稲垣事務局長 開会の言葉
「エジソンに学べ」
われわれ全国市町村土壌浄化法連絡協議会は平成12年、ちょうどミレニアムと呼ばれた2000年に設立されました。第1回全国大会を山梨県の身延町で、第1回技術研修会を秋田県の山内村で開催いたしました。それから数えて12回目になるのは、ここに掲げてある通りです。

そして今年3月11日午後2時46分、未曾有の大震災が発生いたしました。あれから7カ月余り、復興への取り組みは力強く進んではおりますが、まだまだ道は遠いものです。今回、われわれが技術研修会を敢えて被災地の中心である宮城県仙台市で開催することとしたのは、われわれが採用した技術を広め、研修を深める、いわば「出前研修」と位置付けたからです。これから2日間、土壌浄化法とは何か、今後の下水道の震災復興に土壌浄化法が果たす役割は何かを、追及する場としたいと思います。

今回、被災地を訪れて、なぜか「ノーサイド」という言葉が思い浮かびました。ノーサイドはラグビーなどでは試合終了ですが、「一からやりなおす」という意味もあると思います。日本は国難とも言うべき未曾有の事態です。まさにノーサイドではないでしょうか。

「ノーサイド」という言葉から、私の地元であります会津大学の学長の次のような話を思い出しました。「ノーサイド(NOSIDE)は後ろから読むとエジソンになる。あの発明王のエジソンです。エジソンは1+1は1と言いました。一つの粘土球にもう一つの粘土球を加えると、大きな一つの粘土球ができる、というのです」。

会津大学の学長のこの話こそ、今、大震災からの復興にひとつの示唆を与えてくれるのではないでしょうか。一つ一つの力を合わせて大きな、大きな粘土球にする、この気持で参りましょう。これから2日間の会議が、その粘土球づくりの第一歩になるよう、実りあるものにしていきたいと思います。

竹内会長 開会の挨拶
まず、今回の大震災でお亡くなりになった方々に深い哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。今回は被災地の中心とも言うべき宮城県で技術研修会・担当者会議を開催するに際しまして、多くの方に多大なご協力を賜りましたこと厚く御礼申し上げます。また、多くの講師の先生方をお迎えし、お話しいただくことになりましたことは大変な喜びです。

私は地元の福島県はもとより他の被災地もつぶさに見て参りました。その悲惨さにただ唖然とするのみでありました。特に生活基盤の弱さ、ライフラインのトップとも位置付けられる下水道が壊滅し、トイレが使用不可能になったことは誠に重大なことと考えます。併せてエネルギー政策の在り方など、深刻に問われております。被災地の下水道は自然流下方式のパイプラインでつながれ、浄化センターは海岸部に建設されてきました。そのため被害は甚大になったのであります。われわれ小規模で分散型の下水道を採用してきたものとしては、なぜもっと早く普及できなかったのかという思いを強くしております。そこでこの研修会を通じて、われわれは何らかの提案ができるのではないかと思っております。