戦略労務第345号(2022/2)
イントロダクション
群馬県内は「まん延防止等重点措置」が今月13日まで適用されており、その後も継続される見通しになっています。オミクロン株の脅威が続いています。新規の対策は後手に回りがちですが3回目のワクチン接種開始時期が遅れたのは悔やまれます。
「戦略労務」第345号をお届けします。
★就業規則の作成及び届出の義務
労働基準法第八十九条(作成及び届出の義務)では、次のように規定しています。
常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。
①始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて交替に就業さ
せる場合においては就業時転換に関する事項
②賃金(臨時の賃金等を除く。以下この号において同じ)の決定、計算及び支払の方法、賃金
の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
③退職に関する事項(解雇の事由を含む)
③の2.退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計
算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
④臨時の賃金等(退職手当を除く)及び最低賃金額の定めをする場合、これに関する事項
⑤労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合、これに関する事項
⑥安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項
⑦職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項
⑧災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項
⑨表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項
⑩前各号に掲げるもののほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合にお
いては、これに関する事項
(③の2以降は規定しない場合もあり相対的記載事項と呼ばれています)
★常時10人未満の場合は?
労働基準法で10人以上と規定していますがこの人数には特段根拠はないと思います。ですが具体的な数字ではあります。家族従業員以外の労働者が数人の場合には経営者の目も届きやすいですし、きちんとした規程を作成し皆さんに見てもらうのは作成も面倒であり、堅苦しく思われるといったこともあるでしょう。
ところが社員10人となれば組織感が出てきますし、義務化されてもそれほど負担にはならない規模になります。ほとんど義務の履行として作成する企業が多いのですが、10人未満の段階から作成しておくこと、すなわち経営者の考えや姿勢を社員に示すことが大切だと考えています。
人手不足で焦っていたりすると即戦力として、よくない人材を採用してしまう可能性もありますので、きちんと経営者の考えを示しておくことが必要だと思います。最初は本当に簡単なものから詳細なものに変更していけば良いでしょう。ぜひ大切な後継者のためにも。