リチウム

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高校化学で「金属のイオン化傾向」について学ぶとき、

私が学生の頃は、カリウムから始まっていました。 すなわち、リチウムが含まれていませんでした。

最近の教科書では、リチウムが含まれています。 世の中のニーズに合わせているのでしょう。



【リチウム発見史】

ブラジルの博物学者ジョゼ・アンドラダ(1763−1838)は、

ヨーロッパ旅行中の1800年に、スウェーデンで、長石の1種である「葉長石」を見つけました。



1817年、スウェーデンの化学者ヨアン・アルフェドソン(1792−1841)が、

葉長石の中にリチウム元素が含まれていることを発見します。・・・炎色反応を利用したのでしょうか?

葉長石の化学式は、LiAlSi4O10 です。

2倍すると、2LiAlSi4O10 = Li2Al2Si8O20 = Li2O・Al2O3・8SiO2 となり、

酸化リチウムが含まれていることが分かります。



1821年、イギリスの化学者ウィリアム・ブラント(1788−1866)が、

酸化リチウムの電気分解により、金属リチウムを単離しました。

このとき、アルカリ処理により、葉長石から酸化リチウムを得ていたのかも知れません。



【炭酸リチウム】


酸化リチウムは、水と反応して、水酸化リチウムになります。

水酸化リチウムは、アルカリ金属の水酸化物なので、例に漏れず(予想通り)、塩基性を示し、

二酸化炭素を吸収すると、炭酸リチウムになります。



アポロ13号は、月着陸船に搭載されていた水酸化リチウムキャニスターを命綱としていましたが、

呼気に含まれる二酸化炭素を、水酸化リチウムが吸収することによって、除去していたのでしょう。



【フッ化リチウム】


炭酸リチウムとフッ化水素の反応により生じます。

この反応は、アルミニウムの精錬における“陽極問題”を解決する方法の1つであり、

フルオロカーボンの除去に役立つわけですが、生じたフッ化リチウム自体も、役に立ちます。

フッ化リチウムは、導電性が高いので、電解槽の抵抗が軽減され、必要な電解電圧が下がります。

結果的に、省エネ化することができ、エネルギー効率が上昇します。



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