源氏は明石で不遇な生活をしていた時、当地の明石の入道の娘の明石の君と結ばれます。明石の入道は都では出世がかなわず、明石で受領に身を落とし住みついたのでした。源氏と明石の君との間には姫君が誕生しました。この姫君を将来の后にと期待する源氏は、明石の君・姫君母子に上京をすすめますが、明石の君はわが身のほどを考えて思い悩んだ末に、都の郊外、大井の里へ移り住むことにしました。源氏は、明石の姫君を紫の上の養女とすることにし、姫君を二条院に移そうとしています。次の本文を読んで後の問いに答えよ。
さかしき人の心の占どもにも、もの問はせなどするにも、なほ「渡りたまひてはまさるべし」とのみ言ヘば、思ひ弱りにたり。殿もしか思しながら、思はむところのいとほしさに、しひてもえのたまはで、「御袴着のこと、いかやうにか」とのたまヘる御返りに、「よろづのことかひなき身にたぐへきこえては、げに生ひ先もいとほしかるべくおぼえはベるを、立ちまじりてもいかに人笑へにや」と聞こえたるを、いとどあはれに思す。日などとらせたまひて、忍びやかにさるべきことなどのたまひ掟てさせたまふ。放ちきこえむことは、なほいとあはれにおぼゆれど、君の御ためによかるべきことをこそはと念ず。
「乳母をもひき別れなんこと。明け暮れのもの思はしさ、つれづれをもうち語らひて慰め馴らひつるに、いとどたづきなきことをさヘとり添へ、いみじくおぼゆべきこと」と君も泣く。乳母も、「さるべきにや、おぼえぬさまにて見たてまつりそめて、年ごろの御心ばへの忘れがたう、恋しうおぼえたまふべきを、うち絶えきこゆることはよもはべらじ。つひにはと頼みながら、しばしにてもよそよそに、思ひの外のまじらひしはベらむが、やすからずもはべるべきかな」と、うち泣きつつ過ぐすほどに、十二月にもなりぬ。【薄雲】
問1 ★
問2 ★
問3 ★
問4 ★
問5 ★
問6 ★
問7 ★
問7 「源氏物語」の成立した時代・作者の名・作者が仕えた中宮とその父親の名を順に記しなさい。★
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源氏物語「二葉の松 1/4」 冬になりゆくままに〜身のうきこと限りなし。(薄雲) 問題 へ
源氏物語「二葉の松 3/4」 雪、霰がちに〜けはひあはれなり。(薄雲) 問題 へ
源氏物語「二葉の松 4/4」 姫君は、何心も〜きこえたまふ。(薄雲) 問題 へ
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