンと歌っているか、クチパクではないか調べて回らせるかも知れません、・・・冗談でなく。
   少なくとも市議会の女性野党議員の間では、「日の丸・君が代は、公式行事だからという理由で一糸乱れず上の命令に従えというのはおかしい」という考えでほぼ一致していると思います。このほうが普通の考え方だと思いますが、市議会の中では残念ながら少数派です。また野党でも市議会の民主党議員は、こういうことには全くと言っていいほど無反応です。

 今、フランス人の心理学者フランク・パブロフの反ファシズムの寓話「茶色の朝」(大月書店)が人気を集めているそうです。大月書店は共産党に近い出版社らしいので、その内どこからか不買運動が起こるかも知れませんが、若者と高齢者によく読まれているそうです。


   予算案に反対したのは市民の党の2人と私だけ、共産(3名)は棄権、それ以外は賛成でした。私の反対討論はこちらです。意見書については「有事法制の廃止と有事関連法案の撤回に関する意見書」のみ賛成少数(共産、市民の党、桜井、三宅)で否決され、その他は全会一致で可決されました。市民の党提出の「劣化ウラン弾の使用禁止に関する意見書」も全会一致ですんなり可決されたのは少し意外でした。保守系の議員にも、劣化ウランによる被害の悲惨さが知られているということでしょうか。

 現在の武蔵野市議会での極めて作為的で奇妙な流れに対して、自分のスタンス、自分なりの意思表示を、今後も変わらず続けていきたいと思います。同時に市民の皆さんの知る権利のために、情報発信をこれからも続けます。

 予算特別委員会の4日目以降の傍聴記はまだまだ続きますのでお待ち下さい・・・

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   2004年3月28日(日)                                        
3/19(金)予算特別委員会4日目(その1)・・第5款〜7款 労働費・農業費・商工費    第8款 土木費    第9款 消防費

 毎日平均15ページくらいの傍聴メモは読み返すと判読不明文字が続出・・・

 
再び予算特別委員会の傍聴記に戻ります。この日を入れてあと2日分ですが、4日目のこの日は分量が多いので2回に分け、まず第5款〜7款についてレポートします。

    この日1日で5つの部門が審議され、5・6・7款はまとめての審議だったので、市長と助役・収入役以外は3回の入れ替わりがありました。議会事務局の職員は説明者の名前をA4サイズ位のボードに貼り付けて委員長に渡すため、この日は大忙しでした(このボードを見ながら、委員長は指名します)。メンバー交替の際に休憩が入るのは、この名札の貼り替え作業のためでもあります。この日の各委員の質問時間は合計60分で、民主・市民ネットのF委員以外は全員質問しました。
 
        

第5款〜7款 労働費・農業費・商工費 
   
10時から労働費と農業費・商工費の3つについて、昼の休憩をはさみ午後2時前くらいまで審議されました。農業費については初めて委員長のI委員(古くからの地主で、今も農業を営んでいるということです)から短い質問(要望?)が出されました。この部門の担当課長は一人で大変だったのでしょうが、同じフレーズをそのまま繰り返したりして、聞いていて心配になりました。

武蔵野市の商店会について・・・

   市内に商店会は53団体もあるとのことです。その内、東京都の「新・元気を出せ商店街事業補助金」(約3,900万)は
      1)イベント(夏祭りなど)23商店会へ
       2)活性化事業(街路灯・ホームページ開設など)として7つの商店会へ
補助金を出しているとのことです。H15年度にも吉祥寺サンロードの10億円のアーケード架け替え事業に市は補助金を2億円出していますが、個々の商店の負担も大きく、将来にわたって返済も大変だと聞いています。



四月から始まるNHK朝の連続ドラマ「天花(てんか)」応援事業・・・
 
 600万円の予算がこの事業に計上されていました。民主・市民ネットのK委員から、NHKのドラマの舞台になったからと言って、なぜ商店街に補助金を出すのか?との素朴な質問が出ました。  「天花」とは主人公の名前で、吉祥寺の商店などが舞台になっている訳ではなく、保育士の話のようです。今年初めの賀詞交歓会に出席した際も、商工会議所会頭や商店会長の挨拶で、NHKの「新選組」と「天花」が商店街活性化のきっかけになるという話がありました。
   地方のまちで、NHKのドラマで「まちおこし」というなら、まだわかりますが、すでに、マスコミなどでは、
人気のまちとして名前が相当浸透している吉祥寺が、NHKドラマで取り上げられるからと言ってどれほどの意味があるのか、と疑問に感じました。それに、地方のまちでのこういった取り組みも一時的な観光客集めにはつながっても長期的な活性化にはつながらない、という話も耳にします。
   
「天花」で一時的に訪れる人は増えるかも知れませんが、吉祥寺のまちの活性化には、もっと別のアプローチやアイデアがあっていいのではないかと思います。将来のまちの姿を見据えての戦略が必要ではないでしょうか。


商工振興に要する経費としては、

   
 1)商工会館管理運営事業・・・8,800万 
      2)吉祥寺地区商業活性化事業1,700万 
      3)路線商業活性化総合支援事業・・・740万 
      4)商工振興事業・・・1億3,400万 
      5)利子補給事業・・・5,600万

など約3億3千万円が計上されています。



観光協会について・・・
 
 公明のO委員からは「観光協会」を作ってはどうかとの質問が出ました。自民クラブのS委員からも「武蔵野市には名所旧跡がある。もっと観光に力を入れてはどうか」というような提案がされました。市長からは、「昔、商工会議所に観光協会があったが、地方の温泉街などとは違うので、武蔵野市は”都市観光”として力を入れる。」との回答でした。都市観光がどのようなものなのか具体的な説明がなかったので、あまりピンと来ませんでした。
   「天花に便乗してまちの活性化を」という考えと共通するものがありますが、「観光客にお金を落としてもらう」という発想自体がちょっと古いな、と感じました。それに、”都市観光”という視点なら、今や「丸ビルと丸の内ミレナリオ」や「汐留シオサイト」、「六本木ヒルズ」といった魅力的な場所が次々とオープンしていますし、人々も新しい情報でどんどん移って行きます。吉祥寺は本来そういった場所とはひと味違うまちの筈です。まちづくりに対する行政のイメージの貧困さを感じたやり取りでした。 



この他にも沢山の質疑がありました。 
・アンテナショップ「麦わら帽子」「(有)武蔵野市市町村交流センター」へ市の補助金約 1,       000万。
・商工会館の補助金は5年間金額が同じ、その内土地の借り上げ料は年間2,000万、 地主は      市内R寺院。
・ハモニカ横町の再開発は民間主導、市はアドバイスする立場。
・さくらまつりが商業振興にどう役立つのか ?
      ・・・ 商業的なおまつりではない。基本的には市民まつりである。姉妹友好都市との交流も                    あり、商業の活性化にも役立つ総合的なおまつりと考えている。


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   2004年3月29日(月)                                        
3/19(金)予算特別委員会 4日目(その2)・・ 第8款 土木費 第9款 消防費
                                         
  予算特別委員会4日目の後半、第8款〜9款、土木費と消防費です。
  土木費は午後2時〜夕方6時頃まで、消防費はその後7時過ぎまで審議されました。5つの部門についての一日分の質問を準備するだけでも相当大変な作業ですし、同時に頭の切換えも要求されるという、質問者する側にも答弁する側にも厳しい日程が続きます。

土木費・・・市のインフラ整備(水道・下水道以外)を進める中心部門
  土木事業、交通対策(違法駐車・ムーバス・自転車など)、道路事業・補修維持管理、都市計画事業、吉祥寺・武蔵境駅周辺開発事業、住宅事業関連、公園建設・維持管理・緑化推進事業etc.と幅広い内容についての審議です。


FFビルの権利関係はややこしい・・・
  午後4:30頃に共産のH委員からFFビル(吉祥寺伊勢丹が入っているビル)の権利関係について質問が出ました。市側からは市長と開発公社の担当者(市の職員)からFFビルの権利関係、株主等について説明があり、この3月でFFショッピングセンターが解散し、開発公社が引き受けることがわかりました。
市長の説明によるとこのビルの権利関係は
1)底地権は寺院が持っている。
2)借地権を持っている人が大勢いる、その持ち分はそれぞれ 
   A)市の開発公社が伊勢丹に貸している部分
   B)地権者が伊勢丹に貸している部分
   C)地権者がこのビルで自分で商売をしている部分
   D)市の開発公社が武蔵野市に貸している部分(吉祥寺美術館)
 
というように分かれているということです。
伊勢丹は最大のテナントとして入っているという位置づけです。

   このビルは、当時の都市計画事業としての代替ビルとして建設されたとのことで、今ではあり得ない「区分所有」するビルだということです。都市計画の失敗例として見学に来ることもあるそうです(土屋市長が就任する前の事業なので、気楽なのかこういう説明がよく出ます)。

   ビルの権利割合についての質問だったのに、市から出向している開発公社の担当者は株主比率について説明し始めました。その内容は
株主は全発行株数が45万株で、開発公社が41%、伊勢丹21%、武蔵野市9%、FFビル5%で、その他55人が17.7%を保有とのことでした。
   この後、再度、権利割合についても付け加えましたが、「面積割合でいくと、開発公社以外で持っているのは14.22%」との回答で、それ以上の詳しい内容は市長からも説明がありませんでした。
   これらの内容は一度聞いたくらいでは憶え切れない程入り組んでいるものでした。しかし、市長は権利関係・株主まで、何も見ないでスラスラ答えて、非常に細かいところまで把握しているのには驚きました。

FFビルのの耐震改修・外壁補修への補助金10億円・・・
 
FFビルは、いわゆる第3セクターということになります。全国的にうまく行っている第3セクターは少ないと言われますが、このビルの場合も武蔵野市が20数年間にわたって 200億近いお金を注ぎ込んだということで(1991.11.21平成3年第4回定例会議事録その例に漏れないようです。
   H16年から3年掛けて、このビルの耐震改修・外壁補修の事業を行う予定との説明が市長からありました。合計の事業予算は27億円、市からの補助金は10億円(H16年度は3億)とのこと(上記の解説だと、開発公社の面積の持ち分は約86%なので、23億が公社分の経費となります)。すでに設計会社・施工会社も決まり、基本設計・詳細設計に入っているそうです。大金を掛ける工事ですが、どうやって決めたのでしょうか? (指名競争入札?随意契約?)。公社が貸しているテナントの方々の負担はどうなっているのでしょうか? 市が深く関わっているにもかかわらず、出資団体の事業なので市議会での経過報告も不要で、不透明な部分が多いと感じました。

 また耐震補強工事には全部で約10億円かかるとのことすが、「商業ビルなので、売り場面積を最大限確保する考えである」と説明していました。防災センター建設の関連で、市の本庁舎の耐震補強案では「分厚い耐震壁で補強工事をしなければならないので、庁舎のスペースが狭くなる」と言って、約5億円で済む本庁舎補強ではなく、約20円億掛けて西庁舎増築案を採用しようとしているのとは、180度食い違う説明で驚かされました。FFビルの場合には耐震壁ではなく、ブレース(筋かい)を外側に設置するなどの方法で、売場スペースを極力犠牲にすることなく補強出来るのでしょうか? それなら、同様のやり方が本庁舎でも採用できないのでしょうか?
   ひょんなことから、市の施設課や市長などの説明のご都合主義、いい加減さが分かりました。
耐震壁による補強例     ブレースによる補強例

耐震診断と耐震補強の現状・・・住宅対策課
 簡易耐震診断などについて、何人かの委員から質問が出ました。担当課長から以下のような説明がありました。
市内の木造住宅のデータ
・H10年度27,000棟で現在は20,000棟くらいある。
・S56年以前に建設されたものは13,000棟

・築40年以上の住宅もある。
H14年度の簡易耐震診断の結果
1)危険度   安全と診断・・・3割、 危険やや危険・・・7割弱

2)診断を受けた49件の内、さらに次の段階の一般耐震診断を受け直したのは6件
  最終的に耐震補強を実施した方は1件のみ


   市内に13,000棟の古い木造があると言うデータを見ると、今のやり方では遅々として耐震補強が進まないのは明らかです。担当課長からは「長期計画」の中で検討すべきこと、とまるでノンビリした説明がありましたが納得できません。他の自治体(中野区・板橋区など)など参考にしながら、高齢者向けなど具体的な手だてを講じるべきだと感じました。


消防費
ケーブルテレビの番組編集費に約360万円・・・
 夕方6:30以降の自民クラブのS委員と民主・市民ネットのK委員からの質問で、4月からパークシティ(武蔵野三鷹ケーブルテレビ)で武蔵野市の防災番組が放送されることがわかりました。震災前、震災後の状況などをまとめ、15分の啓蒙(?)番組を3本作り、週1回流すそうです。さらに、学校向けにビデオにして配布するとのことでした。K委員からは「なぜ武蔵野市独自に作らなければならないのか」という疑問が出されましたが、地域特有な状況があるとの漠然とした回答のみでした。同様に「パークシティになぜ制作を任せるのか」についても明確な説明はありませんでした。



この他の質疑・・・
・雨水浸透マスについて・・・インターロッキングも補助の対象になることがわかりました。
・学校のビオトープの管理は専門知識を持ったNPOに任せるそうですが、どこの団体かはわかり  ませんでした。
・今まで無理だと言っていたプレイパーク世田谷区羽根木公園が有名)を試験的に実施するこ   とが決まったそうです。
・ムーバスの新路線はまだ未定で、2005年までにネットワークを完成させるとの建設委員会の 説明以上の回答はなし。他の自治体との連携は今後の課題だとの説明があり、ムーバス1,000万人突破記念事業をやりたいそうです。各路線共通の回数券の要望があり、検討するとのことでした。
・武蔵境のレンタサイクルは自宅から駅への利用が伸びない、学生の利用が多いとの説明でした。
・12カ所の自転車駐輪場と保管場所の借り上げ費用に、土木管理費から1億7,400万円を計上している。
・電線地中化事業は庁内検討委員会の報告書が出ているそうで、研究チームを作っている。大体、1mを地中化するのにコストは30万円掛かる。
・放置自転車・・・15,000台撤去して、引き取りに来るのが8,000台、廃棄と海外贈与分が6,000台。
・市内の市営住宅は築40年以上の建物もあり、建替えやバリアフリー対応を長期計画の中で検討してゆく。

などの質疑がありました。


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   2004年3月30日(火)                                        
3/22(月)予算特別委員会 5日目・・・ 第10款 教育費  第11〜13款 公債費・諸支出金・予備費      4つの特別会計、水道事業会計、討論、採決
                         
  ようやく予算特別委員会5日目、最終日まで来ました。最終日は賛成・反対討論があるため、相当遅くなるということを予め聞いていたので覚悟して臨みました。案の定、夜9時まで掛かりました。この5日間、朝から晩まで傍聴したので、集中力も試されました。


教育費・・・
   市立幼稚園・小中学校、教育委員会の経費など
  10:00〜   教育企画課の課長から大野田小のパブリックアートについての説明がありました。世界各国からも応募があり、4/1〜4/12まで市役所のピロティで展示があるそうです。作品のメンテナンスについてもよく考えて欲しいと思いました。

  「芸文協(武蔵野市市民芸術文化協会)」・・・
  公明のO委員から文化活動への支援の質問がありました。担当者からは「芸文協(芸術文化協会)」に対して様々な補助を行っているとの回答でした。。

  「芸文協」とは
   
土屋市長2期目の1988(S63)年に、市内で活動する芸術文化団体を集めてできた組織で、事務所は武蔵野市教育委員会事務局内にある(本協会規定に明記)。

次の8部門からなっています。
第1部門 茶道・華道 第5部門 器楽・市民交響楽団・女声合唱・
混声等合唱・市民合唱団
第2部門 短歌・俳句・川柳・朗読 第6部門 美の会・書道・写真・ニット・
粘土工芸・染織工芸手芸
第3部門 日舞・邦楽 第7部門 民謡・現代邦舞・現代邦楽・
江戸かっぽれ
第4部門 謡曲・吟詠・むさしのばやし 第8部門 洋舞・演劇・マジック・大正琴
 
 ・活動内容・・200団体でスタートし現在は147団体、会員数は3,000名程。「薫風フェ          スタ」や秋の「市民文化祭」などの活動の他、武蔵野市の姉妹友好都市や他の自治体への          視察旅行などもしばしば行っている。
 ・毎年市の補助金は400万円、文化祭への補助金は770万円、合計1170万円を支出。
  

 O委員は愛知県や大阪府などが実施している、アーティストが行政側に登録できる仕組みや埋もれた人材の発掘などの仕組み作りのことを言いたかったようでしたが、担当者からは「芸文協」の内容が紹介され、この協会が日本舞踊・茶道・琴などの連盟で成り立っているとの説明があっただけでした。他の委員達も、武蔵野市の文化支援があまりに日本の伝統芸能が中心なので、思わず苦笑していました。


この他の質疑として・・・

・小中学校の安全対策----緊急連絡網は、基本は「文書」。警察とのホットライン(学校110    番)を設置した。防犯教育もやっている。用務嘱託員2名を登下校時に警備させているなど。
・市立境幼稚園のH17年度の募集は未定。
・学力調査----基礎的な学力の到達度を調査する。学校別の調査結果の公表はしない。
・市民大運動会など協力している市民は人集めに苦心している。見直してはどうか(民主K委員)    ----大変だと思うが、大変だからやめてしまっては市民がバラバラになる(市長答弁)
・学校連絡網の見直し(携帯TEL利用など)や学校からのお知らせが親に届かないことについて      ----携帯電話の利用を検討する地区もある。
・中学校給食----欠食児童対策は既にやっている地区もある。給食は16年度はやらない。
・図書館のレーザーディスクは今後どうするのか----検討していく。
・来年度の図書館の抱負は----職員の士気向上、あとはできることからやっていく(図書館長)

   4特別会計(下水道事業会計、国民健康保険事業会計、老人保健(医療)会計、介護保険事業会計)、水道事業会計などについて質疑があり、その後夜8:20位から討論となり、下記のような賛成・反対の態度を表明しました。共産が保留の表明をしたので、意外そうな声が漏れました。
   終了は9時頃となり、この後、8階の食堂で会費制の打ち上げがあったようです。私は傍聴疲れ? で委員会終了間際に帰宅させてもらいました。

賛成討論・・・自民(S委員)・民主(F委員)・公明(0委員)
反対討論・・・市民の党(Y委員)
保留討論・・・共産(H委員)

以上で予算特別委員会の傍聴シリーズは終わりです。                                        
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