戦略労務第356号(2023/1)
イントロダクション
あけましておめでとうございます。新型コロナウイルスはまだまだ収まりそうにありませんね。万一感染しても重症化しないようワクチン接種と体調管理に気を付けていきましょう。
今年も当事務所全員一丸となり、顧問先従業員の皆さんが定年まで勤めていたい、やめたくない職場を創るお手伝いをしていきます。今年も良い年になるよう1年間頑張りましょう。
「戦略労務」第356号をお届けします。
★コンプライアンスについて考える
コンプライアンスとは何かというと、はてと考え込んでしまうほどに日常的な言葉になりました。もうすでに日本語化しているようですが、「企業などの組織が、法令や規則を良く守ること。法令遵守」と訳されています。
企業コンプライアンスまたはレギュラトリーコンプライアンスとは、組織が、関連する法律、政策及び規制を認識しており、それらを順守するための措置を講じていることを確実なものとするための取り組みにおいて、達成すべきことの目標を設定することを意味する。(ウィキペディア)
なんだか難しい表現になっていますが、私たち社会保険労務士が作成し企業に提供する「就業規則」はコンプライアンス規定の集まりと言えるでしょう。
労働基準法や労働安全衛生法をはじめとして、労働者の権利を保障し、保護する法令は徹底して守る必要があります。これらの法令に基づいて定める就業規則の規定内容を検討決定し、定めた内容をしっかり守っていくことが大切です。もちろん、法制度の改正や新たなルールが導入されるときには、すぐにキャッチアップして守っていかなければなりません。
残業代の未払い、サービス残業、過重労働をはじめ、年次有給休暇、育児休業や産休、介護休暇などの取得に制限を加えることや、パワハラやセクハラ、マタニティハラスメント防止などもすべて就業規則の内容に含まれています。これらが起こらないように徹底することは企業のコンプライアンスに含まれます。法令順守をしない企業が成長することはありません。
ひと昔前の時代なら企業内の内輪で済まされた問題も、今では企業の内外からすぐに情報が漏れたり、告発が行われたり、思わぬルートで情報が伝わっていきます。残業代の未払いやサービス残業、パワハラやセクハラ問題などが起きた場合、ネット情報が豊富ですからすぐに告発されてしまうケースが多くあります。
労働基準監督署に相談するケースや、アルバイトや派遣社員であっても専門のユニオンに相談して弁護団が結成されるといったケースも増えています。