ねこたび日記

2024年11月24日(日)晴れ   
朝7:00。高浜港
毎度おなじみ7:10出港の中島大浦行きフェリー。

この日も風が強かった…11月も末近くなると穏やかな瀬戸内も風の強い日が増えてきます。もっとも「風が強い」と言っても太平洋や日本海に比べればたいしたことはないんですけどね。内海ですから。ただ体感温度はかなり下がるので朝7時のまだ日が昇り立ての時間は相当寒い。この時間はちょっと東に雲が出てましたから。
どうやら今日も一日お天気はよさそう。

30分で睦月島。

船を下りて、いつもの小学校に向かって歩いて行こうとすると向こうから歩いてくる子が。

さっそく港で撮影会かな…と思ったのですが、彼らとともに向かったのは…

今日も北東からの風が吹いています。強い風ではないけれど体感的にはちょっと冷たい。いつも撮影会やってる漁港はもろにその風が当たります。さすがに猫たちはそんな場所には行きたがりません。

「他の子は来ないのかなぁ?」
後ろを振り向いて。(^^;
たどり着いたのは、西の集落を望む石垣の上。
いつもの年の撮影会ではあの家々を正面に見る形になるんですよね。これで位置関係がなんとなくわかると思いますが…

ここは漁港の西側。ちょうど北東側に大きな農業倉庫があって、それが風除けになってくれています。
猫たちはよく知っていますね。

考えて見ればここで朝の撮影をしたことないですね。ここはいつも午後の撮影で来ていたなぁ。ちょっと新鮮♪
一緒に来てくれた4匹の猫たちの姿をのんびりスナップ。

快晴というわけにはいかなかったけれど青空が出ていました。ただ上空、雲の流れが速い。

猫たちは思い思いにぶらぶらと。それを眺めているだけでも楽しいです。



みかんを入れる籠がたくさん置かれた軽トラの前。そう、今睦月はみかん収穫の最盛期です。すぐ裏では農家の方が籠の並び替えをしていました。品種によって異なる籠を使うことがあるようですね。

猫たちはそれを横目で見ながら朝の空気を満喫。

猫ってよく「夜行性」と言われますけど、正確には「薄明薄暮性」です。
つまり真っ暗な真夜中よりも薄暗い程度の夕方や早朝にもっとも活動が活発になります。これは野生時代の名残でその時間が狩りをするのに最も都合がいいからなんですね。猫の目ってわずかな光でもそれを捉えて獲物をよく見ることができます。それに対して猫の獲物となる鳥などは暗くなると目が見えないものが多い。それなら真夜中でもいいのでは?と思いがちですがさすがの猫の目も光がまったくないような曇りや雨の夜、あるいは月のない真夜中では獲物を捉えるのは難しくなります。さらにネズミは夜行性ではありますが日の出日没の前後が一番外に出て動き回ることが多い。これが猫が早朝と夕方に動き回ることが多い理由です。真夜中って猫は意外に休んでることが多いんですよ。

だからこの時間帯は猫たちが動き回る「朝の勤務時間?」の終わりごろ。(^^;
この後、日中にかけては「休憩モード」に入ります。
猫の撮影ってやはり朝と夕方がメインになりますね。ある意味タンチョウと似てる。まあ、野生動物の撮影ってみんなそうですけど。
だから睦月に猫撮りに来るなら朝7時の船で来たほうがいいです。10時の船じゃもったいない。なにより光で遊べない。写真って光使ってナンボですから。

睦月は港を挟んで東と西に浜があり、それぞれに家が浜沿いに立ち並んでいます。かつての賑わいを思い起こさせるような立派なつくりの家々が並んでいますが今はその多くが空き家になっています。特に西の浜は…。島の人口は年々減少し現在では全島でも180人ほど。そしてそのほとんどが65歳以上の高齢者です。最盛期には1,400人が暮らしていた島なのに。

「みかんの島」として知られる睦月島もこのままではやがて朽ち果ててしまいかねない。
若い人たちが定期的にやってきて農作業を手伝ってくれてはいるようですが、なかなか島に定着してはくれない。忽那諸島でも人口の多い中島はまだそんな危機感はないでしょうが、睦月をはじめとして怒和・津和地・野忽那などの小さい島は果たしてこの先どうなってしまうのか…。
二年前、この島の猫たちが皆避妊去勢手術を受けたのは「このままでは世話を続けられなくなってしまうかもしれないから」という島民の方々の思いからです。裏を返せば、猫たちへの愛情の現れなんですよね。

この燈明も、島が賑やかだったころの名残ですね。

猫たちはそんな人間たちの栄枯盛衰など知る由もない…。
ただ無邪気に遊んでいます。それでいい。

今は引き潮。
砂浜に下りて遊ぶ猫たち。肉球が多少濡れてもへいちゃらみたいですね。そこはさすが島猫♪

さあ、そろそろ学校に戻ろうか。みんな待ってるよ!
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