独断的JAZZ批評　８２０．

"TRILOGY"
CHICK COREA(p), CHRISTIAN McBRIDE(b), BRIAN BLADE(ds)
GUEST ARTISTS: JORGE PARDO(fl: DISK1, ⑤, ⑦), NINO JOSELE(a.gt: DISK1, ⑤, ⑦), GAYLE MORAN COREA(vo: DISK3, ③)
2010年9月～10月、2012年11月～12月　ライヴ録音　(UNIVERSAL MUSIC UCCJ-3031/3)

このアルバムは2010年の北米～日本ツアーと2012年のヨーロッパ・ツアーからピック・アップされた17曲を3枚のCDに収めたものだ。
結論から言うと、これは文句なしに素晴らしいアルバムだ。これほどのアルバムにはそうそう巡り合えるものではない。COREA、50年の演奏活動の中でも最高峰の演奏として刻まれるべきものだろう。さらに言うと、ピアノ・トリオというフォーマットの中でのベストな演奏ということで歴史に名を刻んでもおかしくない演奏である。
COREAは1941年生まれというから、現在、72歳になった。録音当時でも69歳、71歳だ。演奏は若々しく、瑞々しい。そして、演奏にキレがある。
僕がJAZZにのめり込む1枚となったのが"NOW HE SINGS, NOW HE SOBS"（JAZZ批評　１．）でCOREA27歳の時だ。さらには同じメンバーによる"TRIO MUSIC LIVE IN EUROPE"（JAZZ批評　５０．）も素晴らしかった。しかし、本アルバムはこの2枚を超えたと思う。
ベースにCHRISTIAN McBRIDE、ドラムスにBRIAN BLADE。天才と呼ばれるに相応しいメンバーが揃った。
漲る躍動感、緊密感溢れるインタープレイ、そして、アンサンブルの美しさ！どこをとっても非の打ち所がない。
どのトラックも素晴らしく、個々のコメントを必要としないでしょう。
聴けば、分かる！
（曲名タイトルの後に、録音場所と録音月.日.年を記した）

DISK 1
①"YOU'RE MY EVERYTHING"　(OAKLAND, CA 10.12.10)
②"RECORDA ME"　(CARTAGENA, SPAIN 12.01.12)
③"THE SONG IS YOU"　(ANTALYA, TURKEY 11.28.12)
④"WORK"　(MADRID, SPAIN 12.02.12)
⑤"MY FOOLISH HEART"　(MADRID, SPAIN 12.02.12)
⑥"FINGERPRINTS"　(MADRID, SPAIN 12.02.12)
⑦"SPAIN"　(MADRID, SPAIN 12.02.12)
DISK 2
①"THIS IS NEW"　(OAKLAND, CA 10.12.10)
②"ALICE IN WONDERLAND"　(ST. POLTEN, AUSTRIA 11.20.12)
③"IT COULD HAPPEN TO YOU"　(ZURICH, SWITZERLAND 11.23.12)
④"BLUE MONK"　(ZURICH, SWITZERLAND 11.23.12)
⑤"ARMANDO'S RHUMBA"　(MARIBOR, SLOVENIA 11.21.12)
⑥"OP. 11, NO. 9"　(ISTANBUL, TURKEY 11.27.12)
⑦"HOW DEEP IS THE OCEAN?"　(ST. POLTEN, AUSTRIA 11.20.12)
DISK 3
①"HOMAGE"　(OAKLAND, CA 10.14.10)
②"PAINO SONATA: THE MOON"　(WASHINGTON, DC 10.09.10)
③"SOMEDAY MY PRINCE WII COME"　(札幌 12.08.10)

本アルバムは3枚組で4,500円。最初は高いなあと思ったが、中身を知れば、むしろ、安いくらいだ。ジャズの醍醐味がギューッと凝縮されて詰まっていることを考えれば数万円の価値に値すると僕は思っている。
CHICK COREAのピアノ・トリオ・アルバムとしては最高傑作と位置付けても何ら問題ないだろうし、ジャズ史上に燦然と輝くピアノ・トリオだと言っても過言ではないだろう。
ジャズ・ファンならこれを聴かずしてどうする？ということで、「manaの厳選"PIANO & α"」に追加した。　　　(2013.09.14)

試聴サイト　：　http://www.universal-music.co.jp/chick-corea/products/uccj-3031/
　　　　　　　UNIVERSAL MUSICはどうしても試聴させたくないらしい！

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