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『ポセイドン・アドベンチャー』(The Poseidon Adventure)['72] | |||||
監督 ロナルド・ニーム
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高校の同窓生である坂東眞砂子の『やっちゃれ、やっちゃれ![独立・土佐黒潮共和国]』の読書感想に「世間で大当たりしたからというだけで『ポセイドン・アドベンチャー』['72]や『タワーリング・インフェルノ』['74]、『ジョーズ』['75]などを公開時には観に行かなかった“若い頃からの天邪鬼”」と記してあるように、劇場観賞の記録がないままの作品で、若い時分にTV視聴しているだけだった。 主役にほかならぬスコット牧師(ジーン・ハックマン)のキャラクターは、スージー(パメラ・スー・マーチン)が序盤から寄せる憧れの眼差しにもかかわらず、彼が自分と同類だと言うロゴ刑事(アーネスト・ボーグナイン)ともども、僕の苦手な人物像なのだが、何と言っても、スコット牧師が「なぜこの人を…」と天を仰いでいた、「マニー【夫】、居る?」を繰り返していた愛らしい老婦人ベル・ローゼン(シェリー・ウィンタース)が光っている作品だと改めて思った。ロゴ刑事と元娼婦の妻リンダ(ステラ・スティーヴンス)の関係もなかなか好く、ロゴ刑事が彼女に向ける言葉に現れていた想いの深さが素敵だった。 すると旧知ながら直には会ったことのない映友が「私はレッド・バトンズが演じたマーティン氏が好きですね。スコットとロゴだけでは、あのメンバーは絶対に助からなかったと思います。」と寄せてくれた。確かに最も冷静沈着で、各人の気力を引き出す言動に確かな見識が窺える人物だったように思う。助けられていたのは、決して船中ステージで♪モーニング・アフター♪を歌っていた気弱な歌手ノニー(キャロル・リンレイ)だけではなかった。だが僕は、やはりベルばぁばが好い。 また、「この作品は、私が本格的に映画好きになる切欠になった作品です。次に『タワーリング・インフェルノ』が作られましたが、内容の濃さや感動という意味では、圧倒的にこちらに軍配です。主題歌の♪モーニング・アフター♪の”レコード”も買いました😊」と寄せてくれた映友もいた。CDなどまだなかった時分の作品だ。しかもこの映画、なんと二時間を切っているのだ。今だと考えられないことだと思う。たいしたものだ。奇しくも、'70年のクリスマスの映画『ホールドオーバーズ』を観た延長で、同時期の年越しの映画を観たことになったが、思えば先ごろ観たばかりの『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』の舞台は、'69年だった。半世紀を経て今この時代が偲ばれているような気がしなくもない。 | |||||
by ヤマ '24. 8.10. BSプレミアムシアター録画 | |||||
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