モーブ
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1834年にコールタールから新物質が抽出され、これがアニリンであることが分かりました。 このアニリンを使って、マラリアの特効薬であるキニーネを作れないかと試行錯誤している最中、 1856年に、偶然にも、紫色の染料「モーブ」ができたのです(人工染料の第1号)。 これ以降、(有機合成化学)=(石油化学)と言われるほどになりました。 ![]() 学ぶ項目を、ステップを細かく分けて一覧にしました。 「この項目は大丈夫だな。」と思うものは飛ばしてもらって結構です。 自分に必要な項目だけを学べば良いでしょう。 カッコ内は、文部科学省の学習指導要領に従った、目安となる履修学年です。 【薬草】・・・クスリは、天然の植物を服用することから始まりました。 (01)ゲオルク・エーベルス(1837−1898)・・・「エーベルス・パピルス」を購入しました。 (02)エーベルス・パピルス・・・紀元前16世紀に書かれた、薬に関する最古の文献です。 (03)ヒポクラテス(B.C.460−B.C.370)・・・300〜400種もの薬草を治療に使いました。 (04)ディオスコリデス(40−90)・・・「マテリア・メディカ」(薬物誌)を作成しました。 (05)マテリア・メディカ・・・中世、近世の中近東やヨーロッパにおいて、クスリのバイブルでした。 (06)神農・・・古代中国における伝説上の人物で、農耕と医薬の神です。 (07)神農本草経・・・中国最古の、薬用植物に関する書物です。 (08)張仲景(150−219)・・・中国後漢の医者で、「傷寒論」の著者です。 (09)傷寒論・・・“漢方の聖典”とされ、現在の漢方医療にも受け継がれています。 (10)李時珍(1518−1593)・・・中国・明の医者で、「本草綱目」の著者です。 (11)本草綱目・・・日本にも伝わり、徳川家康が本格的に本草研究を始めるきっかけになりました。 【キニーネ】・・・感染症「マラリア」に対する特効薬の主成分です。 (12)キナノキ・・・アカネ科キナノキ属の植物の総称で、南米のアンデス山脈に自生しています。 (13)インディオ・・・ラテンアメリカの原住民で、キナノキの皮を解熱剤として使用していました。 (14)大航海時代・・・ヨーロッパ人が「マラリア」を南米に持ち込みました。 (15)マラリア・・・マラリア原虫による感染症で、高熱や頭痛、吐き気などの症状があります。 (16)アントワーヌ・フールクロア(1755−1809)・・・キナノキからの薬効成分の抽出に挑戦! (17)フリードリヒ・ゼルチュルナー(1783−1841)・・・「モルヒネ」を単離しました。 (18)モルヒネ・・・世界で初めて植物から単離された薬用成分です。1804年に単離されました。 (19)ジョセフ・ゲイリュサック(1778−1850)・・・フールクロアの助手。 その単離法に興味! (20)ピエール・ロビケ(1780−1840)・・・ゲイリュサックの同僚でした。 (21)ピエール・ペルティエ(1788−1842)・・・ロビケの助手で、「キニーネ」を単離。 (22)キニーネ・・・マラリア特効薬の成分です。1820年に単離されました。 (23)アドルフ・ストレッカー・・・1854年にキニーネの分子式を決定しました。 【モーブ】・・・廃棄物であるコールタールから、貴重な紫色を得ることができました。 (※)事前に、「コールタール」について学んでおくと良いです。→ こちら (24)フリードリヒ・ヴェーラー(高3)・・・無機物から有機物を合成した、“有機化学の父”です。 (25)イェンス・ベルセリウス・・・ヴェーラーの師匠です。 (26)ユストゥス・リービッヒ・・・ベルセリウスの弟子です。 (27)アウグスト・ホフマン・・・リービッヒの弟子です。 (28)アニリン(高3)・・・インディゴ由来の新物質とコールタール由来の新物質は、同一物質でした。 (29)ウィリアム・パーキン・・・ホフマンの弟子です。 人工染料の第1号となる「モーブ」を合成。 (30)モーブ・・・紫色の染料。 キニーネ合成を目指してアニリンを処理中に偶然発見しました。 (31)貝紫・・・当時知られていた紫色で、超高級品。 モーブの発見後、廃棄物から作った方が安いよね〜、となりました。 「ガソリン」に戻る |
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