独断的JAZZ批評 921.

AVISHAI COHEN TRIO
キーワードは「一筋縄にはいかない」
"FROM DARKNESS"
NITAI HERSHKOVITS(p), AVISHAI COHEN(b), DANIEL DOR(ds)
2014年5〜7月 スタジオ録音 (RAZDAZ : RD4616)

僕が入手したAVISHAI COHENのリーダー・アルバムはこれが4枚目になる。最初の2枚、"GENTLY DISTURBED"と"NIGHT MAGIC"(JAZZ批評 543.& 815.)はピアノがSHAI MAESTROだった。
前回のアルバム、"DUENDE"(JAZZ批評 766.)と本アルバムはピアノがNITAI HERSHKOVITSに替わっている。
1枚目の"GENTLY DISTURBED"は変拍子、小節に捉われない自由奔放な演奏とスリリングな躍動感、COHENの野性を感じさせるベース・ワークが凄かった。その後、ピアノがHERSHKOVITSに替わってからは野性よりも知性を印象付ける演奏にシフトしたように思う。
果たして、本アルバムはどうだろうか?Jを除く全ての曲がCOHENのオリジナル。

@"BEYOND" 各楽器をフィーチャーしたイントロ的トラック。
A"ABIE" 
複雑なリズムと重低音を次から次と繰り出してくる。続くCOHENのベースが素晴らしい。実に良い音で鳴っているし、何よりもビートがある。
B"HALELYAH" 
どの曲とっても一筋縄ではいかない。まるで、パズルのように複雑に入り組んでいる。特有の哀愁とリリカルさが際立つ。
C"C#-" 
兎に角、どの曲も一筋縄にはいかないのだ。だから、数えてはいけない。「ありのままに」受け入れるのだ。
D"BALLAD FOR AN UNBORN" 
長目のベース・ソロが用意されているが、アコースティックでビートのあるベース音だ。やはり、ベースはこうでなくちゃあ!
E"FROM DARKNESS" 
ここではエレキベースに持ち替えている。エレベでもビートがあるのが素晴らしい。かのJACO PASTORIUS(JAZZ批評 408.)を思い出した。流石のベース・プレイ!
F"LOST TRIBE" 
気持ち良く躍動して進む。結構、複雑なことやっているんだけど、スカッとた躍動感が実に気持ち良い。本アルバムのベスト・トラック。
G"ALMAH SLEEPING" 
マイナー調のバラード。
H"SIGNATURE" 
I"AMETHYST" これぞアコースティック・ベースの神髄とも言えるベース・ソロを披露している。素晴らしいベース・ワークだ。しかし、どの曲も一筋縄ではいかない複雑さを有している。もう少しシンプルにいかないものかと思うのは僕だけだろうか?
J"SMILE" 
C. CHAPLINが書いた曲もCOHENの手に掛かると変拍子になる。5拍子?それとも3拍子+2拍子の組み合わせ?

キーワードは「一筋縄にはいかない」だね。複雑なリズム、パズルのように入り組んだ構成。ある種の緊張感を強いる。そういう意味では疲れる。体力と気力が充実していないと駄目だ。
これは本アルバムに限ったことではなく、今までのアルバムにも共通する点だ。アルバムとしての面白さで言えば、先に紹介した"GENTLY DISTURBED"に軍配が上がるのではないだろうか?
ところで、僕の率直な希望としては、このトリオでスタンダードやブルースを一切の小細工に無しにストレートなスタイルで聴いていみたい。5月にはこのトリオによる来日公演が予定されているようだし・・・。   (2015.02.20)

試聴サイト
https://www.youtube.com/watch?v=1HsnJL5jqmo
        https://www.youtube.com/watch?v=FestDYzQh6s



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