フロギストン説
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フランドルの医師・化学者・錬金術師ヤン・ヘルモント(1579−1644)は、 「四元素説」や「三原質説」を批判し、“万物を生み出せるのは水だけ”と考えました。 そして、自分の考えを証明すべく行ったのが、有名な「ヤナギの実験」です。 また、別の実験として、大量の木炭を燃やしたところ、わずかな灰しか残らなかったことから、 水が、特殊な変化をすることにより、別の物質となって、空気中に放出されたと考えました。 この考えが、数十年後に、人類の大きな誤解となった「フロギストン説」の引き金になります。 ![]() 学ぶ項目を、ステップを細かく分けて一覧にしました。 「この項目は大丈夫だな。」と思うものは飛ばしてもらって結構です。 自分に必要な項目だけを学べば良いでしょう。 カッコ内は、文部科学省の学習指導要領に従った、目安となる履修学年です。 【固定空気】・・・現在、「二酸化炭素」と呼ばれている気体のことです。 (01)絶対王政・・・王侯貴族は、しばしば胃潰瘍を患いました。 なぜ? (02)制酸剤・・・古代ギリシャ以来、胃潰瘍の薬として、貝殻を粉砕して服用していました。 なぜ? (03)胡粉・・・貝殻を焼いて作る白色顔料です。 (04)ジョゼフ・ブラック(1728−1799)・・・炭酸カルシウムの研究をしたイギリスの医者です。 (05)実験・・・貝殻を焼いたら、胃潰瘍に対する効果は、どうなるのだろう? (06)固定空気・・・発生した気体は、炭酸カルシウムの中に固定されていた空気である! (07)生石灰(高2)・・・水と激しく反応する様子が、生きているように思えたことからネーミング♪ (08)消石灰(高2)・・・水を加えると、溶けて見えなくなってしまったことからネーミング♪ (09)石灰水(中1)・・・消石灰の水溶液です。 固定空気の検出に使えました。 【フロギストン空気】・・・現在、「窒素」と呼ばれている気体のことです。 (10)ダニエル・ラザフォード(1749−1819)・・・ブラックの弟子です。 (11)ろうそくの燃焼・・・発生した気体が「固定空気」であることを確認しました。 (12)固定空気の除去・・それでもまだ気体が残っていることを発見! (13)フロギストン空気・・・どのような解釈をして、そのようなネーミングになったのでしょうか? 【炭酸水】・・・勘違いが、大きな発見につながることもあります。 (14)大航海時代・・・大規模な航海になると、長期間寄港しなくなるため、壊血病になりやすくなりました。 (15)壊血病・・・ビタミンCの欠乏状態が長期間続くと、体内の各器官で出血が見られるようになります。 (16)ジェームズ・リンド(1716−1794)・・・航海中に、壊血病に関する実験を行いました。 (17)柑橘類・・・壊血病になった船員のうち、オレンジやレモンを与えた者が、最速で回復しました。 (18)レモネード・・・レモンの果汁に甘味をつけて、冷水で割ったものです。 (19)炭酸水・・・初期の炭酸水は、レモネードに重層を加えたものでした。 (20)ジョゼフ・プリーストリー(1733−1804)・・・イギリスの自然哲学者です。 (21)勘違い・・・壊血病の治療に役立つと思い込み、プリーストリーは炭酸水の研究をしました。 【脱フロギストン空気】・・・現在、「酸素」と呼ばれている気体のことです。 (22)気体捕集法(中1)・・・「上方置換法」「下方置換法」「水上置換法」があります。 (23)スティーブル・ヘールズ(1677−1761)・・・「水上置換法」を考案しました。 (24)水上置換法(中1)・・・空気の混入を少なくし、気体の捕集量を計測できます。 (25)固定空気(二酸化炭素)・・・水に溶けます。 (26)水銀・・・水上置換法で、水に溶けやすい気体を集めたいとき、水の代わりに水銀を用います。 (27)酸化水銀・・・熱分解により、脱フロギストン空気(酸素)を生じます。 (28)脱フロギストン空気・・・どのような解釈をして、そのようなネーミングになったのでしょうか? 「量子論」に戻る |
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