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 労働雇用 2014. 12. 26

 非正規雇用2000万人突破、雇用者の4割に

 総務省が発表した11月の労働力調査で、非正規労働者が初めて2000万人を超えた。
雇用者全体(役員除く)に占める割合は38%に達する。
 政府が統計を取り始めた1984年の非正規労働者は約600万人、雇用者に占める割合は15%
程度で主婦のパートが主だった。 しかし、90年代以降に急増し、長引く景気低迷で企業が正社員の
採用を絞り、95年には1000万人を突破。やむなく非正規の職に就いた人が増えていった。
 近年では、家事・育児を抱える女性の就労や、定年退職した男性の再雇用などが増加の要因にも
なり、政府や厚労省幹部は、労働人口の減少に対応して政策的に女性や高齢者の就労を促している
ことを挙げ、「非正規が増えること自体は必ずしも悪いとは言えない」という見解を持っている。
 しかし、多くの企業で非正規は正社員に比べて賃金水準が低く抑えられ、キャリアアップの機会も
限られ、処遇の底上げをどう図るかが社会的な課題となっている。

 非正規、2000万人突破=雇用者の4割、処遇改善課題 (時事ドットコム 12月26日)
 正規雇用望む非正規を半減 都が長期ビジョン   (東京新聞 12月26日)

 与党自民党、厚労省の本音が「非正規が増えることは悪い事ではない」と言っているのですから、非正規や派遣従業員が増え続けるのは当然でしょう。
 これが、労働身分制度を生んでしまっている・・・
先進国では一般的な、同一労働・同一賃金を唱えているのは、政党では「維新」など一部だけ・・・
 そろそろ、不利益を受けている人たちが立ち上がるべきではないでしょうか。
   
   
 労働雇用 2014. 10. 28

 労働者派遣法改正案−「派遣社員増加を招く」野党反発

 企業が同じ職場で派遣労働者を使える期間の上限規制(現行最長3年)を撤廃するための労働者派遣法改正案が、28日の衆院本会議で審議入りした。来年4月の施行に向け、今国会での成立を目指す。野党の民主、共産、社民などは「派遣社員の増加や固定化を招く」と猛反発している。
 現行の労働者派遣法は、「派遣は臨時的」との原則に沿い、企業が同じ職場で派遣労働者を受け入れることができる期間を原則1年、最長3年(通訳など専門26業務は無期限)と定めている。これに対し、改正案は全業務で派遣期間の上限を3年とする一方、3年たった時点でそれまで雇っていた人とは別の派遣労働者に代えるなら、引き続き派遣で要員を賄える。企業が労組の意見を聞いたうえで3年ごとに人を入れ替えれば、ずっと派遣労働者を使うことも可能になる。
 衆院本会議での改正案の趣旨説明に続く質疑で、民主党の菊田真紀子氏は「『生涯派遣』の労働者が増えるのではないか」とただした。これに対し、安倍晋三首相は改正案が正社員になるための教育訓練を派遣元企業に義務づけていることなどを挙げ「派遣就労への固定化を防ぐ措置を強化している」と反論した。
 
 「労働者派遣法改正案:「派遣社員増加を招く」猛反発の野党 (毎日新聞10月28日)
 
 労働環境 2014. 9. 21

 裁量労働制なのに4割が定時出勤

 仕事の進め方や時間の配分を個人の裁量に任せる「裁量労働制」の職場で、決まった時刻に出勤や退勤をするよう求められる人が4割に上り、遅刻したとして賃金カットされるケースも一部にあることが労働政策研究・研修機構(東京)の調査で分かった。
 裁量労働制は実際に働いた時間に関係なく、事前に労使で決めたみなし労働時間分の給与を払うのが特徴。厚生労働省は、一律の出退勤時刻を守らせたり処分したりするのは「制度の趣旨になじまない」としている。
 調査は昨年11〜12月、制度を導入している事業所に勤務する人を対象に実施し、約3900人が回答した。
 
 「裁量労働」でも4割が定時出勤 遅刻理由に賃金カットも (共同通信 9月21日)
 
 労働環境 2014. 9. 21

 裁量労働制なのに4割が定時出勤

 仕事の進め方や時間の配分を個人の裁量に任せる「裁量労働制」の職場で、決まった時刻に出勤や退勤をするよう求められる人が4割に上り、遅刻したとして賃金カットされるケースも一部にあることが労働政策研究・研修機構(東京)の調査で分かった。
 裁量労働制は実際に働いた時間に関係なく、事前に労使で決めたみなし労働時間分の給与を払うのが特徴。厚生労働省は、一律の出退勤時刻を守らせたり処分したりするのは「制度の趣旨になじまない」としている。
 調査は昨年11〜12月、制度を導入している事業所に勤務する人を対象に実施し、約3900人が回答した。
 
 「裁量労働」でも4割が定時出勤 遅刻理由に賃金カットも (共同通信 9月21日)
 
 雇用制度 2014. 8. 26

 過労死遺族ら、新労働時間制度の導入中止を申し入れ

 成果に応じて賃金を払い、時間外労働(残業)の概念をなくす政府の「新しい労働時間制度」を巡り、過労死認定を受けた遺族らが26日、制度を導入しないよう田村憲久厚生労働相や連合の古賀伸明会長などに申し入れた。古賀会長は「重要なのは労働時間規制の適用除外ではなく、規制を厳しくして過労死をなくすこと。国民全体の運動として(新制度に)ノーを突きつけたい」と強い調子で応えた。
 申し入れたのは「東京過労死を考える家族の会」の中原のり子代表ら7家族や、日本労働弁護団など。新制度の導入中止のほか時間外労働の月ごとの上限規制なども求めた。
 新制度は第1次安倍政権時代の2007年に浮上した「ホワイトカラー・エグゼンプション」(残業代ゼロ制度)とほぼ同内容。政府の成長戦略の一環で、年収1000万円以上の専門職は労働時間ではなく成果に応じた賃金とし、「1日8時間・週40時間」という労働時間規制から除外する制度。

 新労働時間制度:過労死遺族、導入中止を申し入れ (毎日新聞 8月26日 他)
 
 雇用制度 2014. 6. 21

 労働者派遣法改正案が廃案に(今国会では)

 派遣労働者を受け入れる際の、期間上限の廃止を柱とする労働者派遣法改正案が20日、廃案となった。今国会に提出されたが、野党の反対に加え、条文の記述ミスが見つかり、審議に入れなかった。
 今回の改正案では、同一派遣先で最長3年となっている派遣期間の上限を廃止し、企業が3年ごとに働く人を入れ替えれば、派遣労働者を無期限に使い続けられるようにする事が軸。「多様な働き方を望む人のキャリアアップを後押しする」として成立を目指す政府・与党に対し、民主党や連合は「不安定雇用の拡大につながる」と反発していた。派遣事業者に対する罰則規定で、本来「1年以下の懲役」とするべき箇所を「1年以上の懲役」と誤って記載していた事も影響し、審議入り出来なかった。
 政府は秋の臨時国会に再提出する方針。

 労働者派遣法改正案が廃案 (産経Biz 6月21日)
秋の臨時国会に先延ばしされただけです。経済界が派遣労働の固定化を目指すもので、現実は、働く人の「身分階級」が生まれるだけです。

 雇用制度 2014. 4. 16

 大手家具量販 パート全員を無期雇用に

 家具量販のイケア・ジャパンは、すべてのパートタイム従業員を雇用期間が決まっていない無期契約にする。同時に、職務内容と賃金を見直して、同じような仕事をしている正社員と差がない「均等待遇」を目指す。新しい制度は9月に導入する予定だ。
 同社の従業員は約3400人で、その7割をパートが占める。パートの半分が6カ月契約の有期雇用。新制度では、パート全員が無期雇用になる。
 「正社員の賃金は下げず、パートの時給を上げることになる」(人事担当者)という。

 イケア、パート全員を無期雇用に 賃金体系も全面見直し (産経Biz 4月16日)
同一労働同一賃金は、当然の考えだと思います。日本では、このような部分が「労働差別社会」として成り立ってきました。今後、このような動きが広がっていく事を期待します。

 雇用制度 2014. 2. 15

 一部のパート労働者の待遇を正社員並みに改善へ-政府改正法案

 政府は14日、正社員と同等の仕事内容で働くパート労働者の待遇を改善する「パート労働法」の改正案を閣議決定した。
 パート労働法は
   (1)社員と仕事内容が同じ
   (2)社員と同じように転勤や配置換えがある
   (3)契約期間に定めがない
の3要件が当てはまるパートについて、正社員との差別を禁止している。今回の改正は(3)の要件を削除し、期間に定めがある有期雇用のパートにも対象を広げる。
 厚生労働省によると、パートは2012年で約1400万人。現行の対象者は そのうち20万人程度だが
改正すれば約10万人のパート労働者が追加対象となり、合計約30万人になる。
 改正案では、事業主がパートを雇う際に福利厚生施設の使用方法や正社員への転換制度などを説明することや、相談窓口の設置を義務化することを新たに盛り込んだ。
 各都道府県の労働局は、労働者の相談などに基づいて事業所を調査し、同法違反があった場合は助言や指導、勧告をしている。今回の改正で勧告に従わない企業の名前を公表する制度も設ける。

 パート労働者10万人の待遇改善 政府改正法案、正社員並み義務付け(産経デジタル 2月15日)
付け焼刃のように法律を変えてもなかなか不公平は改善されません。
「同一労働 同一賃金」が
当然のような社会にならなくてはなりません。





 雇用制度 2014. 2. 14

 有期雇用の契約期間上限を10年に延長−厚労省

 厚生労働省は14日、非正規社員など有期雇用の労働者の契約期間について、上限を現在の5年から10年に延長する方針を決めた。同日開かれた労働政策審議会で労使の意見がまとまった。厚労省は関連法案を通常国会に提出する。
 現在は、有期雇用の労働者が5年間同じ職場で働いた場合に、本人が希望すれば無期雇用に転換しなければならない。企業が5年を超える長期のプロジェクトを進める場合、労働者を確保する上での悩みの種となっていた。このため、高度な専門知識を持つ人材に限り、無期転換までの期間をプロジェクトに応じて延長し、最長で10年と決めた。
 対象者については、「年収1075万円以上」の労働者や弁護士、公認会計士といった国家資格保有者を軸に、法案成立後に改めて定める。

 有期雇用、10年に延長=無期転換ルール見直し−厚労省 (時事ドットコム 14年2月14日)
これも企業側の要望に答えたものです
 雇用制度 2014. 2. 3

 派遣労働者が正社員になれたら派遣会社に助成金

 政府は、派遣社員として一定期間働いた後、正社員になれる「紹介予定派遣」に2014年度から助成金を出す方針を決めた。
 学校卒業後も就職できない若者などを支援することが狙いで、紹介予定派遣を通じて正社員に登用された場合、派遣企業に成功報酬などを支払う新制度を導入する。新制度は、大学卒業からおよそ1年後でも、就職先が見つからなかったり、非正規雇用だったりというような若年者の利用を想定し、無料でサービスを利用できるようにする。政府は全国を5ブロックに分け、各ブロックで紹介予定派遣企業と委託契約を交わす。紹介予定派遣<企業は、対象者に社会人マナーやパソコンの使い方などの基礎研修を行い、派遣先を紹介。最長6か月の派遣期間の間も個別相談などにより、正社員になれるように支援する。
政府は、基礎研修にかかる経費を一部負担するほか、正社員に登用された場合には派遣企業 に1人あたり10万円程度を成功報酬として支払う方向だ。13年度補正予算案で、こうした事業に43億円を計上し、補正予算成立後、14年夏前からの開始を想定している。

 「正社員前提」の派遣に助成金…若者の雇用改善 (読売新聞)
就職希望者が正社員として就職できたら、労働者ではなく、なぜか派遣会社に助成金が支払われる制度です。
 何か違うと思います。
日本では、労働者の雇用の安定のために何故か、労働者ではなく企業側に補助金が支払われます。これがいびつな構造になり、厳しい経営をやりくりしようとして補助金目当ての労働者雇用も多く、これが結果的に「ブラック企業」を増やす原因にもなっています。
 雇用制度 2014. 2. 1

非正規雇用の割合36・6% 13年、過去最高更新

 総務省が31日発表した2013年平均の労働力調査(基本集計)によると、雇用者全体に占めるパートやアルバイトなどの非正規労働者の割合は前年比1・4ポイント増の36・6%となり、過去最高だった。
 完全失業率が改善傾向にある一方、不安定な非正規雇用の広がりに歯止めがかかっていないことが示された。
 13年の非正規労働者数は93万人増の1906万人。内訳はパートが928万人、アルバイトが392万人、契約社員が273万人などだった。(1月の調査では 非正規労働者数 1年で133万人増)
 非正規割合を男女別でみると、男性が1・4ポイント上昇の21・1%で、女性が1・3ポイント上昇の55・8% となった。

 非正規雇用の割合36・6% 13年、過去最高更新 (47News)
 非正規雇用1956万人 1月、1年で133万人増 (朝日新聞 2月28日)
 非正規雇用者の殆どの人が年収300万円以下です。と言う事は、36.6%・・日本の雇用者の3分の1の人は、年収300万以下の大変生活が苦しい「生かさず殺さず」状態に置かれているという事であり、その割合は増え続けている事になりますなります。
雇用制度 2014. 1.29

 派遣労働「無期限へ」、3年の上限廃止、労政審報告書

 労働者派遣法の改正を議論する厚生労働省の労働政策審議会は29日、現在3年となっている派遣受け入れ期間の上限を廃止し、3年ごとに働く人を入れ替えれば、企業は同じ職場で派遣を無期限に継続できるとした報告書をまとめた。 通常国会に改正法案を提出し、来春(平成27年4月)の実施を目指す。
 正社員から派遣社員への置き換えを防ぐ目的で派遣期間に上限を設けてきた「常用代替防止」のルールを事実上撤廃し、規制緩和による労働者派遣市場の活性化を図る方針。
 企業は派遣を活用しやすくなる一方、派遣労働者の処遇改善が進まなければ、低賃金で不安定な雇用形態が拡大する懸念もある。

 労働者派遣を規制緩和 3年の上限廃止、労政審が報告書(産経新聞)
 派遣法:「無期」来春目指す 厚労省、改正案提出へ(毎日新聞 14年1月29日)
労働や経済市場の活性化、「働き方の多様化」という全く詭弁(きべん)な理由の元に、
労働者の保護を確実に逆行する方向に向かっています。
従来、なぜ「派遣労働」が制限されていたのか、再度考えるべきです。

賃金制度 2014. 1.27

 
旅行添乗員のみなし労働認めず 最高裁判断

 旅行会社のツアー添乗員にみなし労働時間制を適用するのは不当だとして、阪急交通社 の子会社の女性派遣添乗員(49)が割増賃金の支払いを求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(小貫芳信裁判長)は
24日、「勤務時間の算定が難しいとは言えず、みなし制は適用できない」として、子会社の上告を棄却する判決を言い渡した。これで、約32万円の支払いを子会社に命じた2審・東京高裁判決が確定した。
 みなし労働時間制の適用について、最高裁が判断を示すのは初めて。同じような賃金体系を採用する他の旅行会社にも影響を与えそうだ。
 女性は、ツアーごとに子会社の「阪急トラベルサポート」(大阪)に雇用され、阪急交通社に添乗員として派遣されている。
 判決は、添乗員が事前に阪急側から手渡される旅行日程に従って業務を行い、ツアー後
は詳細な添乗日報の提出を求められている点を重視。「添乗員の勤務状況の把握が難しい
とは言えない」と判断し、みなし制の適用を認めなかった。

 
添乗員のみなし労働認めず…最高裁が初判断
(読売新聞 )2014年1月27日     
 「みなし労働制」。取引先への直行直帰が多い営業職など、実際の勤務時間が把握できない職種のみに適用されます。決して固定給で人件費を抑えるために適用するものではありません。
 今回の訴訟では、「勤務状態の把握は可能」という判決であり、同様の勤務体系の人が見直しなどで、救済される可能性があります。