助産師による「いのちの授業」

 助産師とはご存知のとおり、これから赤ちゃんを生もうとする女の人を助ける仕事であり、新しい いのちをとり上げる仕事です。
生まれたあとの赤ちゃんとお母さんと、そしてこの二人をとりまくおうちの人たちがみんな幸せに暮らせるようにお手伝いをする仕事でもあります。
言うまでもなく“いのち”には大きさも形もなくすべてのいのちが素晴しいということです。
 おなかのなかに宿った瞬間からすべてが選ばれたいのちであり、決して粗末にすることのないよう私たち助産師はこの「いのちの授業」を通し、
子供たちにその感動を伝えてあげたい と思っております。
そして子供たちがこの授業を通し、「いのちってなぁに?」と聞かれたときに「一番大切で何よりも尊く素晴しいもの」と自信を持って答えられるように一生懸命にこの「いのちの誕生」の感動を子供たちに伝えていきたい と思っております。これは「小・中学生での心と身体の発達段階でのいのちの大切さ」を学んでほしい という私たちの願いをかなえるものであり、すべての子供たちにこの大切な「いのち」を軽んずることのないよう、お話をしていく努力をしていかなくてはならない課題でもあります。

 数年前より私たち助産師の助産活動の中で急速に発展してきた課題があります。
それはこの小・中学生を対象とした「いのちの授業」です。
この授業は、ひとつのいのちがこの世の中に誕生する ということは何よりもすばらしいことであり、そのいのちを決して粗末にすることのないように心に感動を与えていきたい という助産師の願いが込められていて、小・中学生の頃より健全な正しい性への認識を与え、自分自身を大切に守り、そして“いのち”について心に隔たりなく語れることを目的としております。
 もとより助産師は、母子及び女性支援のよきアドバイザーになれるよう日々努力を惜しまず、現代の“かけこみ寺”のような観念をもって活動しておりますが、身体も心も発達途中の十代の少年少女の皆さんへ清潔で正しい性への認識の授業を と常に考えております。
 すべての子供たちにご両親がそろっているとは限りません。
それから児童虐待や家庭内暴力の問題を抱える家庭も無いとは言い切れません。しかし、その子供たちを含めすべての子供たちが、
『生まれてきて本当によかった・・・・、お母さんお父さんありがとう。』
と心から思えるように伝えていきたい と思っております。

深刻な十代の自殺の問題に関して

 最近、共に自殺する仲間をインターネットなどで探す書き込み等が問題視されています。そしてたくさんの機関等で自殺に関する予防対策・治療対策・事後対策を一生懸命に行なっております。
このような問題に関して私たち助産師は自らを反省すべき点をたくさん見出しました。
とかく新しいいのちの誕生を待ち喜び、誕生するたびにただひたすら使命感に没頭してまいりました。
しかしその一方ですでに存在しているたくさんの「生きていくことのすばらしさの意味」「生きていくことに不信感や躊躇」を十代の少年少女たちが摸索していることを見過ごしてまいりました。
「いのちが誕生した時からずっと、行く末まで見守っていくこと」そして
「生きていくことのすばらしさをしっかり見出してもらうこと」の方向性の道案内についても助産に携わる人間の使命でもあります。
 やがてまた誕生するあたたかい世代を迎えるために、「いのち」を子供たちが守り育てていけるように全力で子供たちと話し合っていかなければなりません。
 力不足ではございますが、どうぞ教職員の皆様・お母様・お父様のお力をお貸しいただき、“性と心”の教育を家庭内・学校内におかれましてもどうぞおすすめくださいませ。

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