ねこたび日記

島風に 猫の毛そよぐ 皐月かな

2018.5.12~19 男木島・塩飽本島・佐柳島・青島・睦月島・野忽那島

~遠方の猫たちに会いに出かけた旅の記録を日記風に綴ります~

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第一部 男木島・塩飽本島

2018年4月21日(土)快晴 男木島 
GWが終わっていささか落ち着きを取り戻した羽田空港第一ターミナル。
連休と梅雨の合間、今年も一年で一番気候のいい時期に初夏の瀬戸内猫旅はスタート…のはずですが、この一週間は「異常高温に関する注意報」が出てます。全国的に。
7月並みの気温になる日もあるとかないとか。(^^;
毎年、暑くも寒くもない一番天候の安定する時期ということでこの時期を選んでいるつもりなんだけど、毎年暑いよね。(^^;
気温だけ考えたら4月下旬のほうがいいのかなぁとも思うんですが、その時期はまだお天気が猫の目のように変わりやすいんですよね。海もまだ荒れやすいし。
週間予報では明日の日曜から明後日の月曜午前中にかけて雨でそのあとはしばらく晴れ。行程最後の方の金・土が曇りとなっています。
8日間の長い行程を組んであるのは雨の日が挟まった場合の予備日を組み入れてあるからですが、どうやら今のところ「雨天コース」を考えなきゃいけないのは明日だけでよさそうな。
今日の出発はややゆっくりと。
9:20発の高松行き477便。
少し早めに空港について静かなサテライトでのんびり…と思ったんですが、周囲はガヤガヤと騒がしい。よく見れば修学旅行に出発するらしい高校生が。
そうかGW後のこの時期ってそういう時期ですよね~。なんだか見ていて懐かしくなっちゃった。(^^;
その生徒たちは私が乗る477便の前に10番ゲートから出る機に乗っていきました。やれやれ静かになった、と思ったらもう477便の搭乗時刻の案内が。
高松行きは空いてましたね。やっぱりGWの直後だからでしょうか、土曜日というのに三列席の真ん中はどこもほとんど空席。
離陸までの間、PCを開けて今日明日の天気予報の詳細を再チェック。やっぱり明日は雨か…でも天気の回復が早まるみたいで明後日の月曜日は朝から晴れそう。まあ明日はちょっとインターバルということにしましょう。ついでに自分のブログをチェックしてリコメ入れてたりして。(^^;
高松までの飛行時間は1時間ほど。釧路線に乗り馴れているとちょっと物足りなく感じなくもない。
やがて眼下に東瀬戸内海の島々が見えてきます。家島諸島、小豆島、そして備讃諸島。上の写真は家島諸島の西島でしょうか。
今回の旅は昨年の秋とは逆コース。東から西へと島をたどります。
定刻10:40に高松空港到着。高松駅行きのリムジンバスに乗り換えて市内へ。40分ほどで高松築港着。フェリー乗り場へ。
どうやら12:00の船に余裕をもって乗れそうです。
男木島に行くのは2年半ぶりになりますね。
かなり乗客が多く椅子席は8割がた埋まるほど。やっぱり土曜日は観光客が多いな~と思っていたんですが、ほとんどが途中の女木島で下船。そう、「鬼ヶ島」として知られる女木島は観光客にはメジャーですが、男木島は「アートの島」として売り出してはいるもののやっぱり認知度は低いみたいで…。
女木島を出港したあとは残っていた乗船客は10名を切っていました。女木島港を出て舳先を大きく巡らせるともう目の前に男木島が。
船内で昼食を済ませ、男木島港12:40着。
桟橋から岸に移るとさっそくお出迎え?が。(^^;
この島では原則猫へのエサやリは禁止でゴハンをあげることはできないので、代わりに遊んであげます。けっこうノリのいい子でした♪
一緒に船を降りた少数の観光客はもうさっさと港を後にしてしまっていて、気が付けば私一人。船はまもなく高松へと引き返します。
遊んでくれたこの子の頭を撫でてネコジャラシを仕舞い、私も歩き出します。
それにしても…暑い。27~8℃はあるんじゃないかな。こりゃもう「初夏」じゃない。夏ですね…。
坂道をゆっくり登っていくと、細い路地の両側に並ぶ島の家並みや石垣。そして花。
そして…猫。
でもやっぱり暑いので、どうしても日陰にいます。人間だって同じですよね。
ついこの間まで寒い寒いと言っていたら、程よい気候の期間はほんのわずかで…猫たちも絶対思ってますよ。「最近、地球が狂ってない?」ってね。
ところがこの二匹は私に興味津々で近づいてきました…いや、よく見ると私の腰から下を見つめてる。なんで?と思ったらネコジャラシの柄がカメラバックのポケットから飛び出てブラ下がってました。
改めてネコジャラシを出して振ってあげると…。
お遊びが止まりません。(^^;
この茶トラの子は首輪つけてますから、このあたりの飼い猫さんなのかな。耳カットされていますけど…。
実はこの男木島、2年前に全島一斉にTNR(猫の避妊去勢手術)を行っているんですよね。前回私がこの島を訪れた直後でした。
それから2年。前回訪問時よりも猫の数が激減しているように見えます。前回ここでは7~8匹の猫を見たんですけどね…子育て中の母猫もいたんだけど。
「猫と人との共存を図るために」ということで始められたTNR。しかしまさか150匹近い猫全頭に施すとは…。発情期の猫の鳴き声による苦情軽減や大量に生まれて来てもほとんどが冬を越せずに死んでしまう仔猫のことを考えると確かにTNRは必要です。そして避妊去勢を受けた猫はそれを受けない猫よりも長生きしやすいというデータもあります。
しかし、いくら全頭にTNRを施したとしてもわずか2年で数が4分の1に減ってしまうということはありえません。実は原因は別のところにありました。全頭TNRを行った直後に猫の多くが感染症にかかり命を落としてしまったということもあったそうです。もちろんそれだけではなく里親の元に幸せに引き取られて行った猫たちもいるそうですが。
以前からここでは猫の島として知られるようになってから、外から猫を捨てに来る人が後を絶たず、それが原因で猫の数が異常に増えてしまい島民の方々も困り果てていたということがありました。観光客の無責任なエサやりがそれに輪をかける形になって…。だからTNRは必要でした。猫たちのためにも。ただ、直後に感染症が流行するとは誰も予測できなかったんでしょうね。
島の方々は決して猫を嫌っているわけではなく「ゼロになったらそれはそれで困る」と仰る方もおられました。
そこは島だけにやはり漁業従事者が多い。漁業に携わる方にとって大きな問題はネズミ対策。そのためには天敵である猫が「適度に」いてくれたほうがいい。今回のTNRが飼い猫にまで及んだのかどうかは確認していませんが、今後はどうなるのかな。今は外猫の寿命も延びてはいますがひょっとすると7~8年後にはこの島で猫の姿が見られなくなる日も来てしまうかもしれない。
人と猫が本当の意味で上手に共生していくことというのは本当に難しいものだと思います。こうした島でさえそうなのですから都会の町中は推して知るべしでしょう。いや、それは私自身が身をもって経験しています…。
急な石段を登って海を望める神社。ここにも以前には10匹近い猫たちがたむろしていました。でもこの日はこの子と他にもう1匹だけ…。
一旦坂道を下りて集落を抜け、漁港に向かいます。途中の石垣からはこんな赤い花が。夏の色ですね。
漁港のそばにある公衆トイレ。その周りには花が植えられていて今が盛り。5月のこの時期瀬戸内を訪れて楽しいのはどこもこうした色とりどりの花が目を楽しませてくれること。明後日訪れる佐柳島もそのあと訪れる睦月島も青島もたぶん…。
この子はちょっと人相いや猫相よくないですけど人懐こいんですよ。(^^;
ここも猫の数が激減していました。そのせいか空がやけに広く見えてしまいます。
願わくば、できるだけ長生きしてこの島でゆったりと過ごしてほしい。エサだけは島の方々からいただけるようですから。
もしいずれ猫の姿が消えていく運命であるにしても、それが島の方々の選んだ道ならばそれはやむを得ないと思います。こういう話をすると錯誤的感覚を持ってしまって「じゃあ猫を持ち込もう」という短絡的発想をする人がいますが、それは絶対にやってはいけないことだということを肝に銘じてほしいですね。
さて、帰りの船まで2時間ちょっと。
しばし猫たちとお別れして、島の西側を散策していきましょう。行先は男木島灯台。港から30分の道のりです。
左手に東瀬戸の海を眺めながら…。
右手の山側を見ればさまざまな花が。
海風のせいか、歩いていてもさほど暑さを感じなくなりました。いや体が慣れてきたのかな?
でも明日はグッと気温が下がるんだってね。雨が降った上に北寄りの風…上着が必要だって。雨なら街並み撮影をするつもりだけど、風だけは吹いてもらいたくないなぁ。
やがて青い海を背景に見えて来た男木島灯台。
昔ながらの御影石づくりの武骨な姿を残す灯台。もう建設されてから120年が経つ歴史的建造物です。ちなみに日本で二つしかない本体無塗装の灯台なんですよね。
男木島灯台と言えば…知る人ぞ知るあの昭和の名作映画「喜びも悲しみも幾年月」の舞台の一つですよね。灯台守夫婦の生涯を描いたあの映画は今でもファンが多いですが、実際のロケもこの場所で行われました。
今は亡き私の親父がこの映画大好きでしてね。酒飲んで酔っ払うと歌い出すのは決まってこの映画の主題歌でした。(^^;

♪おいら岬の~灯台守は~ 妻と二人で~沖ゆく船の~~♪
♪無事を~祈って~~ 灯をか~ざす 灯~をか~ざ~す~~♪
ちなみに、我が家にはこの映画のDVDがもちろんありまして、時々母親と一緒に観てます。
これと三国連太郎の「大いなる旅路」の二本立ては最高ですよ。観ている間に何回泣くことか。(^^;
浜辺に出てみれば、いくらか波が出始めているのがわかります。やっぱりお天気は下り坂なんだな…。
しばし海を眺めてから来た道を引き返して港へ。
気が付けば17:00の船の出航まであと30分ちょっとしかない。最後にもう一度猫たちに会いに行きます。
数は減らしてしまったけれど、本当に人懐こい男木島の猫たち。外猫にとって島も町も生きるのに過酷な毎日であることはどこも同じ。それでも「さくらねこ」として島の人たちから暖かい目を向けられるようになった今の状態はひょっとすると以前よりも幸せなのかな?いや、それは猫たち自身に聞いてみたいとわからないですね。人間目線の考え方で決めてかかってはいけないな。
この子は、私が立ち上がろうとするたび「ニャ~ン」と鳴いて甘え声でナデナデを要求。それもお腹を。(^^;
「帰っちゃイヤ」と言われてるような。
甘える術を知っている猫たちなんですね。可憐な子ばかりです。
次に来るのは秋かな…また元気な姿を見せてほしいな。島の人たちに可愛がってもらって…ね。
17:00のフェリーで高松に戻ります。
さあ、今夜は本場の讃岐うどんを食べに行きましょう。2年半前に行ったあの同じお店へ。
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