独断的JAZZ批評 824.

AARON PARKS
これが17歳のピアノか!
この若者、本当に凄いわ!
"FIRST ROMANCE"
AARON PARKS(p), LARRY HOLLOWAY(b on @, C, D, F), EVAN FLORY-BARNES(b on A, B, E), JULIAN MACDONOUGH(ds on @, B, C, D, F), ERIC PETERS(ds on A, E)
2000年2, 4, 11月 スタジオ&ライヴ録音 (自主制作盤?)


AARON PARKSは1983年10月7日生まれというから、もうじき30歳になる。本アルバムを録音したのが2000年で、未だ17歳という若さだった。16歳でアルバム・デビューを果たしており、これが2枚目に当たる。
近々、ソロ・アルバムが出るというので、何か良いトリオ・アルバムはないかと探していたらYouTubeでこのアルバムに巡り合った。
2008年録音のベーシスト・ANDERS CHRISTENSENのリーダー・アルバム"DEAR SOMEONE"(JAZZ批評 596.)は期待を裏切る出来で、それ以来、食指が動かなくなっていたのだが、これは思わぬ拾い物だった。どこを探しても在庫切れだったのだが、いつもお世話になっている福岡のCATFISHさんに問い合わせたら1枚、隠し在庫があるというので分けてもらった。今では、入手するのは結構厳しいかも・・・。

@"FIRST ROMANCE" PARKSのオリジナル。小洒落たワルツ。イキイキとして瑞々しいタッチ。本当に17歳が弾くピアノなの?歌心あるねえ!
A"STELLA BY STARLIGHT" 
個人的にはHOLLOWAYのベースの方が好きだ。このBARNESのベースはわざとらしいというか、受け狙い的な部分がある。それが残念。
B"THE WIZARD" 
これもPARKSのオリジナル。ちょっと中東的な香りのするチューン。アドリブではアップ・テンポの4ビートを刻む。ピアノがキレている。タッチもクリア。
C"ALL THE THINGS YOU ARE" 
多くのミュージシャンが取り上げるスタンダード・ナンバー。こういう聞古されたスタンダードであっても、変に小細工しないで正面から堂々とチャレンジしている姿勢がいいね。よくスイングしていてとてもいいね。外連味のない演奏だ。
D"SOMEDAY MY PRINCE WILL COME子" 
実に伸びやかなフレージングで爽やかな印象と同時に熱さも感じさせてくれる演奏だ。真っ向勝負の姿勢もグッド!
E"BEATRICE" 
最近ではJOHN NAZARENKO(JAZZ批評 818.)が取り上げていたけど、耳に心地よいバラード。スローなバラードを弾かせるとそのピアニストのセンスがズバリ出てくるものだけど、PARKSのセンスはいいね。
F"OLEO"
 SONNY ROLLINSが書いたハード・バップ・チューン。高速4ビートでグイグイ進む。右手のパッセージが素晴らしい。返す返すも、17歳でここまで弾けてしまうというのは本当に凄いことだ。

最近ではグルジア出身のBEKA GOCHIASHVILI(JAZZ批評 797.)という17歳のピアニストが話題だが、若くして名を成すだけのことがあって、共通しているのは歌心があるってことかな。早熟なピアニストは消えてしまうのも早いという例があるので、PARKSもこれからが正念場だ。
とはいえ、17歳で見事にイキイキと瑞々しく歌い切ったというのは称賛に値するだろう。前掲の82歳のAHMAD JAMALといい、今回の17歳のAARON PARKSといいジャズを楽しませてくれるなあ!ということで、「manaの厳選"PIANO & α"」に追加した。   (2013.10.03)

試聴サイト : http://www.youtube.com/watch?v=b5zLkvKBkBk
          http://www.youtube.com/watch?v=5kQxGorcL9M
          http://www.youtube.com/watch?v=C6Sn4c26odc
          http://www.youtube.com/watch?v=5Cml7Zu0ywA



.