裏方 その4

ここはチェコの作曲家:マルチヌーのページの舞台裏です。


2003/12/18 fri
・ 『デュオ・チェルネー・オツィ』のコンサート終えた感想なぞをdalsiに書いた。
・ 検索エンジンにURLの変更を届けた。忘れてた。。それにしてもまだ見られるhttp://www.martinu.org/。

2003/11/7 fri
・ 今月17日からドメインが変わる。これまでのhttp://www.martinu.org/は、プラハのマルチヌー財団のhttp://www.martinu.cz/より偉く見えるし、どこの国かわからないのでhttp://www.martinu.jp/を新たに取り直したのだ。http://www.martinu.org/はマルチヌーの組織としては完璧なドメインなので関係者に使ってほしいと思い、世界のマルチヌー関係者にフリーになる旨をネットで報じてあるのだけれど、ひょっとしたら使うかも……と誰かが言ったきり連絡がない。もう秒読みだというのに。。あ、そうそう。管理人のメイル・アドレスも変わります。martinu@martinu.jpです。

2003/11/2 mon
・ マルチヌー協会会員のみなさん関係のページを設置。
・ Intermusicaのページをリンク。アマチュア演奏家のためのワークショップである。ISBM(国際マルチヌー協会)の理事の一人ルクセンブルクのGeoff Piper氏によって創設された。"MusicEnterprise"をクリックするとチェコでのワークショップの日程を見ることができる。アマチュアの演奏家のためのこのようなコースというのは初めて見たが、チェコ人講師陣と一緒にアンサンブルでき、なかなか面白そうである。興味のある方はぜひ覗いてみていただきたい。

2003/10/29 wed
・ パヴェル・コホウトのオルガン演奏会にて、マルチヌーのオルガン曲/Vigilie(前夜:1959)を聴いた。駒場東大900番教室にて。
 D.Buxtehude:Praeludium in e - minor, BuxWV 142、V.Petrali:Pastorale per l'elevazione、J.S.Bach:Partita:Christ, der du bist der helle Tag BWV 766、F.Nowowiejski:Pochod do Katedry), op.8, no.3、R.Schumann:Fuge B dur on the theme B-A-C-H, no.V, VI, op.60とマルチヌー、P.Eben "Sunday Music"から"Finale"。
 P.コホウト氏は、チェコ国立コンセルヴァトワール(ヤン・カルフス氏に師事)、およびプラハ音楽アカデミー実技科修了(ヤロスラフ・トゥーマ教授に師事)。1999年から2000年にかけて、オランダのアムステルダム・コンセルヴァトワールにて、ジャック・ファン・オールトメルセン教授の下でオルガン音楽の歴史的奏法を学ぶ。また、ハラルド・フォーゲル教授、オリヴィエ・ラトリー、ジャン・ボワイエ、ルトガー・ローマン教授の各氏によるマスター・クラスに参加。チェコ国内はもとより、国際的なコンクールにおいても数々の賞を獲得。2000年には第4回武蔵野市国際オルガン・コンクール(東京・日本)第一位および、J.S. バッハの最優秀演奏者に贈られる吉田実記念賞を獲得している。
 最近では、国際音楽フェスティヴァルに招聘され、様々なオーケストラと共演する機会も多い。ヨーロッパの多くの国々(ドイツ、スイス、スペイン、オラン ダ、スウェーデン、イギリス、ポーランド、モナコ、ロシア、モルドヴァ)だけでなく、香港や日本でもリサイタルを開催、大きな成功を収めている。また、 チェコのラジオ局やテレビ局においてもレコーディングを行っている。

 小さいめの体育館のような建物の中に教会のように後方2階部分にオルガンが設置されている。下にいる聴衆には演奏者の姿が見えないので、プロジェクターで鍵盤を撮り前方のスクリーンで演奏の様子を映し出している。こんなのは初めて見たが親切な演出だと思った。お陰でオルガンは門外漢の私にはアーティキレーションを作る指先や、助手の方がタイミングを合わせてストップ(というのですか?レジスターかな)を変えたりする様子が見え、とても興味深く参考になった。
 マルチヌーのVigilieは生演奏は初めて聴いたが、マルチヌーはオルガンの音色にも室内楽やオーケストラに見られる彼特有の響きが聞こえる。ストップで音色を変える部分が、1小節か2小節ごとに変わる箇所があった。オルガン以外の作品では1つの和音ごとに音色が変わったりするから、本当ならもっと頻繁に変えたかったのかも知れない。
 P.エベンは機能の会場のオルガンでは弾けないことが判明したそうで、メンデルスゾーンの"プレリュードとフーガ"になった。
 アンコールで弾いたP.コホウト氏がアレンジした現代風のチェコのクリスマス・ソング:Narodilse Kristus Pa'nは、フーガ風のかわいらしい曲だった。
 他の会場でのコンサートが東京から近かったらもっと聴きに行きたかった。次回を期待しようっと。

2003/10/27 mon

・サロン・ド・マルチヌーに来場くださった東フィルの方へのレスが長くなりすぎるので、こちらに書くことにしました。

> さて、ここからが私も分かりかねるところなのですが、この曲の全曲というのはどのくらいの長さなのでしょう?
> 新版のスコアの表紙には「6つの楽器のためのバレエ」と書かれているので(組曲とは書いていない)、

シャフラーネクの伝記には15分と書かれていて、 PANTONのカタログには「ジャズ組曲と1幕のバレエ」13.25'分なんて書かれています。 このふたつは多分全曲だと思うのですが、CDもたいがい14-15分くらいですよね。 ちなみにLeducの「オーケストラのための組曲:キッチン・レヴュー」の楽譜には16分。 これはまたたっぷりしたテンポですが、そんなに時間に差がないということは、全く新しい楽譜が出てきた、ということでしょうか。 でもそんな話は聞いていない。。 どこがどのようにどうなのでしょうね。

> どこかのバレエ団が上演してくれないものでしょうかね。

著作権の問題でまだまだお金がかかるらしいのです。 でもお鍋のふたとかかぶって踊り子が踊るの見たいです。

> まず第一にホグウッド氏がこの曲を大変好きで自分で振りたかったから。

やっぱり^^\その気持ち、ようくわかります。

> もちろん指揮者無しで演奏する事は可能ですよ、若干練習時間は必要ですが…(^^;

指揮なしの演奏しか見たことがないですから、みなさん書き込んでいると思います。 でもなるほど、本来はピットで弾くのですから、指揮者がいて当然ですね。 私たちが当協会でやったときには、要所要所で合印(?)を決めて、次には誰が合図する、とか書き込んでいました。 パート譜の他に、いちおうスコアもつけられているので、準備段階でそれを見ることはできます。 私もピアノ譜には面食らいましたが、あれは慣れですね。 めくりの回数が減って、譜メクリストつけなくていいのは嬉しいと思いました。 楽しい曲なので、何度も練習ができて、習い性のように音楽が出てくる、というのだと理想ですよね。 なかなかそうはいきませんけど。。

> 「楽屋裏」での最後のフィナーレのアップテンポの件。
> まあ、当日は演奏が熱くなって思わず速くなったというところでしょう。

プレイヤーの方々の雰囲気よかったですもんね。 以前に当協会でやったとき(Leducの楽譜で)、 ハイテンポでやったら受けたので、 調子に乗って次の年にもやっちゃったのですが、http://www.martinu.org/kako-n_95-con.html
http://www.martinu.org/kako-n_96-con.html
2度目にはゆっくりめに演奏したら、あまり受けませんでした。 いい気分で弾くには速すぎるのはあれですが、やっぱり速い方が面白い、というところでしょうか。 ちなみにマルチヌー本人もキッチンは大好きで、 晩年にも朝キッチンを聞くと、いい気分になって発想がわいてくるんだ、言っています。 今日の元気のために、キッチン聴きましょう(笑)。

あ、そうそう。 レンタルだと5万ですって???!!! 日本での演奏で、ちゃんと著作権料を払う、と約束していただくのであれば、 楽譜は無料でお貸ししますから、みなさん、じゃんじゃんキッチン演ってください!


2003/10/20 mon
 10月12日(日)、C.ホグウッド指揮&東フィルの演奏会に行ってきた。マルチヌーの『キッチン・レヴュー』があるので行ってきたのだが、最初のドヴォジャークのスラヴ舞曲1番で、へ~と驚いた。プラハで聴くチェコのオーケストラ、を聴くようだったから。響きといいリズムといい、ボヘミアの匂いが漂よっていて、ひょっとしたらドヴォジャークの8番だっていけちゃうのではないか、と思った。チェコのオケが来たところで季節によれば彼らも必ずしも調子いいときばかりではないので、日本でこれほどのチェコっぽさを耳にできるなんて、感激。アンコールでやはりスラヴ舞曲の18番。これも感激。

 曲と曲との間にピアニストの小川典子さんやホグウッド氏の話があったが、彼は、ドヴォジャークを演奏するときにはドヴォジャーク、モーツァルトを演奏するときにはモーツァルトの、それぞれの時代・作曲家のスタイルで演奏する、というようなことを言っていたが、まさにその通りなのだろう。ドヴォrジャークという発音もずいぶん堂に入っている、と思ったら彼はプラハのカレル大学(東大みたいな大学)で一年間学んでいるのだ(→ホグウッド氏のサイト)。きっとボヘミアの香りというものを身に染み込ませているのに違いない。

 さて、マルチヌーの『キッチン・レヴュー』は、リズムが複雑なので、という理由でホグウッド氏が指揮した。6人程度のアンサンブルなら普通、指揮は要らない。指揮に頼る方が案外不安なのではないか、と思うが。ホグウッド氏自身が演奏したいからじゃないか、あるいは練習時間が少なかったために指揮をした、とか、いろいろ考えてみるのだが、本当に指揮って必要なのかしらん。

 オーボエとファゴットがデュエットするところ……バレエの中では鍋のふたとなにか(忘れました)が愛し合う……で、ヴァイオリンとチェロが交互にピツィカートで、いかにもラヴロマンスといった雰囲気を余し出すのだが、音に余韻を持たせるためにボウを持った手を大きく宙に浮かせる動作をするのが、交互にほあ~ん、ふあ~ん、とシャボン玉が飛んでいるかのように見えて、面白かった。あんな風になるものだとは、知らなかった。

 後半、ヴァイオリンが浮かれて弾くところからはフィナーレに向かってさあみなさんご一緒に、という感じでテンポが上がるのだが、ちょっと速過ぎた。なんのせいだかわからない。でも指揮者がいるのだから、彼がそうしたのだろう。どうなることか、と手に汗握った。もちろんそんな方が緊張感があって面白くはあるが。

 『キッチン・レヴュー』はすでにLeducから楽譜が出ているが、ホグウッド氏の校訂による新しい楽譜が出るらしい。2001年5月にプラハのマルチヌー研究所と大手の出版社:Editio Barenreiter, Max Esching, Panton International Prag, Schottとカンファレンスが行われた。そのときに、ホグウッド氏は『キッチン』についての発表をしている(他にはA.ブジェジナ氏が『ギリシャ受難劇』の第1稿について、香港のS.チョア氏が交響曲第4番、などの研究成果を発表しながら、出版にこぎつけるまでの問題点について話し合った)。今回は、その校訂途中の楽譜を使っての演奏だったが、例の速くなる箇所に、なにかそれらしい注意書きでもあるのだろうか。早く新しい楽譜が見たいものだ。


・新ページ〝裏方パート2" を設置:チェコもの以外のあれこれについて書いたページ"dalsi"(ダルシー:チェコ語で〝その他" の意)。


2003/9/8 mon
・7日(土)に第17回例会:勉強会無地終了。小野さん、高野さん、初めてお会いする仲手川さん、今年の新入会員の池田さん、池田さんは、マルチヌー協会には初めて出席されたのだけれど、ビデオ・デッキの前に座り画面の操作をしてくださいました。ありがとうございます。長年会員でありながら会に出席するのは初めてくらい、とおっしゃっていた音楽評論家の高橋昭さんはご夫婦で来場された。佐川先生とは音楽関係の仕事を始められてからのお知り合いなのだそうだが、知り合われからわかったことは、なんと地元同士で小学校でも大学でも同級生、ということだった。勉強になりました、と言って帰っていかれたので、嬉しく思った。またぜひいらしてくださいね。一般の方としてはチェコの音楽ファミリー、ベンダ一家の末裔を調べておられる、という浜田さんが来場。全くベンダとは関係ない出し物だったけれど、楽しんでいただけたでしょうか。MLチェコ・ナウから入江さんが、実はマルチヌーのファンです、と来てくださった。おお!と感激するのを押し隠して歓迎。あと関根、有吉氏と私を合わせて11人。相変わらず少人数なのだけど、密度の濃い会ではあった。

・去年の例会で使わせていただいたきり、使うことがなかったという佐川先生宅のビデオ・デッキの調子が悪く、10分おきくらいに音声が途絶え、映像もなくなってしまうのにはまいった。これからも使わせていただきたいので新調していただければ、なんて思うのは虫が良すぎるかしらん。後半のトロヤン&トルンカは、私の家のビデオを持ち込んで繋げたので調子よく過ごせたが、メインのはずのマルチヌーのオペラがちゃんと観れなくて、残念だった。

・しかしながら、トルンカとトロヤンのコンビもとても興味深いものがあった。解説を聴くとアニメ素人の私にも観る目が備わったようになり、ただ観るだけだったアニメ鑑賞も違った見方ができるようになった。まだ『イジー・トルンカの世界』はユーロスペースで上映されているので(9月19日まで)、まだ観ていない2作:真夏の夜の夢と皇帝の鶯を心して観ようと思う。トロヤンの音楽は音使いが面白い。アニメの場面場面にふさわしい音楽、というばかりではなくて、トロヤン自身の楽器に対する認識・理解と料理力によるところだろうと思う。そこに注意すると、アニメを観なくとも音楽を聴いているだけでも楽しめる気がする。マルチヌー他の現代音楽作曲科との比較、とまではいかないが、チェコらしさや発想の共通性のようなところも感じられたように思う。マルチヌーばかりではなく、チェコの文化一般についてのこうした講義もなかなか有意義なものですね。マルチヌーを聴くばかりがマルチヌーを知ることに繋がるわけでもないのだし。今度からこういうカップリングでやっていくのはどうかしらん。

2003/7/16 wed
・久々に前の裏方を読み直してみたら、結構面白いし、フェスティヴァルの報告なんて、常時置いておくべきだと思ったので、トップからリンクした。興味のある方はもう一度読んでいただきたい。→ここ。
・この間(7月11日)にあったチェコと日本の現代音楽のコンサートについて書きたいと思っているのだけど、なかなか書けないんだな~。
・マルチヌーのオペラ〝アリアドネ"のヴィデオ鑑賞会を9月にやりましょうか、なんて言っている。9月の早いうちの土曜日。いかがでしょうかしらん。

2003/7/10 thu
・ブルノ歌劇場オーケストラ来日公演:ドヴォジャーク/テ・デウム、ヤナーチェク/タラス・ブーリバ、グラゴル・ミサ、上野文化会館大ホールにて
 じとじとと湿っぽいし、なんかだるい気分で左側2階端の席。パリッとしない演奏で、欲求不満が残った。テ・デウムは、なにが悪いのかわからないけれどよろしくなくて、関根氏曰く、たとえばタラス・ブーリバはテンポが速すぎるのですよ。そうかも。それぞれの楽器はそれぞれにちゃんとしているのだけど、うまいアンサンブルを聞かせてないように思えたのは、テンポが速すぎたせい? 空気の重い日本で、なんかだるいし、木製の楽器は調子悪いし、でも、日本に来たのだファイト一発!というプロ意識があるにせよ、最初から息切れ状態で無理があったのでは?という気がする。日本人にだってこの湿気はきついのだ。チェコはブルノのオケだ、全部チェコものだ!と勇んで行っても、本物は聞けない。誰が悪いのでもありません。日本の気候のせいです。

2003/5/12 mon
・久しぶりの更新。スロヴァキアの民俗舞踊団シャリシャンと共に民俗楽器の演奏家そして楽器作りの名人であるT.コブリーチェク氏の来日にちなみ、1998年の旅行記をリニューアルし、楽器解説のページを作った。
・シャリシャンの公演でコブリーチェクさんの演奏と楽器解説を入れたのが、大変好評だった。思いがけず民俗楽器に興味を持っている人は多いものである。根源音楽が人気を博している昨今、南米やケルトの楽器に興味が集まっているが、まだまだ目にも耳にも新しいスラヴの国々の楽器や民謡をわずかながらも紹介できて嬉しい。楽器解説のページには詳しい写真や民謡の楽譜なども盛り込んでいくつもり。ご期待あれ!

2003/3/24 mon
・どういうつもりだろう、といぶかってしまうが、サボりにサボって1年たってしまった。それ以前からのことを考えると、ファンのみなさまには申し訳ない、と言うしかない。来年度はちょっとまじめに更新しようと思う。
 今年1月に来日したマグダレーナ・コジェナーのコンサートが3月18日にNHKBS2クラシック倶楽部で放映された。1月17日に東京オペラシティで収録されたもので、曲目は新シュパリーチェク 全8曲を始め、クシチカ「北国の夜 Op.14」、ヤナーチェク「歌によるモラビア民俗詩から」、ドヴォジャークの「民謡風の歌曲Op.73」、ショスターコヴィチの「風刺-過去の情景 Op.109より」や他のチェコ近代作曲家の作品などである。こと新シュパリーチェクは凸版ホールで本番を聴いたときには、ピアノの伴奏がやたらと速く、やや荒削りに感じたのだが、収録ではそうでもなかった。ドヴォジャークの「民謡風の歌曲 Op.73」は小さな曲集ながら大曲のように聴かせていたのと同じように、ひとつひとつの小品を丁寧に作っていた。コンサートで出会ったモラヴィア出身のチェコ人は、ヤナーチェクやドヴォジャークの民謡調の曲を聴いて、故郷を思い出して、すっごくよかった~とすっかり満足していた。テレビで見るとそうでもないが、ホールなどで遠目に見ると梅宮アンナ似の長身のコジェナーは見目麗しく、知的に聞かせながらもやたらに声を張り上げるタイプでないところに親近感を覚え、楽しくしっとり満足させてくれる歌い手だと思った。また聴きたい。


2003/3/14 fri
・リンクのページをM.M.さんのHP:M.M's Classical Music Gardenにリンクさせていただいた。音楽愛好家の方でリンクの種類が豊富なことと、チェコ界隈の人々のHPが近隣に並べられていたので不躾ながらお願いしたところ、快諾をいただいたものである。Czech Classic Musicなるページも作っておられる。コンテンツが増えるのが楽しみ。

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