国興鉱山跡 探検: 北の細道 国興鉱山

国興鉱山で笹薮を這う



北海道余市町

 マンガン鉱石の品位は取引の際に重要な問題となる。
マンガン鉱石には大きく2種があり、それは二酸化マンガン鉱と金属マンガン鉱である。
品位の決定は一般に需要者側(鉄鋼メーカー)の化学分析によって決定され、
大部分のマンガン鉱山では分析設備を持たず、鉱山技術者の肉眼をもって見込み品位を決めている。

品位の決定にはそれを構成するマンガン鉱物の種類と量比をもって測定されるが、
鉱山の現場では技術者の経験と勘によって判断され、
とくに金属マンガンについては分析結果と熟練者判断で1〜2%の誤差だというから驚きだ。
マンガン鉱石の選鉱については、上記熟練工による手選と機械選鉱がある。
一般に坑内から産出した鉱石は水洗されるが、
その際に良質の二酸化マンガンが粉状に流出する可能性があり、
採掘の段階で泥等の付着に注意し、火薬も用いず採掘されることが多い。

機械選鉱には 浮遊選鉱 と比重選鉱があるが、比重選鉱は以下3種類に分類される。
@重液選別
 菱マンガン鉱に用いられ、 稲倉石鉱山上国鉱山で盛んに採用されていた。
 重液と呼ばれる比重2.9程度(フェロシリコン)の液の中に粉砕した鉱石を投入、
 重液より重いズリ石は底に沈み、軽いマンガン鉱は浮き上がる。

Aジガー選鉱
 摩鉱して粗鉱の粒子をそろえ、水中で振動を与えて比重差をもって鉱石とズリを分類する。
 小規模鉱山では手動で波を起こす手押式ジガーが利用される。

ジガー選鉱

Bテーブル選鉱
 摩鉱して液状と化した鉱石を、溝のついた不等辺台形の皿(テーブル)に流し込み、
 細かく振動させるとその皿の一端に重い鉱物が集まるという荒選用の機械となる。

テーブル選鉱

【※すべて昭和30年代の状況です】

マンガン鉱を採掘した国興(こっこう)鉱山は、比高50mの低い丘陵地にあり、
鉱床はその頂上付近から裾野にかけて存在している。

国興 満俺 株式会社の経営で、大正の終わりに一度採掘放棄され、
昭和7年(1932)に再び試掘登録、昭和18年(1943)頃 盛大に稼行された。


資料には削岩機の使用や選鉱場も存在した規模だとあるが、
閉山時期も定かではなく、おそらく昭和30年代後半にはすでに休山してた模様だ。
スタート地点は標高100m、鉱山跡は標高150mとルートは知れているものの、
その植生によっては厳しいルートとなるかもしれない。

資料の少ないマンガン鉱山の現在を探索してみたいと思う。




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