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ラファエロ 署名の間

 

1282

1282 RAFFAELLO "Scuola di Atene" Vaticano,Stanze di Raffaello Nuova Arti Grafiche Ticordi Sl.,Milano
  2001.6.13入手      
竪琴

 

 のカデンツ

 

↑ ヴァチカン美術館の署名の間 に描かれた ラファエロの 『アテネの学堂』 

古代ギリシャのさまざまな時代の 哲学者や科学者たちが  

このフレスコ画の中に描かれています。

署名の間には この 哲学 のほか

神学 法学 詩学(パルナッソス・アポロン楽器あり) を表す 四つの壁画が描かれています。

さて アテネの学堂に 描かれた人々

どれがプラトンで どれがアリストテレス・・・などと 

よく WHO IS WHO?的な 解説がよせられますが

ここでは そのことは まったく問題にいたしません。

ただ一点 この中に楽器が描かれているどうか です(笑)

はい ちゃんとありますよ。

左側の壁にはめこまれたギリシャ彫刻  ほらね、彼が竪琴を持っています。

 

 

 

カードを穴のあくまでながめて 楽器をさがす習慣がついてくると

これはどこかにありそうだ!と勘が働くようになります。

とくに 暗めのショップの中では、直感勝負。 

はずしたことはありません。(なーんて見逃しても気が付かないだけなのですが)

とくに最近は 細かいものが見づらくなって・・・(汗)

話を戻して

調べてみると この竪琴をもつ彼は ほかでもない あの理性と太陽の神・アポロンさま

あそこで 哲学による啓蒙と 理性による教化の力を 体現していらっしゃるそうです。

あ、あんなところに竪琴があるある なんて話ではなく 

あそこに いるべくして いるもの。

必然性をもって 竪琴を持つアポロンが 描かれているのです。

そうと知って  は 

大いばりで このカードをファイルしています。

ちなみに 右の彫刻は、学問の女神 ミネルヴァ(アテネ) だそうです。

おやおや結局 WHO IS WHO? になってしまいますね。

ついでなので さらに申し上げると

前列左手にすわっている ↓ この白衣のちょっと禿げた方は ピタゴラス。

ところが なんと 

本を広げているその足元に差し出された 黒い板(タブレット)に

竪琴の図(記号)が描かれている事も わかりました。

 

 

 

 

ピタゴタスは”自然の法則は全て数の比率のうちに示される” という考え方から

弦をある比率で区分した音程を編み出し 音律法を定めたのだそうです。

その音楽理論は 実践的には誤差が生じて改良を必要とされたようですが

これが西洋音楽の調性の概念の基礎 となったのだそうです。

ということで

ますますもって この アテネの学堂 は 正真正銘の竪琴カードなのです。

 

 2016年9月撮影

 

 


 

 

 

↓ こんなカードもゲットしました。

 

7181

7181 ジョルジョ・キージ  アテナイの学堂  1550年 エングレーヴィング 518 x 811 cm
フィレンツエ マルチェリアーナ図書館蔵   2013・3・8入手 
竪琴

 

 


 

 

<追記>

ヴァチカンの  ラファエロの署名の間の四つの壁画 のうち

詩学(パルナッソス・アポロン楽器あり) は いまだに入手できていない(涙)のですが

そのかわり 神学を表す ↓ 聖体の論議 にも 

楽器があることを発見したので ちょっと満足!

 

 

7469

7469 Raffael  (1483-1520)  Die Disputa Rom  Raffael-Verlag, Stockhornstrasse 5. CH−3063 Lttigen
Auch als Kunstdruck  49 x 68 cm und 34 x 24 p Erhaltlick   2014・2・5入手 プサルテリウム

 

 

 

ほら、ね! 真ん中の彼(ダビデ)が プサルテリウムを持っています。

 

 

 

 


 

 

<追・追記>

はじめて この 署名の間 を訪れたのは カードコレクションを開始する前のこと。

それから ほぼ20年が経ち  再訪したヴァチカン美術館で

ついに 念願だった 詩学 パルナッソスのカードを入手することができました。

はっきり言って 

ヴァチカン市国ヴァチカン美術館って カード制作意欲に欠けていると思います。

あんなにたくさんの作品(絵画 壁画)を 所蔵しているというのに・・・

カードは 本当に期待はずれ。

今回やっと このカードだけは手にいれましたが 

他のウォンテッドカードは  なにも作ってくれていませんでした。

愚痴は このくらいにして 

待ちに待った 詩学 パルナッソス 登場です! 

横長の大判サイズ

 

 8744

8744 Raffaello, Il Parnaso  Stanze di Raffaello, Citta del Vaticano. Musei Vaticani
2016・9・23入手  アンサンブル

 

 

署名の間に入った途端 あれ? パルナッソスってどこにいったの? と 

ちょっとしたパニック状態に。

団体客で ごった返す中 警備の係員をつかまえ 

すでに売店で買ってあった このカードを示して

この絵は どこにあるのですか? と 質問しました。

考えてみれば フレスコ画ですから どこにも行くはずはないのですが。

んーどこって言われても・・・と裏を返して カード情報を確認した係員は

ああ これは そこの署名の間だよ と 指をさして教えてくれました。

だからぁ− ないんですってばぁー と思いながらも 

団体客と逆行しながら もう一度 引き返してみると

聖体の論議と アテネの学堂が おおいばりで大壁を飾っている署名の間の

窓側の壁の上に この詩学 パルナッソス がありました。

アポロンの真下に 四角い窓があり

なおさら逆光で 見にくかったのです。

それに ポストカード音楽会の記憶としては 詩学だって

聖体の論議や アテネの学堂と 同等サイズとばかり思い込んでいたのです。

な〜〜んだ こんなところにいたのね と 

アポロンと9人のムサイに やっと挨拶でき 

ほっとしました。

このカードを入手したおかげで 

警備の人に質問することもできたし 場所も教えてもらえたし

パルナッソスを見落とすという 致命的なへまもやらずに 済みました。

カードには 感謝感謝のみ。

 


 

 

<追・追・追記>  

 

その半年後 NHKBS番組 『二時間でまわるルーヴル美術館』 を観て 

署名の間での  の勘違いは  

そう間違っていなかった ということが分かりました。

アングルが イタリア留学をして ラファエロに強く惹かれ 

グランド・オダリスク を描いたというくだりで

↓ こちらのバチカン美術館 署名の間 の映像が映ったのです。

 

 

 TV画像

 

 

そうでした! 

パルナッソスのアポロンの下の窓って 昔は こんな風に閉まっていたんです。

 のおぼろげな記憶では 

署名の間は

 薄暗い大きな部屋が続いている中に ありました。 

今回 開放された窓から射す光が 署名の間を すっかり明るい印象に変え

戸惑ってしまったのです。

この窓だけではなく 並びの窓は全部開放され 

外の緑が 見えるようになっていました。

団体客を逆行して戻った 通路になっていたところです。

 

 

↓このアテネの学堂の左下にある茶色の扉が開放され

 ここから 署名の間に入り

 

 

 

↓ 聖体の論理 の 右下にある開放された茶色の扉から

 

  署名の間を出る流れになっていました。

つまり 署名の間は 閉ざされた室内ではなく 

一部分が 通路化している といったら よいでしょうか。 

パルナッソスは この扉と扉の間の通路化した壁の 

大きな窓の上にあります。

しかも そこは 移動する人で ごった返しています。

これは 以前の 署名の間の記憶と まったく違いました。

絵画を鑑賞するとき こういうことって すごく影響するんですね。

 

 

 

 ↓こちらの ライモンディのエングレーヴィング(銅版画)の

署名の間のパルナッソス

当時(16c)も この窓は閉まっていたようです。

ということは  1997年に行った時も 閉まっていたのですから

この窓が開放されたのは 21世紀になってから かもしれませんね。

今のところ確認できたのは

2005年に書かれた旅行記ブログには 開放された窓の写真がありました。

通路化して もう10年は 経ったのね、アポロン。

 

7181

7181 マルカントニオ・ライモンディ  パルナッソス山上のアポロン  1517-20年頃 エングレーヴィング 360 x 475 cm
町田市立国際版画美術館蔵   2013・3・8入手 
竪琴

 

 


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