地震波トモグラフィー
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【地震波トモグラフィー】 プレートテクトニクスによって、大陸移動を説明することは、できそうです。 しかし、これは、地殻・マントル・殻といった、地球の内部構造が、既に明らかになっていることが前提です。 一体、どのようにして、地球の内部構造を調べたのでしょうか? 「地震波トモグラフィー」について学びましょう! 【地震計】 世界初の地震計は、中国の後漢時代のものですが、これは、地震の揺れを時々刻々と記録するものではなく、 単に、一定規模以上の揺れが発生したかどうかを知るための道具に過ぎませんでした。 現在の地震計に通じる発明は、1880年の日本でなされました。 地震計のしくみは、どのようなものでしょう? 【地震波】 地震が発生すると、震源から四方八方へと地震波が伝わっていきます。 3次元空間の直交座標において、x軸方向へ伝わる地震波を考えたとき、 x軸方向への振動は、媒質の疎密を伝える縦波であり、 「体積弾性率(押し込めにくさの指標)」という物理パラメータで表現されます。 媒質が弾性体(固体)であろうと流体(液体・気体)であろうと伝わる波です。 一方、y軸方向およびz軸方向への振動は、x軸に対して直交しており、媒質の変形を伝える横波です。 「剛性率(ずらしにくさの指標)」という物理パラメータで表現されます。 流体では変形がないので、媒質が弾性体のときのみ伝わります。 ![]() 縦波の方が横波よりも速いので、 各観測地点では、縦波の方が先に到達し、横波は後で到達することになります。 縦波を「P波(primary wave)」、横波を「S波(secondary wave)」と呼ぶのは、このためです。 (疑問)横波よりも、縦波の方が速い・・・というのは、本当? → こちら 「初期微動」をもたらすP波が到達してから「主要動」をもたらすS波が到達するまでの時間を 「初期微動継続時間」と言い、震源からの距離と比例関係にあります。 この関係を利用することで、地震波の観測データから、震源までの距離を求めることができます。 「大森公式」と呼ばれるものです。 震源までの距離を求めただけでは不十分で、最終的には、震源の場所を特定したいのですが、 一体、どのようにすれば、震源の場所を特定することができるのでしょうか? 【走時曲線】 複数の地点で地震波を記録し、それらを、 縦軸:走時(地震波が観測地点に到達するまでに要した時間) 横軸:震央距離(震源の真上の地表面からの距離) のグラフ上に表したものを「走時曲線」と言います。・・・中学校の理科で学ぶグラフも、よく似たものです。 (注)中学校で学ぶものは、震央距離ではなく、震源距離になっているので、厳密には異なります。 走時曲線を詳しく見ると、直線グラフが途中で折れ曲がっています。 これは、地殻内を伝わる地震波より、マントルを伝わる地震波の方が速いためです。 なぜ、地殻内を伝わる地震波よりも、マントル内を伝わる地震波の方が速いのでしょうか? 地殻とマントルの境界面を「モホロビッチ不連続面(モホ面)」と言います。 クロアチアの地震学者アンドリア・モホロビッチ(1857−1936)によって1909年に発見されました。 地殻の上層で起こった浅い地震の走時曲線を調べることで、 モホ面の深さ(地殻の厚み)を求めることができます。 どのようにすれば、モホ面の深さ(地殻の厚み)を求めることができるのでしょうか? 「地面より下」に戻る |
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