船橋市総合教育センターにおいて「心の教育」講座(いのちの授業)を行ないました。市内の小・中学校、約120人の先生方にお集まりいただき、性と心の教育「いのちの授業」をすすめていくうえで、その根底にあるもの、そしてその指針についてお話させていただきました。そしていのちを大切に思い、また生きていくことのすばらしさを探求する真の心があれば必ずすばらしい性教育ができるということもお話させていただきました。
本講座の進行を進めていく上で船橋市総合教育センターの先生方、船橋市役所児童育成課の方々、ゲストのお母さん・赤ちゃんのご協力があったことは言うまでもありません。有意義な時間をすごさせて頂きましてたいへんありがたく、とても感謝しております。今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。
性教育についての観念
性教育に関して私たち大人は決して童心を忘れることなく、時には子供たちのお姉さんお兄さんになり、すこし先に生まれて ほんの少しを子供たちより知っているだけのことだと思ってください。
指導の観点からではなく、いのちの大切さにふれる喜びを子供たちがお互いがお互いを魅了できるようにおはなしをしてあげてください。
助産師が考える虐待について
本来母親からの虐待などに関しての問題について私たちは、本来児の生育状況を一番把握し、児の一番の頼りであると自ら認識している母親からの虐待は、時代の背景や、おかれている環境、その他突然の心の異変にほかなりません。結果的にそのような状況になってしまったとはいえ、妊娠発覚直後より児を大切に280日間大切に守り、苦しい出産をむかえたことはその母子に関して言えば敬意そのものでありましょう。あの出産のときの感動や母性がやどった時期を今一度思い出させてあげてください。心の扉を先生方のお力で開いてあげてください。児の母親ですから先生方のノックに必ず気づいてくれます。どうぞ、先生の方々でそんなお母さんの心の苦しみを救ってあげてください。
性教育に関して
性教育授業は、一般的に男の人と女の人との身体のちがいについての学習ですが、あらゆる角度から見た時にそのおとなの人の身体の学習を受け入れる準備ができていないとせっかくの授業もただ漠然と聞いているだけの授業になってしまいます。そこで私は必ず授業参観形式にさせて頂いております。それは、虐待や家庭内暴力、人工妊娠中絶問題や自殺等の問題を想定し、お母さん・お父さん・周囲の優しい大人たちのあたたかく見守る情景は、これからだんだんと大人になっていく子供たちへの怖さや違和感をとりのぞく雰囲気といえます。
授業中、その途中途中でなみだが出てきてしまう子供たちもなかにはいます。児童本人の話によると「今朝学校に来る時、ママと口げんかしてしまった」とのことでした。きっと子供たちの胸の中では母親や父親への想いがあふれるばかりになっているのでしょう。だからひとりひとりの子供たちの変化に気をつけて行なってください。
母親がいないのに母親との絆を話してもよいのか
自分は母親と父親との間に生まれてきてはいるけれどもこの話を聞いて自分にはいないということで寂しさや重圧感だけが増すよりも、実際奇跡の確率で生まれてきた自分にも、そしてお母さんにも熱くこみ上げてくる気持ちをいっそう大切にしてくれる気持ちが生まれてくるはずです。そして必ず子供たちが授業を聞き進めていくうちに「僕たち、私たちはお母さんとお父さんの愛情の中で生まれてきた奇跡の子供なんだ」と必ず理解してくれるはずです。そして子供たちの心のケアを地域を含めてみんなで一生懸命に大切に守っていくという観点からも“いのちの授業”は必要なのです。