戦略労務第349号(2022/6)

イントロダクション

 関東地方の梅雨入りですが今年は早かったですね。近頃梅雨らしい天候が続いていますが、時々晴れ間がのぞくような陽性型の梅雨を望みたいと思います。去年の今頃も新型コロナウイルス禍が終息に向かっているような感じがありましたが今年こそはと思います。
「戦略労務」第349号をお届けします。

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★エンゲージメントについて

 「エンゲージメント(engagement)」は、「婚約、誓約、約束、契約」を意味する言葉です。ここから派生して、人事領域におけるエンゲージメントでは「個人と組織の成長の方向性が連動していて、互いに貢献し合える関係」という意味合いで使われています。

 その根底には「個人の成長や働きがいを高めることは、組織価値を高める」「組織の成長が個人の成長や働きがいを高める」という考え方があります。このように、企業と従業員の結びつきが強い状態を指して「エンゲージメントが高い」と表現されます。

 エンゲージメントが高い組織には、従業員一人ひとりが企業や組織を信頼し、自身と事業の成長に向けて意欲的に取り組むという特長があります。つまり、組織力が強まり、ひいては業績の向上が期待できるわけです。

★エンゲージメントを高めることによるメリット

 組織の活性化
 エンゲージメントの高い組織では、従業員の仕事に対する自発的な関与や熱意が見られます。職場の問題を自ら解決したり、積極的に意見を出したり、事業と自身の成長に向かって活発に動きがある組織風土を生み出します。

 従業員のモチベーション向上
 エンゲージメントは、従業員自身が何を期待されているかを認識し、かつ成長機会に接するなかで、組織に貢献できている実感がある状態で生まれます。エンゲージメントが高まると、従業員は自分の仕事と業績、顧客満足度のつながりを感じ、モチベーションが向上します。

 生産性の向上
 エンゲージメントが高い状態とは、企業の方向性やビジョンに共感していることを示します。職務においてやるべきことを自発的に模索し、行動に移す意欲が十分にある状態といえます。組織への愛着も強まるため、事業課題に対して積極的に取り組む姿勢が生まれます。こうした一つひとつの行動が、生産性の向上をもたらします。

 従業員の定着率の向上
 エンゲージメントは、ビジョンへの共感や職場環境へのコミットメント、やりがいのある仕事など、さまざまな要素から醸成されます。エンゲージメントが高い従業員は、労働条件だけのつながりではなく、そこで働くことの価値を見出しています。従って、人材流出を防ぎ、定着率の向上が期待できます。

 「日本の人事部」より引用(一部編集)

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