ジレラ サトゥルノの改造
(シャーシ編別ページ 近代化改修編)


1990年に購入したジレラサトゥルノ I.O.M.350 TT1(ボルドー色)はいろいろな事について教えてくれた。
購入から25年以上経ち、オリジナルのコンポーネントは入手不可能なものが多くなってきたため、 汎用部品を利用して車体に適合するように製作した。
車体の改良に関しては、当時では分からないもしくは手が回らなかったと思われるところを 現在の視点で修正しようと考えている。

*内容は淡々と書くためにできるだけ「である」調としました。気を悪くしないで下さい。
尚、本人は偉そうに書いておりますが、結構思い違いがあります。内容の誤り等がありましたら遠慮なく指摘してください。

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近代化改修編
ウィンカーのLED化 [完了]
ヘッドライトのLED化 [完了]
ステップの変更(トルクロッド取り付け位置変更) [完了]
リアブレーキマスタの変更 [完了]
リアブレーキの変更 [完了]
フロントホイールの変更(ローター含み) [完了]
リアホイールの変更(ローター、スプロケット含み) [完了]
クーラントリザーバータンクの取り付け [完了]
スピードメーターセンサの交換 [完了]
グリップラバー [完了]
ミラー [完了]
タンク (書きかけ)
タンクマウントラバー [完了]
キャブ洗浄 ) [完了]
ウォーターポンプ (未作成)
リアリンク [完了]
スイングアームピボット [完了]
全塗装 (書きかけ)
シートラバーの張替え (未作成)
スタンドの変更 (書きかけ)
リアショックの変更 (未作成)




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ウィンカーのLED化  2011.11 [完了]


灯火類については、昔からアフターパーツで販売しているものは小さすぎるものが多い。
過去記事(調整その他編ウィンカー)にも記載あり)
混合交通では、自分の意思を確実に誰かに伝える必要があり、灯火類は統一された色、大きさ、位置、点灯仕様に沿ったものが必要であるが、 アフターパーツは誰かに伝えることを考慮しているようには思えない。
ついてはいるが運転者の意思が伝わらないようでは、独りヨガリである。 カッコ悪い? そう思う人は、どうぞご自由に。 自分の存在や意思が伝わらず後ろから突っ込まれたり、 急に車線変更されたりして死ねばいいのだみないとわからないのだろう。 特にサトゥルノは4気筒のような横幅も無く原付レベルに小さいことを忘れないでほしいものである。
万一、コトが起こった場合でも、遵法と運転者の義務を果たしていた、という主張が出来なければ負けてしまうのだ。
過去に自分も小さいものをつけているではないか!という声が聞こえる。確かに装着していたが、言い訳を書くことにする。

20年位前の話、純正ウィンカーレンズが度重なる立ちゴケのためボロボロに砕け散ってしまった。 このため適切な大きさのウィンカーレンズを探していた。当時、CB72タイプ角型という程よい大きさ、形のものがあったが 廃盤で入手不可能であった。そういったこともあり、仕方なく当時入手可能な最大の横幅を持つ細長タイプを選択したのである。
今回再びウィンカーレンズの選択をすることとなり、レンズサイズ、入手性からやはり純正品(相当品)、 それも大型二輪のものを選択するのがよいと考えた。結局以下を選択した。
フロント:CB400SF(NC31)
リア:PMC:Z1000Rタイプ ウインカー リア用

フロントはカウリングの形と違和感の無いお稲荷さん形、リアはストップランプの四角い形に合わせて角形とした。

リア用はボルトの径、長さが異なるので、取り付け穴拡大とカラー製作(母材: ジュラコン(黒) 外径(mm): 38.00 穴径(mm): 24.00 全長(mm): 13.00)で取り付けた。

ランプとリレーは汎用のLED用ランプ品を用いた。
リアレンズ リアレンズ2
リアレンズ3


ヘッドライトのLED化  2002.10 [完了]

ヘッドライトはヘッドライトケースの話からしよう。ヘッドライトケースはサトゥルノオリジナル部品は使い勝手が悪いこと、 ランプの熱で内部のプラスチック反射面が溶けてしまったことから、φ160mmのものを探すことにした。 当時CIBIEは平面レンズで格好が悪く、また、他社のレンズもイマイチのようだった記憶がある。無難な社外品のデイトナのφ160mmを使用した。 どうやらこれはヤマハの純正部品のようである。
ヘッドライトケースが社外品となったことで、通常のH4バルブが使えるようになった。
取り付けはステーの追加穴明け、カウルの切り欠き等が必要である。心の中で涙を流したのは10年位前のことだった。
ヘッドライトケース

ケースについていたのは35W/55Wくらいのハロゲンバルブであった。 今回、近代化として汎用のH4口金のLEDバルブを使用した。元々は4輪で使用したバルブだったが、 片側の取り付けに失敗し変形させてしまったため生き残った片側をバイク用に転用したものである。
特にヒネリはなく、淡々と取り付け、サイズが合わない部分は適当に帳尻あわせを行うだけである。

交換した結果、点灯色は白色で見やすくなったこと、パッシングSWをONしても即反応するので小気味がよい。

ステップの変更(トルクロッド取り付け位置変更)  2016.11 [完了]

ステップは元々超バックステップであったので、変えたい部分であった。
車載状態では取り外し不可能なため、寸法を測るためにY!オクで部品を入手することにした。 Y!オクで入手した中で、キャストのステップホルダがあることが分かった。これはレア品だろう。
キャストのステップホルダ

製作したもの
製作したステッププレート
ステップはフレームに固定されるベース部と取り外しのきくステップホルダ部に分かれ、上下2位置に高さ調整可能である。跨った感じでは下側がよい様だ。


リアブレーキマスタの変更  2016.11 [完了]

リアマスターはリアキャリパー(φ34mm対向)とのバランスを考えてBREMBOのφ13mm、品番: 10.4776.60 を使用した。
レバー位置の制約のため、斜めに寝かす角度はこれが精一杯であった。
プッシュロッドは50mmのボルト(半ねじ品)を切断し先端を丸めた。ピロエンドはナットがかけられるように短く詰める予定である。
ステッププレートとマスター

あわせて、リザーバータンクとタンク接続ホースをBREMBOのものにした。ホースは450mm必要なので、m売りしている品番:06.5375.03  を使用した。

リアブレーキの変更  2016.11 [完了]

リアブレーキキャリパーはBREMBOの新カニφ34mmを使用した。 φ32mmもあったようだが、購入時点では気付かずにいた。 このままではブレーキフィーリングに問題があるとBBS情報があったため、マスターシリンダーをノーマルφ10→φ13に変更して対処した。
リアキャリパーホルダーとキャリパー リアキャリパーホルダーとキャリパー2

このホルダー形状についてはいくつか考えた点がある。 まずはベアリング支持であること、次にオリジナルの考えを踏襲していること、 オマケでスピードメーターセンサの取り付け穴を持たせていることである。

写真のスピードセンサの取り付けの作業性を考慮しておらずこのままでは整備できないため、 穴の横にある壁部分を一部撤去する予定。


−ブレーキのディメンション変更−
ブレーキまわりのトラブルはいくつか問題となっていた。
リアキャリパーのパッド偏磨耗やピストン斜め押しによる固着、アクスルシャフトのカラー部偏磨耗、 ブレーキ時におけるアンチクスワット(尻上がり)発生などが挙げられる。
これらを抑えるために、ディメンションを一新した。
具体的には、
@トルクロッドをオリジナルのフレーム側取付け→ステップホルダ側取付とすること
で、 ブレーキ時のキャリパーの首振りを低減してベアリングの片減りやピストンの斜め押し(パッドの編磨耗)を減らすようにした。 トルクロッドの延長線上にピストンの中心とブレーキディスクの厚さの中心線が重なるのが理想である。 写真ではピロエンドの位置が僅かに(1〜1.5mm)外側であるため、ブレーキ時には僅かにキャリパーが回転する。
これは私の独自アイデアではなく、サトゥルノオーナーの方が以前写真をBBSにアップロードしたのを見て 良いアイデアだと思ったため採用したものである。
リアトルクロッド取りつけ角度_上から

もう一つは、
Aスイングアームピボット側のピボット-ピロエンド間距離をキャリパー側のホイールシャフト-ピロエンド間距離よりも 狭くすること
で、ブレーキ時における尻上がり・フロント押しを低減するようにした。

以下の図はリアブレーキ時の力の説明用模式図である。(左はノーマル、右図は今回)
左右の図ともに、スイングアームのアクスルシャフト-スイングアームピボットの延長線(紫線)と、 トルクロッドの延長線(黄緑色)の交点が力の中心点で、この部分は他の部分のように動かないため瞬間中心という。 この瞬間中心はまたの名を仮想スイングアームピボットとも呼ばれる。

ブレーキトルクは瞬間中心の位置で車体を押し下げ、または押し上げる力となる。(白色矢印)
ノーマルでは車体のはるか後方で上向きでありその結果として後輪を支点にしてフロントサスのみを縮め、 今回では車体中央前よりの位置で下向きの力でありフロントとリアサスを共に縮める。フロント側が多めである。
トルクロッド模式図_元々 トルクロッド模式図_今回

また、重心との関係については、リアブレーキ時には瞬間中心を中心にして車体が回転運動する。 その回転方向は車体重心と瞬間中心の位置関係によって決まり、 重心位置のほうが高ければ時計回り(リア浮き)、低ければ反時計回り(リア沈み)となる。 図中では重心位置の記載は無いが概ねセルモーター(クラッチカバーの上)の位置にあると考えると、 瞬間中心を中心として車体を回転させるモーメントはほぼ0になるだろう。
もちろん、これは乗車していないときであり、乗車しさらにGがかかった状態ではスイングアームが水平に近くなるため、 重心の高さよりも瞬間中心の高さがさらに低くなりフロント側がより多く沈むことになるだろう。

結局のところ、ノーマルのディメンションではアブレーキ時に積極的にリアサスを伸ばしフロントサスを縮めが、 今回のは、リアサスは伸ばさないしフロントサスをそう多くは縮めないというものである。
構想自体は2011年頃からあり、多少部品加工したものの実現性に乏しく、現在に至るまでお蔵入りしていた。

フロントホイールの変更(ローター含み)  2016.11 [完了]

ホイールは2014年頃から検討と部品の製作依頼を開始していた。
ホイール自体はグース用のテクノマグネシオ スーパーライトで、Y!で入手した。 ブレーキローターはサトゥルノで使用した汎用のものだが、 インナーは純正ホイールとオフセットが異なるため、プラスミューに特注した。 また、サイドカラーは別に製作を依頼した。
フロントホイール寸法検討 フロントホイール検討

リアホイールの変更(ローター、スプロケット含み)  2016.11 [完了]

リアホイールは2014年に異なる車種のものを入手・流用したため、全て自分で設計して、加工依頼する必要があった。 形状もよく練ったものにする必要があった。(今見ると良くないが)
加工先をどうするかwebで調べたが、当時は3Dデータから直接加工受付けできるところが少なかったので、伝をたのんで図面で製作を依頼した。 現在は僅かな時期の違いであるが、3Dのデータで出来るところが増えたので、悩まなくても良くなった。

ホイールの横幅短縮加工、ハブ製作、ディスクフランジ製作、内部のカラー類製作、スプロケット特注(XAM)を行った。

元のSRX用リアホイール(テクノマグネシオ スーパーライト)
リアホイール加工前

CADで設計したハブとフランジ
リアディスクフランジCAD図 リアハブCAD図

組み上がり
リアホイール組み立て1 リアホイール組み立て2

クーラントリザーバータンクの取り付け  2016.11 [完了]

私のサトゥルノはジレラテクニカルショップで注文し、組み上げて納車してもらったのだが、 クーラントのリザーバータンクは最初からついていなった。ついていない旨をショップに伝えたが、梱包されてきた部品の中にはなく、 伊藤忠商事F田モータースにショップ経由で問い合わせたがそのようなことは知らない、という回答であった。
かなり長い間タンクなしの大気開放で走っていたが、そのままではクーラント不足になるので水を継ぎ足していたが、 しばらく後で汎用ポリタンクを装着した。 しかし、タンクが外れててクーラントバラ撒き事件が起きたので、オリジナル部品をY!で入手した。
走ることが出来ない時期が多く、装着していなかったが、今回の近代化改修で装着することとした。
タンクはラバーマウントを介してフォークブリッジ下部に装着した。


スピードメーターセンサの交換  2016.11 [完了]

スピードメーターセンサは10年前に購入したSTACK ST500用のものだったが、経年変化か何かで再締め付け時に折れてしまった。
仕方が無いのでwebで流用情報を探し、OMRONのFA部品が使えるというので購入し装着した。

スピードセンサーold スピードセンサーomron


グリップラバー  2016.11 [完了]

グリップラバーは硬くなって滑るようになったので、特に拘りは無いので汎用の振動吸収するものを購入した

ミラー  2016.11 [完了]

オリジナルのミラーではボールジョイント部分が緩くなったので、Ducati F1/F3のものを流用した。
数センチ長いので後ろも良く見えるようになった。スタイリングは変だが、止むを得ない。
画像未

タンク  2016.11-

タンクは錆びと割れ、凹みの補修である。
立ちゴケした際についたハンドルのスイッチによる凹みほかいくつかあり、そのままでは塗装が出来ないため、ケミカルアンカーによる凹み取りをして、粗方除去できた。
2017.4
タンク剥離開始  表層剥離
タンクの塗装は何層も塗られており特別色の下には緑のメタリックが塗ってある。 (えるまぁ氏のHPの記事にあった萩原氏のコメント通り)
width="320"  タンク裏側2
私のタンクはビビリ音があり、バッフルプレートを留めている部分が振動で割れて漏れていたのである。早い時期にエポパテで埋めていたが、すっかり失念していた。タンクの鉄板の板厚よりも厚めの鉄板を当ててロウ付けして固定した。

2017.5-2017.6
タンク下地塗り  タンク下色試し塗り
今度の色はキャンディーカラーのチェリーレッドなので、下の色はオレンジの強いメタリックである。発色が良くなるように下地の色は白にしてもらった。
タンク試し塗り 
試し塗りの段階でこのような感じであった。

Fueltank_001.jpg
タンク上側はロゴ部分をマスキングした上でキャンディの上塗りをして、下色のオレンジゴールドを見せるようにした。マスキングシールを剥がす際に、塗料の硬化によってシールした部分がなかなか剥がれず、下の色を少し傷つけてしまった(Rの上部分)。テストピースではキャンディの硬化剤に専用品ではないものを使用したため硬化が遅く柔らかい状態で剥がすことが出来たが、本番は専用硬化剤のためすぐに硬化してしまったのだ。マスキングを剥がす際にはマスキングの境目をペーパーで擦って薄くしてから剥がしたほうがよかったかもしれなかった。
写真はクリア1回目の色である。

予備のタンクと見比べてみると、タンクのロゴは左右逆になってしまった。 そんなのは1台しかないので肯定的に考えることにする。

2017.7
塗装が安定した頃合を見計らい、タンクキャップを装着してみた。タンクキャップを固定するフランジの下にゴム(ビニル?)製のカバーを入れて、タンクキャップ用の固定穴に嵌め込んで固定するのだが、塗膜が厚く、固定穴の径がどうも小さいようだった。力任せにボルトを締めこんだところ、パキンと割れてしまった。
Fueltank_006_point.jpg

自分のキャップのフランジの強度不足かと思い、別のフランジを装着するも、同様に割れてしまった。
仕方が無いので、Y!オクで適合するものを探すのと、割れないように同じ寸法で削り出し製作することにした。
入手したのは、ドゥカティ用のタンクキャップである。色はキャンディ塗装のベース色に近い金色を選んだ。
Fueltank_007_s.jpg

タンクキャップの固定穴は一度内側の塗装を剥がし、再度薄く塗装することにした。
塗装を剥がしてみて、タンクキャップのフランジと合わせてみて分かったことだが、元々いびつで余裕のある方向と余裕の無い方向があることが分かった。フランジと足部分が当たらないよう削って、あとは薄く丈夫な塗膜を塗ってもらうように依頼した。

タンクマウントラバー  2016.11 [完了]

変形がひどくなったので、ゴム部品の製作会社に製作依頼した。
画像未

キャブ洗浄  2016.11 [完了]

2年放置のキャブである。その前からあまり走らせていなかったのでキャブのフローと質には古いガソリンが残っており、 さらに抜くのを忘れていたため・・・悲しいかな、フロート室は青と緑であった。
開けたとたん、気を失いそうになるもすぐに気を取り直し、キャブクリーナー責めにしボディとパーツを洗浄した。 パッキンやジェット類も新しいものにし組み立てた。
FCRなので特に難しいところは無い。

ウォーターポンプ  2016.XX

未作成

リアリンク  2016.12〜 [完了]


鉄(S45C)で製作依頼中(2016.12に製作完了)
トライアングル

リンクロッドはアルミ合金で製作依頼中である。(2016.12に製作完了)
本来は下図左の形状にするのだが、細かな寸法調整があるため ピロのロッドエンドをつけた右側の形で製作し、寸法が決まった後に本来の形状で製作する。
リンクロッドA リンクロッドB

(写真追加 2017.3.20)
リンクAll_001 リンクAll_002
表面処理が完了し、ベアリングを挿入して組み立てた。
コンロッドのロッドエンドベアリングは写真の状態が最も短い。調整で数mm伸ばすことになるだろう。


サトゥルノのリアサスペンションの動作について、見直し前と見直し後を概略比較する。
以前記事にしたリヤサスペンションのセッティングに書いたが、ノーマルのリンクで乗りやすいセッティングにするには、結構無理やりな低張力スプリング+かなり多目のプリロード、という形を取らざるを得なかった。
見直し前 低張力スプリング+かなり多目のプリロードの図
Saturno_comp_rear_wforce_base-001.jpg
グラフ中において、低張力スプリングは青線、通常のスプリングはは赤線で、横軸はサスペンションの沈み込み量(ストローク)、 縦軸はホイールにかかる力(WheelForce)(N)でプロットしている。
低張力スプリングにすることで、スイングアームが沈み込んだときのホイールにかかる力が急激に増えることは無いが、低荷重のときにはノーマルの張力のときより突っ張り気味になる。ノーマルの張力も低張力も、どっちもどっちな感じがするものだった。

以前、設計者が説明していたが、極限に近い状態ではサトゥルノはリヤから滑るという。そして同じ設計者の兄弟モデルであるグースは前後同時に滑るという。
自分なりに両バイクを比較すると、レイアウト、ライダーの位置にそう違いは無い。 違いは前後タイヤのグリップに対するタイヤにかかる力の変化の差にあると考えた。
サトゥルノはマン島レーサーレプリカであるが、レーサーの設計が公道車両の設計で良いとは考えにくい。われわれ一般人はマン島を激走するわけではないので、150-200km/hでのジャンプに耐える必要は無い。スイングアームが沈み込んだときの急激に硬くなる(動かなくなる)特性は切り捨ててよいと考えた。

見直し前リンクの特徴は、沈み込みの最初は柔らかく、沈み込むに従いある時点から急激にレートが立ち上がる、というものである。 乗車姿勢で既にリアサスが沈んでいるため直進安定性がよくなる反面、左右の切り返しにちょっとしたコツが必要であったり、 荷重がかかっていくとスイングアームが急に動かなくなりタイヤのスリップ量が増える、グリップの非常に高いタイヤを使ってコーナーリングでその領域に入ったときはスイングアーム剛性が不足するという問題がある。

過去にドイツのHirshoffさんから、SOSレースで厳しいコーナーリング中にリア周りが跳ねて困るんだよ、と相談を受けた。80年代後半のタイヤグリップと2000年代のレーシングスリックタイヤのグリップは天地ほどの開きがある。容易に剛性の不足する領域に入ってしまったと考えられる。
丁度この時にシャーシセッティングの見直しを行っていた時期でMotorcycle Setup Softwareを使ってリンク特性を確認していた。その結果リンクの再作成を勧めたが、より手軽な方法を必要としていたので、アルミスイングアームを譲渡した。


余談はさておき、
見直し後リンクの特徴は、沈み込みに従い急なレート変化は起きないことである。
以下のグラフは見直し後の後輪がストロークしたときにホイールにかかる力(WheelForce)である。
全体に硬めだがストロークによって急激に力が増えることは無い。少し硬いかな?と感じたら難しいバランスを考えることなくショックのスプリング交換で良いということだ。

例:沈み込んだ側に似せる場合:スプリングは9.8kgf/mm、プリロードは5mm程度
Saturno_comp_rear_wforce_renew-002.jpg

例:通常時を似せる場合:スプリングは8kgf/mm、プリロードは約15mm
Saturno_comp_rear_wforce_renew-004.jpg
体重70kgのライダーが乗って2.5Gでフルバンプするようにしている。結構柔らかめである。

見直し後のスプリング設定の肝は、フロントフォーク側が沈み込んだときのホイールレート(xx kgf/mm)とリアが沈み込んだときのホイールレート(yy kgf/mm)の比率をライダーが乗った状態での前後荷重比に一致させる方向でセットすることである。


グラフの計算ソフトはTonyFoaleMotorcycle Setup Softwareである。やる気のある人には非常に便利なソフトウェアである。

スイングアームピボット  2017.6 [完了]

スイングアームピボットベアリングは、日本で容易に入手できる規格品のサイズ(幅、内径)はない。 このためスイングアームの改造無しに国内の規格品を使用できるよう、ベアリングサイズ(幅、内径)に合わせてカラーを製作する。

・ピボットベアリングの選定
 新旧寸法比較
 オリジナルのベアリング:GE18PW  外径(D)=35mm, 内径(d)=18mm, 外輪幅(H)=16.5mm,
                        内輪幅(W)=23.0mm
                        静耐荷重(ラジアル):12t, 揺動荷重:4.8t
 見直し後のベアリング :MBWT20  D=35mm, d=20mm, H=16.0mm, W=22.0mm
                        静耐荷重(ラジアル):20.9t, 揺動荷重:9.4t

・ダストシールの選定
 仕様 外径(D):35mm 内径(d):22mm 厚さ(H):7〜8mm
     リップ:シングル/ダブルは問わない

 SC22357 D=35.0mm, d=22.0mm, H=7.0mm シングルリップ
 UE22357 D=35.0mm, d=22.0mm, H=7.0mmダブルリップ
 UE24358 D=35.0mm, d=24.0mm, H=8.0mmダブルリップ
 TC22358 D=35.0mm, d=22.0mm, H=8.0mmダブルリップ

・カラーの作成
Pivot_bearing_s.jpg
写真左側がオリジナルパーツのカラーとベアリング、右側が今回作成したカラーと見直し後のベアリングである。ベアリングがスイングアームに入ったときにスイングアーム内側のカラー同士の間隔が同一となるようにカラーを作成した。

全塗装  2017.6.xx
本文未作成
タンクとあわせて、カウル全体をキャンディカラーに変更した。
塗装をお願いしたクルマ屋さんの話では、この一回吹く前の色が良かったというコメントがあった。しかし、色の濃さの指定は自分であるので仕方がないと諦める。
Repaint_cowl_001.jpg

Fueltank_001.jpg
フレーム写真は未

未作成

シートラバーの張替え  2016.XX

未作成

スタンドの変更  2017.03

スタンドのプレート取りつけ部が曲がり、車体の傾きがひどくなったために、思い切って汎用品を購入し加工して作り変えた。 汎用品のスタンドはキタコのHS119である。
今までのスタンドからの変更点はボルト留め箇所を2点留めから3点留めに変更したことである。 汎用品を切断と穴明け加工、フレームハンガー側もアルミ片を溶接した。 スタンド先端角度の微調整は車体が出来上がった最後に行う予定である。
現物あわせなので詳細は写真を参照。
stand_mod_001.jpg   stand_mod_002.jpg

stand_mod_003.jpg   stand_mod_004.jpg


リアショックの変更  2017.XX

未作成
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