『ブロークバック・マウンテン』
監督 アン・リー


ヤマのMixi日記 2006年04月25日22:44

 まぁ、ふつーに出来のいい作品って感じで“ヴェネツィア金獅子”って聞くと、へぇ〜って、ちょっとピンと来なかったりするのは、必ずしも僕がゲイでもバイでもないからってこととは少し違うような気がしている。
 日誌を綴ったムーンライトマイルで記憶したジェイク・ギレンホールは、僕とは妙に相性の悪い男優なのだが、そのなかでは今回が一番よかったように思う。日誌を綴るのは見送り。


*コメント編集再録(2006年04月25日23:14〜2006年04月29日00:25)


(ケイケイさん)
 私も出来は良かったと思います。ちょっとどころではなく、たくさんピンと来ませんでしたが(笑)。ツボがたくさん見えるのに、はまれないのは痛かったです。ギレンホールは、私はやっぱりスオフが一番(^^)。

ヤマ(管理人)
 やぁ、ケイケイさん。
 ちょっとどころじゃありませんでしたか(笑)。確かにケイケイさんの映画日記では、ケチョンでしたね。映画がどうっていうよりも、専らイニスとジャックにお怒りでしたが(笑)。
 あれ読んで、前に「夫の不倫と妻の不倫は質が違う。男には寛大だけど、女には厳しい(きっぱり)。」というようなことをおっしゃってたけど、そうではあっても、「男なれば無条件に寛大」ともいかないのねーって思ったのでした(あは)。

(ケイケイさん)
 そら無条件とはいきませんがな!(笑)

ヤマ(管理人)
 そりゃ、ごもっとも(笑)。

(ケイケイさん)
 私が許せるのは、妻に知られず家庭も壊さず、男の甲斐性みたいな部分ですよ。囲うんじゃなく、一夜限りとかですよ。女性は結局はのめり込んでしまう部分が多いでしょう? ほら、『東京タワー』みたいに(笑)。

ヤマ(管理人)
 でも、東京タワーの詩史さんだって、透クンがのぼせてパーティ会場に乗り込んでくるような狼藉をはたらかなければ、あのまま密やかに続けてたんじゃないでしょうかね? あそこで逃げたり誤魔化したり、透クンに怒ったりしなかったところが面目だなって思いましたよ。
 やっぱ、20年も続けたってのがいけないんですか? それとも、節操のなさ? あるいは、家庭を壊すに至ったから?

(ケイケイさん)
 20年はね、それは構わないんです、本当に愛があれば。

ヤマ(管理人)
 一夜限りのほうが許容しやすいけど、長短のほうは決定的ではないってことですね。

(ケイケイさん)
 家庭もあって、同性の「愛人」もいてて、それで他にもっていうのは、どうも共感しにくいです。これは異性であってもいっしょだと思います。

ヤマ(管理人)
 ええ、愛人の性別で異なってくるもんでもないでしょうね、ここんとこは。やっぱ節操がないですよね〜(笑)。かといって、僕は別に憤慨もしませんよ、共感があるわけでもないけど。なんでかなぁ(苦笑)

(ケイケイさん)
 家庭が壊れたのは結果ですから、仕方ないかもですね。

ヤマ(管理人)
 確かに。いけないとか、かまわないとかいうタチのことじゃないですね。節操の話で言えば、イニスに節操のなさはなかったし、…

(ケイケイさん)
 そうですか? 妻と別れたあと、恋仲のお姉ちゃんが出てきたでしょう?

ヤマ(管理人)
 でも、あれは別れた後だし、お姉ちゃんのほうから寄ってきたんだし…。ジャックがメキシコに男娼を買いに行ったのとは訳が違うんじゃ?(笑)

(ケイケイさん)
 私は、娘に会わしたのがいやでした。娘が傷つくのが、あんたわかってんのにやったな? と(笑)。

ヤマ(管理人)
 わかってへんかったんやと思いますよ、バカやから(笑)。
 イニスは、妻アルマに対しては関係の修復をもう諦めていたんでしょうけど、アルマ・ジュニアの娘のことは大事に思ってたような気がしますよ。ジャックよりも優先することで、ジャックを泣かすくらいでしたからね。

(ケイケイさん)
 せっかく離婚したんですから、年に数度のジャックとの逢瀬だけを楽しみにしていてくれれば、良かったのに。

ヤマ(管理人)
 そうは言っても、離婚しての一人暮らしって、とってもさびしいものらしいし…。ずっと独身生活を続けている人の何倍も堪えるようですよ。
 ジャックのほうは、家庭や仕事ってとこでは、それなりによく務めてましたよね。

(ケイケイさん)
 そうですか? 私は、妻の実家の財力で飼われているように感じました。

ヤマ(管理人)
 でも、一人しかいないとはいえ、トップセールスマンなんでしょ? 事業が成功しているのなら、その功は大いにあったんとちゃいますのん? 売り口上の場面も出てきたように思うのですが、けっこう上手かったような。

(ケイケイさん)
 だけど、家庭でも、イニスとの逢瀬に忙しくて、子供のことで妻と口論してたでしょう? なんか私は心ここ(家庭)にあらずの人に見えたなぁ。

ヤマ(管理人)
 ジャックの場合、元々の出会いからしてロデオ大会で優勝した彼を見初めてラリーンのほうから迫ってきて、その夜のうちに車中で胸を開いて、「早すぎるかしら」と言い訳しつつも積極果敢だったわけですから(笑)、そんな彼女に家庭でも仕事でも主導権を握られっぱなしだったことに苛立ってたように、僕には映ってました。
 特に、義父たるラリーンの父親に対して、妻が望んだとおり敢然とTVを消した夫の姿に、ラリーンが嬉しそうな笑みを見せていた場面が印象に残ってます。

(ケイケイさん)
 それは、実家の財力で飼われているような不甲斐無い夫が、権力者の父にたてついたので、妻としては夫・父親らしく思え、嬉しかったのでしょうね。

ヤマ(管理人)
   同感ですが、それに加えて、おそらくは父からなじられていたであろう彼女の“男選びの不味さ”に対して、自分の選択が父親の言うとおりではないことを示せたような気がして嬉しかったのではないかという気がします。おっしゃるようなジャックへの意識以上に、対父親という意識のほうが勝っているような感じがありましたねー、僕の目には。

(ケイケイさん)
 ラリーンは仕事が充実していたので、アルマのように形だけの妻であれば感じたかもしれない“自分の居場所のなさ”のようなものが生じず、だから、イニス夫妻より、長持ちしたかなぁと感じました。

ヤマ(管理人)
 イニスにしても、全く家庭を顧みてないわけではないように、僕の目には映りましたよ。

(ケイケイさん)
 いやいや仕方なくね(辛辣)。
 イニスは何があっても仕事は休まなかったと思うんですよ。感想にも書いたけど、それがジャックの顔を見た途端、平気で仕事を休んだでしょう? 多分これが繰り返されたと思います。自分や娘より大事な者(物)がいる夫を見るのは、妻としては辛いと思いますよ。

ヤマ(管理人)
 確かにね。そこんとこ、いくらシンプルな動物相手のカウボーイだからと言っても、いささか無骨が過ぎるというか、不用意で迂闊ですよね。
 イニス夫妻の場合、6年(でしたっけ?)ぶりの再会に、不用意にも家の陰でキスしていたところを、たまたまアルマが目にしてしまった間の悪さが取り返しのつかないエラーになってしまいましたが、それさえなければ、どうだったんでしょうね〜。

(ケイケイさん)
 う〜ん、遅かれ早かれ、妻にはわかると思います。

ヤマ(管理人)
 やっぱそうなんですかねー(苦笑)。
 結局のところ、僕がピンと来なかった一番の理由は、相手が同性であろうがなかろうが、単純に僕の目には、それぞれの妻のほうが魅力的に見えて、イニスとジャックのパッショネイトな関係に納得感が得られなかったからで、ちょうどルイ・マルのダメージの日誌に綴ったことに通じるものがあったからだと思ってます。

(ケイケイさん)
 私も愛なのか友情なのか、そのへん戸惑いました。
 これも減点(笑)。大人になると、昔は良かった的なことはたくさんありますけど、それを受け入れ乗り越え、成長していくんだと思うんですよ。彼らはいつもまでも、自分たちの宝物だったブロークバックにしがみついているように感じました。

ヤマ(管理人)
 それはそうでしたねー。それでも、作品的には『ダメージ』よりは随分ましで、“翻弄された愚かな男”たちのようには映らずに、人生のままならなさのもたらす哀しみのようなものが、それなりに浮かび上がってきていたようには感じたんですけどね。

(ケイケイさん)
 早速『ダメージ』拝読しました。

ヤマ(管理人)
 ありがとうございました。

(ケイケイさん)
 私もそんなに良いとは思いませんでしたが、ジェレミー・アイアンズが良かったので、それなりに楽しめた作品です。

ヤマ(管理人)
 それにこしたことありません。

(ケイケイさん)
 この人、女に溺れて地獄に落ちる男を演じて天下一品でしょう?(笑)。地獄への落ち方も良かったなぁ。そういう意味では、『ブロークバック・マウンテン』のあのラストは、私はちょっとセンチメンタルだと思いました。『ダメージ』くらい何もかも無くしたら、もうちょっと感想がましだったかも。
 mixiのコメントにしては、めっちゃ長い!ですね(笑)。ヤマさんちの掲示板のほうが良かったですかね? もし続きそうだったら、引越しして下さい。

ヤマ(管理人)
 これこそ、どっちでも何ら不都合ありませんよ、ご心配なく(にこ)。
編集採録 by ヤマ

'06. 4.25. TOHOシネマズ1



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