源氏物語「二葉の松 4/4」(薄雲)   問題

 源氏は明石で不遇な生活をしていた時、当地の明石の入道の娘の明石の君と結ばれます。明石の入道は都では出世がかなわず、明石で受領に身を落とし住みついたのでした。源氏と明石の君との間には姫君が誕生しました。この姫君を将来の后にと期待する源氏は、明石の君・姫君母子に上京をすすめますが、明石の君はわが身のほどを考えて思い悩んだ末に、都の郊外、大井の里へ移り住むことにしました。源氏は、明石の姫君を紫の上の養女とすることにし、姫君を二条院に移そうとしています。次の本文を読んで後の問いに答えよ。


 姫君は、何心もなく、御車に乗らむことを急ぎたまふ。寄せたる所に、母君みづから抱きて出でたまへり。片言の、声はいとうつくしうて、袖をとらヘて乗りたまへと引くもいみじうおぼえて、
  末遠き二葉の松にひきわかれいつか木高きかげを見るべき
えも言ひやらずいみじう泣けば、さりや、あな苦しと思して、
  「生ひそめし根もふかければ武隈の松に小松の千代をならべん
のどかにを」と慰めたまふ。さることとは思ひ静むれど、えなむたへざりける。乳母、少将とてあてやかなる人ばかり、御佩刀、天児やうの物取りて乗る。副車によろしき若人、童など乗せて、御送りに参らす。

道すがら、とまりつる人の心苦しさを、いかに罪や得らむと思す。暗うおはし着きて、御車寄するより、はなやかにけはひことなるを、田舎びたる心地どもははしたなくてやまじらはむと思ひつれど、西面をことにしつらはせたまひて、小さき御調度どもうつくしげにととのへさせたまヘり。乳母の局には、西の渡殿の北に当たれるをせさせたまへり。若君は、道にて寝たまひにけり。抱きおろされて、泣きなどはしたまはず。こなたにて御くだもの参りなどしたまへど、やうやう見めぐらして、母君の見えぬを求めてらうたげにうちひそみたまヘば、乳母召し出でて慰め紛らはしきこえたまふ。【薄雲】

問1 ★

問2 ★

問3 ★

問4 ★

問5 ★

問6 ★

問7 ★

問7 「源氏物語」の成立した時代・作者の名・作者が仕えた中宮とその父親の名を順に記しなさい。★

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