元祖アポロンの竪琴
2235
2235 Giuseppe Cades
Hermes fanciullo o l'invenzione della lira
CALLERIA NAZIONALE D'ARTE ANTICA A PALZZO BARBERINI-ROMA
Cebart s.r.l su concessione M.B.C.A. Roma 1998 Ripr.viet.
2002・9.2入手 竪琴
のカデンツ
↑ このカードには 由緒ある楽器が描かれていて、入手した時、しめた!と思いました。
有翼の帽子をかぶって笑っているのは、神々の王ゼウスの 末子で
アルカディアのキュレーネの洞窟で生まれた ヘルメス(メルクリウス)です。
彼のお兄さんはアポロン。
ヘルメスは 天賦の悪才。 が ゼウスの使者として活躍。 陽気で人なつっこくて如才ない。
が、口八丁で嘘つき。 商業の神にして、泥棒の神。
のちにオリンポス12神の一人にまで昇格します。
どうでしょう? このカードのヘルメス とてもよく彼の性格をとらえていると思いませんか。
ヘルメスは ゼウスの使者としてギリシャ神話のあちこちの場面に登場するので、
彼をを覚えておくと、なにかと便利です。
もこのカードを入手して以来
ヘルメスに親近感を覚え、ギリシャ神話のカードの中に
彼が登場する場面をみつけるのが とても楽しみになりました。
西岡信雄著 『楽器からのメッセージ』 音楽之友社 によると
なんでも 生まれたその日に 兄 アポロンの牛の群れを盗み、食べ、
自分の洞窟にもどったのですが そこで亀をみつけると
さっそく その甲羅と牛の腸で 竪琴リラ を作りました。
死んだ亀の甲羅の中の乾燥した腱が 風に鳴ったのをみて
それをヒントに作ったのだとか。
なかなかの アイデアマンですね。
そう↑ このカードのヘルメスが持っている楽器こそ
その元祖リラなのです。
ほら なんだか にょろにょろしたものが・・・
牛を盗まれた アポロンが怒ってやってくると
証拠がない とヘルメスは しらばっくれます。
牛の足跡で盗みがばれないようにと
牛の尾のほうを引いて連れて帰った という悪智恵の持ち主。
代わりに、そのリラをアポロンにさしだし
兄の怒りを鎮めたという 伝説の楽器です。
↓これは その盗みの現場の証拠写真のような、クロード・ロランの絵(1645年)です。
1548
1548 Claude Lorrain
Paesaggio con Apollo che custodisce gli armenti di Admeto
e Mercurio che lo deruba
ROMA- Galleria Doria PamphiLJ 2003・1・14ファイル差し替え ヴァイオリン
アポロンがヴァイオリンを弾いているのは、まだ竪琴をもらう前だった ということでしょうか。
でも、生まれた日に盗んだ なんてことになっていますが
そんなの描けるわけないですから
この絵では 少年ヘルメスですね。 牛も後ろ向きじゃないし。
ま、ギリシャ神話って なんでもありの世界なので
そう真面目に考えなくてもいいのかも。
アポロンといえば その竪琴の名手。
太陽の神であり、さらに医学、音楽、弓術、予言、家畜の神。
ギリシャ人にとって
ありとあらゆる知識と文化の代表者、律法、道徳、哲学の保護者。
ブロンドの巻き毛に、初恋のダプネが変身した月桂樹の冠をかぶる
八等身のハンサムボーイ。
初恋とは
9063
9063 Theodore Chasseriau Parfum Exotique
テオドール・シャセリオー 『アポロンとダフネ』 1845年 油彩/キャンバス
ルーヴル美術館
2017−3−15入手 竪琴
クビト(キューピッド)の放った
恋を生み出す矢(アポロン)と 追い払う矢(ダフネ)を 受けた
二人の恋物語。
アポロの執拗な追跡に力尽きたダフネは
父(河神)に助けを乞い、月桂樹に変身してしまうのです。
↑ この絵は ちょうどダフネの足が オリーヴの木に変身しはじめています。
視覚デザイン研究所 編 『ヴィーナスの片思い』 のアポロン評はこうです。
アポロは家柄・才能・外見すべて問題なし、だけど・・・もてない。
クビトの矢を受けたため、 恋にのめりこみすぎて 嫌われてしまうのかな。
4005
4005 竪琴弾きのアポロン(部分) ポンペイ考古学監督局 ポンペイ輝き展 2006・5・8入手 竪琴
竪琴の名手 アポロンは ポストカード音楽会 のヒーローの一人で
あちこちの展示室で ご覧になれます。
展示室マリー・ドゥ・メディチ では、アポロンとヘルメス両人が揃って登場。
展示室マルシュアスの皮剥ぎ では アポロンの演奏コンテストの場面が。