“映画とつながる映画祭り”
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ポーラーサークル

 第一部 『東京短編映画特集』、第二部 『ポップ・ロック・ビルディング』(監督 蔭山周)、「各回上映後にトークショーあり」というイベント企画がどういうところから土佐市で行われたのかと思ったら、どうやら蔭山周監督の奥さんの実家のようだ。

 過日、あたご劇場で観たレディ加賀と似たようなパターンだなと思ったら、トークショーのゲストだった蔦哲一朗監督の奥さんも高知出身の女優とのこと。驚いた。蔦監督の祖谷物語 -おくのひと-は、十年前にあたご劇場で観たが、なかなかの作品だった覚えがある。来年公開予定の新作があるらしく、楽しみになった。

 第一部の短編映画集で上映された作品10本は、いかにもインディーズっぽい、作る側が何よりも楽しんでいる感じの色濃い小品ぞろいで、チラシの表面に記された「自由で楽しいインディーズ映画」らしい作品群だった。『おまめ –united colors of beanあさいやすし、『KA.TA.MI.』タイム涼介、『不思議な機械』蔭山周、『nKO』前田弘二、『食事 Live on nothing飯塚貴士、『SMACK!』小林でび、『ウィーウィルの蜜のジュース』蔭山周&千木良悠子、『PREPARE TO MARCH!!』龍健太、『SF駄菓子話』やぶさきえみ、『イケメンゾンビ』小林でび、というラインナップだった。率直に遊んでいた『KA.TA.MI.』が気に入った。遊び心満載の『SF駄菓子話』も『ウィーウィルの蜜のジュース』以外の作品同様の半分の長さにして五分程度にしていたら、きっともっと面白かっただろうなと思った。

 『ポップ・ロック・ビルディング』は七年前に撮った作品とのことで、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭ほかで二度ほど上映されているらしいが、今回の編集版とは異なるものらしい。画面に関しては今回の編集版で決定版とし、今回のホール上映をしてみて難点のあることが判ったという整音等をやり直して、コロナ禍で中断した劇場公開を模索していきたいと話していた。蔭山周という名に覚えがなく、今回初めて観たのでフィルモグラフィーを少し調べてみたら、当地でもオフシアター上映された奥秀太郎監督の『カインの末裔』『ドモ又の死』で撮影を担っていることが判った。なるほど、相通じるところがあるような気がする。もう五十路に入っているという蔭山監督はケンジ(中村真也)は映画と出会っていなかった僕かもしれません。というような話をしていた。先ごろ観たばかりの青春ジャック 止められるか、俺たちをを想起させる“映画に青春ジャックされてン十年”の面々が登壇していて、妙に感慨深かった。
by ヤマ

'24. 8.18. 土佐市「つなーで」ブルーホール



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