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【コラム】 2014年これから・・・・
人手不足でブラック企業はなくなるか?
   昨年から今年に掛け、一部業種ですが労働市場、特に求人状況がわずかながらも改善の傾向がみられます。
2014年、これから先、どのような労働市場になるでしょうか。
  
 ●  景気回復がブラック企業を破滅させる!
    国内外で勢力を伸ばしていたアパレルメーカーは、今年の新入社員が予定の半分しか集まらなかったとのニュースがありました。 有名な外食チェーン店は、働き手が集まらずに一部店舗の営業が休止に追い込まれました。創業者が自民党の国会議員として活躍している居酒屋チェーンを初めとするサービス業の会社は会社の理念である「365日24時間死ぬまで働け」という文言を撤回せざるを得なくなりました。今までは批判されても開き直り続けたのに・・そして、本業も陰りが見え始めているようです。
 今から25年前、景気がとてつもなく良い「バブル景気」がありました。その景気がとても良かった時期でも、会社の倒産や廃業はそれなりにあったのです。 それは、「業績不振」ではなく「人手不足」が原因とするものです。会社がつぶれる理由が、資金面のショートではなく人材面のショートが主たる理由だったのです。
 景気が悪い状況が続くと、求職者にとって働き口の門が狭くなるので、どんな悪条件でも「働きたい」という人が集まってきます。そのため、どんな酷い状況や扱いでも働く人がいるので、人を粗末に扱う「ブラック企業」が蔓延ってくるのです。
 しかしながら、求人数が回復し、労働者側から見て選択肢が増えてくると状況は変わります。特に現代は インターネット等で情報が豊富に出回る時代。「ブラック企業」という噂が流れると、その会社で働くことを出来るだけ避けようとする動きが出てきます。「ブラック企業」というレッテルを貼られた会社は、働き手が集まらなくなり、人材面で会社が立ち行かなくなってくるのです。
 2014年、この傾向が現れてきています。
 まさに、需要と供給の関係。今後、求人市場が良くなり、人を粗末に扱う「ブラック企業」がどんどん減ることを願うばかりです。
   
 ●  残業代が・・・  
    今の安倍政権がどうしてもやりたい政策に「労働規制緩和」です。自由な働き方、労働法で縛られた規制を大きく緩和し、経済の活性化を図ろうというものです。世間では「残業代0法案」として知れ渡っています。労働市場を刺激し経済・景気の回復を刺激する・・これは、あくまで、雇用者側から見た考えです。
 これまでも多くの会社で、部課長や店長などの「中間管理職がグレーゾーン言われながら、残業代払われず働き、時間外労働や休日に関する保護を受けずに働いてきています。裁量労働制が採用されている業種もそうです。・・・・・・ 
 このような労働者・・労働基準法の勤務時間・休日の保護を受けない周りの管理職を見て下さい。
 休みの日にも出勤し仕事をしているでしょう。
 休みの日も携帯電話に会社から電話が掛かってくるでしょう。
 夜も遅くまで仕事をしている人もいるでしょう。そして体を壊す人、精神を病む人もいるでしょう。
 今まで管理職だけだった「残業代0、休みの保護無し」を一般労働者まで広げようとする労働規制緩和です。これが、「労働者のため」「経済の活性化のため」という大義名分の元に行われようとしている。偽善です。ヨーロッパなどの先進国では考えられない政策です。
 残業代0法案は・・、世界の先進国の労働政策に「逆行」しているのです。
 そして、この法案の施行は、働く人にとっても、経済にとっても 確実に良い方向には全く向かいません。
 景気が下降し、雇用状態が企業の買い手市場になれば、残業代0の法律は、確実に・・
「ブラック企業促進法」に変わります。
 これらの労働時間を気にしない風潮は・・・
    「時間で働くのではない」という考えは、まさに「24時間働けますか?」の風潮を生んでしまいます。
 今や、営業担当に限らず、製造部門も開発部門も業務部門の担当も、携帯電話を持たされ、休みの日でも平気で電話が掛かってきて、対応をしなければならない状態の人が多いでしょう。 まさに24時間働かなければならない状態になってきています。
   働きすぎて・・その先は・・・「過労死」
 現在は年間およそ200人位の人が「過労死認定」されています。しかし、これは過労死申請者の半分以下であり、過労が原因と思われる自殺者はほとんど認定されていません。「過労死申請をしたらお世話になった会社に迷惑が掛かる」と思う遺族も多く、過労死申請を行なわないケースも多いです。 「過労死は殺人」(西欧先進国では殺人罪の適用もある)という認識が社会に浸透してほしいものです。
 なくならない女性の立場を軽視する風潮
    「女性の管理職を3割に・・」 努力目標を法案に明記しなければならないのが日本の実情です。 経営状況の良い大企業は、まだマシな会社が多いですが、中小企業の中にはその前提から問題が多い会社が多いのです。 報道等でもご承知の通り、「子供を生むなら辞めろ」「育児をしながら働くならパートにする」「女性のくせに・・・」 数多い女性を保護する労働法の規定にも関わらす、実情は醜いものです。これらの女性に対する人権の軽視は、伝統的な日本人の意識なのかもしれません。 どんなに法規制しても、当分、なくならないでしょう。
 そもそも、一般株主のいない中小企業では男性社員ですら、人権が軽視されている会社も多いのですから・・
 
更に2015年は・・・   派遣社員の地位更なる低下・・ 非正規社員の増加・・不安定雇用の増加  
    2015年これから・・    
 
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