戦略労務第381号(2025/2)
イントロダクション
立春を過ぎましたがまだまだ寒い日が続いています。群馬県ではからっ風という北西からの風が毎日のように肌を刺します。日射しとしては1か月前よりはずいぶんと強くなってきています。
各地で豪雪のニュースが続いていますが、冬はより寒く夏はより熱くなるという感じがします。
「戦略労務」第381号をお届けします。今号ではコンプライアンス(法令遵守)についてご紹介します。
★コンプライアンスについて
コンプライアンスとは何かというと、はてと考え込んでしまうほどに日常的な言葉になりました。すでに日本語化していますが、
「企業などの組織が、法令や規則を良く守ること。法令遵守」と訳されています。
企業コンプライアンスまたはレギュラトリーコンプライアンスとは、組織が、関連する法律、政策及び規制を認識しており、それらを順守するための措置を講じていることを確実なものとするための取り組みにおいて、達成すべきことの目標を設定することを意味する。(ウィキペディアより)
なんだか難しい表現になっていますが、私たち社会保険労務士が作成し企業に提供する「就業規則」はコンプライアンス規定の集まりと言えるでしょう。
労働基準法や労働安全衛生法をはじめとして、労働者の権利を保障し、保護する法令は徹底して守る必要があります。これらの法令に基づいて定める就業規則の規定内容を検討決定し、定めた内容をしっかり守っていくことが大切です。もちろん、法制度の改正や新たなルールが導入されるときには、すぐにキャッチアップして守っていかなければなりません。
残業代の未払い、サービス残業、過重労働をはじめ、年次有給休暇、育児休業や産休、介護休暇など休暇取得に制限を加えることや、パワハラやセクハラ、マタニティハラスメント防止などもすべて就業規則の内容に含まれています。これらが起こらないように徹底して取り組むことは企業のコンプライアンスに含まれます。法令順守をしない企業が成長することはありません。
ひと昔前であれば企業内の内輪で済まされた問題も、今では企業の内外からすぐに情報が漏れたり、告発が行われたり、思わぬルートで情報が伝わっていきます。残業代の未払いやサービス残業、パワハラやセクハラ問題などが起きた場合、ネット情報が豊富ですからすぐに告発されてしまうケースが多くあります。
最近話題になったフジテレビにおけるコンプライアンス担当の不手際は記憶に新しいですね。これからはますます簡単に手続きが行えるようになっていきますし、ハードルも低くなっていく気がします。
会社のコンプライアンス違反に対して労働基準監督署に相談するケースや、アルバイトや派遣社員であっても専門のユニオンに相談して弁護団が結成されるといったケースも増えています。