N炭鉱 風洞 探検: 北の細道 N炭鉱

N炭鉱で風洞を下る


北海道某所

  気体の流れはその流速の速い部分の圧力が低くなる。これが「ベルヌーイの定理」だ。
なぜなら流れが速いとその分子間の距離が広くなり、結果、気圧は低くなるからだ。
飛行機の翼やブーメランの原理もこれである。
炭鉱の坑道の吸排気はどうだったのだろう。

炭鉱労働者の呼吸確保、メタンガス等の希薄と排除、地熱などの冷却
が通気の目的であるが、それは鉱山保安法でも詳細に規定されている。
酸素含有率19%以上、排気中の可燃性ガス含有率は1.5%以下、坑内気温は37℃以下。
そして通気量は3立方メートル/人、通気速度は450m以下。

これらを確保するため、坑道とは別に吸排気風洞を掘り、
吸出し式の扇風機を排気坑口側に設置する。
坑内は負圧となり、扇風機が停止しても坑内気圧が運転時より高くなり
ガスを押し込み安全が確保される。

入排気、その2本の坑口が接近しているものを中央式、遠く離れたものを対偶式と呼ぶ。
対偶式は通気距離が短く通気抵抗は減少、排気が入気に吸引される心配がない。
一方、中央式は漏風も多く、効率の面からも対偶式に劣る。



今回発見し潜入した風洞はこの中央式の排気側坑道だ。
これまで風洞と言えば新歌炭鉱そして 赤平南排気立坑ある煙道歌志内神威坑、そして紹介できない危険坑道も含め、
複数個所の風洞に潜ったが、今回は最高角度を誇る風洞の探索となった。
かつても人が通ることのなかった風の通り道を見て頂こう。






風洞・斜坑・危険・・・


風洞
( ̄u ̄;)風洞



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