武蔵野市では、「たかが」給食のことさえ自由に語れない!

8月から武蔵野三鷹ケーブルテレビ梶i以下パークシティと呼びます)で放送予定だった、むさしのみたか市民テレビ局制作の「中学校給食」の番組が放送中止になりました。

***番組制作のきっかけ***    
むさしのみたか市民テレビ局とは?
パークシティの呼びかけで集まった市民(殆どが素人)が立ち上げた番組制作団体で、制作した番組はパークシティの時間枠の中で放送される仕組みです。

 
   武蔵野市立の中学校では、給食はパンと牛乳程度しか実施されておらず(都内23区や三鷹市では完全実施)、中学生の子を持つ父母をはじめ、市民から根強い実施の要望があります。一方市長などは子供の弁当作りは家庭の基本的な役割という考えで、市には今のところ実施する考えはありません。そんな事情からむさしのみたか市民テレビ局の制作グループの一つが、市民の間で関心が高く、議論の分かれているこの問題を取り上げてみようということになったようです。もちろん制作者は賛成意見、反対意見を公平に取り上げ、全体のバランスに配慮して偏った番組にならないよう心掛けたということです。   
***番組放送中止までの経過***

1) 6月むさしのみたか市民テレビ局の制作チームの一つが番組制作を開始。
2) 7/17出演交渉のために市長室に番組制作担当者が訪れるが、市長からは出演する意思はないことを説明される。
3) 7月のパークシティの番組案内で、8月に中学校給食の特集を放送することを予告(1回目の予告)
4) 7/28 番組中止の噂を聞いた担当者が、内容に偏りがないことを市長に確認してもらうため、完成したビデオを持参したが、市長が不在だったので手紙と共に置いていく。後刻市長はビデオを見る。
5) 7/29 むさしのみたか市民テレビ局代表者が来庁し、市長にビデオと手紙は担当者の独断で置いていったと説明し、ビデオと手紙を持ち帰る。
6) 7/30頃、番組の中止が決まる(1回目の中止)。
7) 8/21頃からパークシティの番組案内で、9月に番組を放送することを予告(2回目の予告)
8) 8/27 むさしのみたか市民テレビ局代表者が土屋市長に面会。その際市長から「パークシティ側からの返事がまだない」と言われる。
9) 8/28パークシティで9月の放送中止が決定。その後、パークシティの責任者が来庁し、「自主的な判断で番組を中止した」と市長に文書で説明する。
10) 9/1からパークシティでは、差し替えた番組が放送される(2回目の中止)。
11) 9/8の市議会総務委員会で、土屋市長は番組について「市議が一人出ていた」「バランスを欠いている」
などと番組について否定的な意見を表明。
12) 9/17の本会議の質疑では、市長は「番組が2度にわたって中止になったという事実は把握していない」
「中止という事実に対して市は働きかけをしていない」、「7/28に番組担当者が来庁し、ビデオを持参した
理由は知らない。」と回答。
***ここが問題!!***
パークシティは資本金30億円の株式会社。武蔵野市はパークシティへ出資率約0.3%にあたる1,000万円の出資を行い、毎年約千数百万円の番組制作費を支出しています。


このように、中学校給食の番組が2度にわたって中止に追い込まれたいきさつを見れば、誰でも視聴者が知らないところで何かがあったのだろうと考えるはずです。ことは「中学校給食」の問題を超えています。NPOの活動として、市民がのびのびと番組を作ることは当然尊重されなければなりません。現在、制作担当者は仕事を休み、制作をたずさわったチームも解散したそうです。今回の不透明ないきさつをこのままにしていては、パークシティへの不信感さえ生まれかねません。パークシティに財政支援を行っている武蔵野市には、事実を調査し、市民に説明することが求められます。このことは、パークシティとパートナーシップを結んでいる「むさしのみたか市民テレビ局」を、市民共有のメディアとして育てるためにも必要だと考えます。