パリの休日


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9月19日

モンパルナスタワー

 パリは予想以上に寒い。前日の夕方は千葉地方真冬並みで、夕食を済ませたら直ぐホテルに引き上げたが、ホテルもまだ暖房が入らず寒くて参った。

 19日は、6時目覚ましをセットしていたが、6時半頃にベッドから出て、朝食は7時過ぎからホテルで食べた 。昨夜は寒かったので朝はゆっくり9時過ぎにホテルを出ることにした。

 今回のパリの宿は、パリ市内の移動に利用する路線バスの発着場所(多くの路線バスが停車する停留所)が近いこと、帰国時にCDG空港へのエアーフランスのバスの発着場所に近いこと、サン・ジェルマン・デ・プレ地区に徒歩で行けること(娘の希望)等を勘案して、モンパルナスのタワーおよびモンパルナス駅に近接し、小さな公園に面した小さなホテルを選択した。ここに3泊して、市内観光とベルサイユ宮殿ツアーの基地とすることにした。
 

シャン・ド・マルス公園から見るエッフェル塔

 この日の行動開始は、ホテルを出て、まず、エアーフランスのCDG空港行きバスの出発場所の確認から。その後、92番の路線バスでエッフェル塔方面へ向かった。旧陸軍士官学校近くで下車、そこからシャン・ド・マルス公園内をゆっくり歩きながらエッフェル塔へ。色んな国から来訪した観光が客多く、それらの何人かにカメラのシャッター押しを依頼される。また、日本人らしき人達もちらほら。

 ところで、今日の観光コースは当初予定していたのとは全く異なり、前夜に娘が急に計画して決めたものである。娘は、パリに到着するまでは市内観光にはさほど興味を示していなかったが、パリに到着して思いが一変したようだ。とりあえず、典型的なパリ観光コースであるエッフェル塔から始まり、次の凱旋門、シャンゼリーゼなどありきたりの名所巡りも含めた市内観光となった。


シャンゼリーゼ通り側からみた凱旋門

 約1時間後に下車したバス停へ戻り、同路線番号のバスを利用して凱旋門へ、そこからシャンゼリーゼの散策を開始。凱旋門からシャンゼリゼ通りは、約30年前の来訪時の思い出が一番鮮明に残っていた場所であり、自分が最も希望した場所でもあった。

 なお、後述するように、この日は9時にホテルを出発して4時前にホテルに帰着するまで、1時間の昼食時間を除いては歩き通しでかなり疲れた。この日の歩行距離は、最近ではないことで我ながら驚くばかり。最近は、ゴルフでも乗用カートを利用することが多いので、ここまで歩くことはない。

シャンゼリーゼ通りの街路樹

 凱旋門からコンコルド広場へ向かって約2Kmの穏やかな下り坂の大通りをゆっくりと南下。 途中、約1時間ほど通り沿いの有名店(ラデユレの店)に立ち寄り、今回の我々の旅では些か贅沢なエビフライ料理と娘が同金額のラム肉ステーキで昼食。

 シャンゼリーゼも終わりに近くなって、途中でコンコルド広場まで2駅間だけバスを利用したが、基本的にはパレ・ロワイヤルまでの全工程を歩き通した。

チュイルリー公園内の池

 コンコルド広場からパレロワイヤルまでは路線バスを利用する予定であったが、適当な路線を発見できず、予定していなかったルーブル美術館前のチュイルリー公園内を経由して全部歩くこととなった。予定変更で、斯様なこととなったのが事実だが、美しい公園内の散歩は、結果的には良い一時を持てたということになった。

 天気は晴れに転じて、朝夕と違って、昼間はかな温かくなり助かった。ただ、この時期のパリは一応冬支度で来たほうがよいことを実感した。

ルーブル美術館玄関のピラミッド

 チュイルリー公園内を歩きながら、ルーブル美術館へ入ってみたい衝動にも駆られたが、見るべきものが多い壮大な美術館を短時間訪ねても欲求不満が残るだけと思い、諦めることにした。ただ、美術館の玄関部のピラミッドの周辺は観光客で混雑し、多くの観光客の興味をそそる一大ポイントであることを伺わせる光景が見られた。

 この美術館を堪能するには、一日以上の時間をかけて計画的な見学が必要であろうと思う。

パレ・ロワイヤル

 翌日のヴェルサイユ宮殿行きの半日ツアーの車の発着場所であるパレ・ロワイヤル前広場(ルーブル美術館の横)を確認した後、95番のバスでモンパルナスまで引き返し、4時前にホテルに帰着した。

 その後は部屋でのんびりを決め込んだ。なお、娘はサン・ジェルマン・デ・プレ地区で下車、買い物等で時間潰して、1時間後に帰着したあと、また出かけて7時半頃にホテルに帰ってきた


 昼食ががっちりだったので、夕方になっても腹へらず、夕食は娘が買ってきたパンその他で軽く済ませる。

美しいマロニエの街路樹下のカフェ

 パリの街路樹は、プラタナスとマロニエ。プロヴァンス地方でも多くみられたプラタナスは、パリでもまだ少し緑を保っていたが、マロニエは落葉はまだだったが少し色づき始めて秋の訪れを告げていた。

 ところで、ニースでもアヴィニヨンでもパリでも、どこでもフランス人は喫煙者が多い。しかも、歩きながらのくわえ煙草も多く、吸殻もあちこちに捨てられており、日本人よりもマナーが悪いように見受けられる。特に、女性の喫煙者が多いように見えるのは、昔の東ドイツなどで見られたのと同じ現象である。この喫煙問題は、今回の旅で唯一不愉快な思いを抱いた一件である。


 
9月20日

宮殿の中庭<観光客の途絶えた瞬間に>

 6時起床、部屋で食事を済ませて7時10分頃ホテル出発、TGVモンパルナス駅前から95番のバスでパレ・ロワイヤルへ向かう。朝の渋滞もなく、予定よりもかなり早く10分少しで到着してしまい、「ヴェルサイユ宮殿半日ツアー」バスの8時半の出発まで1時間も待つことになったが、遅れて慌てるよりは安心第一と自らを慰めることにした。

 少しバスの出発が遅れたので、ヴェルサイユ宮殿には9時半から11時半までの二時間滞在この時間にも多くの観光客<中国人の団体客の姿も多く見かけた>が押し寄せており宮殿内は前に進むのも容易ではないほどの混雑ぶり。


鏡の間の窓越しに見た庭園

 今回の旅でヴェルサイユ宮殿を訪ねる気になった理由の一つは、広大な庭園を散策してみたいというものであったが、現場でその想像以上の広大さを直接目にして、一気にそのが失せてしまった。宮殿内の2階の鏡の間の窓越しに写真を撮ることで我慢することにした。昨日の歩きすぎが災いしたか、朝から腰と股関節が痛んで、宮殿内を歩くのも一苦労、広大な庭園まで歩き回る気力は全く無かった。体力的には、今日は昨日に比べて厳しい日となった。

 ヴェルサイユ宮殿近くの朝市に1時間ほど立ち寄り(チーズ、ホアグラの缶詰等購入)、パレ・ロワイヤルに午後1時過ぎに帰着。

セーヌ川を行きかう観光船

 パレ・ロワイヤル近くの高級カフェでコーヒー(一杯800円で些か高め)を飲みながら少し足を休めて、2時前には67番の路線バスを利用してサン・ルイ島へ。ここで、娘はショッピングへ、自分はセーヌ川に架かる橋の上から川を行き交う観光船を写真に収めながら1時間の時間を潰した。

 朝は雲も多かったが、昼前から日射しもあり、天気は最後まで恵まれた。気温は、ニースでは最低20度最高30度だったが、パリは10度低く最低は10度前後最高は20度前後と言ったところ。
橋の上の時間つぶしも快適な気候で苦にならない。


サン・ルイ島側から見るシテ島とノートルダム大聖堂

 また、サン・ルイ島の橋の上からシテ島のノートルダム大聖堂の写真も撮ったりしながら、1時間は退屈することもなかった。

 今回は、シテ島へは立ち寄らなかったが、この島はパリ発祥の地であり、パリの0番地(?)となっており、パリの中心地とも言われているようである。バスの車窓から大聖堂の前の広場には驚くほどの人の群れが集まっている光景が見られた。

 3時過ぎに路線24番のバスと路線58番のバスを乗り継いでモンパルナスへ4時少し前に帰着した。



バスク地方のフォアグラ入りのサラダ


スーパーに並ぶマンゴウや金柑

 路線 58番のバスで通過したモンパルナス大通りには、美味しそうな立派な店が沢山有りそうなことが判明、今夜は疲れた体に鞭を打って再度外出して、その中の一つを選んで夕食を採ることにしようと思ったが、ホテルからの距離が予想以上にあることが判明、結局、ホテルの近くでバスク地方の料理店を見つけて、鴨肉のシチューと鴨肉とフォアグラ等の入ったサラダでの夕食となった。







 夕食後、ホテルにへの帰路で立ち寄ったスーパーマーケットの果物売り場にはマンゴウ等の南国の果物から自分が好物の一つとする金柑など豊富な新鮮な果物が並んでいた。

 今日は、腰と股関節が外歩きの間中痛んで、我が身の脆弱さを強く思い知らされた一日となったが、先ずは大したトラブルもなく、楽しいフランスの旅での最後の夜を迎えられたことを感謝したい。
9月21日

CDG空港内のAFのラウンジ内



帰路のAF便内の機内食

 6時20分起床、ホテルで朝食を食べて、フランスに来て初めてのNHKの朝ドラ(おひさま)を見て、8時半の少し前にホテルをチェックアウト。近くのエアーフランスのCDG 行きバスの発着場所に向かう。
モンパルナス発でパリリヨン駅経由の9時のバスで出発、10時にはCDGのターミナル2Eの横に到着。娘がお土産品の免税手続きをしている間にこれをメモしている。これから、約12時間のフライトを経て、22日8時過ぎに日本の土を踏むことになる。

 土産としてワインとウィスキー(マッカラン)を購入後に、エアーフランスのラウンジに入ったのが12時過ぎ、心臓の病を考慮して旅行中は控えていたアルコールだったが、初めてワインを少し飲んだ。



今回の旅を総括すると
1)  訪問地、日程の計画は合格点
  パリ滞在をもう一日伸ばせばという思いもあるが、当初頭に描いた旅の目的がほぼ達成できた

2)  旅行時期も良い選択と評価
 パリは朝夕は少し寒かったが、まだ初秋の風情。マロニエのは葉っぱは今にも散りそうで茶褐色になっていたが、プラタナスの葉っぱはまだ緑を保っている状態。町では、極端な寒がりの自分はユニクロのダウンで完全冬支度で過ごしたが、ダウンコート着用者もいれば半袖姿の人もちらほら。