熱機関

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古代ローマ時代、地中海沿岸では夏の降水量が少なかったため、冬のコムギ栽培と休閑を繰り返していました。

ジュリアス・シーザー(B.C.100−B.C.44)がローマを指揮するようになると、

ガリア戦争により領土を拡大させ、アルプス以北のヨーロッパもローマの支配下になりました。

アルプス以北は西岸海洋性気候のため、二圃式農業より農業生産力を高めた三圃式農業が可能でした。

(冬作物:コムギ、夏作物:オオムギ・エンバク、休閑のローテーション)



農業生産力が高まると人口が増加します。

人口増加により、家庭用暖房燃料として石炭の需要が増えました。

また、通貨不足となり、貴金属の需要が高まりました。

そこで、坑道を掘ることが多くなっていたのです。



坑道を掘ると、水がしみ出てきます。

掘れば掘るほど大量の水が出てきて、放っておくと坑道が水没してしまいます。

それを汲み出すために、大量の馬を使って昼夜を問わずポンプを動かし続けましたが、

馬の飼育費のため、採算がとれなくなってしまいました。

そこで、馬力に代わる新しい動力源が望まれていたのです。



学ぶ項目を、ステップを細かく分けて一覧にしました。

「この項目は大丈夫だな。」と思うものは飛ばしてもらって結構です。

自分に必要な項目だけを学べば良いでしょう。

カッコ内は、文部科学省の学習指導要領に従った、目安となる履修学年です。



【地下水問題】・・・昔は、馬を使ってポンプを動かし、坑道に溜まった地下水を汲み上げていました。


(01)
二圃式農業(高1)・・・古代の地中海沿岸では、冬小麦栽培と休閑を繰り返した農業でした。

(02)
ガイウス・カエサル(B.C.100−B.C.44)(高1)・・・「ガリア戦争」を指揮しました。

(03)
ガリア戦争(高1)・・・アルプス以北のヨーロッパも、ローマの支配下になりました。

(04)
三圃式農業(高1)・・・気候の変化に対応して、「二圃式農業」を改良しました。

(05)
中世盛期・・・農業生産力が高まり、人口が増加しました。

(06)
石炭の需要・・・人口増加により、家庭用暖房燃料として、石炭の需要が増加しました。

(07)
貨幣経済の進展・・・人口増加により、通貨不足となり、貴金属の需要が増加しました。

(08)
地下水問題・・・坑道を掘ると、水がしみ出てきます。水没する前に汲み出さないと!

(09)
ポンプ・・・馬力は、飼育費がかさみ採算取れません。新しい動力源が望まれていました。



【熱機関】・・・馬力に代わって登場したのが「熱機関」です。


(10)
熱機関(高1)・・・仕事が熱に変わるのであれば、その逆もあり得るだろう・・・という発想。

(11)
トーマス・ニューコメン(1664−1729)・・・「大気圧機関」を発明しました。

(12)
ジェームズ・ワット(1736−1819)・・・ニューコメンの蒸気機関を改良しました。

(13)
熱効率(高1)・・・ワットの改造により、熱効率は4倍になりました。



【熱力学】・・・経験則に頼っていただけの熱機関を真剣に研究する機運が高まりました。


(※)事前に、「2変数関数の微分」について学んでおくと良いです。→ こちら

(14)
ニコラ・カルノー(1796−1832)・・・本格的な熱力学が始まりました。

(15)
熱力学第1法則(高1)・・・(加えた熱量)=(内部エネルギーの増加)+(外部への仕事)

(16)
内部エネルギーは温度と体積の関数・・・「熱力学第1法則」を微分してみましょう!

(17)
モル比熱(高2)・・・物質1モルの温度を1度上げるのに必要な熱量です。

(18)
定積変化(高2)・・・体積を一定に保って、熱を加えたときの変化です。

(19)
定積モル比熱(高2)・・・単原子分子なら、気体定数の 3/2 倍です。

(20)
定圧変化(高2)・・・圧力を一定に保って、熱を加えたときの変化です。

(21)
定圧モル比熱(高2)・・・単原子分子なら、気体定数の 5/2 倍です。

(22)
比熱比(高2)・・・定積モル比熱に対する定圧モル比熱の割合です。

(23)
サイクル(高2)・・・熱機関では、サイクルを利用して仕事を取り出しています。

(24)
等温変化(高2)・・・温度を一定に保って、熱を加えたときの変化です。

(25)
断熱変化(高2)・・・熱の出入りがないようにして、圧力や体積を変えます。

(26)
グラフの違い(高2)・・・等温変化よりも、断熱変化の方が、グラフの下降度合が少し急です。

(27)
カルノーの定理・・・熱効率は、2つの温度のみで決まります。



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