これまでOW講習以外はほぼ毎回カメラを持って潜っていて、10年間で約220本、撮影の腕は全く進歩しないのですが (^^ゞ、幸いにも一度も水没の経験はありません。
ちなみに、使いきりカメラ「潜ルンです」(2年40本)、30万画素デジカメ「CASIO QV-100」(5年100本)、300万画素デジカメ「CANON PowerShot S30」(3年80本)と、現在のハウジングは3台目。
まぁ大した事をしてる訳ではないのですが、多少でもご参考になればと思います。
ハウジングや外付けストロボ、レンズ類の運搬は、出来るならハードケースに緩衝材で包んで入れて、手荷物に預けたりせず、自分の手で運ぶのが安心でしょう。タオルなどで包む場合は糸くずなどが付着しないよう、ビニール袋に入れてからにすると良いでしょう。
最近はニッケル水素の充電池が主流だと思いますが、ニカドに比べれば少ないものの、使い切らずに充電を繰り返すときちんと充電されなくなる「メモリー効果」が生じます。時々、デジカメを撮影か再生状態のまま放置するなどして、完全放電してから充電する、を何度か繰り返すといいでしょう。
Oリングのグリスアップは表面に薄く皮膜をはる程度にし、髪の毛や糸くず、ホコリ、砂粒など付着していないか、目視と、指の腹でなぞって、十二分に確認します。
- 電極の汚れも良くないので、オーディオのクリーニングキットにあるような無水アルコール、あるいは接点復活剤などできれいにしておきます。
- 充電池もやはり消耗品です。取説によると300回位の充電が出来るはずなのですが、使用頻度が少なかったりすると不活性化状態になりやすく、もっと早く寿命が来るようです。バッテリー切れが異常に早くなってきて、上記対策で解決しないようなら交換を考えるべきでしよう。
- 宿泊ツアー等の場合、充電にかかる時間と、他の電化製品の使用も考慮し、コンセントの分配タップを用意しておくと良いでしょう。
ビーチエントリーでは自分の転倒によるハウジングの破損も考えられますので、心配ならガイドやアシスタントに一時預けてしまうのも手でしょう。
- デジカメの各種設定、メモリーカードの空き容量、充電池の容量、各スイッチ等の噛み合わせに注意しながらハウジングに納め、乾燥剤やストラップを挟み込まないように注意しながら蓋を閉め、バックル等の留め具がしっかり固定されたか確認します。また、ハウジングの外側から、Oリングに異物を挟み込んでないか、再度確認しましょう。
- ハウジングに入るような小さな乾燥剤が、十分に吸湿するには結構な時間がかかります。セッティングは早めに、出来れば空調の効いた湿度の高くない室内で、落ち着いてするようにしましょう。
- 耐圧検査器による実験では砂粒を挟み込んでると水深5m、髪の毛なら10m位で水没する、というデータもあるそうですが、エントリー前には洗い桶に漬けて、まずは浸水がないか確認します。
揺れるボートの上では、置き場所から落下したり、誰かに踏まれたり、器材などが倒れてくる恐れもあるので、きちんと確保されたハウジング置き場に置くか、自分の目の前に置いておくようにしましょう。エントリー時には極力、船上から手渡ししてもらう方が無難です。
エントリー後はすぐに水泡を手で払って浸水がないか確認し、水深10m位までは注意をしておくべきでしょう。
潜った後は、すぐに真水に漬けて塩抜きをしますが、よく言われるように洗い桶への漬けっ放しは、他のハウジングと当ってレンズ面に傷が付いてしまったり、最悪フタが開いてしまったりして極めて危険であり、ザッとすすぐ程度にしておいて、すぐに桶から出します。 また洗い桶の中の水は結構汚れてますので、あとは水道の流水で洗い流すようにします。
保存前には丹念な、、、と言っても数分程度ですが、水道水による流水洗いを行います。 当然ながらデジカメは取り出してフタを閉めた状態で、チョロチョロと出した流水で、細かな隙間や窪みの部分や、ネジなど金属部分を重点的に洗い流します。
シャッターやズームレバー、各種ボタン部分は、数回ずつボタンを押し離ししながら、特に丹念に洗います。 ここに塩が残って結晶化してしまうと、動作が非常に重たくなってしまう恐れがあるので、ボタンの周囲を覆うガードの切り欠き部分から内側に、きちんと流水が当るようにします。
ボタンガードの切り欠き
アームや外付けストロボ、レンズなど拡張していくと、パーツ数が多くてとても大変なのですが、バラせるところはきちんとバラしてやらないと、特にネジ部分は残った塩分が結晶化してガチガチに固まってしまう、いわゆる「塩ガミ」の恐れがあります。
外付けレンズの場合、塩分はもちろん、水道水の水滴も残ってると、カルシウム分が結晶化してうっすらと輪っかに跡が残ってしまう事があるので、不織布などケバの出にくい物で、表面のコーティングが落ちないようにあくまで優しく、きちんと水滴を拭き取っておくと良いでしょう。
塩ガミについては溶剤で溶かす事も出来ますが、レンズ面に汚れが残ってしまったり、コーティングが落ちてしまった場合は、やはりカメラ専門業者にメンテナンスをお願いした方が良いかもしれません。
「酸化や変形を防止するため、長期保管時にはハウジングから取り外して、ビニール袋に入れて空気を抜いて密閉しておく。」という話もありますが、そこまで神経質にやるのも大変なので、現実的には以下のような感じで保管してます。
- ハウジングとパッキンの隙間に残った塩分が結晶化してしまう恐れがあるので、一度ハウジングから外して、ハウジングの溝とOリングは、不織布などで綺麗に拭き取る。
- Oリングは、酸化や乾燥を防ぐために、全体的に薄くグリスを塗っておく。
- 今使ってるハウジングは、バックル部分を噛ませて半開きにしておくと、ちょうどOリングのどこも潰れた状態にならないので、写真の様な状態でしまっておく。
シャッターやズームレバー、各ボタンなどにも、それぞれに小さなOリングが組み込まれており、やはり使ってく内にグリスが切れてくるのか、あるいはシリコンが劣化してくるのか、次第に動作が重くなってきます。
右ボタンを押下げた所 構造図(想像)
ボタンの構造は、E形をした金属リングの「E形止め輪」で固定されてるためバラす事も可能ですが、まだバラした事はなく (^^;;、恐らくは図のような構造をしてるかと思われます。
ハウジングの外側から内部のOリングにグリスを付ける事は無理なのですが、ボタンを押し込んで、ハウジングの内側に出っ張ってきた金属棒の部分に、爪楊枝などでグリスをごく少量塗ってやり、何度かボタンを押していると、次第にOリングにグリスが到達して、動きが滑らかに感じられるようになります。
Oリングのシリコンの種類によってどのグリスを使えばいいのか、これはあくまで自己責任になってしまいますが、、、特に重たいシャッターなど、如実に効果を感じられると思います。
以前、ボタン部分からピュッと霧を吹いたように浸水してしまったハウジングを見た事があるのですが、もしかしたらOリングのグリス切れなどで、ボタンを押した時にちょっと引っかかったりして隙間が出来てしまったのかもしれません。
以上、個人的な私見も多々含まれており、これだけしておけば絶対水没しない、という訳ではありませんので、念の為。。。