タスマニアの旅

１８００年代、オーストラリアがまだ英国の植民地だった頃、イギリス本国で犯罪を犯した囚人はオーストラリア開拓のための道路をつくる、橋を架ける、など等の労作業に従事させるため、オーストラリアに送致されました。

しかし、その囚人が今度はオーストラリアでまた犯罪を犯したときは、更なる懲罰のためにメルボルンからバス海峡を渡って南に約３５０ｋｍのところにあるタスマニア島に送致されました。

タスマニアは、イギリスの植民地政策の中で、犯罪人の懲罰居留地として開拓が行われてきたわけで、日本でも江戸時代に犯罪人を八丈島へ島流ししたのと同じような歴史を持っています。

現在はオーストラリアにある７州の一つ、タスマニア州、として独立した行政区で、人口は約５０万人です。タスマニア州の州旗には、今では絶滅したといわれる「タスマニア・タイガー」が画かれています。

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タスマニアの州都ホバートまではメルボルンから飛行機で１時間。ホバート空港が近づき飛行機が高度を下げてくると、前方に人口１８万人の都市ホバートの市街が見えてきます。

飛行機の窓から外を眺めていると、市街地の奥に横たわる山の中腹あたりから大きな煙が上がっているのが見えます。煙の先は右の方にかなりの距離を流れています。おやっ？山火事かな？、それにしても市街地からそんなに離れていないので大変だな・・・と思って見ていました。

ホバート空港で出迎えてくれたガイドの石川さんに聞くと、飛行機から見えた煙は矢張り山火事だそうです。タスマニアは四方を海に囲まれていますが、空気は比較的乾燥しており、植物も油分のあるユーカリの木などが多いので、山火事の発生はそんなに珍しい出来事ではなく、２～３日燃え続ける山火事もかなり発生するそうです。

ホバート市街から車で２０分ほど走ると、シグナル･ステーションと呼ばれる標高３４０メートルほどの小高い丘の頂上に出ます。ここは昔、ホバート港に出入りする船を見張ったり信号を送ったりする信号処（シグナル・ステーション）として使われていただけあって、ほぼ１８０度の眺望が広がる素晴らしいスポットです。

真下に見えるのがホバート市内を流れるダーウェント川の河口。ここはオーストラリアの最南端部。「ここから５，０００ｋｍ先まで大海原で、そこはもう南極です」といわれると、なんか夢が広がる不思議な気持ちになります。

ホバート・リッチモンド	マウント・フィールド国立公園	タスマニア中央部
カタラクト渓谷	クレードル・マウンテン国立公園	マラクーパ鍾乳洞