FRANCOIS FAURE
二度と聞き返すことはないでしょう
"EMILY"
FRANCOIS FAURE(p), PHILIPPE LACCARRIERE(b), THIERRY ARPINO(ds)
2008年3月 スタジオ録音 (GUILLE MUSIC : GUI002)


フランスのジャズというと、僕の脳裏には(いい意味での)一癖も二癖もあるイメージが焼き付けられている。
JEAN-CHRISTOPHE CHOLETの"BEYOND THE CIRCLE"(JAZZ批評 514.)や"UNDER THE WHALE"(JAZZ批評 512.)、JEAN-MICHEL PILCの"NEW DREAMS"(JAZZ批評 460.)、EDOUARD BINEAUの"IDEAL CIRCLE"(JAZZ批評 314.)などがそれで、いずれも5つ星で僕のお気に入りアルバムだ。今日も上記の4枚を引っ張り出して聴いてみたが、良いものは時を経ても色褪せないね。彼らに共通しているのはアイデンティティをしっかりと持っていることだろう。
因みに、JEAN-MICHEL PILCは1987年までは国立特別研究所のロケット科学者だったというから驚きだ。

@"JUJU" 
先ずはFAUREのブルースで始まるのだが、ベース・ソロになった途端、興が冷める。ダボダボの軟弱ベース音なのだ。ベースをギターのように弾きたいならギターを弾いた方がまだましだ。まあ、軽いノリの演奏に目くじらを立てることもないのだけど・・・。
A"EMILY" 
だからというわけでもないだろうが、ベースラインとは別にギターらしき音色の楽器がソロを執る。多重録音をしているのか?
B"YOU AND THE NIGHT AND THE MUSIC" 
エコーが掛かったようなピアノの音色はもやもやしてすっきりしない。ピアノ〜ドラムスと回してテーマに戻る。
C"LOVER MAN" 
緊迫感も一体感もない退屈な演奏だ。早く終わってほしいと思う7分と40秒。
D"FUNK34" 

E"YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS" 
エンディングがダサい。
F"BODY AND SOUL" 後は似たようなもので、これ以上のコメントを必要としないだろう。
G"OVER THE RAINBOW" 
H"BLUES FOR CYTHIA"
 

冒頭に記した超個性的な3人のピアニストの演奏と比較するといかにも軽い。前述の4枚のアルバムとは比較の対象にはならないね。スタンダード・ナンバーを多くやっているが、耳あたりの良いフレーズを並べたという感じ。娯楽的お手軽アルバムと言っても良いかも。
録音も全体にエコーが掛かった感じでぼんやりとしている。多分、二度と聞き返すことはないでしょう。   (2009.09.09)

試聴サイト : http://www.myspace.com/triofrancoisfaure



独断的JAZZ批評 579.