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3-1. ISO14001 3-2 労働安全衛生マネジメントシステム規格
1.労働安全衛生マネジメントシステムが発行された。
 2018年3月にISO45001規格が発行されました。本規格は1994 年5 月に国際標準化の提案があり討議が開始されたが、ISOとILOの立場の違い、考え方の違いにより、議論が進みませんでした。2013年にILOの歩み寄りがありISO規格化が決定され、2018年に規格発行に至りました。 この辺のところの詳細(ISO45001ができるまで等)は日本規格協会のHPに平林良人さんが書いています。 

2.規格要求事項
規格要求事項の構成はISO9001:2015,ISO14001:2015と同じく、 要求事項の雛形(ISO/IEC専門業務用指針AnnexSL-Appendics2)の基づいて作成されています。
特徴といえる点は次の事項です。
@リスク及び機会の決定とその取組みの実施
AトップマネジメントによるOHSMSへの関与の強化
B労働者の協議及び参加

3.これまでの安全衛生活動との違いについて
基本的にはこれまで実施してきた労働安全衛生の活動を継続すること自体に変化はありませんが、マネジメントシステムですので、PDCAが確実に回る仕組みがあり、継続的に改善が図られているかが問題になります。計画した活動の進捗及び法令の順守状況をチェックし、その結果を分析・評価し、内部監査、経営者によるレビューを通して改善点を明確にし、次の活動に反映することで活動のスパイラルアップを目指します。
過去に厚労省指針として出されているマネジメントシステムはこの点(たとえばマネジメントレビュー、監視測定等)が弱いと思います。ISO45001で是非この辺を強化してほしいと思っています。
テクニカルな点では、前項の組織の状況、リスク及び機会の決定を如何に、現状の安全衛生の仕組みの中に組み込むかが重要です。

4.いかに運用するか。
ISO45001は第3者認証求められる規格ですが、認証をとることが目的ではなく、この規格を利用して、これまで以上のパフォーマンスを達成し組織の経営に寄与することが重要です。

2020年5月5日



2004.12.01 掲載文章の不許複製・無断転載を禁じます。