インドネシアの数少ない貴重な祝日であったが、ゴルフのために使ってしまった。ゴルフは、日本に帰っても何時でも出来るから、インドネシアにいる内にもっと有意義な時間の使い方を考えたほうがよいとは思いながらも、なかなか実行できない。観光地まで足を延ばす時間も無いし、政情不安のため気楽に何処へでも出かける状況にないこともあるが、ゴルフに関連したことしか情報が無い。
数年前までは、インドネシアのゴルフ場のほとんどで、Caddieは男性であったが、最近の新設のコースでは若い女性に変ってきている。重いクラブのキャリーバッグを担いでの重労働であったのが、手引きや乗用のカートが発達して女性でも容易になったことも大きな要因であろうが、ゴルフ場側の客寄せ目的もあるように思われる。小生もこの傾向は大歓迎である。男性Caddieのなかにはボールや小道具を抜き取る不逞の輩もいて、気が抜けないことが多かったが、女性に変ってからそのような事も無くなり、雰囲気も何となく和らいできたように思う。
小生が通っているスラバヤ郊外のコースでもCaddieは全員女性である。Caddieの年齢は20−28歳位がほとんどで、既婚者が半数以上を占めているようだ。この国では、女性が実によく働く。男性よりも、むしろ女性のほうがよく働くと言っても過言ではない。小生の現場事務所で、事務職として採用している女性の多くが既婚者であり、また最近結婚した女性の全員が結婚後もそのまま働き続けている。企業のトップは別として、多くの職場で男性よりも女性が重要な役割を担っている例は数多く見られる。
この国では、一般的に結婚年齢も低く、Caddieの多くが既に子持ちで、一家の家計を担っていると思われる。そのため、仕事振りも真面目で手抜きがなく、馴染みの客の好みも心得てまめに働く。グリーン場のラインも一生懸命勉強しており、日本のCaddieの場合よりも頼りになることも多い。
何よりも、若い女性Caddieと一日中一緒にコースを廻るというだけでも、楽しめるものがある。小生が毎週通ってゴルフ場でも、多くの客が(Caddieに左右されることはない、と言いながらも)それぞれ好みのCaddieを指名し、馴染みとなっている傾向が見られる。一日に2ラウンドも廻れば、約10時間も行動を共にすることになるから、出来れば好みのCaddieであって欲しいのが人情であろう。小生も大体同じCaddieを指名していて、あまり変えることはない。時折気分転換に指名を変えると、指名された本人が「どうして、あの子でなくて私なの」と言われるくらい周囲に知れ渡ってしまったようだ。
小生は、この10時間をもっぱらインドネシア語の勉強に使っている。ほとんどのCaddieが英語は全く話せないないから、こちらがインドネシア語を話さないと会話が続かない。メモ帖なしでしかもインドネシア語以外は全く駄目な相手との勉強のため、非効率でなかなか成果が出ないが、この10時間は貴重である。少しでも英語の単語を理解するCaddieを探し出せれば、もっと効果的とは思うがなかなか巡り会えないものである。 <1999年3月18日記>
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