第12回 技術研修会・担当者会議 〔平成23年10月25日~27日:宮城県〕
全国市町村土壌浄化法連絡協議会の第12回技術研修会および担当者会議が、10月25から27日までの3日間、東日本大震災の被災地の中心ともいうべき宮城県の仙台市で開催されました。「土壌浄化法ネットワーク」が共催の形を取ったのはいつもの通りですが、今回は未曾有の大災害の中心地に出向いて、いわば「出前研修会」(稲垣茂連絡協議会事務局長の弁)のかたちと、発言者にも出席者にも、ひときわ力の入った研修会となりました。
(事務局長の開催報告はこちら)

第1日目と2日目の午前中は、仙台市内のANAホリディ・イン仙台ホテルでの討論、シンポジウムの形式を取り、2日目午後からは多賀城市にある南蒲生浄化センターと塩竃市にある仙塩浄化センターを訪れ被災から7カ月余、復旧作業の真っただ中にある施設を見学しました。3日目は日本三景の一つ、松島を望みながら石巻まで津波の爪跡がいまだ生々しい海岸線をたどり、石巻では日和山公園の高台から根こそぎに何もなくなってしまった市内を見渡し、これから厳しい冬を迎える被災者たちの苦労を偲びました。(施設見学の模様はこちら)

1日目の会議は、稲垣事務局長の開会の辞で開幕。竹内昰俊会長の「大震災からの復興に我々も参加したい」という挨拶の後、多彩な顔触れの出席者からの発言が続きました。
(開会の辞、挨拶の詳細はこちら)

予定されていた岡崎トミ子参議院議員(民主党副代表)は、国会の日程の都合で急遽欠席となりましたが、友人の元参議院議員・和田ひろ子さんが「この会議が復興に向かって実りあるものになることを願っています」という岡崎さんのメッセージを代読されました。(詳細はこちら)

続いて前仙台市都市整備局長建築部長の多田孝一さんが、震災の実態をつぶさに報告され、前福島県区画整理協会理事長の浅野弘一さんは、自分の住んでいる福島県亘理市から放射能汚染の実態を自らが撮影した写真を提示して、生々しく報告されました。

休憩の後、国土交通省から震災からの下水道施設の復旧状況の報告があり、続いて小澤隆福島県議会議員から、福島の震災および放射能汚染からどのようにして立ち直るか、県議会議員の果たす役割について力強い発言がありました。また、秋元政國・前福島県土木部長・福島県下水道公社理事長からは、今後の下水道のあるべき姿について「土壌浄化法のような自然のエネルギーを使った小規模下水道しかない」という提案を込めた発言がありました。(講師の方々の発言内容はこちら)

2日目はまず稲垣事務局長の司会で、滝田久満・前福島県下水道公社副理事長、高畑良雄会津坂下町上下水道担当、土壌浄化法スキルマネージャー・木村恭彦氏、同渡邊真人氏をパネラーにして討論が行われ、その後は和田ひろ子元参議院議員、小林悦郎元福島県昭和村村長、木村弘子技術士が並んで「これから土壌浄化法の出番。役に立つ技術をどんどん広めよう」と訴えました。会場からは「今後の課題は何か」などという質問も飛んで、充実の2日間でした。(2日目の模様はこちら)