独断的JAZZ批評 806.

PAT METHENY WITH CHARLIE HADEN
白熱した二人の演奏の素晴らしさに異論はないだろう
"LIVE IN GERMANY 2003"
PAT METHENY(g), CHARLIE HADEN(b),
2003年5月 ライヴ録音 (A JAZZ HOUR WITH : JHR 73950)

このアルバムは1996年録音の"BEYOND THE MISSOURI SKY"(JAZZ批評 686.)のライヴ盤と言っていいだろう。何と言っても、この"MISSOURI"はMETHEYの最高傑作の1枚で、ジャンルを問わず多くのリスナーに愛され続けるに違いない。デュオという最小のユニットにも拘わらず、流れ出てくる音楽は愛と慈しみに満ち溢れている。
忘れてならないのがベーシスト・CHARLIE HADENの存在だろう。この人なくてこの傑作は生まれなかった。HADENはデュオの名手。
例えば、KEITH JARRETTとのデュオ"JASMINE"(JAZZ批評 627.)やKENNY BARRONとの"NIGHT AND THE CITY"(JAZZ批評 16.)なんていうのもそういう1枚。機会があれば、是非、聴いてほしいアルバムだ。
翻って、このアルバムであるが、2003年ドイツのINTERNATIONALE JAZZWOCHE BURGHAUSENでのライヴ盤。演奏されている曲目は13曲中9曲が"MISSOURI"のそれと同じ。


CD1
@"NORTH TO SOUTH, EA(ST TO WEST" この曲からBまでがギター・ソロ。
A
"SONGS FOR THR BOYS" 
B"IMPROVISATION ON THE PACASSO GUITAR" 4つのネックと42弦あると言われているピカソギターを駆使している。
C"WALTZ FOR RUTH" 
この曲から最後までがデュオ。HADENのオリジナルで定番とも言われる美しい曲。
D"OUR SPANISH LOVE SONG" 
E"FIRST SONG" 
この曲も半ばスタンダード化した曲と言えるだろう。本来"FOR RUTH"と続くタイトルであり、HADENが奥さんに捧げた美しい曲。
F"THE MOON IS A HARSH MISTRESS" 

CD2
@"MESSAGE TO A FRIEND" 
METHEYのオリジナルの中には"MESSAGE TO MY FRIEND"という似たタイトルの曲があるが、もちろん、曲は違う。
A"THE PRECIOUS JEWEL" 
B"TWO FOR THE ROAD" 
H. MANCINIの曲。いい曲だなあ!
C"HE'S GONE AWAY" 
D"BLUES FOR PAT" 
美しい曲想の中に1曲、泥臭いブルースが入った。シンプルにスイングするHADENのウォーキング、これもまた良し!
E"CINEMA PARADISO"
 最後を締めるアンコールはE. MORRICONEの"MAIN THEME"と思っていると"LOVE THEME"にチェンジした!

このアルバムはライヴ録音なのでオーバーダビングなどの音響処理はされていないが、白熱した二人の演奏の素晴らしさに異論はないだろう。でも、演奏される曲想からいうとスタジオ録音の"MISSOURI"の方がピタッと嵌るだろう。それと、大好きな"THE MOON SONG"が収録されていないのが残念。
驚くべきことに、下記のYouTubeではアルバム全部丸ごと1時間35分間たっぷりと視聴することが出来る。無料でMETHEYのテクニックやピカソギターの演奏ぶりまで楽しめるのだから、これを観ない手はないと思う。いつまでアップされているかも分からないのでお早めに、どうぞ!   (2013.05.29)

視聴サイト : https://www.youtube.com/watch?v=Sx9t0RRxHrw&list=RD02sVvdjDNlswk



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