ヨーク(York)



ヨークミンスター

6月12日(水)

さ、朝食だ〜!! 節約&イギリスの食事は高いけどイマイチという理由により、夕食はスーパーで食べ物買って軽く済ませているため、朝食がちょっと楽しみなのよね。
ヨーロッパ大陸のコンチネンタル・ブレイクファーストと違って、イングリッシュ・ブレイクファーストはボリュームあるし。(味は追求しちゃいけないけど)

1Fの食堂とおぼしき場所へ行くと、そこには誰もおらず、またしてもメモが


朝食

従業員の不足により、朝食は "RIVERSIDE WALK" でお願いします。
(川沿いに行ったところの2軒先です。)
ご迷惑かけまして申し訳ありませんが、ご協力お願い致します。


Pi-子:・・・何があったんだろうね、このホテル
nogi:リストラしたら残った従業員がそれに反発して辞めちゃったか、ストしてるってとこ?

などと勝手な想像をしてみる。
ねじき:いいから早く朝食へ行こうよ!
確かに従業員のリストラ(思い込み)よりも自分たちの朝食の方が大事なので "RIVERSIDE WALK" へ向かう。
このホテル、3軒ぐらいがメゾネットタイプで繋がっており、オーナーが一緒らしいのである。

Pi-子:Good morining・・・
"RIVERSIDE WALK" へ行くと平日だというのにすごい人。
そりゃ、3軒分のホテルの宿泊客が全員集まってきてるんだもんな〜。満席状態。
宿泊客のおばちゃん:私たちはもう食べ終わったから、この席に座っていいわよ。
Pi-子:あ、ありがとうございます。


オーナーと思われるおばちゃんが姿を見せたが、働いているのはこのおばちゃんともう1人のおばさん(お手伝い?)、厨房の中におじさん が1人しかおらず、見ていてあわただしい様子。
味は悪くなかったけど・・・(イギリスに来てから「おいしい」の合格水準が甘くなってきた気もする)

朝食を終え、市内観光へ・・・と思ったが、その前に
nogi:車、どうする?
Pi-子:先に返しちゃう?

レンタカー会社は確かヨークの駅構内にあったはず。

nogi:でも、荷物もあるしさ。もし置いとけるんならホテルの駐車場に駐車させてもらって、出発する時に 返さない?その方がロッカー代が浮くよ。
市内観光している間中、バックパック背負うのもイヤだしな〜、駅まで持っていって預けておくのもロッカー代がかかるからそれがいいかも。

"RIVERSIDE WALK"へ行って先ほどのオーナーらしきおばさんに訊くと、あっさりOKがもらえたので、車はそのままでヨーク市内観光へ。

nogi:まずはどこへ行くの?
Pi-子:ヨークといえば、ヨークミンスターでしょう。

13世紀初頭に着工し、完成までに250年もの歳月がかけられた(1472年完成)イングランドで最大の中世ゴシック建築。
ロンドンのウェストミンスター、カンタベリーの大聖堂と共に "3大大聖堂" の1つといわれている教会。これは行かなければ!でしょう。

ゲストハウスから数分歩いて行くと、古代の城壁が現われた。
ヨークの城壁が作られた紀元1世紀。ヘイドリアンズ・ウォール編、スカーバラ編を読んでいただけた方にはもうお分かりかと思いますが、 当時、この辺一帯はローマ人に支配されており、この街は"エボクラム(Eboracum)"と呼ばれました。
5〜6世紀にはゲルマン民族が支配権を握り、その後、9世紀にはヴァイキングが征服。街は"ヨーヴィック(Yorvik)"と名を変えられ、これが現在の"ヨーク(York)"の名の語源となっています。

また、数世紀に渡る、数々の民族がこの地の支配を巡って争っている中でも、スコットランドに対しても防衛を怠ることはできなかった為、 ローマ人が最初に築いた壁を14世紀に建てかえたのが現在でも残っている城壁だそうです。

城壁を左手に見ながらさらに歩いていくと巨大な建造に到着。これがヨークミンスターです。
さっそく中へ入ってみましょう。

この建築物は長さ160m、幅76m、高さは・・・よく分からないけど、ともかく高い!上を見ていると首が痛くなるぐらい。(アバウト)
忘れてはいけないヨークミンスターの目玉は世界最大の中世ステンドグラスの窓!!
主祭壇の奥の窓、西側にある五姉妹の高さ15mの窓、東側の薔薇の窓など・・・どちらを見ても素晴らしい、厳かなステンドグラスが目に入ってくる。
それぞれの窓に宗教的な由来があったと思うけど、キリスト教徒ではないのでよく分かりません。(^_^;A

nogi:ここ、写真撮ってもいいんだよね?
Pi-子:他の観光客もみんな撮ってるからフラッシュなしならいいんじゃない?

さっそく写真撮影を始めるnogi。

ヨークミンスターが見えてきたステキなステンドグラス

nogi:Pi-子、ここ塔の上って登れるのかな?
Pi-子:「地球の○○方」には登れるって書いてあるけど・・・登りたい?(^o^;
nogi:せっかくだから登りたい!!
(きっぱり!)
そう言うと思った・・・ねじきはやはりイヤそうな顔をしながらついてきた。

塔の入り口で£2払うと、ひたすら螺旋階段を登る、登る・・・
ねじき:どうして、お金払って登らなきゃいけないんだろう、なんでエレベーターとかつけないのかな・・・(ぶつぶつ)

外の光が見えてきたので「やった〜、到着!」と思ったら、いったん屋根の上に出て、渡り廊下(高所&吹きっさらし)を通り、再び数段上ると、やっと最上階に到着。

吹きっさらしの渡り廊下(腰高の手すりあり)を通ってきたので「もしや最上階もそんな感じでは・・・」(落ちても自己責任ということなんだと 思いますが、日本に比べるとあまりにもガードが少ないので)と思っていたら、金網で張り巡らされていて、ちょっとがっかり&ちょっと安心。

そして、塔の上は遠足と思われる子供たちであふれかえっていた。
ねじき:はぁはぁ、(やっと到着した)この子たちもあの塔、登ってきたのかな?
Pi-子:そうでしょうね。他に登る手段ないもん。
ねじき:イギリス・・・っていうかヨーロッパの子供たちって足腰丈夫になるね・・・はぁはぁ

ま、確かにアメリカ・日本みたいにエレベーターで一気に上に・・・ってあんまりないね。
建物が古いからしょうがないんじゃん。

塔からの眺め遠足(だと思う)の子供たち

ヨークミンスターを出て街の中心を歩いていくと、足の下は石畳、中世の町並みがそのまま残されており、ヨーロッパでは珍しくもないがタイムスリップ気分。
ねじき:ヨークに来たら"ヨークシャー・プディング"を食べてみないとね!
Pi-子とnogiは得に行きたい所も、食べたいものもなく、同意するが・・・イギリスの食べ物に期待するのはやめようよ、ねじき。

ここでも街の老舗っぽいパブに入って(カーライルでも「創業○年の老舗なら大丈夫」といってパブに入ったのですが・・・ (カーライル編参照) ヨクシャープディングとローストビーフをオーダー。

プディングと言ってもデザートの"プリン"のことではなく、パイ皮のようなもの。
それ自体に味はなく、グレイビーソース(調理した肉の肉汁から作られるこってりソース)やジャムや蜂蜜をかけて肉と一緒に食べるもの。
メインディッシュの前に出てくることもあり、これはお金のかかる肉料理の前に出してお腹を満たしておくという生活の知恵だったと思われます。

数分後、やってきました、ヨークシャープディング!
Pi-子&ねじき&nogi:いただきま〜す!!!

まずはヨークシャープディングにグレイビーソースをかけるが・・・ただ脂っこくなるだけ。
ジャムをつけた方が日本のデニッシュみたいな味になるかも・・・と思ったけどやっぱり何かが違うっ!
では、メインディッシュのローストビーフと一緒に食べて・・・みたけど、パリパリのヨークシャープディングをわざわざギトギトの肉&肉汁につけて食べる理由がよく分かんない!
やはりおいしいのは付け合せ、茹でただけの温野菜だ。

ねじき:写真で見るとおいしそうだけど、はっきり言って不味い・・・(怒)
だ〜か〜ら、イギリスの食事に期待は厳禁なんだって!!

気を取り直して・・・というか、口直しにこれまた老舗のティールーム、"Betty's"へ。
イギリスって主食はちょっとアレだけど、お茶とお茶うけ(スコーン、マフィン等)はおいしいからさ・・・

ところが、平日だというのに満席!!
いずこの国も同じように多くのおばさまたちがお茶を飲みながら長話をしているのでありまして・・・待っていても席が空きそうにないので お土産の紅茶を買って外に出たのであります。(泣)

nogi:この後どうする?
Pi-子:う〜ん、いくら日が長いとはいえ、ロンドンに6時頃には着きたいので、すると4時ぐらいの列車に乗らないといけないから、 レンタカーを返して、列車の切符を買うのを考えれば、遅くとも3時半には駅に行かなきゃいけないでしょ・・・でも2時間半ぐらいはゆっくりできるけど。
nogi:ガソリンを満タンにして返さなきゃいけないからあと30分ぐらいの余裕は欲しいね。
Pi-子:あと2時間ぐらい、か。
ねじき:お茶は?
Pi-子:街の中ぷらぷらしてめぼしい所があったらお茶しようか。歴史的な建物が多いし、城壁にも上ってみたいし。


ハリーポッターに出てくる"ダイアゴン横丁"のように中世的&ごちゃごちゃした路地をぶらぶらしながらクリフォーズ・タワー(Clifford's Tower) を目指して歩く。

クリフォーズ・タワーとは、1068年にウィリアム征服王の築いたヨーク城の天守部分で、現在の建物は13世紀に建て作り直されたもの。(現存するヨーク城はこの部分のみ) 最初に建てたのは木造の城だったので、1190年の反ユダヤ暴動の際に燃えてしまっただとか。
実はこの場所にはたいへん血生臭い歴史があります。
1190年、サラ金業を営んでいたユダヤ人に対し暴動が発生。
この街に住むユダヤ人たちは保護を求めてこの城にやってきたが、当時の城の責任者は彼らに「信仰を放棄すれば保護する」という条件をつきつける。
彼らは信仰の放棄を拒否し、暴徒に虐殺されるよりは・・・と150人のユダヤ人がここで自らの命を絶った、と伝えられている。
その後、16世紀には農民一揆の集団の首謀者が捕らえられ、ここに吊るされた・・・なんて話もある。

もちろん"幽霊が出るスポット"になっており・・・霊感がなくてよかったかも。(^_^;

塔の向かいある"キャッスル博物館 (Castle Museum)"は元刑務所を改造して作られたとのこと、昔の日常品が展示してあるそうで、 おもしろそうだったんだけど、ゆっくりもできなかったのでここはスルー。
橋を渡ったところから城壁に登り、ちょっと遠回りだったけど、その上を通りながらゲストハウスへと戻ったのでした。

車を駐車させてもらったお礼を言おうと朝食をとったゲストハウス "RIVERSIDE WALK" のドアを叩くが、もぬけの殻。
従業員がいないからオーナーさん、大忙しなのだろうか?

近くのガソリンスタンドでガソリン満タンにし、車を返すためにヨーク駅構内にあるレンタカー会社へ行くが、ここにも人がいないんですけど。
でもってドアにメモが貼ってある。
Pi-子:なになに「只今不在ですので、車返却のお客様はポストにカギを入れておいてください」だと。 このレンタカー会社も従業員がいないのかぁ〜?
ドイツで車を借りた時みたいに擦り傷を作ったわけではないので(シュトゥットガルト編参照) 車種・ナンバー・nogiの名前を書いた紙と一緒に車のキーをポストに入れた。
nogi:車、レンタカー会社の前に置いておいていいよね?
Pi-子:置き場所の指定もないし、いいんじゃない?


それから列車の切符を購入し、15:55ヨーク発の列車に乗り込んだ。
ねじき:ロンドンには何時着?
Pi-子:18:05着予定。ロンドンまでノン・ストップで2時間だから速いよね。
nogi:速いのはいいけど列車の値段高いよ。£61.6だから日本円にすると・・・\14,000もするんだ!
(2002年6月)
Pi-子:距離的に300kmぐらいだから日本に例えると東京〜名古屋ぐらいかな。新幹線だと\10,000ぐらい? そうすると日本より割高になるのか。
nogi:そう考えるともう少しレンタカーで先まで行ってもよかったなぁ・・・
Pi-子:確かに。でも返しちゃったものは仕様がないし・・・

実はこの時、Pi-子だけは学割が効いていたのです。(今だから告白)

キングズ・クロス駅「9と4分の3番線」
ヨークの街を歩き回っていた肉体的疲れ&列車が意外と高かったという思いがけない出費による精神的疲れによりへとへと状態でロンドンの キングズ・クロス駅に到着。

nogiとねじきが疲れているのは分かっていたんだが、せっかくキングズ・クロス駅に来たんだし〜、と「9と4分の3番線」を探しまわるPi-子。
Pi-子:あったよ〜、あの白髪のおじさんが立ってるあたりじゃない?
ねじき&nogi:・・・・・・・・・

ねじきはともかく、nogi、ハリポタに対してテンション下がりすぎ!!

とりあえず撮るものを撮ってから、地下鉄に乗ってアールズ・コート(Earl's Court)へ。
この駅の近くに宿泊予約をしておいたのだ。

(アールズ・コート(Earl's Court)駅のプラットホームにて)
ねじき:宿はどっち側に行くの?
Pi-子:ん〜、こっちだったはず。

・・・と外に出るが・・・2週間前に直接予約しに来た時と景色が違う。
日本同様、地下鉄って周りの景色が見えてないから分かりづらいのよね。

Pi-子:ごめん、反対側だったみたい。(^o^;
ねじき:だからどっちか方向聞いたじゃない?それって何年前の記憶よ!?
(超怒りのレッド)

ねじきがこんなに怒るのは珍しい(Pi-子はしょっちゅうだけど(汗))
でも私だってわざとじゃないんだし〜、疲れてるんだし〜、そんな言い方することないじゃん!?
Pi-子:え〜・・・2週間前、メール出したけど宿からの返信なかったし、場所も確認したかったからねじきを迎えに来る ついでにここまで来て直接予約したんだけど?
ねじき:そうなの・・・ごめん。


駅の反対側に周り、宿はすぐに見つかったんだけど・・・なんだかとってもブルーな気分。 ρ(・・、)イジイジ


後から聞いた話、ねじきはヨークでお茶できなかったし、イギリスに来てからおいしい食べ物にはめぐり合えないし、登る系が多かったので 特にnogiと合流してからはおいていかれるし・・・で不機嫌だったらしい。(エディンバラなんて置き去りにしたからな m(_ _)m 反省)

(Pi-子)