今回、二期会オペラ「フィガロの結婚」に合唱として参加し、沢山の経験をさせていただきました。私は学生時代からずっとオペラを演じることに抵抗があり、関西二期会のオペラスタジオで一年間勉強いたしましたが、自分の殻を破れずにいました。
　しかし、たとえオペラの中でなくても、アリアや歌曲を歌うときに表現力がなければ聴いている方々は楽しめない。やっとそういう事を納得し、演じることの楽しさがわかるようになって来た時に、合唱をやってみない？と声をかけていただき出演することとなりました。
　オペラスタジオで勉強していた時から１年のブランクがありましたし、オペラの本番を経験したことがありませんでしたので、経験者の方々にいろいろな事を教えていただきながら稽古に取り組みました。　
　学生、自分より年下の方達の堂々とした様子をみて本当に圧倒されて、自分の学生時代と比較せずにはいられませんでしたが、そういう方々の素敵なところをこっそり盗ませていただきながら、少しずつ演技することに喜びを感じ、楽しめるようになっていきました。
　自分の心の変化を劇的に感じたのが、栗山先生、そして指揮の児玉先生からご指導を受けたとき、、（もちろん合唱全体に対してのご指導ですが、、）胸がドキドキして、でもそれは恐怖とか緊張だけではなく、素晴らしい芸術家からのご指導が本当に感動的で、エキサイティングで、、、オペラって楽しい！と心から思えるようになりました。
　しかしその反面、ソリストの方々の緊張感を間近で感じ、演奏するということは楽しいだけではなく、孤独と戦わなければならないものなのだと改めて実感いたしました。
　このオペラの合唱での経験は演奏する者として、また一人の人間として、成長させていただいたと思います。
　またこのような機会があれば是非参加させていただき沢山の事を学んでいきたいで
す。
　平野先生、合唱で参加された皆さん、お疲れ様でした！
（2007.3.12　三津橋萌子）

平野則子

三津橋萌子