AHMAD JAMAL
これが82歳のピアノか!
この爺さん、本当に凄いわ!
"SATURDAY MORNING"
AHMAD JAMAL(p), REGINALD VEAL(b), HERLIN RILEY(ds), MANOLO BADRENA(percussion)
2013年2月 スタジオ録音 (JAZZ VILLAGE : JV 570027)
1930年生まれのJAMALは録音当時82歳。ジャズの世界には90歳まで日本ツアーを行ったHANK JONES(JAZZ批評 629.)みたいなツワモノもいるから驚くに当たらないけど、この演奏を聴けばその若々しさに誰しも驚くだろう。老いてますます盛ん。
2009年の"QUIET TIME"(JAZZ批評 592.)、2011年の"BLUE MOON"(JAZZ批評 743.)と一年おきにアルバムを発表してきた。今回は前回と同じメンバーで構成されている。
JAMALと言えば、かのMILES DAVISが"KIND OF BLUE"(JAZZ批評 70.)の中にある"FREDDIE FREELOADER"に1曲だけに参加させたWYNTON KELLYに対し、JAMALの「間」と「ダイナミズム」を賞賛し「JAMALのように弾け!」と言ったという逸話が残されている。
また、CHICK COREAは"TRILOGY"(JAZZ批評 820.)のライナーノーツの中で、「恩師、とりわけBUD POWELL、AHMAD JAMAL、MILES DAVISに感謝したい」と述べている。ジャズの世界に60年以上、今なお現役として君臨しているジャズ界の大御所と言えるだろう。
@"BACK TO THE FUTURE" お馴染みのパターン。盤石のリズム隊に乗ってJAMALが自由奔放に暴れる。兎に角、楽しそう!
A"I'LL ALWAYS BE WITH YOU" 「枯れた味わい」とは程遠くて、「豪華絢爛な」と言いたくなってしまうバラード。
B"SATURDAY MORNING" 繰り返す多ビートの定型パターンに乗ってJAMALの指が小粋に踊る。
C"EDITH'S CAKE" パーカッションの参加が独特の色彩を提供している。
D"THE LINE" これもリズム隊の定型パターンで始まり、自由奔放にピアノが弾ける。まさしくワンマン・ピアノと言えるのだけど、その後には、ドラムス〜パーカッション〜ベースのソロが用意されている。
E"I'M IN THE MOOD FOR LOVE" フリー・テンポのピアノ・ソロで始まる。重低音から高音部まで隈なく鍵盤を行き来する指。「間」がいいね。
F"FIREFLY"
G"SILVER" このグループの特徴は「ピアノ・トリオ+パーカッション」という構成だろう。このパーカッションが加わることによって、よりリズミカルに躍動している。
H"I GOT IT BAD AND THAT AIN'T GOOD" DUKE ELLINGTONの書いた曲。ELLINGTONの書いた曲でさえも、JAMALの手に掛かると遊び心とウィットに溢れた演奏になる。
I"ONE" お得意のパターン。
J"SATURDAY MORNING (REPRISE)" 再登場。
遊び心とウィットに溢れた全ての演奏が、まさに、唯一無二のJAMAL'S WORLDだ。
改めて、「これが82歳のピアノか!この爺さん、本当に凄いわ!」と尊敬の念を込めつつ、「manaの厳選"PIANO & α"」に追加した。 (2013.09.28)
試聴サイト : http://www.ahmadjamal.net/Ahmad-Jamal-Saturday-Morning-en.html
参考サイト : http://www.youtube.com/watch?v=SiARr9JhLEo
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