戦略労務第332号(2021/1)

イントロダクション

 本年もどうぞよろしくお願い致します。今までにない状況でのお正月になってしまい昨年の年始のときを懐かしく思っています。コロナ禍の収束までどうやって自分を守るか、どうしたら周りの人々に感染させずにいられるのか一人ひとりが良く考えて行動しなければなりません。
 今年こそは良い年になるよう一年間頑張りましょう。「戦略労務」第332号をお届けします。

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★毎年1月は労働保険料第3期分の納期です

 労働保険料を分納している事業所、若しくは事務組合委託事業所の皆さん、毎年1月は労働保険料の納入月となっています。保険料納入通知書が届きましたらお早めの納入をお願いします。
 なお、保険料自動引落しの事業所様は預金残高の確認をお願い致します。保険料納入が難しい状況である場合、免除にはなりませんが期限を延長することは可能なのでお申し出ください。

 現在、事務委託をされていて、労働保険料納入通知書により労働保険料をお支払いいただいている事業所様で保険料自動引落しをご希望される場合、お申し出いただければ次年度(今年度の確定保険料)から変更することが可能です。手数料は不要なのでぜひご検討ください。

★事業主から休業を命じた場合の休業手当について

 労働基準法第26条では、「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者にその平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない」と規定しています。
 そのため、新型コロナウイルスに感染しているかどうか分からない段階で、発熱などの症状がある従業員を一律に会社の判断で自宅待機させるような場合は、「使用者の責に帰すべき事由による休業」となり、勤務先が休業手当を支払う義務が出てきます。

 しかし、新型コロナウイルスは指定感染症(2類感染症相当)となっているため、感染している場合、都道府県知事による就業制限の対象となった従業員を休ませても、この規定には該当せず、会社には休業手当を支払う義務はありません。この場合、従業員の方は健康保険の傷病手当金を請求することになるでしょう。

 また、未感染で会社から自宅待機の指示がなく自分の判断で自主的に休む場合は休業手当や傷病手当金の対象にはなりません。年次有給休暇を申請することは問題ありませんが、会社側から一方的に時期を指定して年休消化させることに問題がないとは言い切れません。

★従業員が新型コロナに感染?

 新型コロナウイルスの症状が出たとしても、検査を受けて陽性の結果が出るまでに時間を要することがあります。したがって企業は、正式に陽性と判明する前の段階であっても従業員の体調や症状を確認し、就労を控えてもらうことが必要です。並行して、感染の疑いのある従業員の体調に無理のない範囲で、発症するまでの行動歴などの必要な情報収集を行いましょう。

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