議員日記  2003.9.10〜9.30

9/30(火)

菅さんの代表質問

   きのうテレビで菅直人民主党代表の衆議院での代表質問を見ました。
最初登壇するときに手ぶらなので、「アレ原稿はどうしたのかのかな」と思いましたが、そのままノーペーパーで約30分質問をしました。暗誦したことを思い出しながらというのではなく、頭の中で完全に整理されているようで、ごく自然に語りかけるという風で、内容も分かりやすく、鋭く問題点を突いて見事なものでした。首相の答弁中、野次りながらメモしていましたが、再質問でもメモなしで質問していました。
   
   あまりにレベルが違うので比較するのもおこがましいのですが、私の場合約20分間の一般質問で、原稿を読み上げるのがやっと、再質問をその場で組み立てるのも容易ではありません。
   
   首相の答弁では、郵政民営化のことでは持論をがなり立てていましたが、それ以外では原稿を読むだけで、全体として品がない割に迫力不足という印象でした。そのあたりのことをニュースではちゃんと説明しない(特にNHK)のが不満です。また今日の参議院の代表質問では自民党の議員からも「ワンフレーズ・ポリティックスでは駄目だ」というようなことを言われていました(これはニュースで見ました)。

   たしかに「改革なくして成長なし」と毎度毎度、高校野球の選手宣誓のように呪文を唱えていますが、一向に試合が始まる気配がありません。この際メンバーを総取り換えして、新チームで試合をした方がよいのではというのが、私の考えです。

9/27(土)
忙しい一日。

 
きのうは9月市議会(第3回定例会)の最終日でした。本会議では、決算特別委員会審査報告、2件の意見書、1件の決議案の審議と採決が行われました(”石原都知事の「爆弾テロ」を容認する暴言に対する謝罪と撤回に関する意見書”という至極当たり前の意見書まで否決されてしまいました。全くどうなっているのでしょうか)。私の提出した決議案についても審議され、採決されましたが、残念ながら賛成少数で否決されました。
 私は決算特別委員会審査報告についての一般会計への反対討論、「むさしのみたか市民テレビ局制作番組の放送中止の真相解明に関する決議」の趣旨説明をし、質問にも答えました。

   昼休み中もあちこちから連絡が入ったりして、ろくに食事もできない有様でした。さらに本会議終了後、午後4時からは記者会見ということで、中々大変な一日でした。



決議案」提出の発端

 パークシティTVでの「中学校給食の番組」が、視聴者に何の説明もなく、放映予告と中止を繰り返したことを知り、これは黙って見過ごしてはいけない問題だと思いました。地域限定のこの問題を知っている市民はあまり多くはないでしょう。市議もそうでした。また知っていても「いつもの強引なやり方がまた出た」というような受け取り方で、非常に鈍い反応でした。しかし放送後申し入れするならまだしも、放送前に「自主的な中止」に追い込むなどということがあれば、制作者であるボランティアの人達ばかりでなく、市民全体に「もの言えば唇寒し」という状況がますます蔓延してしまうのではないか、やはり「おかしいことはおかしい」とその都度言わなければと考え、行動することを決意しました。
 議員、特に会派に属さない議員が使える手段は限られているようで、結局議会に決議案を提出することにしました。そのためには出来る限り事実関係を知っておく必要がありました。

 取材してみて分かったことは、制作者側(むさしのみたか市民テレビ局)は地域の情報の発信のための市民の活動について、割合しっかりした考えを保っていて、今回の経緯についても冷静に事実関係を話して下さいました。それに引き換えパークシティーの幹部の言うことは残念ながら一貫性がなく、事実関係についても支離滅裂で、これではスポンサーの顔色をうかがってばかり、と思われても仕方がないという印象を受けました。
 決議案は自分の他に議員一名の賛同があれば提出できる事になっていますが、文案自体、どう表現するか微妙な問題があり、さらに議会運営委員会で門前払いされないようにということもあって、結果的にA4に1枚の短い文章になったのですが、何度も書き直しました。

   決議案はこちら、今回の問題の分かりやすくまとめたチラシはこちらです。

 


趣旨説明・質疑・採決

 26日の本会議前に開催された「議会運営委員会」では特に揉めることもなく、決議案の提出そのものは認められました。本会議場では決議案を補足する形で、趣旨説明をすることができました。傍聴席には、新聞記者も4名くらい来て、市民の方々も大勢来て下さって、大変励まされました。決議案の審議の前に私が行った、決算に対する反対討論を聞いて下さった市民の方から、「とてもわかりやすくて、問題点がはっきりした。」という意見を聞きました。嬉しい反応でした。

   
   審議そのものは順調に進み、反対の立場からの質問もなく、賛成・反対それぞれの討論があり(与党側の反対の理由は憲法第21条=表現の自由に抵触するという意外なもので、この言葉はそっくりお返ししたいと思いました)、その後の採決で、賛成少数で否決されました(賛成は共産党、市民の党、私)。与党会派から質問がないのはチョッと不思議でしたが、アッサリ否決してこの問題は出来るだけ早く通り過ぎたかったということでしょうか。
   「民主・市民ネット」が反対することは事前に分かっていましたが、今でもどうも納得できません。傍聴に来てくれた人も首を傾げたり、中には怒っている人もいました。
 
   民主党については、「国政レベルでは自民党と対決しているけれども、自治体レベルでは自民党などと共に首長の与党となっていることが多く、筋が通らない」とよく批判されますが、武蔵野市の場合どうでしょうか。市長選のたびに一応市長の対立候補を応援するものの、議会内では、市政の問題点を正面から糾すという姿勢はあまり感じられず、専ら水面下で何か交渉しているとしか映りません。「大人の対応」「是々非々」などと言っていますが、「是々是々」ではないでしょうか。菅さんのお膝元がこんなことで大丈夫なのでしょうか。私にはイデオロギーも何もなく、「普通の市民の感覚」「素朴な正義感」程度の信条で行動しているので、本来なら民主党と最も近い筈ですが、武蔵野市の民主党、あるいは会派としての「民主・市民ネット」は何をしたいのか、サッパリ伝わってこない現状は残念です。



記者会見


 仲間の皆さんにも協力していただいて、新聞社・通信社・NHKなど、主要なマスコミの殆どの記者の方が集まってくれました。但し記事にするのは難しいというのが大体の反応のようでした。
理由は、
1)民間企業であるテレビ局のあり方を問題としていること。自治体などが相手だと書き易いが、この場合は扱いにくい。
2)文書などの明確な証拠が少ない。
3)いわゆる「脱北者」の内部告発や、市民テレビ局側の問題提起がほしい。

   今回のことで、こういった問題では、名誉毀損などもからみ、記事にするにはハードルが高いことがわかりました。市長が「やり手」であることも、各記者には影響しているのかもしれません。行政側と記者との「懇談会」なども定期的に行われているようなので、そういったことももしかしたら影を落としているのかもしれません。




9/22(月)
決議文を提出しました。

   今日は決算特別委員会の3日目でした。ずっと傍聴を続けていますが、その合間に以下の決議文を議会事務局に提出しました。過去8/58/229/2 の日記でもお伝えした、ケーブルテレビでの中学校給食の特集番組が、どういう訳か放送中止になった問題です。9/26(金)の本会議で審議されます。私が提出者として説明したあと質疑があり、これにも答えます。さらに賛成・反対の討論のあと採決という段取りです。初めてのことでもあり、どういう結果になるか全く分かりませんが、この問題は言論の自由にも関わる重大な問題だと思うので、しっかり訴えたいと思います。

  興味のある方は是非傍聴にお出でください。時間はハッキリしませんが、大体午後1時〜3時の間くらいになると思います。議会事務局(TEL0422-60-1883)に議事の進行状況を問い合わせされてからいらして下さい。




                  むさしのみたか市民テレビ局作成番組の放映中止の真相解明を求める決議

  本年8月、武蔵野三鷹ケーブルテレビ(株)で放送予定であった、むさしのみたか市民テレビ局制作の番組「子どもの食を考える今、中学校では――」が放送中止の扱いとなっている。武蔵野三鷹ケーブルテレビ鰍ナは、同番組の放送を事前に予告しながら中止にすることを二度も繰り返している。その経過は視聴者にとってなぞのままである。

   武蔵野三鷹ケーブルテレビ(株)に武蔵野市は、約0.3%にあたる1,000万円の出資を行い、毎年約千数百万円の番組制作費を支出している。またむさしのみたか市民テレビ局は、武蔵野三鷹両市民が情報発信することを目的に設立され、2002年にはNPO法人となった団体である。両者の関係は、前者が放映時間枠を無償で提供し、後者が制作した番組を放送するというものであり、両者はパートナーシップ協定を結んでいる。このような地域のケーブルテレビと、ボランティアの市民が自立して番組を作る市民テレビ局が発展することは、市民主体の情報発信の場を豊かにするためにも大きな意義がある。

   武蔵野三鷹ケーブルテレビ(株)では、同番組の放送を中止にした理由は「番組の内容が曖昧だから」としている。しかし、二回にわたって放送するとした後に中止を決定した判断は一体何であったのか視聴者には理解できない。

   以上のことに鑑み、武蔵野市議会は武蔵野三鷹ケーブルテレビ(株)で、むさしのみたか市民テレビ局制作の「子どもの食を考える―今、中学校では―」が現在に至るまでなぜ放映されていないのか、その事実関係を調査し、市民に対して明らかにすることを、武蔵野市に求めるものである。

以上の通り決議する。
                                                                                                                              平成15年9月26 日
                                                                                                                                         武蔵野市議会



以上が決議文です。市民として至極当然の疑問を表現しました。

9/17(水)
決算特別委員会が始まります

   明日から4日間の予定で決算特別委員会が開催されます。
一人会派の場合決算委員にはなれないきまりなので、私は決算特別委では傍聴のみ、質問はできません。但し、その代わり本会議で短時間質問できると聞き、今日の本会議でそれを実行しました。市側の回答は同特別委員会の中で行われるそうです。
   決算委員は11名だったと思いますが、ある市議が言っていました。「今回決算委員に特に新人議員が多い。本来は予算特別委員会で質問した議員がもっと多く入るべきだが、新人議員に勉強の機会を与えようというのか、ベテラン議員にやる気がないのか・・・・」
   もちろん選挙があって、3分の1以上の議員が入れ替わったという事情はありますが、実際のところはどういうことなのか、よく分かりません。とにかく明日からの審議をよく見てみたいと思います。
   

9/15(月)
高山小学校見学レポート NO.2


   前回書きました三鷹市立高山小学校の見学について、反響が寄せられました。”地域に開かれた学校”については関心のある方が多いようですので、今日は具体的な取組についてもう少し詳しくお知らせしようと思います。

開かれた学校として

・土曜日に触れ合いスポーツ広場を開催・・・多種目ができ、地域の人達と子ども達が触れ合う日
・土曜日は図書館開放・・・学校図書は地域の人に貸し出しする。
・会議室・家庭科室は学校で使用しない時は地域の方々が使えるようにしている。
・ALTという外国人講師()と子ども達との交流
・PTAの方々と子どもの交流(例:朝の「お早う隊」・・校門でボランティアの市民が子どもに声を掛ける。)

学校図書館入口


   校長先生が家庭科室の開放についてこんな感想を述べられていました。
「実は最初は開放するのを躊躇していましたが、実際に使ってもらうようにしたらかえって部屋がきれいになり、助かっています。」やってみると、事前の心配よりメリットの方が大きかったということです。案外、こういうことは多いのではないのかな、とお話を伺いながら考えました。それに、学校の家庭科室にはオーブンや広い調理台などが何台も揃っています。地域の方々もこういった設備を思い切り使えてきっと嬉しいはずです。一挙両得ですね。





間仕切りのない教室「オープンスペース」対策として

・チャイムを守る。・・・子どもの出入りが自由なので、 時間割をきちんと守らせるようにした。
・エリアのドアーを閉める、目隠しカーテンをつける・・・授業中に子どもに集中力を持たせるため。
・隣の授業で何をやっているか、先生方もお互いに配慮し合う。
・床をカーペットタイルにして、一部分が汚れたらはずして洗えるようにした。

オープンスペースの教室 1 オープンスペースの教室 2

   校長先生が今、頭を悩ましていることは、学区内に集合住宅などが予想外に沢山建ち、生徒が増えて教室が足りなくなったことだとおっしゃっていました。とりあえず、特別教室を教室にしてしのいでいるそうですが、この点について武蔵野市の大野田小学校改築ではどうなっているでしょうか。生徒数の増減に柔軟に対応できるよう、設計段階から工夫が盛り込まれているのかどうか、気になりました。



9/13(土)
子どもにとって本当に大切なものとは?


   9月の「一般質問」に向けて、8月26日に三鷹市立高山小学校に見学に行きました。高山小学校は、三鷹市と市民が一緒に作ったと言っても過言ではないくらい、大変ユニークな取り組みで出来た学校です。学校作りの経過は既にレポートにしましたが、完成した学校を実際に見た感想をまとめてみます。

   建物には最新の設備や要素が取り込まれていますが、全体としてはシンプルな感じでした。特にデザインが変わっていて目立つとか、強烈な印象が残るとかいうことはありません。
その他では
●学童クラブ
長い時間、子どもが滞在する場所なので杉の木を使った安全に配慮した作りにした。
●ユニバーサルデザイン
段差なし、廊下に手すりをつける、エレベーター2基つけるなど、誰にでも利用できるように配慮した。バリアフリーや安全についても気を配った。
 
 
外部の人も利用できる図書館

図書館の検索コーナー

 
学童クラブの庭の芝生(保護者からの要望で実現。保護者や指導員の方々が手入れをしているそうです) 屋上プール(障害者のある人も利用できるようにスロープがあります。)

   建物の外観については高山小学校のHPをご覧ください。
   
   校長先生は女の方で、H13年の改築竣工以降に赴任されたとのことです。特に苦労した点は、シックハウス対策と近隣の人達との調整だったそうです。

●シックハウス対策
   高山小の前に完成したた市立第3中学校でシックハウスの問題が起こったので、その事例を分析して、問題が発生しないように具体的な手を打ったとのことです。

1)竣工後生徒が入るまで、毎日すべての窓やドアーを一日中開け放った。すべてを開けるのに毎日1時間以上掛かったそうです。
2)古い机や椅子を使うことで、家具からの化学物質の発生を押さえた。
3)購入する家具を選ぶのに時間を掛け、なるべく自分たちで直接見て決めた。

   問題が発生してから大騒ぎするより、このような地道な努力で問題を起こさないことが大事なことを、改めて思いました。

●近隣の人達との話し合い
   住宅街の真ん中ににある学校です。近隣の方々の意見を十分に聞いて
・屋上緑化や屋上のプールの屋根の建築を中止にした。
・校庭はもちろん、図書館・家庭科室・会議室などを地域の人達に開放して誰もが使えるようにした。
そうです。

   また校長先生は生徒から出された一つ一つの意見を良く記憶されていました。
  「校舎の壁の色は生徒全員の投票で決めました。また生徒から”竜宮城”のような校舎なんていう要望が出ました。つまり、明るくて、きれいな色を使って欲しい、ということなんです。”竜宮城”はちょっと無理でしたが、主な階段を明るい色でそれぞれを別の色にすることで、要望を生かしました。」と内装の色が決まる経過を説明して下さいました(高山小の学校作りのプロセスを三鷹市が丁寧な報告書にまとめていることも見逃せない要素です。この報告書を読むと、生徒や市民の生の意見がよく分かります)。

   しかし、最後のこんなコメントが印象に残りました。
  「生徒達は仮設校舎だった東京女子大の牟礼校舎がすごく気に入っていました。みどりが多く、虫などもたくさんいて、みんな毎日外に出て夢中で遊んでいました。新しい校舎に引っ越す時はとても残念がっていました。子どもにとって本当に大切なのは最新の施設ではなく、”みどりや自然だ”と感じました。まあ、良い施設を作ってもらってこんなことを言うのは憚れますが・・・」

   私の見た感じでも、学童クラブの庭に芝生がありますが、まだ出来て間がないということもあって、学校全体ではみどりが少ないという印象でした。校庭を芝生化した杉並区の和泉小学校を先日見学した時のことも重なって、大変考えさせられるお話でした。



9/10(水)
文教委員会の席で大あくびの上、靴を脱ぐ人


   昨日(9/9)は私の所属する文教委員会が開かれました。今回は審議の中身ではなく、「委員会の様子」をお知らせします。

   出席者全員が朝10:00の開会に向けて席につき、最後の一人である市長の到着を待ち受けていました。こんな中、市長はおもむろにいつものように”やあ、お早よう”などと言いながら入場してきました。
   その後、最初の質問者の市議が手を上げた後、市長は最前列で、やおら大あくび(両手を高く上げて”ウーン”と伸び上がって)を始めました。
   質問しようとしていた市議は「市長、朝からあくびなんてしないで下さいよ。」と指摘していましたが、市長に特に反省の色はありませんでした。回りにいる助役や部長等もただ笑っているだけで、注意を与える様子はなし。
   その後大分経ってから、今度は市長は靴を脱ぎ始め、靴下だけになった両足をバタバタさせ始めました。私が「市長、靴なんか脱がないで下さいよ。」と言うと、やっと靴を履き直しましたが、まるで駄々っ子のようでした。

   審議終了後、委員会を初めて傍聴した市民の方と話す機会がありました。
   その方は市長について、こんな感想を洩らしていました。
  「物の言い方もそうですが、態度があまりにも横柄なのでびっくりしました。陳述者がいるのに、無視して居眠りしたり、あくびをしたりしている。一般の市民が見たら、自分たちの市長が議会でこんな態度をしているのかと、きっと驚く。」

   私もこの方に同感です。議会はさまざまな立場の人の意見が戦わされる場です。市長と同じ考えの人、反対の立場の人もいます。しかし、市長は少なくとも「意見をきちんと聞く」という態度をとるべきだと思います。

   あくび、居眠り(のフリ?)、靴を脱ぐなど、ご本人はこれが「庶民派」市長のざっくばらんな態度だと勘違いしているのかもしれませんが、市民はこういった態度から敏感に「疑問」を感じ取っていると思います。