話し方総合コンサルティング
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 [大勢の前で話す基本]


 社会の成り立ちが複雑になり、個人の生活も拡大してきますと、大勢の前で話す行為は特定の人の役割ではなくなってきています。誰でも気軽に人前に立って自分の思いを話すことが求められる社会に変わってきているのです。
 したがってパブリックな場面での話す技術に習熟することは、個人の趣味的な行為ではなくなってきています。それはもう社会的要求となってきているのです。

1,大勢の前で話す心得 

(1) 話す勇気を持つ

 大勢の前に立つことは怖いということは誰でも感じます。だから勇気を持って話そうというのではありません。大勢の前に立つ抵抗感は何回か場数を踏めば解決されます。
 本当の怖さはその後にきます。聞き手の中には自分の考えに反対する人がいます。話の出来不出来を批判している人がいます。ときには話したことを無視されたり、その後の生活に影響が及ぶことだってあり得るわけです。大勢の前で話すことは、大なり小なりこれらの怖さにさらされるということなです。
 だから「いろいろ意見はあるだろうが、わたしはこう思うのだから話すのだ」と覚悟を決めて話すことが求められます。この意気込みを持つことが、勇気を持って話すということなのです。

 (2) 内容をまとめる

 雑談ならば話をまとめることは気にすることはありません。しかし大勢の前に立つならばそれなりのまとめが求められます。
  ◆何を話そうかを自分にはっきりさせる
  ◆わかりやすく伝わるように内容を組み立てる
  ◆相手を意識して相手に対応して話を進めるようにする

 (3) 堂々とした態度で話す

 人前で話すことは、全身を人前にさらすことでもあります。聞き手は目に映る態度から話を評価していることを忘れてはなりません。
  ◆素直で自然な態度であることです
  ◆親しみを見せながらも毅然とした姿で立ちます
  ◆服装や振る舞いにも気を配ります

2,話を効果的にするには

 (1) 例,話材を生かして

 筋道たてて話すことはもちろん大事ですが、あまり理屈に過ぎた話は聞き手を退屈させたり、かえってわかりにくくさせます。聞き手の生活レベルにあわせた例や話題を適切に活かして話します。

 (2) 声音を活かす

 特に大勢に対するには声の響きは大きな役割を持ちます。声は単なる音の響きではなく、その人の人柄や人格を表しています。聞き手は声を通して話を評価していることに気づくべきです。
 また語調、抑揚、間等技術面にも声を活かしていきましょう。

 (3) ゼスチュアを活用する

 話の理解を図る補助手段としてゼスチュアを有効に使います。ゼスチュアは癖と混同しないでください。できるだけ自然であることが望ましいです。

 3,話の構成の基本形式

 (1) 三段階形式

  ◆序論→本論→結論(一般式論文形式)  
  ◆序→破→急(舞楽・能楽の形式で、導入部・展開部・集結部の意)

 (2) 四段階形式

  ◆起→承→転→結(漢詩の絶句形式)
  ◆序論→主題→本論→結論(三段階法の応用)

 (3) 五段階形式

  ◆序奏→主題提示→主題再現→終尾部(楽曲の形式)
  ◆序論→主題→本論(1)→本論(2)→結論(三段階法の応用)


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 [スピーチのしかた]


 スピーチとは、祝い事などの集まりの場でなされる式辞・挨拶などのことで、昔は「テーブルスピーチ」と呼ばれていました。結婚披露宴における祝辞などが代表です。

 1,スピーチが行われる場面

 (1) 慶祝パーティ

 婚約披露宴 ・ 結婚披露宴 ・ 結婚披露二次会 ・ 結婚記念会 ・ 賀寿パーティ等

 (2) ビジネス関係行事

 創立記念パーティ ・ 開設披露パーティ ・ 永年勤続表彰 ・ 職場行事 ・ 歓送迎会 ・ 社員旅行 ・ 退職者慰労会等

 (3) その他の行事

 褒章受章祝い ・ 趣味・同好会 ・ 町内会行事 ・ 学校行事 ・ 同窓会・クラス会 ・ 快気祝い ・ 出版記念会 ・ 新築祝い等

 (4) 仏事の行事

 通夜・告別式 ・ 忍ぶ会 ・ 納骨・野辺送り ・ 法事等

 2,スピーチの基本パターン

 スピーチは「大勢に向かってする雑談」といわれますので、あまり形にとらわれることはありません。でも基本となるパターンはありますので、パターンにあわせその上にオリジナルものを加えるとよいでしょう。

 @ 初めにあいさつ
 まずはあいさつ言葉です。「このたびはおめでとうございます」「お呼びいただきありがとうございます」などです。

 A 自己紹介
 自分を名乗ることがマナーです。「わたくしは○○です」「ご指名を受けました○○と申します」などです。

 B スピーチをする
 用意してきたスピーチをします。

 C 終わりのあいさつをする
 「ありがとうございました」「どうも失礼しました」などの結び言葉で終わります。また自分の名前を再度名乗ることは有効です。

 3,スピーチの構成

 (1) 話は短めに

 会合の目的によっては何人もの人があいさつをします。話は短めにするほうが会の進行をスムーズにします。3分を限度としておきましょう。

 (2) 楽しい内容の話を

 会を和やかに盛り上げていくにはスピーチは楽しいものが喜ばれます。ウイットに富んだ話なら最高です。

 (3) オリジナリティなものを

 紋切り型の話は聞き手を退屈させます。

(4) 言葉遣いに配慮する

 堅苦しくなく、くだけすぎないふだんの生活言語で話しましょう。
   ◆適切な敬語を使う
   ◆忌み言葉はさける方が無難
   ◆仏事では遺族の神経に障るおそれのある言葉は控える



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 [聴衆分析法]


 話は聞き手に対応して話すことが大切です。大勢に対して話すときは特に重要です。相手を考えず気ままに話したのでは、退屈させるだけでなく肝心の内容をわかってもらえません。 
 どんな人が聞いているのか、どのように聞いてくれるのか、どんな話を望んでいるのかなどに意を配らなければなりません。こうした聴衆に気配りをする行為を「聴衆分析」といいます。
 聴衆分析は、表に現れない聞き手の心の動きをまさぐるわけですからとてもやっかいです。でもとても大切なことですし、経験を踏んでいけば次第に聴衆をつかむことができるようになります。
 いきなり見知らぬ大衆の前に押し出されて「さぁ、話せ」と言われては話せるものではありません。話すテーマが決まっているなら事前準備から始めましょう。

 1,話す前の分析

 (1) 聞き手の構成を探る

  ◆年齢、性別等を調べる
  ◆人数を調べる
  ◆立場(職業等)を調べる

 (2) 聞き手のニーズを探る

  ◆何を聞きたがっているか
  ◆どの程度に知りたいのか

 (3) 話す場(環境)を見ておく
  ◆会場はどうなってるか
  ◆障害となるものはあるか

 2,話しながらの分析

 聴衆の心理は常に動いています。気持ちよく聞いていてくれると思っていたのに、気がつくとうんざりした表情でいたりしています。話しながらいつも聴衆の気持ちの動きを観察していることが大切です。

 (1) 聞き手の表情、動きを観察する

  ◆こちらを見てくれているか、下や横を見ていないか
  ◆無用な動きはないか
  ◆表情に飽きてる様子はないか
  ◆休憩を求めている様子はないか

 (2) 外的な条件に気を配る

  ◆室外の騒音がじゃまをしていないか
  ◆部屋の温度は適当か
  ◆部屋を出入りする人がいて、聞き手の邪魔をしていないか
  ◆自分の周りや背後に、聴衆の気をそらせるものはないか

 (3) 全体から自分の話は聞かれているかを感じ取る

  ◆聞き手はうなずいてくれているか、それは全体の何割くらいか
  ◆何か指示したとき(レジメを見てくれと言ったとき等)すぐ応じるか
  ◆話が変化したとき聞き手の表情なども変わるか
  ◆全体の雰囲気から、聴衆の関心は自分に向いているか

 3,話した後の分析

 話し終わったら済んだこととして忘れるのではなく、いま話したことの振り返りが必要です。
これは次の話の機会を、より効果的にするになるからです。


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 [プレゼンテーションのしかた]


 プレゼンテーションとは、ごく簡単にいうと「アメリカから輸入された話し方手法」と言えます。そしてほとんどの場合仕事(ビジネス)と関わり合っています。
 そもそもプレゼンテーションは、企業の営業活動の必要性から取り上げられてきました。社会構造の変化から企業が販売するものは、物そのものより物の活用のしかたをわからせなければ、売れないようになってきたのです。


 そこで活用のしかたを説明する必要からプレゼンテーションが注目されてきたのです。
 身近な例を挙げると、現代社会はパソコンが不可欠になっています。しかしパソコンだけを買い入れても使い方がわからなければ何の役にも立ちません。そこでメーカーはパソコンの使い方や、パソコンを使った生活の便利さなどを、顧客を集めて話すことになります。このときの話し方がプレゼンテーションといえるわけです。
しかも説明の上手下手は、企業の売上げを左右してきます。次第に企業はプレゼンテーションに力を入れるようになってきました。
 現在ではプレゼンテーションは営業面だけでなく、ビジネス界の広い面で必要とされてきています。

 1,プレゼンテーションの外形的特徴

 (1) 何かを示しながら話す

 何か形ある物を示し、それについて説明します。聞き手には何を説明しているかわかるものがプレゼンテーションの題材になっています。したがって聞き手がつかみにくいもの、例えば「今わたしの悩んでいること」などふさわしいものではありません。

 (2) 複数の人を対象に話す

 ふつうプレゼンテーションは「1対多」の形をとります。もちろん「1対1」のときもあります。

 (3) 多くはビジネスが関わる

 プレゼンテーションの発生源がビジネスからですから、現在も受け継がれていると考えてよいでしょう。例外的にビジネスに関係ない場のプレゼンテーションもあります。

 (4) あまり長時間にわたらない

 理屈のまさる堅い話というのがプレゼンテーションの1面です。長い話は聞き手を疲れさせ効果が下がります。したがって手際よくさっと進めるというのがプレゼンテーションの姿です。

 2,プレゼンテーションの内面的特徴

 (1) 表現の論理性

 しっかりと筋道たてて話すことが求められます。理論と論理でわからせることになります。

 (2) 性格の理知性

 プレゼンテーションの内容には、感情を持ち込まないというのが原則です。理知的側面をもって話すことが求められます。

 (3) 内容の確実性

 内容は正確であるか、取り上げる数字等に間違いはないかなどは厳しく問われます。

 (4) 情報の生産性

 聞き手にプラスとなる、役立ってためになるものを提供するのがプレゼンテーションの本質です。

 (5) 目的の説得性

 相手のために提案するものですから、それを受け入れるよう説得するのが目的となります。
 ただし現在プレゼンテーションは広い範囲で取り入れられているので、説得性は必ずしも必要としなくなっています。

 3,プレゼンテーションの実際

 (1) プレゼンテーションの発想

 何をプレゼンテーションするかを決めることです。この発想如何がプレゼンテーションの質を決めます。

 (2) プレゼンテーションの構成

  ◆材料を集めます。材料集めがよいほどよいものに仕上がります。
  ◆集めた材料を元に話を組立てます。プレゼンテーションの標準パターンは以下のようです。
    a.あいさつ、自己紹介
    b.タイトルの提示
    c.主題の提示、または総論的説明
    d.本論の具体的説明
    e.要約してのまとめ
    f.あいさつ、謝辞

 (3) ツールを活用する

 ツール(視聴覚機材)を活用するのがプレゼンテーションの特徴です。ツールには次のようなも
のがあります。
  ◆板書 … 黒板(白板)の使用です。
  ◆OHP … 現在は様々なものがあります。
  ◆ボード … 板に張り出すものです。
  ◆プロジェクター … 現在の主流になっています。なお近い将来には、動画機能のDVD   が主体になっていくと思います。
  ◆その他


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 [話の障害の克服法]


 大勢の前に立ったときの緊張感、これが話の障害の具体的なものでしょう。ふつう「あがる」と表現しています。
人前で話す経験が浅いうちは、この緊張感はとても怖いもので、ときに耐えられなくなり肉体的に変調を来すことだってあります。
 なぜ大勢の前は怖いのでしょう。心理学的には幼児体験に根ざしています。幼少時、人の注視を受ける場面(家の来客の前とか)において失敗体験をしたとき、それが記憶にとどめられます。
 たとえば来客があるとき母親が「ごあいさつなさい」といいます。子供はおぼつかない言い方であいさつしますが、その姿が客の笑いを誘います。客は可愛らしい子供の仕草につい微笑んだのですが、子供にとっては自分の行為を笑われたととるのです。自分でもスムーズにいかなかったあいさつは恥をかく結果になったのです。
 そして失敗体験として意識され、記憶の袋に収められます。
 これらの失敗体験は少年時、青年時と重ねられ、いつか大勢の前は怖いもの、恥をかくもの、避けたいものとの固定観念ができあがってくるわけです。これが「あがる」というものの正体です。
 ではどうしたらよいでしょう。

 1,障害をのぞくために

 (1) 「あがる」ことを認める

 人前ではあがるものだと考えましょう。あがることから逃れられないと思いましょう。あがらずに話そうというのは無い物ねだりと思いましょう。そう思いこめば気分はいくらか楽になります。

 (2) 思ったままを話す

 格好良く話そうとの気持ちはいけません。自分にプレッシャーをかけます。思ったことを飾りをつけずに素直に話すようにします。素直な話こそいちばん人に受け入れられるのです。

 (3) 実力以上にも実力以下にも話せない

 実力以上の話はできないことは誰もがわかっています。しかし実力以下の話もできないことを意外に知りません。大勢の前ではいつもの話ができないのではと思い萎縮しがちですが、安心してください。実力以下の話もできないのです。どんなときでも話はその人の力をそのまま見せているのです。

 (4) せめて自分は認めよう

 話の後、自分の話をほめてあげよう。うまくできなかったときは「頑張ったのにしょうがないよ、あれでいいんだ」と慰めましょう。自分の話は自分が産んだ子供と同じです。できの悪い子ほど可愛いでしょう。せめて自分だけは自分の話をほめてあげましょう。
ただし他人からの慰めやほめ言葉を求めてはいけません。

 (5) 経験を重ねること

 結局は経験を重ねることです。何回も場数を踏めば苦しみは薄らいでいきます。

 2,本当の話の障害は

 大勢の前に立ってもあがらなくなった、それなりに思うことが言えるようになったといえるようになるまでは、それほど難しくありません。10数回場数を踏めば誰でも落ち着いて話せるようになるものです。
 そしてその障害をクリアしたとき、本当の話の障害はやってくるのです。それは何かというと、 自分の話し方の才能のなさに気づいたときです。
 見識の狭さ、知識の浅さを感じたときです。このために聞く人を魅きよせられないことの悔しさです。
 相手に頷かせられない切なさです。自身の卑小さを感じる惨めさです。
 そしてこの障害は、自分で解決するほかはないのです。



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